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もしもだーさくこと石田亜佑美と小田さくらが賞金稼ぎコンビだったら

9名無し募集中。。。:2016/03/20(日) 20:02:16
車体を傾けて走るバンが目視できる距離になった。
ターボクルーザーはバンを追ってぐんぐん近づいた。

そのとき、バンはスピードを落としはじめた。
ツイン・タービン車を振り切るのは無理だと観念したのか。いや、そうではないだろう。

さくらはM16自動小銃を構えた。首筋の後ろの毛が震えた気がした。
亜佑美は依然としてアクセルを目一杯踏みこんでいる。
「スピードを落としてください」と、さくら。
「なんでよ?連中に追いつきかけてるのに」と、亜佑美。

さくらは鋭い一瞥を亜佑美に向けた。
亜佑美は顔に平手打ちを食ったかのように、言われたとおりにした。

次の瞬間、バンの後部ドアが蹴り開けられ、ロケット推進式の擲弾が発射された。
バンの後方に煙が充満し、疾走してくるクルーザーがまったく見えなくなった。
その煙の中で無法者たちは目をパチクリさせた。
当然、フロントガラスが砕け散ったはずなのに、その音が聞こえない。
タイヤのきしむ音もない。ずたずたになった人間の肉片も見あたらない。

やがて徐々に煙が消散した。無法者一味は、まじまじとバンの後方を見つめた。
いるはずのターボクルーザーがいない。街路があるだけで、何もない。
「おい、あそこに追跡してくる車がいるって言ったよな」
「もちろんいたぜ。俺はこの目で見たんだ」

突然、ターボクルーザーが姿を現した。
街路の右側にある歩道から飛びでてきて、後部ドアを開けたままのバンの傍らを追い越していく。

さくらは、白色のバンに銃弾を射ちこみ、亜佑美はハンドルを握ったまま歯を食いしばった。
反撃に連射されてきた銃弾に、ふたりは本能的に頭を下げて、ターボクルーザーをバンから引き離した。

「大丈夫?」亜佑美が叫んだ。
「大丈夫です」さくらは応えた。「ひとりは仕留めたと思います」

バンの後部席では、一味がパニック状態に陥っていた。
「あう、ちくしょう!やられた!!」
バンがターボクルーザーに再攻撃をかけた。すると相手はまたもや姿を消した。

「なんだ、あいつら!幽霊か!?」
ターボクルーザーがまたしても突然現れ、大量の弾丸がバンの側面に降り注いだ。

「やつら、またスピードをあげはじめました」さくらが言った。
「怖がってるんだよ」亜佑美の声には追う者の強みがあった。
言うなり亜佑美はアクセルを踏む足に力をこめ、さらにスピードをあげた。

しかし、さくらには、何かが気にかかっていた。
弾倉を装填しながら、片方の目でバンをじっと見つめた。
その疑念を亜佑美に伝えようとした瞬間、不安が現実となった。

バンの後部ドアが開いたかと思うと、一味のうちふたりの身体が悲鳴をあげて、自らの仲間たちの手で道路に投げだされた。

「くそ!」亜佑美が目を見張った。
大きな図体が空を切り、疾走するターボクルーザーめがけてぶつかってきた。


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