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ハロ異聞録ペルソナ
21
:
名無し募集中。。。
:2020/01/07(火) 23:53:44
校長室へ向かう途中、高橋新垣亀井道重そして保田の五人は共鳴を感じ取った。それも二つ。一つは遠いがもう一つは近い。
皆が自然と顔を見合わせる。
言葉を交わさずとも五人の意思は一致していた。
共鳴の元――ペルソナ使いを確かめようと。
ただ遠い方は保田の案で後回しということになった。まずは近い方へ。
道中、幸いにも悪魔に出くわすことはなかった。しかも共鳴は二階から。校長室があるのも二階なので好都合である。
そうして二階の職員用トイレの前まできて五人は足を止めた。
「ここだよね?」と最初に訊ねたのは道重だった。
保田が人差し指を口に当てる。できるだけ物音を立てるなということだろう。
中へ入っていくと個室のドアが一つだけ閉まっていた。
各自いつでもペルソナを発動できる準備を整える。
「なかにいるんでしょ」高橋が訊いた。返事はない。
亀井がノックをする。やはり返事がない。
しびれを切らしたのか新垣が思い切ってドアを開く。
すると少女が顔を伏せて泣いていた。靴からみて一年生だ。
「ねえ、あなた大丈夫?」亀井が声をかけると少女は首を横に振って言った。
「こないでください。あたし普通じゃない。みんながおかしくなって襲い掛かってきて、それで気付いたらわたし、みんなの事を……」
亀井がそっと肩に手を置いた。
「大丈夫、私達も同じだよ。不思議な力を使えるようになったんでしょ?」
驚くように少女の顔が五人を向いた。「みなさんも……?」
「ああ、そりゃあペルソナって言うんだよ」保田がこれまでの経緯を話す。
ついでに今日だけでこの説明何度目だろうと内心で呟いた。
「そ、そんなアニメや漫画みたいなことがあるんですね……」
少女――光井愛佳は未だに信じられないといった様子だ。
どうやら彼女はペルソナを発現させた時のことをあまり覚えていないらしく、その“力”の名前もよくわかっていないらしい。
保田はそこに引っ掛かりを覚えたが、事態が事態なのでとりあえずは先を急ぐことにした。
そうしてついに辿り着いた校長室の前で六人は立ち止まった。部屋の中から陽気なダンスミュージックが聴こえる。
思わず道重が訊いた。
「結局、ここに何があるんです?」
保田が言った。
「校長がいる」
モーニング女学院の校長はかなりの変わり者として有名だった。
まずはその見た目である。
髪は金に近い明るい茶色でしかも男性にしては長髪の部類であり、スーツもやたら洒落たものを着ている。一見するとホストクラブのオーナーにしか見えない。
当然それに合わせてぱっと見も若く、年齢は不詳。おそらく五〇近くなのではないかという噂だ。
校長になる前は物凄く高度なコンピュータープログラムの研究をしていたという噂もある。
何より奇妙なのは寺田光男という本名をもちながら、何故か生徒からも教師からも『つんく』と呼ばれているところだ。
校長室に入った六人はそんなつんく校長に迎えられた。
「ようここまで辿り着いたな。保田以外はダメかと思ったけど――まあ座りや」
外の殺伐とした空気とは打って変わって、異様なほど平和な空間に少女達は思わず戸惑ったが、保田だけは変わらずに事の経緯を話し始めた。
つんくはそれを部屋の中央奥に備えられた校長席に座りながら面白そうな顔で聞いている。
「あの、」とそこへ高橋が割って入った。
「今起こっているあれは何なんですか? 学校で何が起きてるんですか?」
「せやな。ここで起きてるのはやな」
それは受胎というらしい。
つんく曰く対象とそれを取り巻く空間の位相をズラす禁術とのことだった。
受胎の対象は所謂魔界や天界とも呼ばれる“異界”と重なることでその影響を大きく受ける。
アストラル的な構成の異界は人のアストラル体――つまり霊体や魂に影響を及ぼし、結果、人は悪魔化してしまうのだという。
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