したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

もしも牧野まりあんLOVEりんがブレードランナーだったら

6名無し募集中。。。:2018/03/18(日) 20:02:30
関がぐったりとなった。
哀れっぽいうめき声を発し、頭を横に転がしている。

真莉愛は身を引いて片膝をついた。
うしろによろけながら立ち上がり、壁にぶつかった。
「あなたは立たなくていい――」

テーブルに置いてあったブラスターを手に取った。
緊張で荒くなっていた息遣いが浅くなってくると、指から血が滴っていることに気づいた。
傷ついた肘を胸に抱えて、具合を調べる。

関が歯を食いしばりながら、どうにか片膝をつく。
ぐらぐらと揺れていたが持ち直したように立ち上がった。

「あんたたち新型は、こんな仕事に満足なのか?…」
関の声は、口いっぱいにビー玉を詰めこんでいるかのようにろれつがまわらず聞き取りづらかった。

真莉愛が黙っていると、関は耳障りな笑い声を発し、視界をはっきりさせようとまばたきした。
その顔は歪み、憎しみに歯をむいている。

しかし、どのような往生際の悪さを発揮したところで、避けがたい結末が待っていることは関にも真莉愛にも分かっていた。

関は総身の力を振り絞り、真莉愛に突進する。
真莉愛のブラスターから発射された銃弾が関の心臓をまっすぐに貫いた。

関はひざまずき、息も絶え絶えに真莉愛を見上げる。
真莉愛が感じていたのは勝利の喜びなどではない。哀れみだった。

死を目前にし、真莉愛を見上げる関の目に浮かんでいたのは怒りでも憤怒でも軽蔑でもなかったからだ。
その瞳に最期の瞬間に浮かんでいたもの、それは純粋で“人間的”な恐怖だけだった。

真莉愛は奇妙に凪いだ気持ちで、自らの血まみれの指を関の顔に運び、そっと目を閉じさせた。
長く、低く息を吐いてから、真莉愛はゆっくりと無線機を取り出す。
「こちら、まりあんLOVEりん」と告げた。

「重要度高のターゲット、タイムマシーン3号を確保。すみやかに回収を――」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板