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もしもだーさくこと石田亜佑美と小田さくらが賞金稼ぎコンビだったら
12
:
名無し募集中。。。
:2016/03/21(月) 12:58:58
もうひとりの男も、警戒どころかマリファナを吹かして、イヤホンの音楽に合わせてかすかに身体を揺すっていた。
さくらは背後から近づいて、胸に2回ナイフを埋めこんでやった。
最後の息を吐き出す低い音と、気管に血が流れこんでごぼごぼいう音がした。
ふたりの男が片づけられるまで、ほとんど音らしい音はしなかった。
さくらは自分の手際に、満足の念を抱いた。
ちょっとでも悲鳴らしいものが聞こえたら、技術的観点からは推奨に価しないのである。
騒がしい殺しはさくらの流儀ではなかった。
さくらの耳に、死んだ男のイヤホンから洩れてくる音楽が聞こえた。
曲は、大ヒットしたアイドル・グループのものだった。
「…アイドルには気をつけて」さくらは死んだばかりの男にささやいた。
同じ頃、亜佑美はマリファナに酔っている男たちに銃を突きつけているところだった。
「動かないで」亜佑美は命じた。抑揚のない落ち着いた口調である。
ひとりがショットガンに飛びつこうとしたが、余裕がなかった。
男の胸に銃弾がぶちこまれた。しばらくもがいたが、やがて動かなくなった。
亜佑美は自分の両手が震えている事実を隠そうと努力した。
やむを得ない事態だとはいえ、人を殺す現実はどうにも気に入らない。
強引に身震いから自分の心を引き離した亜佑美は、残るひとりに警告した。
「手順は分かってるでしょ?」空いている片手を背後に伸ばして、手錠を引っ張りだす。
つかつかと進みでた亜佑美が男に手錠をかけようとした時、背後で何かがカチャンと音をたてた。
この上なく聞き慣れた音だった。
痩せこけた男が姿を現した。ショットガンの銃口を亜佑美の首に押しつけた。
「武器を捨てたらどうかね?お嬢さん」
亜佑美は歯ぎしりをしながら手をゆっくりとさげて、自動小銃を手放した。
男たちがニヤニヤとほくそ笑みながら言った。
「たったひとりでここへ乗りこんでくるとはたいしたもんだ」
「へっ、殺す前に楽しませてもらうぜ」
亜佑美は心の奥底でさくらの身を案じていた。もう殺されたんだろうか…。
次の瞬間、凄まじい音響と同時に痩せこけた男の頭がばらばらに消し飛んだ。
そして、もうひとりの男の腹に弾丸が射ちこまれた。
猛然と突き進んできたさくらは、喚き散らす男の頭も吹き飛ばすと、心配そうに亜佑美に向き直った。
「怪我はありませんか?」
後頭部が削げ落ちた男の死体につまずき、亜佑美はよろめいた。
まじまじとさくらを見つめ、ようやく言葉が口から発せられた。
「あ、うん、怪我はしてない、うん」
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