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【もしもの時は】ここだけ世界の境界線【ここで】
390
:
『Silver Bullet』
◆P2bEA4mHeU
:2019/05/24(金) 22:18:14 ID:???
>>389
其れは正に人の業のある種の到達点。一人の少年を魔に変え、修羅に貶め、何の保障もない怨身変化。
雨に混じって溢れる眼窩の血は、高速機動の弊害か、流せなかったいつかの後悔か。いずれにせよ、怪人が止まる道理にはならぬ。
竜巻が暴風を辺りに撒き散らす様に、激しい剣気は躱すタェンティースの肌を斬り裂こうと暴れ回る。弾かれ、また戻り、弾かれる。
吹き出る生命の液体が、隙間に入り込んだ雨粒が、千々に斬り飛ばされ霧散する!ミニマムな二人の剣戟応酬は、縦横無尽に空間を満たして何者の介入すらも許さない!
そして短刀が弾き飛ばされ、生じた隙に刃は滑り込む。ピ、と線が走った次の瞬間、赤い肩掛けが咲き乱れた。
「貰った───!」
乱れて失せた小宇宙的力場を満たすかの様に、バケツをひっくり返した様な雨粒が一度ドサリと二人とその周辺に降り注ぐ。
半開きの口腔からゴボリと零れた黒ずんだ血は、その水量に瞬く間に洗い流される。───されど、怪人も同じく不斃。
倒れこみそうになるその直前、捻った身体は元に戻る勢いを利用し、逆手に持った刀の切っ先を半人の腹に向けて勢いよく突き出す!貫通せしめんために!
振り抜いたこの瞬間、この時が絶好のタイミングと踏んだのだ。大型ブレードでは、素早い切り返しは不可能と睨んだのだ!
成否を問わず、怪人は一度膝を付く。流石に限界が近い。刀が彼女の腹腔に捩じ込まれようが、防がれようが、引き抜き振り戻し一度左腕の鞘に収めるだろう。
「正真正銘……、これがラストだ……。精々、超えてみせな……『ソーマタージ』の友人よ……!」
挑発的な荒い呼吸を数度に渡って繰り返すと、怪人は無理をして立ち上がる。前掛けの様に胸から下、地面まで汚す人工血液は、水溜りに溶けて消える。
いつしか白み始めた遠くの空。威圧的な赤い複眼で、タェンティースをジッと見つめた。彼女の動きを見るために。
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