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SSスレ「マーサー王物語-拳士たち」第三部

17 ◆V9ncA8v9YI:2021/10/09(土) 03:12:24

ユカニャが話していた新人"銃士"、ルル・ダンバラ・モミジクバルは汽車に乗って城へと向かっていた。
ここ数年で鉄道技術が発達し、いたるところに鉄道網が張り巡らされている。
これもユカニャ王が主導する「ふるさとの未来」というプロジェクトの一環で、
成長過程の企業の頑張りによって生活が豊かになっていっているのだ。

「とても便利な世の中になったんじゃ。
 そういえば最近、地下を走る汽車が出来るって噂を聞いたけど、本当にそんなこと出来るのかな?」

噂の審議はともかく、今ルルが乗っている汽車はとても速い。
この分なら半日後には城に到着することだろう。
やがて汽車は途中駅で停車し、乗客たちは次の発車までにしばしの休憩をとることになった。
海沿いの駅で潮風が心地よかったので、ルルは風に当たろうとした。

(えっ!?……この感じは……)

突如、海の方から強烈な殺気が発せられるのをルルは感じ取った。
厳しい鍛錬を積んできたルルは戦士の基本を心得ている。
先輩銃士らが苦労して修得した殺気の探知や制御も、ルルは自在に行うことが出来るのだ。

(敵か?……じゃったら、躊躇はせんけぇ……)

ルルは武器を片手に海岸へと走った。
向こうが狙ってきているのであれば黙ってはいられない。迎撃するまで。
そして砂浜に辿り着いたところでルルが目撃したのは、
刃渡り1mをも超える長い刀を持った女性の姿だった。
辺りには大量の血液が飛び散っており、彼女自身の衣服にも返り血がベッタリと貼りついている。
間違いない。この女性が、手に持つ刀で殺めたのだ。
しかも恐ろしいことに、独り言をブツブツと呟き続けている。

「まだ足りんき……もっと、もっと捌きたい……」

相手はどう考えても異常者だ。
やられる前にやるしかない。
そう思って先手必勝の精神で仕掛けようとしたルルだったが、
直前で何かに気づき、慌てて攻撃を取りやめる。

「あれ?……そういうこと?……」
「んっ?どちらさまですか?」
「あ、いや……失礼しました!」
「行っちゃった。変な人やき。」

彼女の殺気はルルに対して向けられたものではなかった。
勘違いを恥じたルルは、火照った顔を覆いながら駅へと駆けていく。


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