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ゴストゥルーパー・ドールズ臨時レス置き場

138関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/10/27(月) 20:45:20
まるで幻聴のような福音が、この戦域を埋め尽くして行く。
混線したそれは人を死に誘う悪魔の行進曲か。
まるで曲調に合わせるかのように明滅する光の粒子。轟音。
だがその歌劇に関ヶ原はついてゆけなかった。

「ここは私のいる場所ではなかったのか…」
DIVAの歌声は長篠の闘争本能を呼び覚ました。
しかし関ヶ原の妖怪に対する憎しみは増長されることもなく
否、初めから憎しみなどなく、そんながらんどうの自分が情けなくも思えていた。

関ヶ原は思考する。
防衛大学は学費もかからず親に負担をかけることもなかった。
ゴストゥルーパーになってみたいと友人に話したらカッコいいと誉められた。
みんな些細なことの積み重ねだった。

だがここにいる者たちには譲れない思いがある。
長篠鉄もその一人だった。
彼は標準レクティルをDIVAにセット。

「……長篠さんっなにを!?避けろDIVA!」
なんと長篠はDIVAに砲撃をした。
たしかにDIVAは危険だが今は妖怪と戦ってくれている。

「あいつはそんな悪いやつじゃない。
少しプログラムに難があるだけのかわいそうなやつなんだ!くそっ……」

無数の光線がDIVAに直進してゆく。
どさくさに紛れ、DIVAに攻撃をしているのは長篠だけではなかった。
クラスター隊の中にもそれはいた。
それも人の譲れない思いというものなのだろうか。
自分のやりたいことをする。それだけで世界は出来ているとでもいうのか。
人の欲望、想いは次から次へと溢れてきて
まるで椅子取りゲームのように、座りたい椅子を狙う。
そう、この世界には夢と言われるものがたくさんある。
芸能人。スポーツ選手。政治家。官僚。
しかし……

「本当にやりたいこと……。そんなもの、この世界は私には用意してくれなかった!
他のものを蹴落として蔑んで何が夢だ!」
関ヶ原は嘆いていた。


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