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SSスレ「マーサー王物語-拳士たち」第三部

36 ◆V9ncA8v9YI:2021/10/19(火) 01:41:20

ここで気を失っていたはずのキシモンが目を覚ました。
額の大量出血と、リコに抱きかかえられている状況から全てを理解する。

「そうか、負けちゃったか……リコ、ごめん。」
「気にしないで。勧誘はどっちみち上手くいかないと思ってたし、戦闘も大人数相手によくやったよ。
 ここは一旦退いて、作戦を練り直そう?」
「せやな。2人が助けにきてくれて本当に助かったわ。」

キシモンが"2人"と発言したことに拳士たちは反応した。
助けに来た新手はリコだけのはず、そう思っていたのだが実際はそうではなかった。
よく目を凝らしてみればもう1人いる。
リコのすぐ後ろにピッタリと貼りついていたのだ。

「いつの間に?……いや、ひょっとして、最初からいたというの?」

アヤパンの推測通り、その少女はずっとリコの背後にくっついていた。
リコがゆっくり歩いた時も、"時間"のオーラを操作してメリハリのある動きをした時も、
少しも離れることなくリコのすぐ後ろをキープしていたのだ。
その行動の意味は理解しかねるが、拳士たちはその美人顔の女性に異様な恐怖心を抱いてしまう。
ヤツに近づけば、何かとんでもなく恐ろしいことが起きるような、そんな気がしてならないのである。
これでは追いたくても容易に接近することが出来ない。
いや、そもそも"時間"を自在に操るリコがいる時点で、逃げた椿姫を拳士が捕まえるなんて土台無理な話だった。

「じゃあキシモン、そろそろ帰ろうレッツゴー!」
「待って!!」

リコがこの場を離れようとしたところで拳士のリーダーアヤパンが声を荒げた。
待てと言われて待つ相手ではないと分かりながらも、どうしても確認したいことがあったのだ。

「椿姫って言ったっけ……あなた達の組織に、リサマルもいるの?」
「「「!」」」

キシモンも、リコも、そして背後に密着するもう一人も、例外なく驚いた顔をしていた。
リサマルという名前が出てきたことが予想外だったようだ。

「へぇ……リサマルの知り合いなんだ。そうだよ。リサマルは私たちの仲間だよ。」
「「!!」」

アヤパンとレイは雷にでも打たれたような顔をしていた。
信じたくなかった最悪のシナリオが現実となってしまったのだから無理もないだろう。

「リサマルはどこにっっ!!」
「え、どこにいるんだっけ、キシモン覚えてる?」
「リサマルの担当はモーニング帝国やろ。帝国剣士を内部から崩壊させるって言っとったやんか。
 助けてくれたのは有難いけどな、リコはリーダーなんやからもう少ししっかりせな。」
「ごめん……だって、リサマルの考えた作戦ってなんか難しいんだもん……」

"モーニング帝国"、"内部から崩壊"、"リサマルの考えた作戦"……
そのようなワードが飛び交ったため、アヤパンとレイはすっかり打ちのめされてしまった。
ノムがリコを見てショックを受けたように、友人リサマルの変わりっぷりに衝撃を受けているのだ。

「あらら、なんか言いすぎちゃったみたい。じゃあ今度こそ帰ろうっか。」

そう言うと椿姫の3人は光の如き速度で立ち去った。
心に大きな傷を負った拳士たちがリコの時間操作に対抗出来るはずもなく、みすみす逃がしてしまう。


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