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もしも牧野まりあんLOVEりんがブレードランナーだったら

15名無し募集中。。。:2018/03/21(水) 16:11:00
真莉愛は金に価値を見いだせたためしがない。
そもそも、大金が貯まるほどの金を稼いだことがなかった。

しかし貯金へのモチベーションを保つ目標があれば話は違ってくる。
オフィスで由加から一種のボーナスを与えられた真莉愛は、それなりの額の金が貯まったことに気づいた。

いつもコンピューター関連の付属品を買っている店に注文を入れた。
相応の割引をしてもらえる。真莉愛は費用をざっと計算してみた。
新製品は高価だが、いま使える現金でまかなえる。
出費を惜しむことのない買い物ができた。

買い物をすませて家に帰るころ、空が小さな雨粒を落としてくる。
湿った空気が顔に触れると真莉愛は爽快感を覚えた。

捜査本部長の秘書に提出するための報告書を完成させた真莉愛はなめらかなキーボードを撫でた。
ゆるいシニョンにまとめられていた髪をほどくと何度かキーを叩く。
頭上の照明がついて、ちぃが真莉愛の隣に腰かける。

「お仕事は終わった?」ちぃが尋ねた。真莉愛は微笑んだ。「プレゼントがあるの」
ちぃが驚いた顔をする。
「クリスマスじゃないし…記念日だっけ?」
真莉愛はクリスマスも記念日も祝ったことがなく、なんと応じればいいのか分からなかった。

怪訝な顔をした真莉愛の膝にちぃが片手を置いた。
「うれしいよ。えっと…早くちょうだい!」

真莉愛がポケットから黒い布製の袋を取り出す。
「これでいつも一緒にいられるよ」手のひらほどの長さの黒檀色の棒を差し出した。
ぴかぴか光る銀のボタンがついていて脇には“ちぃちゃん”と彫りこまれている。

この携帯用端末があれば一緒に外出できるのだ。
ちぃは身をすくめまいとしているように真莉愛を見つめた。
「気に入らない?…」真莉愛が尋ねた。
「最高!最高の気分!まりあちゃん、ありがとう!」ちぃは即座に言い返す。
そして、きれいな歯を見せてにっこり笑った。


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