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もしも牧野まりあんLOVEりんがブレードランナーだったら
14
:
名無し募集中。。。
:2018/03/21(水) 11:39:04
真莉愛は弱い風に髪をなびかせて歩道に上がった。
肘の鋭い痛みはもうない。少しずきずきはするが、肘の存在を意識する程度だ。
本部ビルの玄関までの21段の階段を早足でのぼる。
新鮮な空気を最後に吸い、ロビーに入っていく。人であふれていた。
空気を濁らせる煙草の煙と同じくらいの重みが場を覆っている。
真莉愛が点呼室の人混みをかき分けていくとき、誰も道を空けようとしなかった。
肩が真莉愛の肩にぶつかる。手が尻を撫でる。
真莉愛は無表情を保ってまっすぐ前を見ながら部屋の奥へ向かった。
「よう、お人形ちゃん」
真莉愛は行く手を阻むように立っている男の横をすり抜けた。
目的のオフィスに入ると、宮崎由加がコーヒーを淹れていた。
「もう大丈夫なの、まりあちゃん?」
由加は真莉愛の直属の上司である。仕立てのいい上品な格好のせいで、いわゆる捜査官には見えない。
朗らかなタヌキ顔をした由加を、たいていの人は見くびる。
だが、それは大きな間違いで、それもまた由加がいかに有能かという証拠でもあった。
「遅れてすみません」真莉愛が言った。
「もっとしょっちゅう遅刻してもかまわないくらいよ、まりあちゃんの仕事ぶりは」取りなすように由加が言う。
「たまにはデートするとか、服を買うとかしてもいいのよ」
由加は若いくせに、まるで孫の相手をするお婆さんのような口調だった。
真莉愛の人生にそういうことが起きる可能性はなく、それは由加も分かっている。
それでもこの手の一方的な会話を由加は幾度となく繰り返す。
人間である由加にとっては見過ごせないことなのかもしれない。
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