きのことひじきとなかま達

52：名無しさん：2015/07/11(土) 08:34:29: 名前を呼ばれた気がして目を開けると、目の前で眠る黒が何か呟いた
「……て…」
全然聞き取れないが何か嫌な夢を見てるんだろうというのはわかった
苦しそうな表情してるな…どんな夢見てるんだ
手を伸ばして髪を撫でると、閉じた瞼が震えて涙が白い頬を伝う
泣く程の夢って何だ…というかやっぱり俺の名前呼んだよな
夢の中の俺はお前に何してんだ、泣かすなよ俺
お前の泣き顔も好きだけど、こんなふうに泣かすのは本意じゃないんだ
俺は髪から手を離し親指で涙を拭った
そのまま頬をそっと撫でてみる
泣きやめ…泣きやめ…
すると願いが通じたのか、黒の口角が上がって柔らかく微笑んだ
起きてるのかと思ったが、規則正しい寝息は続いている
ひとまずホッとして俺は頬に手を当てたまま、改めて寝顔を眺めた
手の平に収まる程の小さな顔
切れ長の目と形のいい鼻と密かにエロいと思ってる小さな唇が、絶妙に配置されてる
童顔なのも相まってたまに女と間違われる…本人は大激怒するが
思い出して俺は笑ってしまった
起きてる時も寝てる時も、こいつは色んな顔を見せてくれる
飽きないどころか深みに嵌る一方だ

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