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ゴストゥルーパー・ドールズ臨時レス置き場

137【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/10/26(日) 20:56:06
『DIVAに歌唱をやめさせろ!何故だ?何故奴は勝手に歌っている!!』

精神をむしばむ悪夢のようなDIVAの歌の中で、ジャクソンの怒声が無線の向こうに聞きながら、鉄は操縦間を握ったまま、動けなかった。
彼の瞼の向こうは、いつの間にか、荒廃した街に変わっていた。
…そして、そこで無残な死体となって死んでいる祖父母。
傍らでは妹達のすすり泣く声が聞こえ、他にも嘆き声と、悲鳴があちこちから聞こえてくる。

「これが…DIVAの歌…」

鉄の見ている幻覚、それは、無慈悲な動く天災に、初めて襲われた時の記憶。
当時妖怪に対し、なすすべのなかった人類は、突然市街地に現れる妖怪から、ただただ逃げ惑うしかなかった。
その際、脚の悪い鉄の祖母は逃げ遅れ、祖母を助けようとしていた祖父もろとも、妖怪の攻撃の犠牲になったのである。

物言わぬ屍となった祖父母を見て、鉄はその時、母が話してくれた思い出話を思い出していた。
友人に騙されて作らされた借金で苦労しながら母を育てた祖父母のとてつもない苦労の話…。
そして、孫が生まれ、これからやっと幸せを堪能するのだ、と語っていた事…。

「何だ?何でこんな…」

次いで見えたのは、電話機。
そこから伝えられる、友人たちの死…。
それらを聞く自分…。

「……妖怪に対する憎しみを、思い出させようとしているのか?」
『長篠鉄!撃て!!撃ちなさい!撃てぇ!!』
「!?」

DIVAの歌の中でまどろっていた鉄の耳に、誰かの叫びが聞こえてきた。

『妖怪を滅ぼしなさい!早く!早く!』

笹倉だ。
あの冷静で、雰囲気こそ不気味で陰湿な物の、穏やかで優しい桜が、声を荒げて叫んでいるのだ。
彼女の心は自分よりも妖怪に対する憎しみが強いという事を、鉄は知っている。
この歌は憎しみの度合いによって、その効力が異なるのだろうか?

DIVAは本気で歌っているわけではないのだろう、幻覚の中に、薄らと現実の光景が見える。
それは、圧倒的な力で、T改が苦戦したヨナルデパスドーリを圧倒する鳳の姿。
同時、耳にはアメリカの歌姫、ソフィーヤの歌うソビエト国家が聞こえてくる。

「奴は…危険だ!」

DIVAに対し、危機感を覚えた鉄は、T改の腕を鳳に向けると、スタークラスター隊に続いて、妖撃砲を発射した…。


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