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ドクオの背骨
34
:
◆hmIR/WZ3dM
:2016/04/03(日) 21:26:24 ID:LBDXupdA0
( ^ω^)
(´・ω・`)
しばらくの間、ショボンもブーンも口を開かなかった。
水色のモディフィカ・スライムの肉片が飛び散った客室――磨かれた壁、調度品、異星のタペストリーなどに付着している――を、
掃除しようととする動きさえ見せなかった。各人、思うところがあり考え込んでいた。
( ^ω^)「ショボン」
(´・ω・`)「気持ちはわかりますよ。ブーンに命を握られ、私に拒絶されながらもあれだけの言葉が吐ける……
嘘っぱちの現実逃避や、中途半端な家での気持ちでは絶対にないですね。あれが今のドクオ殿の“背骨”なのでしょう」
(´・ω・`)「しかし、どうしても連れていけませんな。
チャンネルを支払って貰ったとしても、私達が脅した、手引したと言われるに違いないのですから」
( ^ω^)「……そうかお」
(´・ω・`)「“ここではない、どこかへ”」
(´・ω・`)「私達も、そうでしたからね。気持ちはわかります。
ですが、感情で重量を増やすわけにはいきません」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「それよりも……」
ショボンが部屋の隅に取り付けられたスピーカーに目線を送る。ノイズが聞こえた。
続いてソファー正面にあるスクリーン――ドクオの肉片がまだらに飛び散っている――の電源を入れると、乱れた映像が映った。
やがて周波数を合致させ終えたらしく、相手の姿がクリアに表示された。
軍服に身を包んだフッサール人――頭のてっぺんから足の爪先まで毛むくじゃらの、鋭い眼光を持つ種族だ。
余談であるが、余程親しい相手でないとほとんど彼らは見分けがつかない――が、スクリーンいっぱいに映しだされた。
すでに、ショボンとブーンを排除すべき対象とみなしているようで、
今にも画面から抜けだしてきて噛みつかんばかりに睨みつけている。
ミ,,゚Д゚彡『こちらは宇宙港管制塔。【天翔ける生の証】号よ。
貴船から我々が守護するモディフィカ・スライムが半狂乱になって逃げ出してくるのを確認した』
(´・ω・`)「貴殿は誤解をしておられます。話を聞いて頂ければ円満に終わることを約束いたします」
ミ,,゚Д゚彡『言い訳は無用! いますぐに我々フッサールの精鋭が貴船に乗り込む。
手荒い真似をされたくなければ無駄な抵抗はしないことだ。例えホライゾンだろうと食いちぎるぞ』
( ;^ω^)「ヒエッ」
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