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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

5 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/02(土) 12:25:38
「びっくりした、いつからそこにいたの?」
「最初からいましたよ、王が来るずっと前から。」
「え、そうだった?気づかなくてごめんね。」
「いえ、ずっとここに隠れてましたので無理もないですよ。」
「・・・??」

オダがいるのは障害物も何もない、むしろ日あたりの良いくらいに開けた場所だったのでサユは不思議に思う。
そして同時に(相変わらず変な子だなぁ)という感想を抱く。
オダ・プロジドリはQ期団団長のフクや、天気組団のハルと同じく研修生の出身であり、
卓越した実力を買われ、鳴り物入りで帝国剣士に加入したのだが
あまりにも独特な感性を持っているために、サユはどこか苦手に感じていた。
話している言葉の意味がたまに分からなくなるのだ。

「ていうか居るなら挨拶くらいしてよね、一応私も王なんだから」
「それはすいませんでした、でも・・・・・・」
「でも?」
「どうしても見ておきたかったんです。窓からさす光が、サユ王にどのように当たるのか」
「???」
「とても美しかったです。ありがとうございました。」
「は、はぁ・・・・・・どういたしまして。」

期待のホープですらこんな調子なのでサユ王の頭痛はますます酷くなっていく。
訓練場を離れ、王の間に戻っても眉間の皺が取れることはない。
あれこれ思索してみた結果、今の帝国剣士の実力がまだまだであるのも、自分勝手が過ぎるのも、
すべては「危機感が足りていない」ところに理由があるという結論を出すことが出来たのだが、
ではどのようにすれば彼女らに危機感を与えることが出来るのか・・・・・・その策を出すのがまた難しかった。

(一応あるにはあるけど・・・・・・少し危険な賭けではあるのよね)

サユが思いついたのは荒療治だった。
思惑通りにことが運ばなければ、死人が出る可能性のある危険な策である。
だがしかし、これからこの国を背負っていくモーニング帝国剣士たるもの、
それ程度の壁くらい軽々と乗り越えていってもらわなくては困るのだ。
この策を早速実行するために、サユ王は研修生の指導教官を呼びつける。

「ねぇちょっと、研修生に字の上手い子がいたでしょ・・・・・・あの子、ちょっと借りてもいいかな?」


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