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おーぷん百物語情報保管室

22名無しさん:2015/09/27(日) 15:47:36
【候補1】
【前口上】

街は気怠い休み明けの空気を払いつつ
少しずつ日常へと回帰していく

ひそかに集まった語り部たちは
つまらぬ日常に背を向けて
百の蝋燭に火を灯す

非日常のかけらを追い
在り方を異にするものたちとの
ひと時の遭遇を待ちわびながら

容易く別れが叶うなどと
愚かな楽観にも自覚なく


【〆文】

百の灯火が消えてなお
冬の街に陽の光は未だ遠く

語り終えた語り部たちは
ただ沈黙にその身を置く

何人も決して耳を澄ましてはならない

この世ならぬ者の足音が
すぐ後ろにあることに気が付くから

暗闇は異形の棲み処
どうか気を付けて

そのまま闇に引き込まれぬように


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