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『両儀式』(セイバー)「魔力供給?」
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:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/02(月) 00:07:18 ID:uoKfB3Uo
「私を…助けて…」
怖がらないで、と言われても、つい昨日まで姉として親しく接してきた女性の身体が透けているのを見ても冷静さを保つのは難しいものだ。
それに、こんなにしおらしい『両儀式』を見るのは初めてだ。 ましてやこの女性の口から「助けて」という言葉が出るとは思いもしなかった。
「…っ!」
俺は意を決して、彼女の唇を奪うとそのまま布団へと押し倒した。
彼女を助けたい。彼女に消えて欲しくない。彼女を抱くことでそうできるなら、いくらでもそうしよう。
「さあ…来て…」
『両儀式』の薄い唇が微笑んだ。相変わらず胸の中に居座る不安感から逃げるように、俺は『両儀式』の身体に沈んだ。
白くなりはじめた東の空が、薄暗かった寝室を少しずつ照らし出していく。
「…お疲れ様」
『両儀式』の手が俺の後頭部を優しく撫でる。彼女の吐息を感じる。彼女の体温が伝わる。
「…暖かい」
再び彼女の手を握る。暖かい。血が通う、人間の手だ。彼女は生きている。彼女はここにいる。
「両儀式…」
「ええ…もう大丈夫。私たちはずっと一緒よ…」
再び『両儀式』の唇が俺の唇に重なると、急激に瞼が重くなってきた。 けれど、彼女と身体を重ねている間にもずっと苛まれていた不安感はもうない。このまま眠っても大丈夫だ。だって、『 』がそう言ってるんだから。
「今は、おやすみなさい… マスター…」
マスター。その言葉の響きに奇妙な懐かしさを覚えるが、もうそれを深く考えるだけの体力は俺に残っていない。
寝室の窓の向こうで白雪が舞っている。 降りしきる季節外れの雪に奇妙な安心感を覚えながら、俺は『両儀式』の中で眠りに就いた。
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