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お芋さんから始まる小説スレ
14
:
第9話 令嬢な娘。 (中編)
:2015/11/18(水) 21:23:08
浪花娘。と令嬢娘。の冷戦は昼を過ぎても続く…
いつのまにか令嬢娘の傍らには髪の長いシジミ目の少女も立っていた
いつもならはーちんの客寄せの掛け声で店は賑わしいのだがそれもなく店の前を闇市にはおよそ似つかわしくないお嬢様が店の前に立ち尽くしているので客足は殆んど無い
尾形(あいつどないなつもりや…いつまでおんねん!
このままじゃ不味い!
この売り上げでおやっさんが店閉めに来たら今度こそおしまいや…)
やむを得ず店の奥からフクちゃんの方に向かうはーちん
尾形「なっもうええやろ?昼過ぎやで…
飯食いに帰らんのか?お父はんお母はんが心配しとるで」
譜久村「わたくしの事は心配なさらないで♪
そうだわ♪里穂ちゃんランチタイムしよ♪」
鞘師「うん今持ってくる!」
里穂ちゃんと呼ばれた髪の長い少女は少し離れた所に駐車した車へと向かいランチの入ったバスケットと水筒を持って戻ってきた
鞘師「はいフクちゃん!食べよ♪」
鞘師がバスケットを開けるとカツサンドやハムサンドやフルーツ等が入っていた
尾形(なんやこれ…パンになんや挟んどる…
見た事もない果物もあるで
なんて食べ物なんやろ)
物珍しそうに見る尾形にフクちゃんが声を掛ける
譜久村「良かったらあなたも如何?」
尾形「あんたに食い物恵んでもらう謂われは無い!
それにこんな所で飯食うなんて行儀が悪いな!
あんたお嬢様ぶっとるけど成金の娘か?」
鞘師「おどれフクちゃんにいちゃもん付けるのはワシが許さんけんのぅ!
舐めとるとささらもさら(滅茶苦茶)にしちゃるぞ!」
譜久村「里穂ちゃん止めて!わたくし達はお願いに来てるのよ!」
尾形(このシジミ目広島者か…恐ろしくドスが効いとる
正直ちょっとビビってもうた…)
譜久村「ねっお願いの件は置いといて一緒に食べましょ」
尾形「いらん言うとるやろ!そんな事よりあんたのお願いは聞く気は微塵も無いから早よう帰ってや!!」
はーちんのキツい態度に思わず殴り掛かろうとするりほりほを制するフクちゃん
譜久村「わたくしお願い聞いて貰える迄は帰りませんわ♪」
はーちんは諦めてまた店の奥に引っ込みお弁当のお芋さん(半分)を食べる
(後編へ続く)
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