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【第三期】ダークファンタジーTRPGスレ【避難所】

1 ◆NG52pJqX62:2014/05/28(水) 01:06:05
なな板で進行中の新生ダークの避難所です。
以下現在の参加者

名前:ミカエル・ヴィジテイル
年齢:37
性別:男
身長:175cm
種族:男
職業:賞金稼ぎ
性格:プライドが高く、口が悪いが根は優しい
特技:ギャンブル
所持品:片手剣、錫杖型の槍、比較的高貴な雰囲気の皮装備
容姿の特徴・風貌:金髪で前に垂らしており、やや癖がある。気品のある顔立ち、細マッチョ。
簡単なキャラ解説:貴族ヴィジテイル家出身の末っ子。成人すると僧侶になった後独立し、冒険者として転々とする。
         魔法の才能もあり、ただの冒険者に拘ることなく「賞金稼ぎ」を名乗る。
         年齢的にはおっさんだが、外見は20代でも通じるほど若い。現在独身で、遠くの街に子供がいる。

名前:ハンス・レイク・トールヴ
年齢:23
性別:男
身長:201cm
種族:人間
職業:放浪騎士
性格: 義を重んじるが目的のためなら悪も辞さない矛盾を抱えている。
    自己を殺してでも全体を生かす傾向がある。
    親切で紳士ではあるが中立であることに拘る。
    が、お人よしのため大抵うまくいかない。
特技:水泳、格闘
所持品:斧、短剣、錆止めの塗られた黒い甲冑。
容姿の特徴・風貌: 肩幅は広く、顔が角ばったしかめつらの巨人。お世辞にも美形とは言えない。
            髪をほとんど剃っており、黒髪の短いモヒカン。
簡単なキャラ解説:パトロンを失ったため放浪する騎士。傭兵のように雇われで戦場へ赴き、小銭を稼ぐ。
            魔法はからきしだが常軌を逸した腕力を持つ。
            体格のせいもあり老けて見えるため40代に見られることも珍しくない。

名前: サゥヴェル・クラウズ
年齢: 23
性別: 男
種族: 人間
体型: 180強くらいの長身で細身の引き締まった筋肉を持つ若い青年。
服装: 胸元の開いた服とズボンに、黄土で染めたコートを羽織っている
    頭髪に当たる部分は焦げたように黒く、だらしなく伸びてうねっている。
性格:面倒くさがりで事なかれ主義。年の割に達観した性格。
能力: 先天性の雷属性持ち。所持する金属に雷属性が付く。また、跳躍等の身体能力が高い。
所持品: ナイフ、金銭、タバコと火打石のライター。
簡易説明: 各地の自警団を回り、雇われの使い走りをしている。荒事を取り扱う事が多い。
       現場を回る事が多いため、仕事上その辺の情報には詳しい。

名前:ルデル・ボドリア
年齢:31歳
性別:男
種族:人間(オーガの血が僅かに混じっている)
体型:筋骨隆々、見上げるほどの体躯(2m半ほどの長身)、スキンヘッド
服装:質素な法衣
能力:身体能力及び肉体強度を10倍に強化する呼吸法
所持品:頑丈な手甲、脚甲
簡易説明:
強面に似合わず、温厚そうな人柄と人当たりのいい物腰が特徴な旅の僧侶
しかし、その実態は己の拳技を人で試すことを楽しみとする快楽殺人者である
普段は行きずりで雇われる一時雇用専門の傭兵業で日銭を稼いでいる

名前:クロウ・クロック
年齢:14歳
性別:女
身長:152cm
体重:47kg
種族:人間
職業:暗殺者
性格:内面は同年代の一般人と大差ない、極一般的な少女。
但し基本的にその感情を表情として出す事はなく、人にも出来るだけ冷たく接している。
能力:〈暗殺術〉隠密行動や軽業、ナイフの扱いなど、暗殺に必要な技能を持っている。時間を掛けて観察する事で、対象に感知される位置の予想を視覚化出来る。
所持品:ナイフ、仕込みナイフ、フック付きワイヤー(5m)、ロープ、マスク
容姿の特徴・風貌:黒いコートに身を包んだ少年。職務中は常にフードを被っており、更にマスクを付けている。それらが無ければ、少し小柄で幼さが残る普通の少女。
簡単なキャラ解説:フリーで依頼を受ける暗殺者。善も悪も区別することなく、届いた依頼を片っ端から処理して行く。
情報屋などを通して依頼を受ける事が多く、更に本業中は常にフードとマスクを付けているので、裏の人間で素顔を知る者は少ない。彼女を女だと知ってる者も少ないとか。
実は街中に以外と一般人に紛れて居たりする。
能力は基本的に一般人の延長線上で、体格以上の身体能力を発揮できる。感知される位置を視覚化するものは暗殺者としての経験と錯覚によるものである。
それ故に五感以外を使用する者や敏感な者に対しては意味を成さない。

42ハンス ◆7KGVeulQbw:2014/06/08(日) 19:02:50
>>40
oh...完全に勘違いしてました申し訳ない
>>41
補足了解です

そのうち用語集とか作りたいですねー

43シンシア ◆dCajEjvGE.:2014/06/08(日) 23:51:58
ではわたしはフーバーさんの次に投下しますね

44フーバー ◆A93WH9IFbE:2014/06/09(月) 23:00:36
なんとか今日中に落としておきました

45 ◆7cOHgFPxz.:2014/06/10(火) 00:39:38
参加者ではないのですが失礼させていただきます

ttp://redarkfantasy.web.fc2.com/

まとめサイトと用語集みたいなものを作ってみました
ターンまわりの確認とかで活用していただけると嬉しいです
正直用語集の中身がかなりいい加減なので
修正してほしいとか書き加えたいとかこんな項目も作ってほしいとか要望があったら叶えます
というか用語集を充実させるのがものすごく大変なので参加者様方がお暇なときに

【追加したい項目】
【関連項目】
【内容】

みたいな形式でこの場所に書いていただけると助かるのですが…
(もちろんやるのならダークという世界の中の単語に絞って、メタな項目は無しということで)
しかしここはいわゆる公共の場ですし、参加者様方にとってそういった流れが雑音と感じられるなら、
好きでやっていることなので自力でどうにかしたいと思います

あといわゆる不特定多数がコメントを書くような欄は今後もおかないし、
参加者様方にとって見て不快になるような要素は今後もないようにします

ちょっと便利な道具というような意識で使っていただけたらと思います
長々とお目汚しすみませんでした
どのように結果になろうとも、今後も楽しく読ませていただきます

46サゥヴェル ◆NG52pJqX62:2014/06/10(火) 13:07:36
wikiと思いきやhtmlで書かれましたか
後々有効に活用させて頂きます

47ケレブルム ◆omzsfOzayg:2014/06/10(火) 19:29:07
前回の投下の中で『パトリファイの指環』と書いてしまってますが、正しくはテンプレの通り『ペトリファイの指環』です。
念の為訂正しておきます、失礼しました。

>>45
見易くて良いですね〜、助かります。
細かい部分で恐縮ですが、用語集の『ペドリファイの指環』『ペドリファイ事変』の部分を『ペトリファイ〜』に修正していただけると助かります。
本人すら間違えてしまっている手前でひじょーにアレですが良ければ何かのついでの時にでもお願いします。

48 ◆7cOHgFPxz.:2014/06/10(火) 20:53:16
>>46
よろしくお願いします
>>47
ありがとうございます
修正と最新レスまで上げときました

49名無しさん:2014/06/11(水) 12:03:09
次はサゥヴェル?

50サゥヴェル ◆NG52pJqX62:2014/06/11(水) 16:48:40
もう少しで投下します

51サゥヴェル ◆NG52pJqX62:2014/06/11(水) 22:26:41
投下

クロウさんへ中々繋げなくて申し訳ない

52サゥヴェル ◆NG52pJqX62:2014/06/12(木) 12:56:45
あと本来ミカエル→ハンス→サゥヴェル→ルデル→クロウ→フーバー→シンシア→ケレブルムと続く予定で
フーバーのターンにフライングしてクロウ以降の順番をぶった切った状態なので
フライングが起きた時点からミカエル→ハンス→フーバー→シンシア→ケレブルム→サゥヴェル→ルデル→クロウとなっていると自分では思ってます
                                                      ↑イマココ

53ハンス ◆7KGVeulQbw:2014/06/14(土) 20:49:58
そういえば何日ルールにしますかね
そろそろ決めておかないと不味いですが・・・
相場は5日ルールってとこでしょうか

54ミカエル ◆5Ee1Upsxyk:2014/06/15(日) 00:33:17
ですね
月曜10時半までにレスがなければ、次のクロウさんに回す形をとりましょう

55ミカエル ◆5Ee1Upsxyk:2014/06/15(日) 00:33:53
また、抜ける方はここに一言報告いただけると助かります

56クロウ ◆EtHzYLYZnU:2014/06/15(日) 11:02:39
ええと...了解しました

57ケレブルム ◆omzsfOzayg:2014/06/16(月) 20:42:19
今日が最終日ですが、念の為に一度点呼とっておきませんか?
とりあえず私はいます。

58サゥヴェル ◆NG52pJqX62:2014/06/16(月) 20:56:28


59ハンス ◆7KGVeulQbw:2014/06/16(月) 21:04:10
いますよー

60フーバー ◆A93WH9IFbE:2014/06/16(月) 21:11:14
いまッス!

61シンシア ◆dCajEjvGE.:2014/06/16(月) 23:47:58
います

62クロウ ◆EtHzYLYZnU:2014/06/17(火) 00:05:49
もう火曜日ですが…います

63ケレブルム ◆omzsfOzayg:2014/06/17(火) 21:31:44
一応全員確認ということでいいでしょうか?
(ミカエルさんも前日に>>55のレスがあるので問題ないと思いますし)
改めて皆さんよろしくおねがいします。
それでは私は順番まで潜ってます。

64ケレブルム ◆omzsfOzayg:2014/06/17(火) 21:32:48
あ、全員というのはルデルさんを除く全員ということで…。
連投失礼しました。では。

65ミカエル ◆5Ee1Upsxyk:2014/06/17(火) 22:05:48


66ミカエル ◆5Ee1Upsxyk:2014/06/20(金) 01:27:57
ええと、突然ですみませんが、諸々の所用もあって、
このレスで切り上げ、ミカエルと2人の娘をNPC化させていただきます。

どうもありがとうございました。

設定っぽいのも書きましたが、都合が悪い部分があれば変えてくださって大丈夫です。

67ミカエル ◆5Ee1Upsxyk:2014/06/20(金) 01:53:38
ちなみにミカエルの元ネタ的なものは
イメージ的にはロマサガ3のミカエルをやや意識しました。
実在人物だと東ローマ皇帝の「ミカエル8世パレオゴロス」ですかね。
あと、「のぼうの城」の成田長親のネタを使いましたが、
戦国武将では成田長泰の方が好きです。ってことでさらばなり。

68 ◆7cOHgFPxz.:2014/06/21(土) 00:08:05
ttp://redarkfantasy.web.fc2.com/

用語集とターンテーブルを最新の状態に更新しました

69ケレブルム ◆omzsfOzayg:2014/06/21(土) 17:59:20
念の為顔出しです。
確認ですが、サウヴェルさんが提示して下さった>>52の順で回っているということで良いんですよね?
問題なければそれで宜しくお願いします。

>>66
お疲れ様です、短期間でしたがご一緒出来て良かったです。
ありがとうございました。

>>68
ありがとうございます。
用語集、今のところ任せっきりになってしまってるのが個人的に心苦しいですが…。
こちらも>>45のテンプレなど用いてお手伝いできればと思います。

70ハンス ◆7KGVeulQbw:2014/06/21(土) 21:01:38
>>69
こちらも>>52のつもりですよ、大丈夫です
予想外に手こずっているので今日中に仕上がるかは微妙ですが頑張ります

>>66
これまでありがとうございました!
お達者で

用語集使わせてもらっていますよ
もう少し暇ができれば手伝わせていただきますね

71ケレブルム ◆omzsfOzayg:2014/06/21(土) 23:51:22
>>70
あ、もしかしなくとも催促しているような文章になっていましたね。
すみません、そういうつもりは全くなく本当にただの確認のつもりだったので、もしも焦らせてしまったなら、どうか気になさらないで下さい。
失礼しました。

72ハンス ◆7KGVeulQbw:2014/06/22(日) 00:49:05
>>71
いえいえ、できるだけ休みを残して投稿したほうみなさんも次を想像するのが楽だと思っただけです

というわけで投下させていただきました
シンシアさんの勧誘をフーバーさんに丸投げしてしまいましたが
あとは頼みます!

73ケレブルム ◆omzsfOzayg:2014/06/26(木) 10:12:06
明日の0時40分でフーバーさんのFOが確定します。
差し出がましいとは思いますがお知らせさせて頂きます。

74クロウ ◆EtHzYLYZnU:2014/07/02(水) 03:06:38
そういえば何かクロウがハンスさんに思いっきり締め上げられてるんですが
なんか、全く流れが掴めない上に途中描写を入れるべきかさえ…
…何が起こったんだろうか…?

75 ◆7KGVeulQbw:2014/07/02(水) 08:47:27
ケレブレムさんとクロウさんが乱入してきて、なんやかんやあってクロウさんをハンスがふん捕まえた
という結末を過程をすっとばして書いただけなので
その過程を書いていただいてもかまいませんし
例えば『ハンスを蹴っ飛ばして文句を言った』とか『実は捕まえていたのは身代わり人形だった』みたいに結末のつづきを書いていただいても構いませんよ

76クロウ ◆EtHzYLYZnU:2014/07/02(水) 22:01:57
あぁ、なるほど
なんか一瞬時間が跳んだ気がしたので

77ミカエル ◆5Ee1Upsxyk:2014/07/06(日) 22:50:20
どうも。
復帰できそうなので再度、参加したいと思います。
ついでに復興に貢献できたらと思うんですが、いかがですか?

78名無しさん:2014/07/06(日) 23:14:50
いらね

79名無しさん:2014/07/07(月) 01:12:23
いや必要

80ケレブルム ◆omzsfOzayg:2014/07/13(日) 13:58:25
すみません、このまま続けられるような状況とはとても思えず書く気力も湧かぬままFOしてしまいました
もし復興されるのでしたら陰ながら応援させて頂きます
失礼しました

81ミカエル ◆5Ee1Upsxyk:2014/08/01(金) 00:59:58
お久しぶりです。
とりあえずミカエルが国王になるまでの話を急ピッチで書かせていただきました。

しばらく抜けた理由は、そのままですが、リアルが忙しくなったからで、
戻って来れたのは、安定してきたから、とお話しておきます。

次はミカエルかもしくはミラを動かす予定です。
まだ見ている方がいたら、是非一緒に物語を再開しましょう!

82アウラ ◆OmrbZWDMUs:2016/03/07(月) 23:29:32
>「はああああああぁぁぁ!!」

ルーミーが伯爵に向かって念力でトワールを弾き飛ばした、ように見えた。実際にはトワールは念力を運ぶ媒介。
直接念力で攻撃せずに敢えてトワールを巻き込んだのは、背に腹は変えられない状況、
対象を直接念力で攻撃するよりも媒介にありったけの念力を込めて打ち込んだ方が威力が段違いに大きい、といったところだろう。
この捨て身ともいえる奇策が功を奏し、伯爵の前に割って入ったアンデッドナイトが爆発四散する。

>「アウラ!避けて!!」

ルーミーの警告のおかげで、セレナと共に風の魔法で飛び上がり、間一髪で難を逃れる。
トワールは重傷だが、鎧のすぐ後ろにいた伯爵も大ダメージを受けたようで、倒れ伏していた。

「えーと……終わった……のかな?」

伯爵にしてみたら自ら召還した傀儡が爆散した煽りをくらってやられた、という何とも情けないオチだが
こちらとしては願ったりかなったりである。
だがこれで終わるわけはない、という予感もなんとなくしており、そしてその予感はあたってしまったのだった。
ルーミーの驚愕の声が真打ち登場を告げた。

>「あ、あれは…あいつは…!」

「え、何アレ……!」

現れたのは黒光りする筋肉に覆われた大男。
記憶と知識を総動員するも、あんなモンスターは見たことも聞いたこともない。

>「うヴッ…!」
>「あっ、アァッグッ、アッ、ア”ア”ァーーー!!」

「えっ、えっ、ちょ……!」

ルーミーが悶え苦しみ始めたかと思うと、見る見るうちに腹がふくらみ異形の怪物を出産する。
並大抵のことでは飄々としているアウラも、これには流石に慌てふためきうろたえるしかない。
おそらくルーミーは何者かの苗床として使われたのだ。でも一体何の――?
この世界には繁殖のために人間や動物の雌を苗床として利用する触手系モンスターが存在するが
産み落とされた怪物の姿はそれらとも異なっている。
その思考のため、突如襲い掛かってきたそいつに反応できなかった。
引っかかれた部分が一瞬ノイズが走ったように綻びる。
見た目上は魔力の光と共にすぐに修復されるが、確実にダメージは受けている。
そしてまた新たな疑問が浮かぶ。何故倒れているルーミーや伯爵ではなく真っ先に自分に襲い掛かってきたのか――?
その思考に呼応するかのように、声が響いてきた。といっても実際の声ではない、魔術的な念声のようなものだ。

83アウラ ◆OmrbZWDMUs:2016/03/07(月) 23:30:15
<そうか、分からぬか。自らの存在意義を忘れているとは滑稽、実に滑稽!>

辺りを見回し、床に落ちている本に目が留まる。

<いかにも。我が名は――そうだな、こちらの世界では”ネクロノミコン”と呼ばれている>

「生憎だけどゆっくりお喋りしてる暇はないみたい――
思い出した気がする……あの伝説は本当だったんだ。私達とあいつらは遥か昔からの”天敵”だ」

敵の一撃を受けたことで遥か古の記憶が呼びさまされた。
アウラ個人の記憶ではなく、星隷族が共有する種としての最も根源的な記憶、本能とも言うべきものだ。
古の伝説――この星は”魔族”と呼ばれる異界からの侵略者の脅威に晒された。
地上の生きとし生ける者を食らい、穢れをまき散らし星を侵食する存在。
彼らに対抗するために星が自ら生み出した防衛機構――それが星隷族だった。
激しい戦いの末に、星隷族が勝利をおさめ、魔族は歴史の表舞台から姿を消し、長い長い時が流れた――
そう、飽くまでも表舞台から姿を消しただけだった。彼らは歴史の裏に潜み虎視眈々と機会を狙っていたのだ――!
アウラは先刻までとは段違いの魔力を放っていた。
髪は普通では有り得ない水色がかった輝きをまとい、背には半透明の魔力の翼が現れる。
携えるは風の魔力で出来た大鎌。それを一閃すると、飛んできた魔法球が雲散霧消した。
真空刃を自在に操り、同時に文字通り疾風のようなスピードで、怪物に切りかかる。
しかし敵もさるもの、鋭い爪で迎え撃つ。
目にもとまらぬ速さで打ち合い、金属音にも似た音が鳴り響く。
彼らがぶつかり合う周辺では漆黒の魔法球と白銀の真空刃がぶつかり合い対消滅する度に凄まじい魔力の余波がはしる。

84アウラ ◆OmrbZWDMUs:2016/03/07(月) 23:31:37
「ん……僕は一体何を……」

一方、意識を取り戻した伯爵は、状況を把握しかねていた。

<気が付いたか、貴様は用済みだ>

目の前には一冊の本。徐々に思い出す。確か、20年ほど前にも今と同じような疫病が流行った。
姉が疫病の犠牲になった。どうしても生き返らせたかった。
やがて奴が現れた――。生き返らせる方法を教えてやる、と。与えられたのは究極の魔導書。
それは手を出したら最後、精神を乗っ取られる悪魔の書だった――

「うあ……ぁああああああぁああああああああ!!」

<何、弱い事が悪ではないとすれば貴様に罪はない。ただ我の精神支配に屈しただけのことだ。
折角の面白い見世物の最中だ、とくと観戦するがよかろう。
片や歴史の影で虎視眈々と爪を研ぎ続けた侵略者――片や偽りの安寧の上に長年胡坐をかいていた守護者――
果たしていつまでもつかな?>

見れば、異形の怪物とシルヴェストルが激しい戦いを繰り広げている最中だった。
見たところ戦況は互角に見える、だが――

戦いの果てに膝をついたのは――アウラの方だった。
星隷族は常に周囲から自らの属性を取り込み少しずつ魔力を回復させる。
よって普通ならば、大きなダメージを受けない限りはまず魔力切れすることはない。
しかし、発生後初の天敵との戦いで、魔力を無計画に激しく消費しすぎたのだった。

「ここまでか……」

とどめを刺さんと魔力球が放たれる。
その時だった。闇の魔力球が、清浄なる光に阻まれ消滅。続いて、アウラを暖かい光が包み込む。
魔力譲与の魔法――神聖魔法の一種だ。それを行ったのは、宝杖を携えた青年――伯爵だった。
顔の造作こそ先ほどまでと同じだが、内側から滲み出るオーラは全く違う。
ネクロノミコンは、宿主が持っている能力を危ない方向に増幅させる。
悪魔の書にのっとられ死霊術を操っていた伯爵は、本来は神聖魔法の名手であった。
神聖魔法は通常は聖職者が使う魔法と思われているが、
教会と貴族は癒着、もとい密接な関わりがあるので、王侯貴族にも使える者がいても不思議はない。

85アウラ ◆OmrbZWDMUs:2016/03/07(月) 23:32:19
「ここは僕に任せて逃げろ!」

伯爵が前に進み出る。見たところかなりの使い手だ。
しかしアウラは諦念の表情。悟ってしまったのだ。
この世界の闇の深さは、もはや古き良き伝説の時代のように光で祓えるレベルではなくなってしまったことを。

「駄目だ、君には倒せない……そして私にも。
私達が油断していたばっかりに……この世界の闇はあまりにも深くなり過ぎた。
だからせめて……この悪魔の書だけは滅する!」

<よかろう、今さら我を滅したとて無駄なこと――>

アウラがまさに風の魔法を発動させ本を粉々に切り刻まんとした時だった。
目の端である事に気づき、驚きのあまり一瞬行動を止める。
なんと、怪物の苗床にされもう命はないだろうと諦めていたルーミーが、立ちあがっているのだ。
当然、瀕死の重傷ではあるものの、その瞳の奥には怒りの闘志が燃え盛っている。
それを見たアウラは、ほんの僅かな勝機を見出した。

「伯爵、ルーミーに回復魔法を! 
この街の伯爵なら貿易はするよね? ここから生還できたら私を風使いとして雇って!」

「あ、ああ。そんな頼み生還できればいくらでも……何か作戦でも思いついたのか?」

極限状況でどさくさにまぎれて雇用契約成立。
つい先ほどまで諦めの極致だったアウラが突然生還前提の話を振ってきたのだから無理はない。
伯爵は応える代わりに、アウラは悪魔の書に向かってとんでもない提案をするのであった。

「気が変わった、新しい契約者を紹介してあげよう」

なんと、ルーミーに禁断の書を渡そうというのだ。
高位の神聖魔法の使い手である伯爵ですら長年にわたって操られていたというのに。
だが、逆にも考えらえる。真っ白なものほど、いとも容易く闇に染まってしまう。
人の心の闇を知り尽くしているルーミーならばあるいは――禁断の書の力を制御することができるかもしれない。

「正気か!? 乗っ取られて終わりだ!」

アウラの恐ろしい考えを察した伯爵は、血相を変えて止めようとする。至って常識的な反応である。
それもそのはず、下手をすれば史上最悪の魔女が爆誕してしまうイチかバチかの大博打。

「そうだよね、きっと正気じゃない。でも……賭けてみたくなったんだ。
この時代に英雄に成り得るのはもしかしたら……彼女みたいな人なのかもしれない」

アウラはルーミーの方に向き直り、禁断の書を投げ渡す。

「ルーミー! これを!」

アウラは確信していた。ルーミーは何者にも操られたりしないと。
何故なら、ルーミーは最強のサイキッカー。いつだって”操る側”なのだから!

86アウラ ◆OmrbZWDMUs:2016/03/29(火) 23:49:20
現れたのは、神々しいオーラさえ感じるような女性。
どんな強敵が出て来るかと臨戦態勢だったのも忘れて、アウラは思わず呟いた。

「聖女……様?」

「ええ、お初にお目にかかります。わたくしは第六聖女シャルロットと申します」

聖女のオーラに圧倒されつつも、その顔立ちに何故か既視感を感じるアウラ。
その既視感の正体は、聖女の次の言葉で明かされることとなる。

「ハウスイッツ伯爵――いえ、アレン。
よくぞ皆をここまで連れてきてくれました――“私を滅する事が出来る可能性がある者達”を」

「姉さん……すまなかった。姉さんを助けるどころか結局奴の言いなりになっただけだった」

「良いのです。異界の魔王をこの身に封じたあの日、本来なら私はとうに死んでいるのだから――」

聖女と伯爵が抱き合っている。
何気に伯爵の上の名前を初めて聞いた気がする、と思いつつ、とりあえず手近なところから質問するアウラ。

「えっ、何? 二人は姉弟ってこと?」

「あまり時間がないのでよく聞いてください。20年ほど前のことだったでしょうか。
とある魔術師が禁忌の魔術により魔界の門を開けてしまったのです。そこから現れたのは恐るべし魔族の王――。
私達は総力で挑みましたが勝てないと悟り、やむを得ず私が魔族の王を自らの体に封印した上で私ごと滅してもらう作戦に出ました。
封印したところまではよかったのですが……いかなる攻撃も魔王を取り込んだ私を滅する事は出来ませんでした。
それからというもの世情は荒廃し、魔王の呪いたる疫病は流行る始末……。
魔王の侵食は年月を重ねるごとに進み、今では私が私でいられる時間はほんの時々。
もはや完全に乗っ取られるのは時間の問題でしょう」

「そっか……そういえば世の中がこんなに荒れ始めたのもそれぐらいからだっけ。
もし完全に乗っ取られたらどうなるの……?」

「それは魔王の復活を意味します……おそらく世界は滅びる事になるのでしょう。
そして”ネクロノミコン”は魔王復活のために送り込まれ名を変え姿を変えながら遥か昔から歴史の影で暗躍していた書――」

「僕は姉を助ける方法を教えてやるという甘言にまんまと騙され精神支配を受けて魔王復活の下準備をさせられていたというわけだ……。
魔術師に禁忌の魔術を使うように仕向けたのもおそらく”本”だろう。」

「なるほど……本に操られている間は”魔王”、支配が解けてからは聖女様の指示で動いていたってわけだね。
それならそうと言ってくれたらよかったのに。一瞬黒幕かと思っちゃったよ」

「すまない……”魔王”の手勢の物に知られるリスクは極力少なくしておきたかった。
ここまで来たら意味はなかったみたいだが」

87アウラ ◆OmrbZWDMUs:2016/03/29(火) 23:51:18
なるほど、教会勢力にも魔王派と聖女派の二つの指揮系統が出来てしまっていたとしたら、
教会が何がしたかったのかイマイチ分からないのもいろいろ納得がいく。
ここまで来てしまったら流石にバレて刺客が次々と送り込まれてしまった、というところだろう。
それにしても依頼者と宿敵が表裏一体とは難儀なものだ。

「特に彼女、”第七聖女”は魔王を滅するための切り札――なんとしてもここまで辿り着いてもらう必要がありました」

そう言って聖女は、セレナの方に向き直る。

「ほえっ!? 私……!?」

セレナが素っ頓狂な声を出すのも無理はない。
一方のアウラは、半分驚きつつも半分ああやっぱり、という感じもしていた。

「これを受け取ってください」

聖女はセレナに美しい杖を渡した。

「代々の聖女に受け継がれる聖杖――あなたなら使えるはずです」

「そんな、私……魔法使えない……」

狼狽えながらもセレナが杖を受け取った瞬間、神々しい光が彼女を包み込む。
敵勢力の目を逃れるために封印されていた、聖女としての強大な魔法の力を取り戻したのだ――

「残念ですが時間がないようです……この世界を、どうか――」

その言葉を最後に、第六聖女は異形の化け物へと変貌を遂げた――!

88アウラ ◆OmrbZWDMUs:2016/03/29(火) 23:58:51
【伯爵がこのまま黒幕じゃあ普通すぎるかなあ、と思ってもうひと捻りしてみたくなった結果こうなりました
トワールさんは共闘ルートでも魔王と一緒にラスボスルートでも
実は全ての黒幕で魔王瞬殺した上でラスボスルートでも(!?)いけるようにしたつもりです】

89アウラ ◆OmrbZWDMUs:2016/03/30(水) 00:07:05
と急に言われても何時の間にやら終わってるこの状況に呆然かもしれませんね…
もしも急展開前からやり直したいと思うならそれもやぶさかではないので相談してください

本スレ一覧

【TRPG】新ダークファンタジー
ttp://tamae.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1453469591/
新ダークファンタジーTRPGスレ 2
ttp://tamae.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1457665634/
新ダークファンタジーTRPGスレ 3
ttp://tamae.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1459212098/

90名無しさん:2016/03/30(水) 00:23:05
156 :オメルタの英霊 ◆AbqZwUm.mk:2016/03/29(火) 23:36:30 ラウテ様へ

はじめまして、オメルタ様の代理人―サーヴァントでございます。
此度はこのような事態になってしまい、大変困っております。
これまでスレを育てていただいたヴィクトル様、リタリン様にも参加していただきたいのですが、
この流れではもう無理のようですな…

そこで一つ提案をさせていただきます。
オメルタ様曰く、「どうしてもなな板で完結させたい」とのことですので、
是非ともスレ立てをなな板でしていただき、同時にラウテ様のレスを追記していただきたいのです。
順番としましては、

ラウテ様スレ立て+ラウテ様の決めレス→オメルタ様のED→ラウテ様のED→(オメルタ様EDex...)

といった流れを望んでおります。
おっと、勿論、アレですな…なな板には現在、とんでもない怪物が暴れております。
そこでオメルタ様は、ゲームを提案するとのことです。

怪物も生き物、睡眠時間というものがございます。
そこで、怪物の暴れている時間を見ていただき、怪物が活動していないと思われる隙を付き、
スレ立てをしていただければと思います。

期限は3月の31日夜12時まで。こちらはいつでも対応できるものと思ってください。
もしこれまでに動きが無ければ、オメルタ様が自らEDを書きおろし、
オメルタ様はなな板から永遠にお別れとさせていただきます。
どうか勝手をお許しください。

もしスレの完結がどんな形であれ成立したならば、
バラバラになったレスをまとめ、見やすいように纏めるとオメルタ様は約束します。
どうかラウテ様、共にヘヴィを無事に完結いたしましょう。それがオメルタ様の願いでございます。

【オメルタからラウテさんへ、隙を見てなな板にスレを立て、締めのレスをするよう提案】
【31日までに動きがなければオメルタは引退とする】

91名無しさん:2016/03/30(水) 00:35:24
そりゃヘヴィだ。誤爆か勘違いか?


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