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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

681 ◆V9ncA8v9YI:2015/11/11(水) 12:56:41
サヤシが剣を振る直前、マーチャンは一歩だけ後退した。
目をやられたのも関係なく一定の距離をサヤシからとっていく。
この距離はサヤシの剣の射程とピッタリ一致。まるで機具を用いて測ったかのような正確さだ。
ゆえに、斬撃は当たるべき対象には届かず空を切る。

「……!!」

サヤシの攻撃を完全に避けたこともそうだが、
それを眼を使わずやってのけたことに立会い人マイミは驚いた。

「学習能力とか言うからアイリのような眼を持つと思ったが……驚いたな。
 あれは眼とか関係ない、生まれ持った才能なのか。」

アーリー・ザマシランの「相手の動きを見切る眼」のようなものを備えているのではなく、
マーチャンは全身の感覚をフル稼働させて新たなことを学習している。
ゆえに目が見えない状況下でも変わらず対応することが出来るのだ。

「サヤシすんひどいなー、やっと見えるようになったよ。」
「くっ!……じゃったら!」

目を封じても超学習能力は機能するということは分かったが、
そもそも目を潰されてパフォーマンスの落ちない人間なんてのは存在しない。
なのでサヤシはまたも地面を蹴って、マーチャンの目に破片を飛ばそうとした。
それが悪手であることも忘れるくらい、必死に。

「サヤシ駄目!憶えられてる!」

フクの声が聞こえるころには、マーチャンはサヤシの側へと踏み込んでいた。
そして極限まで接近しては、蹴りの軸足となる左足をギュウッと踏んづける。
マーチャンは決して重いほうではないが、全体重を一本の足にかけられて痛くない訳がない。

「あぁっ!」

激痛でサヤシが天を仰いでいる隙に、マーチャンはサヤシの腹に模擬刀をぶつけていく。
以前、ハルの武器は竹刀であるために模擬刀に持ち替えても弱体化しないという話をしたが、
このマーチャンだって、普段は木刀を愛用していた。
切れぬ剣という意味ではまったく同じだ。
普段と変わらぬ剣威でぶちまけられる斬撃は、並の精神力では耐えられないものだった。


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