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ゴストゥルーパー・ドールズ臨時レス置き場

2阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/03/29(土) 06:49:19
>「は…はぁ…、あ、では、お車はこちらです。」

迎えの青年は背景で繰り広げられるどつき漫才?に圧倒されながらも、車に案内してくれる。
どのような役職に就いている人だろうか。
ただの事務員にしては妙に体形ががっちりしている。
発進する車。両親が玄関から飛び出てきて、相変わらず騒いでいる。
手を振って笑いかける。

「大丈夫、死んだりするものか」

――妖怪どもを一匹残らず駆逐するまではなあ!

そう、そのために私は歌姫になったのだ。
人間はあまりにも衝撃的な記憶は思い出せなくなるという。
襲撃のその瞬間の事は、よく覚えていない。
あの日、昏睡状態から目覚めた私に告げられたのは、結婚相手が死亡したという事実。
そして悲嘆に暮れながら検査を受けている最中、もう一つの事実が告げられたのだ。
福音の歌い手としての適性が発現している、と。
それを聞いた私は哀しみの涙から一転、箍が外れたように哄笑をあげ、医者が大慌てしたものだ。
この時私は正気と狂気の紙一重を突き破り、正常ではない側に行ってしまったのだろう。
それでも構わない、この巡り合わせを神の思し召しと言わずに何と言おうか。
特に神を信じているわけではないが、奇しくも妖怪に対抗できる唯一の力は”福音”と呼ばれている。
その力を齎すものがたとえ邪神だとしても構わない、喜んで受けて立ってやる。

>「…嬉しそうですね?阿部さん」

迎えの青年に声をかけられ、暫しの回想から現在に引き戻される。
やる気十分を通り越してノリノリと言っていい状態の私が奇異に映っているのかもしれない。
これから命懸けの戦いに赴くのだ、普通は不安がるものなのだろう。
ここで「フゥーハハハ! 妖怪どもめ、駆逐してやるゥ!」なんて言ったらドン引きである。
入隊早々危険人物認定必至である。
私は仮にプッツンいっているにしても味方には友好的なタイプだ。自分で言うのも何だが。
愛想よく笑って返す。

「ちょっとはしゃぎすぎちゃったかな? 期待の新設部隊に抜擢されたからね、一緒に頑張ろうね。
ところであなたは何の役職? 見た感じ事務系……ではないよね。肉体労働系?」

会話のネタ程度に、何の気なしに聞いてみる。


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