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さゆえり「れいなはココが感じるの?w」5@新狼

336名無し募集中。。。:2014/09/23(火) 00:38:35
香音ちゃんの隠しきれないダイナマイト乳に興奮してしまったのか

ノd ´ー´リ<けしてはるなんに興奮したわけじゃない

337名無し募集中。。。:2014/09/30(火) 00:28:12
http://stat.ameba.jp/user_images/20140929/23/morningmusume-9ki/23/56/j/o0480064013082583698.jpg

撮影者:ノd*´ー´リ

338名無し募集中。。。:2014/09/30(火) 11:01:24
いい奥さんになるな

339名無し募集中。。。:2014/10/03(金) 13:46:42
http://youtu.be/KBxlr_Dn5rs
でもヘタレです

340名無し募集中。。。:2014/10/03(金) 18:53:11
かのんちゃん素で恥ずかしがってるw

341名無し募集中。。。:2014/10/03(金) 22:15:21
今日からコチラにお世話になります…
自分が書けないから本スレ落ちちゃうかも

342名無し募集中。。。:2014/10/03(金) 23:21:49
>>339
胸当たって嬉しがりすぎだろw

343名無し募集中。。。:2014/10/05(日) 14:41:44
あゆどぅーがNYで相部屋と聞いて

344名無し募集中。。。:2014/10/05(日) 22:21:52
本スレれなえりいいなぁ
最近はすっかりさゆれな派だったけどれなえりもイイ

345名無し募集中。。。:2014/10/05(日) 23:16:37
ちょっとどころではなく短いですが保全用に2レスほど
……となると本スレの方が良かったか?とも思いますが一応こちらに
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦のほどを……

346名無し募集中。。。:2014/10/05(日) 23:17:43
あ………まただ。
激しくてふんわりとした夢の中にいる今、また。
「香音ちゃん……」
里保ちゃんがあたしを呼ぶ声で、瞳を開ける。
そんなときは、決まって、里保ちゃんの顔が、息がかかるくらい、近くにあって。
いつもは絶対に見ることが無い切ない表情に、いつになっても慣れなくて、胸がドキドキする。
里保ちゃんの掌が、体中を這い回って、その手が触れたところから、アツい感触が広がっていく。
心臓がドキドキで張り裂けそうになって、脳ミソがアツさで沸騰しそうになって。
………こんなふうになるの、里保ちゃんと、だけなんだからね。

今日は、きっとこうなるんだろうな、って思ってた。

昨日、みんなで道重さんのところの別邸に行って、はしゃいで遊んだんだけど。
そこで里保ちゃんが甘えてきて、あっ、て思った瞬間に胸が当たって
「えへへ……当たっちゃったぁ」
なんて言われて、恥ずかしくなって里保ちゃんを振り払っちゃった。

お昼ごはんを食べてるときも、手を伸ばしてちょっかいを出してくるもんだから、適当にあしらってた。
そしたら、優樹ちゃんがトトト…って傍に来て、コロン、って膝枕で寝てきて。
おにぎりを食べながらそっと里保ちゃんを横目で見たら、ぷうっとほっぺたを膨らませてた。
優樹ちゃん相手じゃ文句言えない里保ちゃんが恨みがましい眼でこっちを睨んできたから、苦笑してそっと見詰めた。
そうしたら、ふいっと目線を切って向こうに寝返りを打った。

今日はたまたま休日出勤で、お父さんもお母さんも家には居ない。
そんなときに里保ちゃんが来て
「今日は飽きる程一緒に居るんじゃ!」
………そう言って、こうなっちゃったんだっけ………

今日は執拗に太股を撫でられてるような気がするけど、気の所為かな?
押し殺すような声も、どんどん高く、大きくなって来てるけど気にしない。
恥ずかしいけど、一緒に居るのは里保ちゃんだから。里保ちゃんにだけは、こういうあたしを見せても良いって思えるから。
里保ちゃんが飽きる迄で良いから、こうやって一緒に居てね……………。

347名無し募集中。。。:2014/10/05(日) 23:18:49
果ててから急いで後始末をして、香音ちゃんを見下ろした。
まだ息を弾ませているけど、温かい体が腕の中に居るのを見てホッとする。
情けないけど、この間のコトはちょっとだけトラウマになったみたいだ。
今も、香音ちゃんが腕の中に居るのをこの目でしっかり見るまでは不安で不安で堪らなかった。

本当は僕が膝枕で寝たかったんだけど、香音ちゃんの近くで寝るのが精一杯で。
だからぼやぼやしてるうちに、優樹ちゃんに膝枕を取られちゃった。
それもちょっとだけムッとしたけど、その後で道重さんが乱入してきたんだよなぁ。
膝枕が外れたのはホッとしたけど、香音ちゃんは邪魔にならないようにってどこかへ行ってしまった。

淋しい、何てもんじゃない。胸が痛くて、姿が見えないのが怖かったんだ。

だから、この雨の中、朝ごはんを食べ終わると同時に香音ちゃんの家に走った。
そして、濡れた服を脱ぎながら香音ちゃんに
「今日は飽きる程一緒に居るんじゃ!」
そう言って、呆れた顔をする香音ちゃんをぎゅっと抱き締めたんだ。
……香音ちゃんが拾って洗濯機に放り込んでくれた服は、もう乾燥も終わったんだろうな。
窓の外に広がる黄昏時の空が、ほんのりと色付いている。

香音ちゃんは、優しい。
誰にだって、本当に、優しい。
だから優樹ちゃんやどぅーや……みんなみんな甘えたくなるんだろうな、って思うけど。
香音ちゃんが、甘えてくるのは、僕だけが、良い。
他の誰もが見たことが無い香音ちゃんは、僕だけのものにしたい。
アツい吐息も、潤む瞳も。
しっとりと掌に吸い付いてくる肌の感触も、必死で僕にしがみついてくる掌の感触も。
そして、僕の名前を呼ぶ、いつもよりトーンの高い掠れ声も。

無意識のまま、僕の胸に頬擦りをしてきたのを見て、布団をそっとふたりの体に掛けた。
そして、布団の下でもう一度奏音ちゃんを抱きしめ直した。
飽きる程一緒に居よう、なんて言ったけど、さ。
僕は、死ぬまで、ううん、死んでも、香音ちゃんに飽きるなんて出来っこないよ……………。

348名無し募集中。。。:2014/10/05(日) 23:19:59
以上になります
他愛もなく色気もない妄想で申し訳ありません……

349名無し募集中。。。:2014/10/05(日) 23:51:27
アツアツでええねえ

350名無し募集中。。。:2014/10/06(月) 03:53:32
本スレにも転載して欲しい

351名無し募集中。。。:2014/10/06(月) 04:07:01
また新作が読める幸せ
Dマガとリンクしてていいなw

>>350
行ってきます

352名無し募集中。。。:2014/10/06(月) 06:57:37
マガ63はいろんなCPの>>346-348みたいのができそうだね

353名無し募集中。。。:2014/10/10(金) 22:59:07
ノd ´ー´リ<香音ちゃんのおっぱいは僕だけのものじゃったのに…

http://www.hello-online.org/res/picboardimg/201410/img20141008215818648.jpg

354名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 01:53:11
猿くらってしまいました転載お願いします><





以上です
リアルさゆの休業はまだ先ですがIfさゆでフライングしてしまいました
専業主婦になって時間を持て余す嫁さゆの話も書いてみたいなー

そして一旦我々がさゆと過ごせる時間も残りわずかですが精一杯楽しみたいものですね
ってことで感想待ってます!(避難所の方もね^^)


ではまたの機会に…



執筆BGM : Pharrell Williams - Happy
http://www.youtube.com/watch?v=y6Sxv-sUYtM

355名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 09:46:07
>>346-348
の鞘香を見た直後に思い出した曲があったので貼ります。凄く鞘香と鈴里にあってると思う。
北海道民は聴いたことあるかも?笑
backnumber 日曜日
http://youtu.be/BdEXltVrndM

356名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:35:34
えーと……お久し振りのあゆどぅー話など……
こいつらもそろそろどうにかしないといけないかなと……とか言いつつ終わってませんが
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦の程を……

357名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:36:33
佐藤君は、ぷうっと頬を膨らませてそっぽを向いている。
さくらは、そんな佐藤君を見ながら、時折ちらちらと工藤君に、涙を含んだ非難めいた眼差しを向ける。
優しくて、それでもどこか悲しげな瞳で、工藤君の前に座っているのは春菜だ。
そして……当の工藤君は、僅かに怒りを堪えながらも所在無げな眼つきで腰を下ろしている。

ガタン!

不意に、空気が動いた。
「どうすれば良かったんだよぉっ!!」
椅子を蹴飛ばしながら吠える工藤君の声は、虚しく大気に溶けていった。
そして………。
いつもならば、そんな工藤君をなだめてくれる亜佑美は、ここには、居ない。

亜佑美の学年ともなると、男子も女子も異性を意識し始めるお年頃だ。
その所為なのだろう。ボツボツとカップルが誕生してきているのは。
「ねぇ、亜佑美ぃ」
「んー?」
亜佑美に声を掛けてきたのは、そんな風潮に乗ったか乗らずか、最近彼氏が出来たクラスメイトのひとりだった。
「あのさぁ、アンタ、恋愛とかに興味無い?」
「んーと、まだ考えたこと無いなぁ」
「えー?何で??」
「あたし、まだお子ちゃまだから、じゃない?」
「そんなぁ。勿体無いよぉ」
「……って、自分に彼氏が出来たからってねぇ」
亜佑美は呆れ顔をする。
浮かれた彼女が事ある毎に彼氏ののろけ話をしていることは、クラスでも持ちきりの話題だった。
そして、その話はクラス中が適当にあしらっているのも周知の事実で。
だから、という訳に他ならないのだが、彼女は、クラスの女子に彼氏の友人達を紹介しまくっていたのだ。
(だからって、あたしにそーゆー話を振られてもなぁ……)

358名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:37:21
「ねぇ、何でみんなそんな風に言うのよぉ」
「みんなは解んないけどさぁ、あたしはまだそーゆーの早い気がするんだよね」
「でもさ、亜佑美可愛いじゃん」
「そう?ありがと」
心なしかドヤる亜佑美を見て、苦笑しながら
「あのね」
「何?」
「この間さぁ、校外学習に行ったじゃん?」
「うん」
「あの時の写真をさぁ、彼んトコ持ってったんだよね」
「……はぁ」
「したらさ、ちょうど来てた彼のトモダチがアンタに興味持ったんだわ」
「へ?」
「んで、紹介してくれって言われちゃってさぁ」
「はい?」
「だからさぁ、今度会ってやってくんないかなぁ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!そんな話、勝手に……」
「いーじゃん、別に」
「良くないよ!」

荒げた声の大きさに、亜佑美自身が驚いた。
が、相手は意にも介さず
「そんなに怒ることないじゃぁん」
「別に、怒ってなんか……」
「あれ?それとも、もう付き合ってるひととか居る?」
「い、いや、特には……」
亜佑美の脳裏をほんの一瞬だけ掠めたのは他ならぬ工藤君だが、そういう対象にするにはまだ早過ぎるだろう。
そもそも彼が異性を意識しているとは、亜佑美にはまだ思えない。
「じゃ、決まりね!今度の土曜日、開けといて」
「ど、土曜日?」
「そ、忘れないでよね」
言い捨てて自分の席に戻る彼女の背中を、亜佑美は茫然と見詰めていた。

359名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:38:10
重なるときには、物事は重なるものだということを、亜佑美は身をもって知った。

その日の昼休みに
「亜佑美ぃ」
「……今度は何?」
「アンタに用事があるって子が来てるんだけど」
「あたしに?何だろ」

教室の入り口には、知らない下級生の女の子が立っていた。
「えっと、あたしに何か用?」
「ええ。石田さんですよね?」
「そうだけど?」
「ちょっと、付き合ってくれませんか?」
と、連れてこられたのは、北校舎の裏だった。
何時だっただろうか?リックに嫉妬した鞘師君がここで踊り狂っていたのは。

……と、それはさておき。

険しい顔をして振り返る彼女を、亜佑美は目を丸くして見詰めた。
「ど、どうしたのかな?そんな怖い顔して」
きつく口を引き結び、しばらく黙って亜佑美を見ていた彼女だったが、ようやく口を開いた。
「はっきり言います」
「は、はい」
「工藤君に近付かないでください!」
「……………は?」
思いもかけない言葉に、ポカンとした亜佑美は、目を丸くして間抜けな声で答える。
「ふざけてるんですか!その言い方!!」
「い、いや、そんなことは無いけど……」
「じゃ、何なんですか?!」
「……ってか、何の事だか……」
「今言ったとおりです!工藤君はあたしのカレですから!」
「ええーーーっ!!!」

360名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:39:15
話をしながら激昂している彼女の顔は、だんだん歪んできている。
(悪いけどこのコに角付ければ鬼の面が出来そうだなぁ……)
余りにも予想外の話に、亜佑美の思考は明後日の方に向いていた。
そんな亜佑美の頭の中を知ってか知らずか、彼女は言葉を続ける。
「アタシ、工藤君のカノジョになったんです!」
「……はぁ」
「デートの約束だってしたんです!」
「……はい」
「それ、立派なカノジョになったってことでしょ!」
「えーと……」
「なのに何で工藤君からアンタの話なんか聞かなきゃいけないのよ?!」
「うーん……」
「帰りだって、一緒に帰ろうとしてもアンタのトコに行っちゃうなんて……」
「あー……」

「アタシ、アンタより可愛い自信あります!」
「あ、そう……」
「アンタみたいなオバサンが、工藤君を縛るなんてかわいそうでしょ!」
「……」
「工藤君には、アタシみたいな同い年の若いコがふさわしいのよ!」
興奮のあまり、彼女は亜佑美に失礼な言葉を吐く。
が、亜佑美は、混乱した思考のまま、その言葉に怒ることさえ思いつかない。

「だからもう工藤君には近付かないで!」
「……」
「アタシ達にとって、迷惑だわ!!」
「……あのー、はるなんとかまーちゃんとかさくらちゃんと話すのも?」
「当たり前じゃない!愛し合ってるアタシ達の邪魔しないでよ!!!」
そう言い捨てて、彼女はくるりと踵を返した。
興奮のあまり泣きじゃくりながら走り去る彼女の背中を、亜佑美はまたもや茫然と見詰めていた。
(そう言えばこんな風に人の背中を見るの、今日2回目だっけ………)

361名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:40:15
その日の放課後、いつものように教室に着た工藤君に、亜佑美は尋ねた。
「あのさ、どぅー」
「ん?」
「何か今度お出かけするんだって?」
「お出かけ?」
「そう。同じクラスのコ?」
「……あぁ、アレか」
「アレって?」
「土曜日にさぁ、聖地巡礼すんだよ」
「聖地、巡礼?」
「おう。ラブライブの聖地がアキバにあっからよぉ」
「ふ、ふーん」
「隣のクラスの女とよぉ、行くことになったんだよ」
「そ……」
「アイツの兄貴が行ったことあるってんで、行き方とか聞いてさぁ」
「……」
「でさぁ、穂乃果ん家のモデルの汁粉屋が土曜日しか……」
「……」
「あゆみ?」

そこでニブい工藤君も漸く気が付いた。
亜佑美が、ずっと俯いていて返事もしなくなったことを。
俯いている所為で、表情もまるっきり見えない。
何だか、雰囲気も、暗い。
「なぁ、あゆみ?」
「……何?」
「いや、どうしたのかな、って……」
「何が?」
「……ってか、オレ、何か、した?」
「別に、何も?」
「だって……」
……………工藤君は、とうとう、それ以上そのことについて口に出来なかった。

362名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:41:58
押し黙ってはいたものの、しばらく経ってからようやく、工藤君はここに来た用件を思い出した。
「ところでさ、あゆみ」
「何?」
「土曜日さ、午後からはるなんトコ行くよな?」
「はるなんのトコ?」
「そ。オープニングパーティーのケーキの試食だってよ」
「どぅーは、お出かけじゃないの?」
「そんなに時間かかんねーし。午前中ちょっとで終わんだろ」
「……それじゃ、可哀想じゃない?」
「何で?」
「ちゃんと付き合ってあげなよ。凄く楽しみにしてるんじゃないの?」
「は?」
キョトンとした工藤君の顔を見れば察しがつきそうなものだが、俯いたままの亜佑美にそれが分かる筈も無い。
「なぁ、あゆみも行こうぜ」
「ごめん、無理」
「何で?」
「あたしも、用があるんだ」
「何だよ。つまんねーな」
口を尖らせる工藤君の顔も見ずに、亜佑美は黙って教室を出た。
工藤君は慌てて引き留めようとしたが、何物をも拒絶するような亜佑美の後姿に気圧され、言葉を発することも出来なかった。

廊下を歩きながら、亜佑美は思った。

とうとう女の子を意識するようになったんだね……。
あんなに可愛いコが近くに居ればそりゃ好きにだってなるよね……。
やっぱり年上よりも同い年か年下のコの方が良いよね……。
あたしも自意識過剰だったんだよね……。
どうしてどぅーがあたしを見てくれてるなんて思っちゃったんだろ……。
あ、あれ?
何でこんなに体中が痛いんだろ?
特に心臓が、ギュウギュウ締め付けられるように痛いよ………。

363名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:42:50
何時になく遠慮がちなノックに、春菜もクラスの友達もそれが亜佑美だとは気付かなかった。
「はるなん?」
「え……?あゆみん??」
「ん……ちょっと」
真っ青な顔をした亜佑美を、春菜は急いで席に誘った。
数人残っていたクラスメイトも、慌てて荷物をまとめて帰り、ふたりだけが教室に残された。

「どうしたの?酷い顔色だけど。具合でも悪い?」
「……何でもない」
「だって……」
「それよりさ……どぅーから聞いたんだけどさ、土曜日のこと。ごめん、あたし、行けないや」
「……用事でもあった?」
「クラスのコがさ、彼氏紹介してくれるって」
亜佑美の意外な言葉に、滅多に無いことながら、春菜が凍り付いた。
「か、彼氏、って……。それこそどぅーは?」
「午前中、デートだって、さ」
「で、デートぉ?!」
素っ頓狂な声を上げた後、慌てて辺りを見回し、声を潜める。
「あ、相手のコは?」
「隣のクラスのコだって。今日、昼休みに会った。どぅーに近付くな、ってさ」
「どぅーとは?ちゃんと話、したの?」
「先刻、ね」
椅子を並べて座っていた春菜の肩に、亜佑美は、そっともたれた。
「喜んであげようよ」
「……え?」
「あのどぅーが、やっと女のコ意識して、好きになったんだよ」
「……」
「ね、はるなん」
「何?」
「今日、寒い、ね………」
春菜のブラウスに熱いものが滲んでは冷えていく。
春菜は、亜佑美にそっと腕を回し、優しく抱き締めた。

364名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:43:38
翌日の放課後。
その日一日中、何故か不機嫌だった佐藤君は、帰りのHRが終わるとすぐに席を立った。
そのままむんずと工藤君の腕を掴んで歩き出す。
「ちょ、まーちゃん!何すんだよ!!」
佐藤君は何も言わず、怒ったような顔をして、工藤君の腕を掴んだままずんずんと歩く。
ふたりの後ろを、3人の鞄を抱えたさくらが続く。

3人がそのままやって来た(工藤君は連れてこられた)のは、春菜の教室だった。
工藤君は、訳も分からずに示された椅子に座る。
春菜は工藤君と向かい合って座り、少し離れた席に佐藤君とさくらが並ぶようにして座る。
「ね、どぅー」
「何だよ」
「土曜日、デートなんだって?」
「デートぉ?誰が??」
「あゆみんに聞いたんだけど、どぅーが」
「お、オレ?」
「お出かけするんでしょ?女の子とふたりで」
「あ、アキバ行くけど……」

口籠る工藤君に、佐藤君が叫ぶ。
「どぅー、あゆみんどーすんの!」
「な、何であゆみ……」
「どぅーのこと、あんなに待っててくれたんだよ!」
「ま、待ってて、って何をだよ?」
「どぅーなんてもう知らない!」
そう叫んで、佐藤君はプイッとそっぽを向いた。
「お、おい、まーちゃん!」
「どぅーとはもう一生口きかない!」
膨れっ面の佐藤君を見て、工藤君は益々困惑する。
オレ、一体、何をしたんだ?

365名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:44:41
さくらが、おずおずと口を開く。
「工藤さん、お出かけするコって、隣のクラスの……」
「そうだけど?」
「あのコ、ストーカーみたいに工藤さんのこと追っかけまわして、もうカノジョ気取りだって知ってました?」
初めて聞く話に、工藤君はポカンとする。
「は?そんなの知らねーし」
「確か昨日は工藤さんに付いてる“悪いムシ”やっつけに行く、って言ってました」
「何だよ、それ?」
「それ……まさか……石田さんのことじゃ無いですよね」
「オレに聞くなよ!知らねーっつの!」
「私も前に工藤さんと話すなって言われました」
「え?」
「そのとき……『あんたみたいなブスが工藤君と話すと工藤君が汚れちゃうでしょ!』って……」
「ちょっと待って!さくらちゃんそんなこと言われたの?」
「はい……」
「どうしてまさに言わないの?!」
「だ、黙ってれば、良いかな、って……」
「こんなに可愛い子に何てこと言うの!さくらちゃんもちゃんと言わなきゃダメでしょ!もう、まさ、今から……」
「まーちゃん!」

収拾がつかなくなりかけた佐藤君を制して、春菜が、静かに口を開いた。
「で、どうしてそのコと行くことになったの?」
「だ、だって、場所覚えて、あゆみも連れて行こうかと思って…あ、ま、まーちゃんとはるなんとさくらちゃんも……」
「折角だけど、もう無理じゃない?」
「ど、どうして?」
「あゆみん、土曜日は彼氏紹介して貰うって、言ってたよ」
「で、でも、みんなで遊びに行くことくらい……」
「彼氏が居るのに他の男のひとと遊ぶの?」
「だ、ダメ、なのか?」
「それが良いと思ってるのはこの世にどぅーひとりだけかもね」
「……」

366名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:45:27
言葉に詰まった工藤君に、残酷なほど優しく、春菜は言った。
「あゆみん、泣いてた」
「……」
「多分、紹介された人と付き合うことになるでしょうね」
「……」
「もう、二度と、お話も出来ないかもね」
「ど、どうして?」
「……やっぱり、気付いて無かったんだ」
「何に?」
「私が言うことじゃ無いけど、あゆみんの気持ち」
「……あゆみの?」
「そう。もう、これ以上は、今までどおり“トモダチ”を続けるの、辛いんじゃない?」
「どういうコトだよ!」
「そうやって、一生自分の気持ちに気付かないフリして蓋をしてなさい。これ以上誰も傷付かないようにね」
工藤君の胸に、春菜の穏やかな口調が刃のように突き刺さる。
「じゃ…じゃあ……」
言葉に出来ない思いを込めて、工藤君は、ガタン、と椅子を蹴った。
「どうすれば良かったんだよぉっ!!」
誰からも、答えは、無かった。
椅子を蹴飛ばしながら吠える工藤君の声は、虚しく大気に溶けていった……。

その日の夜。
工藤君は、夕食もそこそこに、自分の部屋に篭った。
引き出しから取り出したのは、いつぞやみちしげ君から貰った亜佑美のDVD。
それをパソコンにセットし、笑顔でダンスをする亜佑美を、繰り返し、眺める。
「……あ、あれ?画面、曇ってんじゃん」
独りごちながら、机に置いてある不織布を掴み、パソコンの画面をゴシゴシと擦る。
画面は、何時まで経っても滲んで見えた。
ボロボロと流れ落ちる涙だけは、どうしても認めるのが、嫌だった。


小石のように(前篇)       了

367名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 15:47:10
以上になります
色気皆無なこいつらの長ったらしい妄想で申し訳ありません
さて…これから落としどころを探してみるとしましょうか………

368名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 17:03:36
あゆみん……(T^T)

369名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 17:27:10
あゆみん…後ろからぎゅっとしたい

そして相変わらず、佐藤君がしれっとカッコいい…(//∇//)

370名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 18:39:22
わた鈍でも行けそうな二人ね

371名無し募集中。。。:2014/10/11(土) 21:33:15
本スレ転載希望

ってかまだ住人いたんだねw
もう3人ぐらいしか残ってないと思った^^;

372名無し募集中。。。:2014/10/12(日) 03:08:52
無視って辛いな

373名無し募集中。。。:2014/10/12(日) 04:46:30
巻き添え規制食らってるから出来んのよね

374名無し募集中。。。:2014/10/12(日) 07:18:10
最後の最後に書けなくなったorz

375名無し募集中。。。:2014/10/12(日) 07:30:40
なんとか最後まで転載完了
iPhoneの規制解除されてたんだなw

376名無し募集中。。。:2014/10/12(日) 12:14:48
ありがとう

377名無し募集中。。。:2014/10/13(月) 19:08:21
鞘師君と香音ちゃんかな
http://i.imgur.com/TVK7COI.gif

378名無し募集中。。。:2014/10/14(火) 10:21:01
http://i.imgur.com/oBkawt1.jpg
エロ師君ですね

379名無し募集中。。。:2014/10/14(火) 11:17:10
ノd*´ー´リ<香音ちゃん、それより僕のSAUSAGEをじゃなハァハァ

   っ;

380名無し募集中。。。:2014/10/14(火) 17:37:34
そんなエロ師君の後ろには黒いセダン…中からは、なにやら不穏な視線…



ノd*■ 。.■)<りほりほのソーセージ…ハァハァ

( ;■_■)……

381名無し募集中。。。:2014/10/15(水) 01:55:52
何か変態シゲ久々に見たなw

382名無し募集中。。。:2014/10/17(金) 23:17:28
第三夜ってこないのかなぁ
http://www25.tok2.com/home2/ojcql/up/src/maturi53_3876.jpg

383名無し募集中。。。:2014/10/18(土) 00:13:24
ノノ*^ー^)<毎度あり〜wさーて美味しいものでも食べよっかw
从;` -´)<でもそれって犯罪やないと?
从*^ 。.^)<さゆみにもおごって〜w
从;` ロ´)<おい警察官!



って本スレに書き込もうと思ったらスマホ規制された…

384名無し募集中。。。:2014/10/18(土) 18:18:38
クロさーん!次スレの用意をーー!!

385名無し募集中。。。:2014/10/18(土) 20:40:15
鞘師君と香音ちゃんを映画化してほし


386名無し募集中。。。:2014/10/19(日) 00:41:59
( ■_■)<新スレの用意が出来ました

387名無し募集中。。。:2014/10/19(日) 01:08:07
クロさんありがとう!

388名無し募集中。。。:2014/10/19(日) 10:54:11
さゆえり「れいなはココが感じるの?w」71
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1413646604/

389名無し募集中。。。:2014/10/19(日) 23:58:13
クロさん新スレありがとうございます
では新スレ祝いに軽めのものなどひとつ
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦の程を……

390名無し募集中。。。:2014/10/19(日) 23:59:37
足音荒く教室を出る佐藤君とそれに慌てて続くさくら。
それと心持ちうな垂れて歩く工藤君を見ながら、春菜はそっと溜息を吐いた。

どぅー、本当にちゃんと“目覚めて”くれるときが来るのかなぁ……。
あのコだってあゆみんのこと意識してるの分かるのに……。
……………あ、でも、もしかして私の勘違いなのかな?
それだったら悪いこと言っちゃったかも……。
それに、もしそうだったらまーちゃんに何て言ったら良いのかな?
あのコも激昂しやすいトコあるしねぇ……。
ま、あのコにはさくらちゃんが付いててくれるからその点は安心だけど。
さすがにあのふたりがあんなにイイ感じになるなんて思わなかったしなぁ……。

そこまで思いながら出た微苦笑が、ふっと、春菜の口元から消える。

じゃあ、私は?


春菜とて、クラスメイトの恋愛事情が会話に出ることは、まま、ある。
友人達の彼氏の話を聞きながら、それを羨んだことは1度や2度では無い。
好きなひとの話を、誰はばかることなく堂々と出来るクラスメイトの友人達。
それを聞いて、笑い転げたり真剣に聞き入ったりしている自分も嫌いでは無い。
……でも、春菜がその話に加わることが出来る機会は、生涯、無い。

10歳のときに経営者としての教育を施されるようになってから、それと覚悟していたことだった。
だからこそ、中学生の頃に、名門と呼ばれるお嬢様学校での会話が辛かった。
あの頃のクラスメイト達は、良家と呼ばれる家の者や、財を成した家の者ばかりだった。
だから、中学生にして、既にまだ見ぬ婚約者を持つ者が大多数を占めていたのだ。

あの頃の話は、今のクラスメイト達のような微笑ましい話では無い。
見も知らぬ相手の家柄を、財産を、誇らしげに語り、陰では他の者達の相手をそしる。
運がいいのか悪いのか、春菜の場合、野心を持つ父が早々に婚約者を決めることはしなかった。
それ故にか、表だって、あるいは陰で、新興の家を蔑まれることが多かった。

391名無し募集中。。。:2014/10/20(月) 00:00:56
ここは、歪んでいる。
そう思う自分が、ここでは異端なのも分かっていた。
………でも、この場に馴染んでしまい、自分の家を、両親を、恥じることなど春菜には出来なかった。

エスカレーター式にこの狭い世界に閉じこもるのを嫌い、今の学校への進学を決めたのは、それに対する反発だったろう。
自分の我儘に、それでも応えてくれた父には感謝しなければならないと思う。
それでも、自分の歩くべき道が既に決まっていることは事実だ。
……そしてそれを避ける術が無いことも、また、事実だ。

確かに自分の心の中にはひとりのひとが住んでいる。
それもまた、疑いようもない事実。
しかし、そのひとと添えることなど考えられる筈も無い。
そのひとの恋愛対象が同性である以上、異性である春菜にその感情が向けられることは無い。
そのひとの家柄が手の届くものでないことすら、今の春菜には分かる。
そのひとは、恐らく、生涯添えぬひとにその心を捧げ続けるのだろう。
そのひとは、恐らく、自らが手放した狭い世界の中から添い遂げるひとを選ぶのだろう……。


ポンポン

「なぁーに黄昏てんのよ!アンタらしくもない」
「道重さん………」

振り向くと、英語のテキストを丸めて持ち、呆れ顔で立っているみちしげ君がそこに居た。
グルグルと回る暗い思考から抜け出せずにいる春菜は、ぼんやりとみちしげ君を見ていた。
「何見てんのよ」
「いえ……」
「あ、もしかして、さゆみの美しい顔に見とれてた?」
「はい……」
「……今日はやけに素直じゃない」
手近な椅子を引き寄せて、みちしげ君は腰を下ろす。
傍の机に寄りかかり、みちしげ君は、言葉を繋いだ。

392名無し募集中。。。:2014/10/20(月) 00:01:54
「大丈夫よ」
「……え?」
「あんたの見立ては間違ってないから」
「……?」
「工藤と石田のことは、あとは本人達に任せても大丈夫だから」
「でも……」

「アンタの人を見る目は、確かだから」
その言葉を発したみちしげ君は、真剣な顔で、春菜の眼を見詰めた。
その眼の光に、思わず、ドキッとする。
「このさゆみが言ってんのよ」
「あの……?」
「ウチと比べて、ろくに英才教育も受けてないのにアンタの眼力はさゆみと変わんないんだからねぇ……」
「……」
「おかげで、ウチに傷が付かなかったこともあったし」

春菜は驚いてみちしげ君を見た。
「そ、そんな、こと………」
「この間のさ、ヴェローナ伯爵のパーティーのこと、覚えてる?」
「はい」
「そのときエスコートの候補に幾つかの家の名前を上げたでしょ?」
もはや春菜は返事も出来ず、みちしげ君を見詰めている。
一体、何を言おうとしているのだろう?

「あのときに上げた家が危なっかしいのはさゆみも見えてたんだけど確信が無くてね」
「はあ……」
「アンタの言葉で確信が持てたんで、お爺様とお父様に相談したの」
「はい……」
「結果的に、この間の失敗に巻き込まれなかったから孫会社を守れたわ」
“この間の失敗”というのは、○○家がさらなる投機の失敗によって外資に参入され、一角を買収された件だろう。
確かに、あれに巻き込まれていれば、道重財閥と言えども無傷では済まなかった筈だ。
飯窪のみならず道重が無事だったことに胸をなでおろした春菜だったが、今、何故、この話題が?

393名無し募集中。。。:2014/10/20(月) 00:03:20
「アンタの眼は、末恐ろしいくらい、稀有の眼よ」
「……」
「アンタが男だったら、飯窪を買収してでもウチにスカウトしてたくらいよ」
「……」
「だから、あのコ達のことも、アンタが見てるとおりだと思う」
「……」
「重くて、辛いだろうけど、胸を張りなさい。あのコ達のお姉さんとして」
「……」
「ベタベタされるのはともかく、話くらいなら聞いてあげるわよ」
「……う……ふっ……………」
「……ったく、これだから女はめんどくせーの」
そう言いながら、声を殺して泣く春菜の頭に乗せられた手の温もりを、忘れることなど出来はしないだろう………。


「さ、いい加減行かないと遅刻するわよ」
「あ……もうそんな時間ですか?」
「そ。それにしても、まさかアンタと今日のレッスンが被るなんてねぇ……」
「それよりも同じ英語の先生についていたことの方が驚きました」
「ま、需要が需要だしね」
「留学生の受験勉強特化、みたいなものですしね」

顔を見合わせて、ふたりほぼ同時に吹き出した。
「で、道重さんはやっぱりオックスフォードですか?」
「そうなるでしょうね。これ以上我儘は言えないし。アンタは?アメリカのどっか?」
「さすが道重さん、やっぱりご存じだったんですね!」
「アンタの親父があれだけアメリカに居ればね。嫌でも分かるでしょ?」
「……他の方々はお分かりになりませんでしたのに」
「そこはほら、さゆみだから」
「ええ!やっぱり道重さんは素晴らしいですから!」
「当然!……で?」
「エールは田舎町ですし、コロンビアかスタンフォードに決まると思います」
「経営も同時にさせようってこと?欲張りな親父ね」

394名無し募集中。。。:2014/10/20(月) 00:04:18
みちしげ君は、スッと中腰まで腰を落とし、手を春菜に差しのべた。
「さ、お嬢様、参りましょうか」
「まあ!お珍しいですね。道重さんがそんな冗談をなさるなんて」
「偶には、ね。それにアンタには実は借りがあるのよ」
「借り?」
「アンタが付きまとってくれるおかげで、ゴシップ誌のホモネタになることが防げてるんでね」
「そうなんですか?」
「そ。それに、見合いの写真からもここんトコ解放されてるし」
「それは私も同様です。道重さんがいらっしゃるおかげで、中学を卒業してから毎日のように届けられていた釣書が、この頃、ぴたりと」
「じゃ、もうしばらくはこのままでいた方がお互いのためかしら?」
「そうかもしれませんね」

春菜がのばした手を、みちしげ君がスッと取る。
フッと立ち上がり、教室のドアへと誘う。
「さ、冗談はここまでなの」
「これ以上は別のゴシップ誌に狙われることになりますしね」
「そうなの。絵里やりほりほにあらぬ誤解をされたくないし」
大股に歩きだすみちしげ君の背中を、ほんの僅かに足を速めて春菜が続いた。
ふたりの距離は、それぞれがそれぞれのリムジンに乗り込むまで、寸分も変わらなかった。



セカンド・エスコート       了

395名無し募集中。。。:2014/10/20(月) 00:07:06
以上になります
少々重めのネタだったり…で誠に申し訳ありません

396名無し募集中。。。:2014/10/20(月) 15:54:10
>>328
http://i.imgur.com/l7KNwno.jpg
http://i.imgur.com/DBQ1Hwg.jpg
イメージ

397名無し募集中。。。:2014/10/21(火) 17:33:12
香音ちゃんがあの日のときはお口でしてもらうんですねエロ師君

398名無し募集中。。。:2014/10/23(木) 22:36:20
http://i.imgur.com/kYlQsY9.jpg

399名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 14:50:41
工藤君ちょっと早いですがお誕生日おめでとうございます
落としどころは……まぁ……こんな感じで……
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦のほどを……

400名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 14:51:28
翌日の昼休み、工藤君は、土曜日に秋葉原の“聖地巡礼”に行く予定の女子生徒を呼び出した。
「ちょっと、聞きたいことがあんだけど」
「えぇー、なぁにぃ〜」
甘ったるい話し方が鼻につく。
「土曜日、アキバ行くって言ったじゃん」
「そぉ!今から楽しみだよねぇ~、お出かけ」
「……そこ、アキバの何処にあるんだ?」
「知らなぁい」

……………はぁ?

「し、知らないって……んじゃ、どうやって行くんだよ!お前の兄貴一緒に来てくれんのか?」
「えぇ〜、どうしてお兄ちゃんなんかが一緒に来るのよぉ?」
「“穂むら”の場所教えてくれるんだろ?確か前に行ったって……」
「あれは、ウ・ソ❤」
「な……」
「遥と一緒なのにあんなキモヲタが行くようなトコ行ってどうすんのよぉ」
「き、キモヲタ?」
〜〜〜余談ですが“竹むら”さんは老舗で落ち着いた佇まいの美味しいお汁粉屋さんです……〜〜〜

「みんなに聞かれてもいいようにっていうさぁ、遥とのデートの口実じゃん」
「で、デートだぁ?」
「そぉよぉ。愛し合ってるアタシと遥の……」
そう言いながら腕にしなだれかかってくる彼女に、文字通り、ゾワッと鳥肌が立つ。
工藤君は、思わずその体を振り払った。
「ちょっとぉ。照れることないじゃあん」
「照れてんじゃねぇ!気持ち悪りいんだよ!」
「まぁたまたぁ。そんな照れ屋さんなトコも……」
「いい加減にしろ!」
もともと興奮して声が大きくなってきてはいたが、あまりにもかみ合わない会話に、ついに工藤君はキレて怒鳴り付けた。
「ヤだぁ!こわぁ〜い」
「……っつうか、テメェ、騙したのかよ!」

401名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 14:52:18
「お出かけはホントだから良いじゃないよぉ」
「良くねぇよ!」
「そんなこと言わないでよぉ。お出かけもさぁ、アキバなんかよりもっとイイトコ行こうよぉ」
「ふざけんじゃねぇ!!」
憤然とした工藤君はくるりと振り向いてその場を去ろうとした。
が、彼女の次に発した言葉に、凍り付いて足を止めた。
「あの石田ってババアだったら、明日お兄ちゃんとデートよ」
もう一度工藤君は振り返り、彼女を見た。
ゾッとするような、周りを凍り付かせる笑みを浮かべて、彼女は言う。
「アタシがちゃぁんと遥に手ェ出すなって言っといたから安心して」
「……お前……あゆみに何を……」
「そしたらさぁ、即、お兄ちゃんってばトモダチからあのババア紹介されてんの」
「何だとぉ!」
「お兄ちゃん、ドーテーそつぎょーのチャンスだって言ってたわよ」
「な………」
「あんな尻軽女よりアタシの方がイイ女だってばぁ」
「テメェ!」

工藤君は思わず駆け寄り、胸倉を吊し上げた。
「あゆみは、あゆみはなぁ!!」
「待ちなさい!工藤!」
突然背後から掛けられた怒鳴り声に、工藤君は思わず振り向く。
「あんた、その拳で何する気なの?!」
言われて、工藤君は自分の右手に気が付いて愕然とした。
その、固く握り締められた拳を、自分は振り下ろそうとしていたのか……。
「とりあえず、こっちにいらっしゃい」
「道重さん……」
「それから、そこの彼女、あんた、中等部の1年生ね」
「な、何よぉ!その、オカマ、みたいな、喋り方……」
「オカマ、ね」
みちしげ君は口元に薄笑いを浮かべる。
声を荒げることも無いのに、その迫力に、工藤君はビクッとして凍り付き、彼女は蒼ざめて数歩後退りをする。

402名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 14:53:17
「怖いもの知らずは若さの特権だけどね」
「……」
「さゆみを怒らせない方が良いわよ。無事にこの学校を卒業したけりゃ、ね」
憎々しげにみちしげ君を睨みつけ、彼女はその場を駆け去った。
「……で?何があったの?」
「道重さん……オレ……オレ……」
固い握り拳を少しずつ緩めると同時に、訳も無く、目頭が熱くなってきた。
「よしよし」
頭を撫でられたら、溢れた涙が止まらなくなった。
「ったく……石田も急ぎ過ぎんのよね」
「……」
「寒くなってきたからかな?温もりが恋しい季節なのは分かるんだけど……」
「……」

「道重さん……」
「ん?」
「オレ、苦しいっす」
「何が、苦しい?」
「みんな……まーちゃんまで……分かってることなのに……オレだけ……分かんねぇ……………」
先刻とは違う、柔らかい微笑みを浮かべ、みちしげ君は工藤君の肩にそっと腕を回した。
「……佐藤もああ見えて意外と早熟だからねぇ」
「オレも、ちゃんと、みんなと、一緒に、分かる、大人に、なりたいっ……」

「大人になんかならなくても分かるの」
「……え?」
涙でグシャグシャの顔を上げた工藤君に向けられた眼差しは、この上なく優しかった。
「素直になれば良いだけ」
「素直に?」
「そう」
「素直って、どういうことっスか?」
「工藤の気持ち」
「オレの……気持ち?」

403名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 14:54:07
「工藤は、どうして苦しいって思ったの?」
「え……」
そう言われて、工藤君は改めて考え込んでしまった。
何がこんなに苦しいんだろう?
どうしてこんなにモヤモヤしたものが胸いっぱいに溜まってるんだろう?
「目を閉じて、考えてごらん。何が見える?何を感じる?」
工藤君は、素直に目を閉じた。
見えてきたのは、感じているのは、冬の日に手袋を外して握った手の冷たさ。
ただ一度だけ弱音を吐いたとき、背中で感じた涙の熱さ。
消えそうに思えて思わず抱き締めた華奢な体の温もり。
見下ろして思わずドキドキした胸元の白さ。
そして、何よりも、お姉さんぶるくせに、可愛いと思う、屈託の無い笑顔。
あゆみ……………。

パチッと目を開けて、工藤君はみちしげ君を見た。
「見えた?」
「はい!」
「それを言葉に出来る?」
「えー…っと……」
「さゆみ、それにピッタリな言葉、知ってるんだけどなぁ」
「何スか?!」
「“好き”って言葉、当てはめてみて。……どう?」
あ……そうか!そうだよ!!
「あざっす!!」
予鈴の間近な時刻になっていることに気付いて、工藤君は慌てて駆け出した。
「あのコも元気よねぇ……飯窪」
「申し訳ありません。道重さんにはお世話にばかりおかけしてしまって……」
「ま、アンタには縁の無いことだから仕様が無いことだけどね。あ、さゆみもか」
「そうですね……」
「ところで、アンタんトコのケーキ、ちゃんとさゆみの分も用意してあるんでしょうね」
「勿論です!全種類取り分けてお届けします!」
「届けなくていいわよ。どうせ食べに行くんだから」

404名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 14:55:03
土曜日、まだ陽が昇り切らぬ時刻だというのに、亜佑美は、もううんざりした気分になっていた。
紹介された男の話が全く分からずに、無理やり笑顔を作って適当に相槌を打つこと…かれこれ1時間くらいだろうか?
クラスメイトとその彼氏はとっくに席を立って何処かに行ってしまっている。
「……とまぁ、ライバーとしては押さえておくべき聖地として……」
「…ええ」
「この間から、スクフェスでは『クリスマス大作戦』の投票が始まりまして……」
「……はあ」
「先日のラブ力ストーンの無料配布ではURことりをゲットしましてですね……」
「………はい」
「……僕の話、聞いてます?」
「ええ。興味深いお話ですね……………」
「それは嬉しい!こういう話が分からないバカ女が多くてですね……」
亜佑美にだって、分からない。
ただ、一生懸命に話をしている相手を無下に振り切れなくて精一杯の愛想笑いをしているだけだ。
そういえば、らぶらいぶ、って、どぅーも好きだったっけ……って、何を考えてるの?

涎を垂らさんばかりにニタニタと笑う男の顔は、極力見ないようにしていた。
周りを見ると、目の前の男の顔立ちは比較的整っている方だったが、不快な笑い方と粘っこい目の光が鼻につく。
急いでそこを出てしまおうと思って、ブラックのままのコーヒーを手に取ろうと手を伸ばした。
……すると、男の手が亜佑美の手に重なった。
「亜佑美さんはイイ匂いがしますよねぇ」
「あ、は、ははは……………」
「やっぱりμ’sのコ達もこういう匂いがするんでしょうねぇ……」
手を擦られて、もう我慢が出来なくなった。
相手の手からスッと自分の手を引き抜き、椅子を引いた。
「あ、あの、そろそろ……」
「ああ!これは気が付きませんでした。失敬」
「じゃ、私のぶ……」
「まさかこんなに積極的な女のコだったなんて!じゃ、場所を変えましょう」
「は?」

405名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 14:56:05
亜佑美は、男に手を握られて引っ張られながら歩いていた。
小柄な亜佑美だから、時折つんのめって転びそうになる。
その度に引っ張り上げられる、握り締められた手が、痛い。
……考えてみれば、こんなことは、今までには無かった。
歩くのが遅い鞘師君は論外として、多少体格の良い生田君にも工藤君にも普通に付いていけていた。
(やっぱり、気、使って、貰ってたんだ……)

男は、どんどん路地裏の方へと進んでいく。
この先は……この先に、あるのは!
「あ、あの、何処へ……」
「決まってるじゃないですか。ホテルですよ!」
「ほ、ホテル?!」
「一戦交えたらメシでも奢りますよ。そうして、ホテルのはしごをしましょう。僕も初めての経験で楽しみですよ」
「………い、嫌ぁっ!離して!」

相手の表情がガラリと変わった。
「うるせぇ!女なんてこういうコトにしか役に立たねえだろうが!」
亜佑美は必死で相手の手を引き剥がそうとするが、何かで固められてしまったように離れない。
「優しくしてりゃつけ上がりやがって!」
「ヤだっ!」
「そういえばコーヒー代も出したじゃねぇか!その分も体で払いやがれ!」
「お、お金なら払うから、だから、許して!」
「もう俺無しじゃいらんねぇようにしてやるよ!大人しく……」

「うわあぁぁぁぁっ!!」

聞き覚えのある声と共に、ドスンと強い衝撃があり、直後にすっぽりと腕の中に引き込まれた。
上目遣いに見上げた先には、幾度となく脳裏を横切った、そのひとの憤怒の表情。
「あゆみに何すんだ!」
「な、何だ、手前は!」
「何だじゃ無ェよ!こんなに怯えて……あゆみ……………」
抱き締める腕には、さらに力がこもる。

406名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 14:57:02
そろりと顔を上げると、つい先刻まで手を握り締めていた男は、地べたに尻餅をついていた。
何とも情けない恰好のまま悪態をつくが、声のトーンは先刻よりも格段に落ちている。
「お、お前は、関係、無いだろ!」
「関係だったら大アリだ!」
「お、俺の、女、だぞ!」
「何であゆみがテメェなんかの女になるんだ!」
「ちゃ、ちゃんと、紹介、されたん、だぞ……」
「馬鹿野郎!!」
ひときわ大きく吠える工藤君の声に、相手はビクッとして顔が真っ青になる。
「あゆみはオレが好きなひとだ!オレの大事な女のひとだ!」

……………え?

今、聞こえた言葉は本当?
それとも空耳だったのかな?
あのコが好きなんじゃ無かったの?
あのコとお付き合いしてるんじゃ無かったの?
でも……何だろ?
胸がドキドキして痛いのに、体中が温かい。
ねぇ……本気にして、良いの?
あたしは特別だって思っちゃってもいいの?
どぅー……………。

泣き顔を見せたくなくて、亜佑美は、工藤君の胸に顔を伏せた。
背中をしっかりと抱き留めている腕の温かさに身を任せる。
ズルズルと奇妙な音がするのは、尻餅をついたまま後退りをしているのだろうか?
「いつまでここに居るんだよ!さっさとどっか行け!」
「ち、畜生!こんな凶暴なコブ付きだったのかよ!!」
ドタドタと不揃いな足音が遠ざかっていく。
……と、その後。
頭にふわりと置かれた優しい温もりが、亜佑美の髪をそろっと撫でた。

407名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 14:58:22
「あゆみ、ゴメンな。今まで散々待たしちまった」
「……」
「オレ、気が付かなかったんだよ」
「……」
「お前のこと考えてたら、頭っから離れなくって……そんな日がどんどん増えてって……」
「……」
「これが、好きってことだったんだな」
「……」
「世界の中で、一番好き。ってか、お前だけ、好き。大好き。あゆみ………」

しゃくり上げていた亜佑美が、ようやく、言葉を発した。
「せ……責任、取ってよ」
「ん?」
「せ、折角、紹介、して、貰ったのに、こんなコト……」
「……そうだな」
「あ、謝ん、なきゃ……」
「月曜日、一緒に行こうぜ。そして一緒に謝れば良いじゃん」
「ほ、ホント、だよ……」
「ああ……」
抱き締められた腕に、さらに力がこもった。
山を下る流れに乗せて、まだ見ぬ景色に憧れ焦がれ、転がり出す小石のように。
ふたりの想いもまた、堰を切ったように、お互いに向けて溢れ始めた……………。

双眼鏡を同時に目から外し、顔を見合わせて、ふたりで同時に溜息を吐いた。
「やれやれ。ハラハラさせてくれるの」
「本当に、どうなるかと思いました」
「ま、この辺のラブホテルもパーティールームもウチの息が掛かってるから入店拒否の指令は回してたけどね」
「喫茶店には虱潰しに人を配置して連絡させていましたけど……」
「それにしてもよく工藤をあそこに連れて来させられたわね」
「そこは小田ちゃんに頼みました。こういうコトをさり気なく、っていうとまーちゃんは当てにならないですし……」
「言えてる。フフッ」

408名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 14:59:14
次の土曜日。
人数が多いので予約して2階を開放して貰い、みちしげ君と春菜は中等部を引率して『竹むら』に来ていた。
「へぇー、凄くイイ雰囲気のお店だねぇ」
「そうだな。ってか、2階は住居じゃ無かったんだな」
「アニメではそうだったの」
「うん。穂乃果が顔出してた窓がこれかぁ」
工藤君は、窓から身を乗り出して路地を眺める。
「それにしても、道重さんも“穂むら”知ってたって、ライバーだったんスか?」
「ライバー?」
「ラブライブのファンっす」
「何言ってんの。竹むらさんは昭和初期からの有名店でしょーが」
呆れ顔と溜息交じりに、みちしげ君は答える。

「そう言えばどぅー、お前、この間香音ちゃんに“あーん”してささみ食べさせて貰うてたのう」
「鞘師さんは寝てたじゃないっすか」
「道重さんと優樹ちゃんの相手しとったんじゃ。それなのに、お前は……」
「その割にはガチで寝てたんじゃ?」
「うるさい!じゃけ、今日はワシ、亜佑美ちゃんに“あーん”して貰うても良いな?」
呆れて苦笑する香音を横目で見つつ、鞘師君は言う。
「そ、それはダメっす!あゆみはオレの大事な……」
「どぅー、ストップ!」
慌てて言いかける工藤君の口を、顔を真っ赤にした亜佑美が両手でパッと塞ぐ。

………が、時既に遅く、ふたりが冷やかしの集中砲火を食らったのは言うまでも無い。
そして、一番楽しそうだったのが、今まで幾度となく冷やかしを止められていた佐藤君だったことも言うまでも無いだろう………。


工藤君生誕記念  小石のように(後篇)       了

409名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 15:06:48
以上になります
波風ばかり立つ妄想で申し訳ありません
我が事ながらもっと穏やかな話は書けないものだろうか……

それにしてもシゲ君と飯窪さんは勝手に動いてくれるんで助かります
いずれイギリスとアメリカに離れ離れになる予定ではありますが……

410名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 15:26:18
転載します!

411名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 18:08:07
http://www1.axfc.net/u/3350495


微エロです。
内容はパスワードで察して下さい。
パスワード【shigesaya】
ごめんなさい。。。

412名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 18:16:20
*・ 。.・)< 鈴木君様おかえりなさいなの!りほりほのほりほり話しも体調見ながら書くの!

ホントにご無事で何よりです

413名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 18:44:42
おーっ鈴木君作者様お帰りなさい!
文章が書けるまでに回復なされたようで何よりです!
あとちょろっと酔って書いただけのネタをさらに昇華させてくださいましてありがとうございます

鈴里解禁はゆーーーっくり待ってますのでどうぞごゆるりと
それからこちらも勝手に鈴里ネタで書いてしまったことを幾重にもお詫び申し上げなければ……

414名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 19:10:17
それから……転載ありがとうございました
が…本スレでは1レス目が抜けていますので1レス目のみ再掲をば……
(“恐らくNG”を書き直しました)

415名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 19:11:13
翌日の昼休み、工藤君は、土曜日に秋葉原の“聖地巡礼”に行く予定の女子生徒を呼び出した。
「ちょっと、聞きたいことがあんだけど」
「えぇー、なぁにぃ〜」
甘ったるい話し方が鼻につく。
「土曜日、アキバ行くって言ったじゃん」
「そぉ!今から楽しみだよねぇ~、お出かけ」
「……そこ、アキバの何処にあるんだ?」
「知らなぁい」

……………はぁ?

「し、知らないって……んじゃ、どうやって行くんだよ!お前の兄貴一緒に来てくれんのか?」
「えぇ〜、どうしてお兄ちゃんなんかが一緒に来るのよぉ?」
「“穂むら”の場所教えてくれるんだろ?確か前に行ったって……」
「あれは、ウ・ソ❤」
「な……」
「遥と一緒なのにあんなオタクが行くようなトコ行ってどうすんのよぉ」
「お、オタク?」
〜〜〜余談ですが“竹むら”さんは老舗で落ち着いた佇まいの美味しいお汁粉屋さんです……〜〜〜

「みんなに聞かれてもいいようにっていうさぁ、遥とのデートの口実じゃん」
「で、デートだぁ?」
「そぉよぉ。愛し合ってるアタシと遥の……」
そう言いながら腕にしなだれかかってくる彼女に、文字通り、ゾワッと鳥肌が立つ。
工藤君は、思わずその体を振り払った。
「ちょっとぉ。照れることないじゃあん」
「照れてんじゃねぇ!気持ち悪りいんだよ!」
「まぁたまたぁ。そんな照れ屋さんなトコも……」
「いい加減にしろ!」
もともと興奮して声が大きくなってきてはいたが、あまりにもかみ合わない会話に、ついに工藤君はキレて怒鳴り付けた。
「ヤだぁ!こわぁ〜い」
「……っつうか、テメェ、騙したのかよ!」

416名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 19:14:05
1レス目のみですので以上です
間違い探し程度ですが多分これがNGなのではないかと……
折角の転載にケチをつけるようで申し訳ありません
その点については幾重にもお詫び申し上げます……

417名無し募集中。。。:2014/10/26(日) 20:44:03
>>414
転載した者です
特に何があったわけじゃなく単純に転載ミスをしてしまっただけなので気にしないで下さい><

418名無し募集中。。。:2014/10/30(木) 17:37:56
|*‘_ゝ‘)<今宵は聖をめちゃくちゃにしてやるっちゃ!18歳になるしあんな(ソフトS○)コトやこんな(○外)コトもウヘヘヘ
しても今日は怒られんよね

ノノ∮*‘ _l‘)<あっ!えりぽん!あのね///今日は聖をえりぽんの好きなようにして欲し・・
ノ9|‘_ゝ‘)<!!!やっt

ノノ∮‘ _l‘)<かったんだけど女の子の日だからお預けね(はーと)

419名無し募集中。。。:2014/10/30(木) 18:36:24
生田くんむくわれないなぁww
>>411
大変申し訳ないのですがケータイだと文字化けしてしまうので、お時間のある方はまとめに転載お願いしますm(_ _)m

420名無し募集中。。。:2014/10/30(木) 21:28:26
>>419
了解

421名無し募集中。。。:2014/10/30(木) 23:11:45
>>420
助かります!ありがとうございます!

422名無し募集中。。。:2014/11/02(日) 01:14:57
ノd*´ー´リ<香音ちゃん大胆じゃの〜
http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/morningmusume-9ki/6f/e1/j/o0480048013116361577.jpg

423名無し募集中。。。:2014/11/03(月) 22:00:59
本日の広島公演で発生した事案
・曲中に道重の後ろから抱きつく鞘師
・曲中に鞘師にキスする道重とキスするのが当然のようにほっぺを差し出す鞘師
・曲中にほっぺをくっつけあってギュッーってやる道重と鞘師
・アンコール挨拶で鞘師がいかに好きか語る道重
#morningmusume14

もうやだこのグループw

ノd*・ 。.・)<鈴木には後でご褒美上げるの
从*´◇`)<ホッペ位なら幾らでもお貸ししますよ

ノd;´ー´リ<何を言っているのじゃ!香音ちゃんワシは仕方なく

从#´◇`)つ<;´ー´bノ電車の中でまたセクハラ寝言言ったのはどの口なんだろうね!

424名無し募集中。。。:2014/11/04(火) 00:23:32
さすが万年発情期
寝ても覚めても香音ちゃんとのエロいことなんて

425名無し募集中。。。:2014/11/04(火) 05:07:07
ホッペつねってるAAかわいいw

426名無し募集中。。。:2014/11/04(火) 07:47:40
香音ちゃん本当に怒ったら三河弁で物凄く怖そうww

427名無し募集中。。。:2014/11/04(火) 20:09:19
シゲクボが絡む解禁が待ち遠しい

428名無し募集中。。。:2014/11/05(水) 21:56:37
生田君とフクちゃんはどんなバースデーだったんだろう…

429名無し募集中。。。:2014/11/07(金) 23:38:46
突然ですが飯窪さんお誕生日おめでとうございます
取り敢えずこんなものをばお祝いに……
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦のほどを……

430名無し募集中。。。:2014/11/07(金) 23:39:37
到着した中等部男子達は、次々に黒服に腕を取られて一室に閉じ込められた。
訳も分からずに示された席に腰を下ろし、顔を見合わせる面々。
そこに、ふらりと、人影が現れた。
「さ……全員服を脱ぐの……………」
人影の妖し過ぎる眼の光に、言葉を失って身動きが取れなくなる。
業を煮やした人影が合図をすると、先刻部屋に案内した黒服たちが現れる。
儚い(?)抵抗も虚しく、彼らは阿鼻叫喚の中服を剥ぎ取られてその肌を露わにしていった………。

同じ頃、到着した中等部女子達は、丁重に案内されて一室に導かれた。
「みなさん、申し訳ありません。こんなときにお願い事をしてしまって……」
「ううん、全然!」
「こんなに可愛い服が着れるんだもん!かえって嬉しいよ」
「本当本当!それもまだ発売前の服なんでしょ」
「可愛いし、オシャレだし、目移りしちゃいますよね!」
それぞれの弾んだ声が、部屋の雰囲気をさらに明るくする。

着替えを済ませて、ウキウキした気分で女性陣が部屋を出てくると、廊下では男性陣が(約1名を除き)仏頂面で立っていた。
「何で俺らがこげん恰好ばせんまんとや?」
「ワシ、童顔じゃけ、こんな恰好は避けとるんじゃけんのう……」
「オレも、こんなガキっぽい恰好はあんましたくないっつーか……」
「えー、まさはこの服好きー!」
「まーちゃんは良いだろ!そのベスト、ハルが着てーよ!」
そんな男性陣も、女性陣を見た瞬間、顔が一様に綻ぶ。いや、(約1名を除き)一斉に鼻の下を伸ばす。
「うお!みじゅきぃ、お嬢様やん!色っぽくて可愛かぁ〜」
「そ……そんなんじゃ、無いもん……」
「香音ちゅわぁ〜ん、そのチェックの服似合うのう。ベルトがまたイイカンジに強調して……デュフフフ……」
「里保ちゃん!またくだらないこと考えてるんじゃないだろうね!」
「あ、あゆみ、そんなに腕出して寒くねーか?胸元もちょっと……開いてっし……」
「どぅー!どこ見てんのよ、エッチ!!」
「小田ちゃん、その白い服可愛い!ほらほら、まさのこの服と色、おそろだよぉ!」
「佐藤さんもそのデニムのベスト、恰好良いですよ!」

431名無し募集中。。。:2014/11/07(金) 23:41:13
ワイワイとはしゃいでいると、ネイビーのスーツを着たみちしげ君が現れた。
「あらあら、随分賑やかなの」
「道重さん、酷かっちゃが!」
「あんな風に服脱がされるけぇ、ワシ、何かされるかと思うた……」
「そうっスよ!あんな怪しい出方しなくても良いじゃないっスか!」
すかさず、3人が食ってかかる。
「説明が面倒でしょ」
みちしげ君は涼しい顔だ。
「それにあんた達、着替えなきゃそんなに鼻の下伸ばしてらんないでしょ?」
ニヤニヤ笑いのみちしげ君を見て、男性陣は(約1名を除いて)慌てて顔を引き締める。
ニコニコ笑って相も変わらず相手を見ているのは佐藤君ぐらいだ。

「まあ!みなさんよくお似合いです!」
そこへ、ハニーイエローのドレスを纏った春菜もやって来た。
「うわぁ、はるなん素敵!」
ドレス姿の女性を見るのに慣れている聖は感嘆の声を上げるが、他はぽかんと見つめるばかりだ。
「でもさ、聖達はこんな楽な恰好させて貰ってるけど良いの?」
「先程も申し上げましたとおりみなさんにはモデルをしていただきますので」
「それなんだけど……人前でポーズ付けたりするの?」
「いえ、ご紹介したときに1度だけ前に出ていただければ」
「それだけ?」
「ええ。後はお好きなものを召し上がっていただいて構いませんが、多少視線が集まるのはお許しくださいね」
「で、はるなんと道重さんは?」
「私はオーナーとしての挨拶がありますから。道重さんにはご面倒ながらエスコートをお引き受けいただいていまして」

辺りに漂う甘い匂いに、先刻からそわそわしていた佐藤君が
「ねーねーはるなん、今日はケーキいっぱい食べて良いんでしょ?」
「勿論!ケーキもあるし、口直しのサンドイッチやスープも用意してるからね」
「やった!小田ちゃん、一緒にいっぱい食べに行こうね。色んなの食べたいから半分こずつね」
「はい……」
にこにこと無邪気に笑う佐藤君だが、手は、ほんのりと赤くなって僅かに俯くさくらとしっかり繋いだままだ。
……他3人の男性陣は、それを羨ましそうに、いや、恨めしそうに見ていた。

432名無し募集中。。。:2014/11/07(金) 23:42:40
「お嬢様、そろそろお時間です」
「はい。では、みなさんは合図がありましたらご登場ください」
「若君、本日はよろしくお願いいたします」
「こちらこそ。じゃ、飯窪」
スッと差し出された腕に、自らの腕を絡める。
緊張の所為か、ヒールが僅かにカーペットに引っ掛かった。
「震えてるわよ」
「あの、少し……」
「どーってことないから大丈夫よ。先導するのはさゆみなんだし」
「ええ……」
「そこにいるのは偉いおじちゃんおばちゃんじゃなくて、南瓜とじゃが芋の集団だと思いなさい」
「……」
「挨拶のときは深呼吸して。そうすれば声も震えないから」
「はい」

ふたりの背中を見ながら、生田君が少しだけからかうように言う。
「道重さん、優しかっちゃねぇ〜」
「えりぽん!」
「よろしいのですよ、譜久村のお嬢様」
「でも……あんなに緊張する場面、聖も出たこと無い……」
「若が10歳になられて、初めてパーティーにお出になったのを思い出しました」
「え!そんなに早く!」
「お父上が次期当主をご辞退なされたのがその頃でしたので」
「……」
「緊張して泣きそうなお顔をなさりながら、当主であるお爺様と手を繋いでおられましたよ」
聖ばかりでなく、全員が真剣な表情で聞き入る。
「先程の“南瓜とじゃが芋”と“深呼吸”は、そのときにお爺様が若に仰ったお言葉です」
「そうでしたか……」
「あのお言葉を覚えていらっしゃったのですね……」
「ええ……」
「人前に出たときには、既に緊張も見せずに堂々とされて、お子様らしからぬご立派なご挨拶をなさったのですよ」

433名無し募集中。。。:2014/11/07(金) 23:43:51
店内には、既に様々な服がディスプレイされていた。
カジュアル服とはいえ、オーダーも受け付けるという体制は、既製服主体の日本ではあまり見られないものだ。
その為か、はたまた飯窪財閥の跡取り娘の器量を図ろうとしてか、大勢の財界関係者が夫人や娘を連れて来ている。
娘達は、早速ディスプレイされた商品の品定めをしているようだ。
みちしげ君のエスコートで春菜が現れると、あちこちから声にならないどよめきが起こった。
「飯窪」
「……はい」
「胸だけは張りなさい」
「……」
「最初のひと言が出れば、後は大丈夫だから」

緊張を隠せぬまま、春菜は壇上に立った。
先刻みちしげ君に言われたとおり、ひとつ、深呼吸をする。
……すると、張り裂けそうなまでに早鐘を打っていた心臓が落ち着いた。
辺りの人の顔が、目に入って来る。
父の友人であるあの人も。
以前縁談を申し入れてきたあの家の人も。
確かあのご夫妻は、昔の同級生であった人の両親だっただろうか……。
集まった人々の顔を見渡すと、その場が水を打ったように、しん、と静まり返った。

そっと、マイクに手を添える。
「みなさま、本日はようこそ『S&H』の開店記念パーティーにお越しくださいました」
拍手が起こる。
「オーナーの飯窪春菜でございます。こちらでは、主に若者向けのカジュアル服を取り扱ってまいります」
聞き入りながら値踏みをするような不躾な視線にも、もう春菜は動じない。
「服地は確かな繊維業者から最高のものを、また、デニム地は既に2号店がございますフランスより、ニーム産のものを取り揃えております」
それを聞いて、夫人や娘達から微かな溜息が漏れる。
「こちらではオーダーメイドの商品もお取扱いいたします。お客様のご要望に最大限デザイナーがお応えし……」
流れるような挨拶を聞きながら、みちしげ君は、そっと傍らの春菜を見た。
そこにはもう、緊張で半ば怯えている少女の姿は無かった。
若いながらも、堂々と一歩を踏み出した実業家の姿が、そこにあった。

434名無し募集中。。。:2014/11/07(金) 23:44:56
春菜の合図の後、生田君と聖が、鞘師君と香音が、工藤君と亜佑美が、佐藤君とさくらが手に手を取って壇上に立った。
譜久村家の令嬢がモデルとして登場したことに、招待客は皆、一様に驚いたようだ。
「こちらのモデルになっていただいた方々は、みな、私の大切な学友でございます」
ほう、と、財界人の声が上がる。
「カジュアル服は、日の光の下が良く似合います。今回は、それを踏まえまして、明るい時間帯のティー・パーティーに致しました」
夫人達が微笑みながら頷く。
「こちらの軽食とデザートは、飯窪が提携したパティシエが腕を振るったものでございます。どうぞご歓談なさりながらお召し上がりくださいませ」
娘達は、目を輝かせて目の前のスイーツに見入る。
春菜が壇上から降りると、座が徐々に崩れて、テーブルの方へと移動する。
それと同時に、ギャルソンがその場を回りながら、客に飲み物を勧める。

「小田ちゃん、これ、美味しいよ!」
そう言いながら、フォークに差して目の前に出されたクラシックショコラを、さくらはそっと口に入れる。
「ねーねー、まさ、そっちも食べたい!」
「はいはい」
苦笑し、零さないように苦労しながらタルト・フリュイをフォークにすくう。
佐藤君は待ちきれないと言わんばかりに顔を近付けて、パクッと頬張る。
「香音ちゃん、ワシ等もあれやろう!」
「……ふたりとも同じの食べてるのに?」
香音は、鞘師君の方が少しだけ多く減っている、ナッツとショコラのトルテを見ながら呆れ顔で言う。
「あゆみ、これ、美味ぇな!」
「ちょっと、どぅー、クリーム付いてるよ」
亜佑美はそう言うと、工藤君の唇の端についている生クリームを指で取り、悪戯っぽい笑みを浮かべて自分の口に運ぶ。
それを見て、工藤君の顔が、訳も無く、赤くなる。
「……俺は大人しくしてた方が良かっちゃね」
「うん。ごめんね。聖の知ってる人も大勢いるから……」
それでも、生田君は、聖にケーキを取り分け、紅茶を淹れる。
「……賑やかよねぇ」
「……本当に」
そう言うみちしげ君と春菜の眼は、誰よりも穏やかだった。

435名無し募集中。。。:2014/11/07(金) 23:46:36
「そうそう、これ」
みちしげ君はいつの間にか手に持っていた包みを春菜に手渡す。
「これは……?」
「開店祝いと、あと、誕生日でしょ」
全身が熱くなった。
熱が頭に上り、それが、涙になって零れる。
「泣くんじゃないの」
「でも……」
「後で開けてみて」
「……はい」
「“普通”の感覚を忘れないことが、難しいけど大切なの」
「はい」
「それを忘れないで」
「……肝に銘じます」

「ところで、本当に亀井さんや田中さんをお呼びしなくてよろしかったのですか?」
「スイーツは取り分けてあるんでしょ?」
「それは勿論……」
「本当はさゆみもえりと並んでケーキの食べさせあいっことかやりたかったんだけどね」
「でしたら……」
「あんたこの後お客様達を連れて店内を案内するんでしょ?」
「はい」
「そのときにあのふたりがフィッティングルームででも盛ってたらどうするつもり?」
「あ……………」



飯窪さん生誕記念   サード・エスコート        了


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