[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
【SS】劇場版名探偵コナン「零人目の配信者(ユーチューバー)」
1
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/08/24(土) 21:40:11 ID:YugBbSnc
【予告映像】
ベルモット「この男は大物YouTuberにしてコードネーム『サッポロ極ZERO』。
通称『ゼロ』と呼ばれる男…」
コナン「米花ホテルで開催された大人気ユーチューバーたちの公開生放送パーティーイベントで起こった連続殺人事件。
公開配信中に子供に人気のNo.1ユーチューバーが殺害され、血の惨劇が幕を開ける…!」
炎上系プロレスラーユーチューバー「シャ、シャムだ…syamuさんがよみがえって殺したんだあぁあぁ!!!!!」
コナン「世界に生配信された殺人映像には、サングラスをかけた伝説の大物ユーチューバーが写り込んでいた…!」
422
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/17(日) 22:25:42 ID:rOk21QKA
コナン「女の人はどんな感じだった?」
店員「そうだなぁ…とってもきれいな、外国の女優さんみたいな美人だったね」
コナン「(外国の女優…?まさか、ベルモットか…!?)」
コナン「ねえお兄さん!その人達とsyamuさん、何話してたかわかる!?」
店員「バイト中だったしその時のフードコートは騒がしくてあまり聞こえなかったけど、
会話の端々に何か外国のお酒の名前とかビールの名前が聞こえたなぁ」
コナン「(酒の名前…!?やはり…)」
コナン「ねえ、その後その人達とかsyamuさんってここに来た?」
店員「うーん…少なくとも僕がバイトに入ってるときは見てないなぁ」
コナン「わかった、ありがとう!」
423
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/17(日) 22:26:24 ID:rOk21QKA
服部「おい工藤、そいつらって…」
コナン「ああ…繋がったみてーだな…」
コナン「syamuと、あの黒の組織…。まだはっきりとはしねーが、何かのつながりがある…」
服部「で、これからどうするんや?」
コナン「決まってんだろ?行くんだよ」
服部「どこへや?」
コナン「決まってんだろ?あのsyamu_gameを産んだすべての始まりの地…」
服部「まさか…」
コナン「ああ…広島県江田島市、能美島へな…!」
424
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/17(日) 22:26:45 ID:rOk21QKA
ギィーーバタン!(CM前の扉が閉まる音)
425
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/17(日) 22:29:19 ID:rOk21QKA
一区切りしたのでここまでです
また1〜2週間くらいお待ち下さい
次はすべての始まりの地、能美島へ上陸します
ちなみに先週京都に行ったのでついでに貝塚に取材に行ってきました
今回貼った2枚は写真はその時撮って来たやつです
426
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/17(日) 22:33:31 ID:iScb1I6A
乙シャス!
取材旅行は草
427
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/17(日) 22:37:21 ID:nFfkl0xo
取材旅行までしてるとはたまげたなぁ…
428
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/17(日) 22:38:24 ID:bVNjpU1w
いつメンがsyamuとマクドで談話してるとこ想像すると草
429
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/17(日) 22:45:54 ID:2e8RJKbA
取材旅行とは気合が入ってるなぁ
430
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/17(日) 22:54:28 ID:h5C77Yow
取材旅行で草
431
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/18(月) 01:13:48 ID:pBr1X6wA
大阪の地理に詳しくないので勉強になりました
しかしこんなきれいなアングルで丁度誰も映ってない画像よくあったなと思ったら取材旅行で草生えた
432
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 10:31:52 ID:yjgVMYnU
取材旅行で草
京都のついでに行くにしては遠くないですかね…
433
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:05:31 ID:LCANXN0g
ガチャ、バーン!(CM明けの扉が開く音)
434
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:06:06 ID:LCANXN0g
【関西二日目の昼・広島港〜能美島航路のフェリーの船上】
服部「ほー、風が気持ちええな!なあ工藤!」
コナン「…。」(海を見ながら考え込むような顔)
服部「工藤…?」
コナン「…ああ、何だ服部?」
服部「難しい顔して何考えとんのや?」
コナン「syamuについて考えてたんだよ」
服部「…ま、せやろな。工藤が爆発現場の近くのビル屋上で出会ったゆーsyamuはその組織の一員のような全身真っ黒な服を着ていた。
そして、syamuは組織の一味と貝塚で接触していた…
ほぼ組織の一員で決まりやろからなぁ」
コナン「だが、わからねー事だらけだ。まず、syamuは黒の組織に入ったのか…?
入ったのだとしたらなぜsyamuを組織に?組織に何らかの思惑があるのか…?」
服部「それは簡単やろ?組織のボスがsyamu_gameの大ファンやった!だから仲間にした!どうや?」
コナン「バーロ、んなわけねーだろ。真面目に考えろよ…」
服部「少し場を和ませようと思ただけや。で、まだわからんことなら他にもある…」
コナン「ああ…」
435
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:06:36 ID:LCANXN0g
コナン「syamuが本当に黒の組織ならあのビルの屋上でオレと蘭を始末していたはず…」
服部「ああ。その組織ちゅうんが工藤の知っとる通りの殺人すら辞さずに何の証拠も残さない冷酷非道な組織なら、
工藤はあそこでとっくに消されとるはずやからな」
コナン「もしかしてsyamuにもなにかの思惑がある…?」
服部「アホくさ。あのモグラ獣人の行動の意図なんて読めるわけないやろ?
行動の理由は全部Sだからで片付くわ」
コナン「(先日のホテルでの殺人事件も「Sだから」の理由で犯人にされかけたからな…)」
コナン「組織との関係だけじゃない。syamuの親族…焼肉さんやカスゴリさんたちの行方も気になる…」
服部「あいつの家族か…確かアイツの家族がsyamuを島の実家に幽閉しとったんやったな」
コナン「ああ。もし家族が無事ならsyamuが島の外にいるはずがねーんだ。
syamuが大物ユーチューバーとして活動したせいで実家や家族に迷惑がかかり、
引退させたがあのモグラは実家を出て数々の代理人の生活の保護の下で復活するも失敗、
再び家族に頭を下げて能美島へ戻った…。
あの家族はあの業人を一生座敷牢に幽閉して何もさせないと決意したんだからな」
436
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:07:31 ID:LCANXN0g
服部「そのモグラが貝塚や東京で目撃されとるっちゅーことは…」
コナン「ああ…。家族になにかあった可能性が高い。
家族がいたらあの土竜が島から出てるはずはないんだからな。
オレはピカキンさん殺害の3人の犯人がsyamuとその家族を始末したと考えてたんだが…
syamuが生きていて組織も絡んでいると判明した今、もう一つの可能性も浮かんできた」
服部「…組織に消された、っちゅーことか」
コナン「ああ。あの3人は直接syamuの家族に手を下したんじゃなくて
例えば、組織がsyamuを拉致して家族を始末するところを見ただけ…とも考えられる。
syamuさんの失踪と家族の死を偶然知ったことから殺人に利用した…」
服部「せや。それやったらあの爆破事件の理由も納得がいくわな」
コナン「ああ、口封じだろうな」
服部「取り調べで『謎の黒い服の男たちがsyamuを拉致して家族を殺すのを見たんです』なんて証言する可能性もあるからな。
3人に見られていたのをあのおっちゃんの推理生配信で知って証拠隠滅で殺した…ゆーわけやな」
437
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:08:48 ID:LCANXN0g
コナン「しかしわからねーことばかりだ…」
服部「ま、島に着けばわかるやろ!しっかし、休みに広島のこないな島まで来るとは思わんかったわ」
コナン「付き合わせちまって悪いな服部。お前は大阪で別れても良かったんだぜ?」
服部「アホウ。ここまで来たら乗りかかった船や。事件のことも気になるっちゃ気になるしな」
コナン「服部…」
服部「それにな、たまにはこうして男二人旅もええもんやろ?な!」
(コナンの頭をグリグリする服部)
コナン「(ったく、オレの方は組織絡みが分かったんで焦ってるってのに…)」
服部「あの島には何かうまいもんあるんか楽しみやな!あの辺やったらやっぱ牡蠣か?
大粒のカキフライとかぎょーさん食うてみたいわ!」
コナン「(でも、ま…)」
コナン「(…ありがとな、服部)」
438
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:09:32 ID:LCANXN0g
【能美島・フェリー乗り場】
服部「ほー、ここがあの能美島か。田舎の漁村みたいな感じやな」
コナン「ああ、あのモグラアマゾンが産まれてから10歳までを過ごした場所…。
そんなに人もいないみてーだな」
服部「東能美島と西能美島に二分され、江田島とも陸続きで繋がっとるY字型の島。
人口は二万人、牡蠣を始めとする漁業とみかんを中心とした農業が主な産業…か」(ガイドブックをめくりながら)
コナン「貝塚も駅から離れると公園や閑静な住宅街だったが、ここはそれ以上みてーだ」
服部「住人も少なそうやし、こういうとこは知らん人間が来たら住人がすぐ不審に思うようなとこや。
もしsyamuやその一家に何かあったとしたらすぐわかるはずや」
コナン「ああ。見覚えのない連中がウロウロしていたり妙な行動をしていたら周辺住人は必ず覚えているはず…
syamuの家周辺を調べて聞き込みをすれば何かしら分かるはずだ」
服部「よっしゃ!そうと決まれば早速捜索やな!こっからかなり離れとるし、タクシーでも呼ぶか!」
コナン「ああ!なんとしても手がかりを見つけねーとな…!」
439
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:10:26 ID:LCANXN0g
【タクシーの車内】
初老のタクシー運転手「へぇー、東京から来たんか?」
コナン「うん!syamu兄ちゃんに会いに来たんだ!
ボクが大阪の団地に住んでた時に隣に住んでて一緒に遊んでもらったんだ!
だからお母さんがお土産を持って挨拶してきなさい、って!」
服部「(ホンマこいつ、よーペラペラと言い訳思いつくわ…)」
初老のタクシー運転手「こがいな何もあらへん島じゃけぇのぅ。
さえんとこじゃがゆっくりしてええんさい」
コナン「うん!…あ、そうそう!この辺りでボクたちみたいな島の外から来た人って最近見た?」
初老のタクシー運転手「本土からの観光客ばてんが乗せるがのぅ…。
ああ、そーゆやぁありゃぁ2月くらい前じゃったか、三人組のいなげな若いもんが全く同じ住所行きたい言うて乗せたのう」
コナン「syamu兄ちゃんの住所に!?ねえおじさん、その3人の若い人たちってどんな人達だった?」
初老のタクシー運転手「若い男の三人組じゃった、親戚の家行くとか言ってたかのぅ…」
コナン「(若い三人組…?)」
440
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:11:20 ID:LCANXN0g
初老のタクシー運転手「そういや妙な名前を呼んどったのぅ、酢豚とかロバ…なんちゃらとか言うとったわ」
コナン「(酢豚…スブター…それって…!)」
服部「なあ工藤、その三人っちゅーはまさか…」
コナン「ああ、ピカキンさんを殺害して後に爆殺された3人…スブターさんにラバエルさんにペカルさんだろうな…
やはりこの島に来ていたのか…」
服部「なあおっちゃん、そいつら何やけったいなとこなかったか?」
初老のタクシー運転手「んー…行き帰り二度乗せたきりで変わったこたぁなかったのぅ。
あの家まで乗せて4時間位後に呼ばれてまた港まで乗せただけじゃけぇ」
コナン「そうなんだ、ありがとう!」
コナン「(やはりあの三人はこの島へ来ていたのか…しかし何故…?)」
441
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:12:29 ID:LCANXN0g
【syamuの実家】
服部「ここがアイツの実家か、築40〜50年くらいの古い家って感じやな。
で、これからどう…」
コナン「…。」(家の敷地の中に歩いていくコナン)
服部「お、おい工藤!」
コナン「…。」ピンポーン(呼び鈴を押す)
コナン「…。」ピンポーンピンポーン(呼び鈴を連打)
服部「おい工藤!流石に不用意すぎるで!誰かおったら…」
コナン「いや、しばらくの間留守にしてるみてーだぜ?」
服部「…ああ。ポストに溜まった新聞やチラシに、掃除されてない玄関前…」
コナン「庭の草も最近ほとんど手入れされてねーし、電気のメーターも回ってねー…」
服部「それにポストから落ちとるこの電気料金や水道料金の明細…。
ここ2ヶ月はほとんど使っとらんみたいや」
コナン「…。」タッ(走って家の裏手に回るコナン)
服部「お、おい工藤!どこ行くんや!」
442
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:15:41 ID:LCANXN0g
【syamu自宅の裏手】
コナン「…」ガチャガチャ(窓を1つ1つ調べて開けようとしている)
コナン「お、ここの窓は開いてるな。行くぜ服部」
服部「行くぜて…おい工藤、まさか中に…?」
コナン「ああ」
服部「流石にそんなお前、勝手に入ったら…」
コナン「…カスゴリさんや焼肉さんの生死がかかってるかもしれねーんだ。
それに…」
服部「…まあ、分かるわ。お前やあの姉ちゃんの命もかかっとるからな。
しゃーないなぁ…付き合ってやるわ。見つかったら一緒に怒られたる」
コナン「悪いな、服部」
服部「また工藤への貸しが増えたな。ちゃんと返せよ?」
※他人の家への無断侵入は犯罪です。良い子のみんなは、やめようね!
443
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:16:12 ID:LCANXN0g
【syamu自宅内】
コナン「(ここがあいつの家の中か…。ニコニコの自宅侵入動画で見て以来だな…)」
服部「見つからん内に手早く調べようや。俺はあっちの部屋見てくるわ」
コナン「おう、任せたぜ」
コナン「…さて…調べるか…」
コナン「(随分散らかっているが…特に荒らされたという感じじゃねーな…)」
444
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:18:13 ID:LCANXN0g
(1時間後)
コナン「(どの部屋にも特に怪しいものはないな…)」
(散らかった部屋でものを拾い上げながら探すコナン)
コナン「(だが少し妙だ…特に本棚や物が入っている棚…)」
(本棚など棚の方を見上げるコナン)
コナン「(これらの棚の上はかなりホコリを被ってるのに、中はあまりホコリを被ってない…)」
コナン「(そう…まるで最近…)」
コナン「(誰かが『棚の中のものを全部出して調べた後、それを分からないように元に戻した』かのように…)」
445
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:18:43 ID:LCANXN0g
コナン「(誰だ…?凸者か、もしくは空き巣…?いや、それだったら元に戻す理由がねえ…)」
コナン「(そいつらなら散らかしたままだっていいはずだ)」
コナン「(考えられるのは…やはり…)」
コナン「(黒ずくめの男たち…!!)」
コナン「(灰原は以前『組織が工藤新一の家を調べた』って言っていた…)」
コナン「(syamuが組織と何らかの繋がりを持っているなら、同じように家を調べるということも考えられる…)」
コナン「(だが、何故だ…?)」
446
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:20:03 ID:LCANXN0g
(1時間後)
服部「どうやった?」
コナン「ああ…誰かが調べたような跡はあったが、それ以外はこれといって無かったぜ」
服部「ああ、そっちもそうやったか。こっちもなんや棚の中のモンを出した後にわざわざ元に戻したような跡があったわ」
コナン「他には何かあったか?」
服部「台所やトイレなんかを見たが最近使われた様子がまったくなかったわ。
これは二〜三ヶ月は留守にしとるで」
コナン「(三ヶ月…そういやsyamuが引退を宣言したのが8月下旬頃だったな…)」
コナン「(確かその1ヶ月位前の7月下旬にはこの実家に凸されてiPadを盗まれる事件があって、それが引退の理由だって言われてたな…)」
コナン「(今日が11月の末。空き家になったのが2〜3ヶ月前とすると…)」
コナン「(syamuが引退を宣言してから1ヶ月ほどの間にこの家で何かが起こったということか…)」
コナン「(しかし、一体何が起こったっていうんだ…?)」
447
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:21:51 ID:LCANXN0g
服部「で、どうするんや?少し暗くなってきてしもたし、もうあんま探されへんで?
明かりなんか付けたら通報されかねへんからな」
コナン「ああ…だが何か…何か手がかりが…」
コナン「ん…?」
(部屋の片隅の床の間の方を見るコナン)
コナン「(床の間…)」
コナン「(この掛け軸の裏に何かが隠して…)」ペラッ
コナン「(ハハ、忍者屋敷じゃあるまいし何もあるわけねーか…)」
コナン「ん?」
(床の間に敷いてあるカラフルな大きい布に気付くコナン)
コナン「これは…?」
服部「ああ、手作りのパッチワークやな。やたらでかいなぁ」
コナン「そういえばsyamuの母親のカスゴリさんはパッチワークが趣味とかsyamuの自宅紹介動画で見たな…」
コナン「(しかし何で床の間に敷いてあるんだ?こんな派手な柄、床の間には合わないはず…)」
448
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:23:33 ID:LCANXN0g
コナン「ん…?」
コナン「パッチワークの下の床の色が僅かに違う…」
(パッチワークをどかして調べるコナン)
コナン「(何だ、大体50センチ四方くらいの部分だけ色が違うぞ?)」
服部「ん?なんやそこだけ色が違うなぁ。秘密の入り口やったりせんか?」
コナン「バーロ、んなわけねーだろ。何か四角いものを置いといたせいでそこだけ色が変わったんだろうよ」
服部「ま、そう考えるのが自然か」
コナン「ん…?この床、なんか動く…?」
(色が違う部分に手を付け滑らせるとスライドして下への梯子が現れる)
コナン・服部「な!?」
449
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:24:23 ID:LCANXN0g
コナン「何だ…?ハシゴ…!?」
服部「このハシゴ…地下へと繋がっとるんか?しかし何でこないなとこに…」
コナン「(隠された地下室…何かがこの家にあるってのか…?)」
コナン「(黒の組織と、syamuをつなぐ手がかりが…)」
コナン「行くぞ服部!」
服部「お、おう!」
450
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:24:49 ID:LCANXN0g
ギィーーバタン!(CM前の扉が閉まる音)
451
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:27:11 ID:LCANXN0g
関西2日目が少し長くなるのでここまでです
また1〜2週間くらいお待ち下さい
本来の予定はホテルでのユーチューバー殺人事件→解決したらホテルが爆発→ホテル屋上でsyamuさん&黒の組織と対決で終わる予定だったんですが、
色々考えついたことを入れていったらやたら長くなりましたね…
>>432
京都に宿が取れずに難波のビジネスホテルに泊まったので比較的近かったですね
1時間足らずで貝塚まで行けました
452
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 14:41:46 ID:.ay/lFyo
予定が狂ったらむしろ逆に創作に活かす創作者の鑑
453
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 19:02:16 ID:A3UYJXUM
乙シャス!
454
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 21:07:09 ID:yjgVMYnU
この時期は京都取りにくいでしょうね
455
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/11/24(日) 23:33:16 ID:KuAcF5l.
毎回良いところで終わるのでそわそわする
続き楽しみにしてます
456
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 13:53:41 ID:ReDjp0Bw
ガチャ、バーン!(CM明けの扉が開く音)
457
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 13:54:45 ID:ReDjp0Bw
(はしごを降りる二人)
服部「なんや狭くて暗いとこやな…」(スマホで下を照らしながらコナンより先に降りている)
コナン「……。」
服部「…なんやここ?」
(2メートルほどのはしごを降りると、6畳ほどの暗い部屋に出る)
コナン「小さい机が一つと…あとやたらと本棚が置かれてるな…」
服部「ま、とりあえず気ぃつけて調べてみよか」
458
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 13:55:32 ID:ReDjp0Bw
(暗いのでスマホで照らしながら本棚を調べるコナン)
コナン「(ここに置かれてる本…薬学系の本がやたら多いな…)」
コナン「(それに発行が30年以上前の古い本ばかりだ…かなり変色が進んでる)」
コナン「(ここも本棚の上の部分はホコリが溜まってるのに棚の中はホコリがあまり溜まっていない…)」
コナン「(ここも誰かが調べて元に戻したってのか…?)」
コナン「(妙なのは本棚のところどころにごっそりと抜かれた痕跡があること…)」
コナン「(ここに侵入した誰かにとってどうしても欲しい物がここにあったか…)」
コナン「(それとも…都合の悪いものがここにあってそれを回収したか…)」
459
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 13:56:00 ID:ReDjp0Bw
服部「なんや暗くて見づらいなぁ…」(机の引き出しを漁る服部)
服部「(この引き出しの中…何もあらへんか…)」
服部「(しかし暗くて見辛いわ…)」
服部「(ん…?)」
(引き出しの奥をスマホで照らす服部)
服部「(引き出しの奥…何や書いてある?)」
服部「工藤!なんや引き出しの中に何か書いてあるで!」
コナン「何だって?」
460
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 13:57:43 ID:ReDjp0Bw
服部「ほら、ここや。この奥の方や。A…P…?」
コナン「ペンで書いてあるな…。A…P…T…X…512…810…4T…」
コナン「APTX5128104T…」
コナン「APTX…アポトキシン!?」
コナン「(APTX4869はオレがあの黒ずくめの男たちに飲まされた薬…)」
コナン「(それとよく似た『APTX5128104T』…あの薬となにか関係が…?)」
461
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 13:58:50 ID:ReDjp0Bw
【syamuの実家から少し離れた道路】
コナン「(結局その後も隠し部屋を探したが、あの文字以外に特に手がかりは見つからなかったな…)」
服部「おう工藤、宿取れたで!相部屋でええやろ?」(スマホを片手に笑顔の服部)
コナン「ああ…」
服部「船宿らしいからメシもきっと美味いはずやで!楽しみやな!」
コナン「ああ…」
服部「…おい!」
コナン「いたた!何すんだよ!」(服部に頬を引っ張られる)
服部「ったく、まーた考え事か?少しは旅を楽しんどけ!」
コナン「ったく、しゃーねーだろ?オレが元に戻る手がかりに繋がるかもしれねーんだから」
服部「まあなぁ。お前が飲まされた薬ゆーのと似た単語があの家に残されてたんやからな」
コナン「(他の場所で見つけたなら偶然記された落書きかもしれねーが…)」
コナン「(syamuが黒の組織と関係がある可能性があると分かった以上、これは絶対に偶然じゃねえ…)」
コナン「(くそっ、syamuの手がかりを追うどころかますますわからねえことが増えちまった…)」
462
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 13:59:58 ID:ReDjp0Bw
服部「で工藤、これからどうするんや?」
コナン「とりあえず今日は宿で泊まって、明日の朝またあのモグラハウスを探して周辺に聞き込みをするしかねーな。
それで明日の昼前にはこの島を出ねーと休みが終わる前に東京に帰れねえ…」
服部「どうせならもっと泊まってたらどうや?もっと遊んでいこうや!
この島出たらゆっくり大阪観光なんてどや?
紅葉もええ時期や、京都辺りまで足伸ばしてもええな!」
コナン「バーロ、学校があるんだよ。お前だって学校があるだろうが…」
服部「ああ、すっかり忘れとった!課題もあるんやったわ!」
コナン「(明日中になにか掴んで帰らねーと…)」
463
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:01:19 ID:ReDjp0Bw
【能美島の旅館の和室】
服部「ZZZ…やめろや和葉ぁ…」
(浴衣で気持ちよさそうに布団で眠っている服部)
コナン「ハハ…」
コナン「(飯食って風呂入ったらもう寝ちまいやがったコイツ…気楽でいいな…)」
服部「ZZZ…」
コナン「(まあ、メシも美味かったし風呂も気持ちよかったし…)」
コナン「(何より、こんなとこまで付き合ってもらってる…)」
服部「ZZZ…工藤ぉ…推理勝負やぁ…」
コナン「(こいつには本当、今回世話になりっぱなしだな)」フッ
コナン「(…そうだ、こうしちゃいられねえ。あのAPTXなんとかって言葉について灰原に聞いてみるか…)」
464
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:02:06 ID:ReDjp0Bw
ポチポチポチ(スマホを弄るコナン)
スマホからの灰原の声「もしもし」
コナン「ああ、灰原か。悪いなこんな時間に」
スマホからの灰原の声「何の用なの工藤くん?今ビッグ大阪の試合見てるんだけど。
比護さんが今日も活躍してて…切るわよ」
コナン「悪い悪い、ちょっと聞きたいことがあってさ」
スマホからの灰原の声「はぁ。早く済ませなさいよね」
コナン「ああ。なあ灰原…」
スマホからの灰原の声「何よ?」
コナン「お前、『APTX5128104T』って知ってるか?」
スマホからの灰原の声「っ!!?」
465
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:02:50 ID:ReDjp0Bw
スマホからの灰原の声「…工藤くん。どこでその言葉を聞いたの?」
コナン「syamuの実家の引き出しの中にあったんだ、『APTX5128104T』って書き残しがな」
スマホからの灰原の声「ってことは、syamu_gameは組織と関係があるというの?」
コナン「はっきりとはしてねーが、その可能性もあるな」
スマホからの灰原の声「…はぁ。まさかあのsyamuが、ね…」
コナン「で、どうなんだ?その512…なんとかって言うのは知ってる薬なのか?
オレやお前が飲んだアポトキシンと関係があるのか?」
スマホからの灰原の声「知ってるといえば知ってるし、関係がないわけでもないわ」
コナン「じゃあ教えてくれ!」
スマホからの灰原の声「…そうね。私としては同僚の科学者たちから噂を聞いた程度で本当のことかどうかはわからない。
それでも良いなら教えてあげるわ」
コナン「ああ、頼む」
466
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:04:47 ID:ReDjp0Bw
スマホからの灰原の声「『出来損ないの配信者』…」
コナン「え?」
スマホからの灰原の声「あの薬…APTX5128104Tの別名よ。
APTX4869が『出来損ないの名探偵』と呼ばれていたように、
あの薬も開発中に組織ではたまにそう呼ばれていたそうよ…」
コナン「ってことは、それも組織で作ってた薬だってのか?」
スマホからの灰原の声「そうよ。数十年前、組織はある目的のために薬を作り始めた。
それは一種類ではなく、いろいろな種類の薬の研究が同時に進められたの。
その中に私やあなたが飲んだAPTX4869もある。
他にもAPTX114514、APTX8101919なんてのもあったわね。
…そして、その中の一種がAPTX5128104T」
コナン「あの薬と一緒に開発されていた薬ってことか…」
467
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:05:33 ID:ReDjp0Bw
スマホからの灰原の声「2つの薬は組成も効果も似ていた。ただ一点を除いてはね」
コナン「ただ一点?」
スマホからの灰原の声「細胞の自死、即ちアポトーシスを誘導するのは同じ。
ただ、4869は全身に直接作用するのに対し、5128104Tはまず『脳』に作用する」
コナン「脳に?」
スマホからの灰原の声「最初に脳に強く作用することで中枢神経等の神経系統に働きかけ、
その後全身に作用させる…。
これによって脳内物質の分泌を促進させ、薬の効能を大きく増幅させることができるのよ。
薬の効果や研究成果としては4869を大きく上回っていたとも一部の科学者の間では言われていたらしいわ。
私が生まれる前のことだから他の科学者から聞いた話だけどね」
コナン「それだけの効果があるんなら4869の代わりになってるんじゃねーのか?」
スマホからの灰原の声「ええ、そのはずだったそうよ。2人の科学者がある事件を引き起こすまではね」
コナン「ある事件…?」
468
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:06:36 ID:ReDjp0Bw
スマホからの灰原の声「APTX5128104T開発の責任者だった2人の優秀な科学者夫婦。
組織でも指折りの科学者でもあったその2人だけど、数十年前に研究所を爆破して自ら命を絶った。
すべての薬物データや実験結果、サンプルや被験者のデータを道連れにね。
組織に残されたデータも全部めちゃくちゃに改ざんされていた…
それ以来、研究が続けられなくなったAPTX5128104Tの開発は永久にストップ。
それがその事件よ。
以来、組織はAPTX4869の開発の方に力を入れていったと聞いているわ」
コナン「その二人は何で自殺を?」
スマホからの灰原の声「さてね。その二人はその辺の子供でも被験者にしていたって噂もあったそうだし、
子供を実験材料にしてたからある日突然罪の意識でも湧いたんじゃない?
それに5128104Tにはいろいろな副作用があったみたいだから」
コナン「副作用?」
スマホからの灰原の声「脳に作用する薬だから実験に参加した科学者の中には脳をやられて奇行に走り始めるような人もいたらしいわ。
だから薬に頭をやられて自殺を図った、なんて噂もあるわね」
コナン「なるほどな…」
スマホからの灰原の声「その2人の科学者の裏切りとも言える事件をきっかけに、
その薬は組織の中でこう文字って揶揄されていたそうよ。
『出来損ないの背信者(ユダ)』とね…」
コナン「『配信者』から組織の『背信者』になったってわけか…」
469
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:07:43 ID:ReDjp0Bw
スマホからの灰原の声「…ところで工藤くん。大丈夫なの?
あなたまた危ないことをしようとしてるんじゃないの?」
コナン「い、いや、大丈夫だ…ハハ…」
コナン「(灰原にはsyamuがオレの正体を知っていた、とは言ってねーが…言わない方が良いかもな…)」
スマホからの灰原の声「しかしショックね。あのsyamuが組織の一員かもしれないだなんて…
組織の人間から感じる匂いを感じることもできずにsyamuの動画を面白いと思ってたなんてね。
あのオリジナルメニュー動画、良く眠れるから嫌いじゃなかったのよ」
コナン「(まあ仕方ねーとは思うけどな…30超えて貝塚からほとんど出てないようなアレが組織の一員だなんて誰も思わねーよ…)」
スマホからの灰原の声「そろそろ切るわね、くれぐれも気をつけなさいよ」
コナン「ああ、ありがとな」
470
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:08:14 ID:ReDjp0Bw
スマホからの灰原の声「ああ、そうそう…」
コナン「?」
スマホからの灰原の声「『ジントニック』と『カシスオレンジ』…」
コナン「え?」
スマホからの灰原の声「そのラボを爆破して死んだ2人の科学者のコードネームよ…」
コナン「ジントニックに…カシスオレンジ…」
スマホからの灰原の声「ま、その2人とももう数十年前に死んでるしこの話自体だって又聞きの昔話。
どこまで本当かわからないし、もはや私に確かめる術すらない。
さっきの話は話半分に聞いといていいわよ。
じゃ、切るわね。おやすみ」
コナン「ああ、おやすみ」ピッ
コナン「(数十年前に死んだ科学者夫婦の『ジントニック』と『カシスオレンジ』か…)」
471
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:10:24 ID:ReDjp0Bw
(電気を消して布団に横になるコナン)
コナン「(しかし何故syamuの家にそんな昔の薬の名前が…?)」
コナン「(それにあの隠し部屋…あれは一体何なんだ?)」
コナン「(それ以外にもわからねーことは山ほどある…)」
コナン「(2、3ヶ月の間空き家になっているsyamuの実家…あそこで何があったか…)」
コナン「(まだわからないsyamuの家族の行方も気になる…)」
コナン「(そして誰かが家の中を探してわざわざ綺麗に元に戻したような痕跡…)」
コナン「(スブターさんたちあの事件の犯人3人もこの島を訪れていたってのも気になる…)」
コナン「(そして、肝心のsyamu本人の行方…)」
コナン「(能美島まで来たってのにわからないことが更に増えただけだ…)」
コナン「(…だが…ひとつだけ手がかりを見つけた)」
コナン「(APTX5128104T…。APTX4869と共に組織が開発していた薬…)」
コナン「(もしかしたら…)」
コナン「(オレが元の体に…工藤新一に戻る手がかりが掴めるかもしれねぇ…!)」
472
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:10:57 ID:ReDjp0Bw
ギィーーバタン!(CM前の扉が閉まる音)
473
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 14:12:08 ID:ReDjp0Bw
ちょっと短めですが関西2日目が終わったのでここまでです
また1〜2週間くらいお待ち下さい
次で関西編が終わる予定です
思いつきで話を広げ始めましたがちゃんと終わるか心配ですね…
474
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/01(日) 16:23:19 ID:Hz2cjOMM
APTXコイニハッテンシテ…は草
475
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/03(火) 16:58:35 ID:ff7kCBUI
syamuさんはこの薬で脳をやられたんですかね…
476
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/03(火) 17:36:10 ID:f6FIsO/M
APTXコイニハッテンシテ好き
477
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:26:59 ID:NiE/aJec
ガチャ、バーン!(CM明けの扉が開く音)
478
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:28:21 ID:NiE/aJec
【関西三日目の朝・syamuの家周辺の道】
服部「ふわぁぁぁ…こんな朝早くから探さへんでもええやろ…まだ8時やで?
朝メシくらいゆっくり食わしてほしいわ」
コナン「仕方ねーだろ?今日で三連休最終日。今日中に東京に戻るにはここを12時には出てーからな」
服部「東京に帰るならそのくらいに新幹線乗らんと帰られへんからなぁ。
しっかし、せっかくの三連休やってのにsyamuの聖地巡りするとは思わんかったなぁ」
コナン「(今日絶対に掴んでやる…黒の組織…そしてsyamuの謎を…!)」
479
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:28:51 ID:NiE/aJec
【syamuの家前】
(警察官や捜査員が集まっているsyamu宅)
コナン「警察…」
服部「家宅捜索、やな。おそらくアイツの家族の失踪絡みでの捜索やろ。
やっと警察も動いたんやろな」
コナン「…家宅捜索か…やべーな。
おそらく1日中やってるだろうし、もうあの家は調べられねえ…」
服部「しゃーない、昨日調べられただけ儲けもん思っとこうや。
後はアイツの家は諦めてギリギリまで周辺の聞き込みでもしとこか」
コナン「ああ、そうするか…」
480
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:30:00 ID:NiE/aJec
【syamuの家周辺】
近所の主婦A「浜崎さんの家?ああ、最近は親戚の家に一時的に移り住んでたって聞いてたけど、
まさか行方不明だなんて思わなかったわね…」
コナン「移り住んでた?」
近所の主婦B「ええ、そうなのよボウヤ。ご主人の焼肉さんの定年で戻ってきたんだけど、
それ以来あの家の周りを不審者がウロウロしてることが多くてね。
物騒だから一時的にどこかに移りたいってカスゴリさんがよく言ってたのよ」
コナン「(不審者たち…syamuの家に凸しようとしてた俺オナ民だろうな…)」
近所の主婦A「それに4ヶ月前に空き巣が入ったって言う話でね?」
コナン「(実家に凸者が侵入してsyamuのiPadを盗んだって事件…。
確かあれでsyamuは動画撮影ができなくなり、実家にも迷惑がかかるってことで
アレをきっかけにsyamuは引退を決めたって噂だが…)」
481
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:30:44 ID:NiE/aJec
近所の主婦C「怖いわよねぇ。その前後にもたまにあの家の周りを知らない人がウロウロしてたり、
この辺のナンバーじゃない黒い車が来たりしてて…」
コナン「(黒い車…?)」
コナン「ねえ、その人達って家に忍び込んでたりしてたの?」
近所の主婦A「怪しい人たちは家の周りをウロウロしてただけだと思うわ。
でも確か一回清掃業者みたいな人たちが家の中に入っていったわね」
コナン「(清掃業者?)」
コナン「あのお家のおじさんとかおばさんとか、syamuさんって最近見かけた?」
近所の主婦B「ここ2〜3ヶ月位は見てないわね。
変な人達がうろついてるから一時的に別の場所に移りたい、
みたいなことはカスゴリさんから聞いたから恐らくどこかに移ってるかと思ってたんだけど…」
近所の主婦C「怖いわねぇ、まさか事件に巻き込まれてるかもしれないだなんて…」
482
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:31:22 ID:NiE/aJec
コナン「(…家族は行方不明…)」
コナン「(今が2019年の11月…つまり…)」
1月下旬 syamu、実家を出る(複数の代理人によるsyamu争奪戦開始)
6月中旬 syamu、実家に戻る
7〜8月頃 怪しい車や人物などがsyamu宅周辺をうろつく
7月下旬 凸者によるsyamu実家侵入事件
8月下旬 syamu、引退を宣言
9〜10月頃 家族の消息が途絶える。スブターさんたちが家を訪問
コナン「(もし怪しい人物や車が凸者でないとしたら…)」
コナン「(組織の人間もその中にいた…?)」
コナン「(もしかしたら実家侵入窃盗事件も、syamuの引退も全て組織によって仕組まれたもの…?)」
コナン「(いや、それは考えすぎか…?)」
483
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:33:12 ID:NiE/aJec
コナン「ねえ!あの焼肉さんやカスゴリさんがここにいた時のことって覚えてない?
30年くらい前にここから大阪に引っ越したんでしょ?」
近所の主婦A「ええ、確か二十数年前だったかしら?
ご主人のお仕事の都合で大阪に引っ越していってね。
私もそのちょっと前にこの島にお嫁に来たからよく覚えてるわ」
コナン「焼肉さんのお仕事?確か公務員だったんだよね?」
近所の主婦B「ええ、でも昔は二人共どこかの会社に勤めていたらしいわよ。
でも三十年前くらいだったかしら、退職されてカスゴリさんは主婦に、
焼肉さんは公務員になったって聞いてるわね」
コナン「他になにか昔のことで知ってること無い?」
近所の主婦C「昔のことだから覚えてないわね…。
あ、そういえば、3ヶ月前か4ヶ月前くらいだったかしらね。
あの家をお掃除しに来た清掃業者の人たちと世間話をしたんだけど、
その時にボウヤたちみたいに昔のことをちょっと聞かれたわね」
コナン「(清掃業者が…?)」
コナン「(おそらく組織の連中の変装…)」
コナン「(探された後は組織によるものか…?)」
484
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:34:07 ID:NiE/aJec
【数時間後・東海道新幹線新大阪駅上りホーム】
(服部だけが降り、コナンがそれを見送る)
コナン「世話になったな、服部」
服部「なあ、本当にええんか?あの姉ちゃんに言うてもう何泊かして探しても…」
コナン「大体の情報は集めた。恐らくもう何泊かしても結果は同じだ。それに…」
服部「syamu本人はおそらくまだ東京にいる、か」
コナン「ああ、30才まで貝塚にこもって生きてきた男だ。
あの生活力の無さから言っても恐らく今だってそこまで動いていないはず…」
服部「出会ったあのビル周辺を中心に聞き込んでいけば発見できる可能性は高いやろな」
コナン「そういうわけだ。あとは俺に任せろ」
485
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:34:34 ID:NiE/aJec
服部「せやかて工藤、俺も何か…」
コナン「いや、お前まで巻き込むわけにはいかねーよ」
服部「…工藤…。」
コナン「んな顔すんじゃねーよ。そうだな、じゃあsyamuの家族の行方の捜査に進展があったとか、
syamuの目撃証言があったり何かあったら俺に教えてくれ」
服部「おう、任しとけ!」
プルルルルルルルルルルルルルルル(発車ベルの音)
コナン「あ、言い忘れてた」
服部「ん?」
486
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:35:01 ID:NiE/aJec
コナン「ありがとな、服部」
服部「!」
コナン「今回の旅、お前のおかげで楽しかったぜ。また一緒にどっか行くのも悪くねーな」
服部「工藤…。」
服部「…俺も楽しかったわ!次はもーっとおもろいとこ案内したる!楽しみにしとけよ!」
コナン「ああ、また来るぜ!じゃあな!」
服部「おう!」
プシュー(新幹線のドアが閉まる音)
服部「(工藤…絶対に死ぬなよ…!)」
487
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:35:58 ID:NiE/aJec
【上り東京行き新幹線の車内】
(車窓を見ながら考え事をするコナン)
コナン「(syamu…syamuの家族…黒の組織…能美島…貝塚…)」
コナン「(そして、APTX5128104T…)
コナン「(もう少し…もう少しで全てが繋がりそうなんだが…)」
コナン「(…ま、詳しいことはあいつを探し出して締め上げて聞けばいいか…)」
コナン「(…今度こそ…蘭や皆を危険に晒すようなことはしねえ…)」
コナン「(しかし…)」
コナン「(syamu…あいつは今どこにいる…?)」
488
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:36:01 ID:h2AGnbtE
もう始まってる!
489
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:36:58 ID:NiE/aJec
【同日同時刻・喫茶店ポアロ】
梓「安室さーん」
安室「…。」
梓「安室さん…?」
安室「あ、すみません梓さん。どうしました?」
梓「いえ…ちょっと最近の安室さん、ぼーっとしている事が多いなって。お疲れですか?」
安室「ああ、最近ちょっと夜更かし気味で。最近録画した連ドラを見るのにハマっていて…」
梓「ダメですよ、夜はちゃんと寝ないと」
安室「ええ、仕事にはちゃんと影響のない程度にしておきますよ」
安室「…。」
490
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:37:39 ID:NiE/aJec
(回想)
バーボン(安室)「へぇ、それはお会いしてみたいですね。その『ゼロ』さんに…」フッ
ベルモット「フフ…その必要はないわ」
バーボン「え?」
ベルモット「読めないあの男のことだもの、近い内にあっちから貴方に接触するかもね」
バーボン「あちらから、ですか…それは楽しみですね」
(回想終わり)
491
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:38:33 ID:NiE/aJec
安室「(組織の新入りの幹部『サッポロ極ZERO』か…)」
ガチャッ(ポアロの入り口が空いて誰かが入ってくる)
梓「いらっしゃいませ、何名様で…」
syamu「オイイイイイイイイイイッス!!!どーもー、syamuでーーーーす!!」
梓「きゃああっ!?」
安室「!!」
安室「(この黒服…まさかこの男が『サッポロ極ZERO』…?)」
492
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:39:13 ID:NiE/aJec
梓「あ、あの…何名様、ですか…?」
syamu「おほ^〜(勃起)」
梓「ひっ!?」
syamu「俺でオナニーはしたらダメだで」
梓「あ、あの…一名様…でしょうか…?一名様でしたらあちらの…」
syamu「コイニハッテンシテ…素敵なことやないですかぁ。十分ニチィ!パワーを貰えますよぉ〜」
梓「うう…」(怯え顔)
安室「(…。)」
安室「(いや、違う…)」
493
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:39:49 ID:NiE/aJec
syamu「私はイケメンではございません。ですが、心はイケメンでございます」
梓「ひぃぃ…」
安室「(このギリ健が組織の幹部『サッポロ極ZERO』だとは考えにくい…)」
安室「(ベルモットが言うには僕以上の切れ者だという話…)」
安室「(それに短期間で幹部まで上り詰めた力量。恐らく頭脳だけでなく全てに長ける人物)」
安室「(きっと僕よりも全てが上回っているような人物に間違いない…!)」
安室「(だがアレは明らかに見た目も頭もギリ健…組織の一員だとしても精々捨て駒レベルの末端)」
安室「(秘密主義の組織に属しているのにあんな黒ずくめの格好で騒ぎ立てて奇行をするなんて絶対にありえない、まして幹部なら尚更だ)」
安室「(…そう、あれは間違いなく『囮』…!!)」
494
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:40:34 ID:NiE/aJec
安室「(アレを囮に僕を観察しようとしているのだろう)」
安室「(つまり本物の『サッポロ極ZERO』はあの男以外…この店内にいる誰か…!!)」
(食事をする若い女性の2人組、コーヒーを飲む老人、眠そうにしているサラリマンなど店内にいる数名の客たちを鋭い目で見る安室)
安室「(いや、もしかしたら店外から見ている可能性もある…)」
(店の外の大通りを見る安室)
syamu「あ、いまのでキュンと来たね?なんたって俺自身が神だから」
梓「…うう…ぐすっ…」(怯えて泣きそうな表情)
495
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:42:14 ID:NiE/aJec
安室「(しかし、あの『サッポロ極ZERO』…『ゼロ』が何故僕にこっそり接触を…?)」
安室「(!!)」ハッ
安室「(もしかしたら、あのRUMが動いている…?)」
安室「(『ゼロ』は独自の調査で僕を怪しんだ…
あのモグラ顔の男を囮に僕を監視し、
少しでも何か尻尾を出せばRUMの許可を得て消すつもりか…)」
安室「(『ゼロ』は僕が公安であることを薄々勘付いている可能性すらある…)」
安室「(それだけの頭脳を持っていると見てまず間違いない)」
安室「(…これが最も有り得る話だ)」
安室「(流石にあの口肛門の男がベルモットが有能だと評価する『ゼロ』だとは考えられない)」
安室「(となると、僕がすべきことは…)」スッ
496
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:42:52 ID:NiE/aJec
安室「どうしました、梓さん?」
梓「あ、あの…安室さん…変なお客様が…」オロオロ
安室「ああ、大丈夫です。僕が対応しますよ。梓さんはキッチンの方お願いします」ニコッ
梓「すみません…」
安室「いらっしゃいませ!一名様でしたらあちらのお席へどうぞ!」ニコニコ
syamu「何で俺が年下の、俺より年下とコラボせなあかんねん」
安室「はは、年下ですみません。さああちらのお席へどうぞ」
syamu「おい!偉そうにYO!席案内してるんじゃねえぞ!
あウォウウォウウォウ!ウォウウォウウォウ!あランラカランラカランランラン、ウォウ!」
安室「ふふ…」
497
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:43:51 ID:NiE/aJec
安室「(面白い…)」
安室「(そちらがその気なら、先に尻尾を掴ませてもらいましょう。『サッポロ極ZERO』…)」
安室「(いえ、『ゼロ』さん…僕と同じあだ名を持つ者。勝負と行きましょうか)」
安室「(『零(ゼロ)』と『ZERO(ゼロ)』の対決でね…!)」
498
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 15:45:00 ID:NiE/aJec
関西編が終わってモグラフェイスVSトリプルフェイスの対決が始まるのでここまでです
また1〜2週間くらいお待ち下さい
次辺りから事件が起こって終盤に入っていくと思います
499
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 16:06:47 ID:h2AGnbtE
安室さんの囮syamu評が直球すぎて草
黒幕syamuへの過剰評価と合わせて面白すぎる
500
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 16:58:15 ID:k31YCTEQ
ギリ健じゃねーだろこれ…
501
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 17:04:22 ID:qFBK7F6U
これで深読みじゃなくてマジでゼロと別人だったら草生える
502
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 20:10:01 ID:K2x4j1eI
ファッ!?
503
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/08(日) 21:09:08 ID:JTM2xFdw
もう終わってた!
shameさんの評価ボロクソで草
504
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:31:00 ID:6TkC53cA
ガチャ、バーン!(CM明けの扉が開く音)
505
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:31:24 ID:6TkC53cA
(テーブル席)
安室「(さて…とりあえずこのモグラフェイスの男を適当にあしらいつつ…)」
syamu「アヤアイアイ!アイアイアイ!」
安室「お客様、こちらメニューです」
syamu「アラヤソラヤッタライタイ!!」
安室「ご注文はいかがなさいますか?」
安室「(…さりげなく周囲を伺い、『サッポロ極ZERO』の正体を掴む…!)」
506
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:32:08 ID:6TkC53cA
syamu「ミート、スパゲティ!ハイ!カツカレー!えー、親子丼!」
安室「すみません、ミートスパもカツカレーも親子丼もうちのメニューには…」
安室「!!!?」
(数日前の昼間の回想)
安室「中まで火が通っていたらそれをパンで挟めば、オリジナルメニュー『カツカレーサンド』の完成です!」
(回想終わり)
安室「(それだけじゃない…ミートスパは僕の昨日の昼食…)」
安室「(親子丼は公安の同僚と食べた昨日の夕食だ…)」
安室「(まさか…)」
安室「(『サッポロ極ZERO』は僕の全てを見通している…!?)」
507
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:33:03 ID:6TkC53cA
安室「(いや、単にこの男が奇声を発していてそれが全て偶然僕の作った料理や取った食事と一致しただけという可能性もないことはない…)」
安室「…すみません、ミートスパもカツカレーも親子丼もうちのメニューにはないんですよ」
syamu「カレーライス!ハンバーグカレー!カツカレー!えー…チキン南蛮カレー!あー唐揚げカレー!えっミックスピザ!チーズコーンピザ!あーオッケー!」
安室「カレーライスとハンバーグカレーならメニューにありますがそれ以外は…」
安室「!!!??」
安室「(この男が言っているメニュー…)」
安室「(先日打ち合わせと息抜きを兼ねて公安の同僚と行ったカラオケボックスのメニューと完全に一致している…!?)」
安室「(どこから…どこから見られていたんだ!?)」
安室「(やはり…僕の素性がこの店のどこかにいる『サッポロ極ZERO』に完全に見抜かれている…!!)」
508
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:33:33 ID:6TkC53cA
安室「ではカレーライスでよろしいでしょうか?」
syamu「ソソソソ…」
安室「では少々お待ち下さい!」
syamu「アジャース!アジャース!」
安室「(このモグラ顔の男はどうでもいい…どうせ組織の末端だ)」
安室「(『サッポロ極ZERO』…一刻も早く見つけなければ…)」
509
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:33:59 ID:6TkC53cA
安室「梓さん、カレーライス一人前お願いします!」
梓「はーい!」
安室「…ふぅ」
syamu「オォウイエ イヤイヤ ヒィンウゥッハッ!ヒヒィイェッ!アッハッハッポン!」
安室「(あのモグラ顔の男と接客していた時にさりげなく周囲を観察していたが…)」
安室「(何人かの客がこちらをキョロキョロと伺っていた…)」
安室「(あの中にヤツがいることは間違いない、十中八九…あのモグラ顔の男は囮…!!)」
安室「(組織があんなギリ健を幹部として引き入れるはずがない…)」
510
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:34:30 ID:6TkC53cA
syamu「オゥ!イヤァ!オウオウオウイヤ!ウェイ!イヤァ!イェス!」
安室「(…客がこちらを見ていたのはあの男が奇声を発していたから驚いてかもしれないが…)」
安室「(いや、それすらも計算通りのはず…)」
syamu「Do it !Do it !!ヒィェェヘッヘッヘハハッ!ヘシュャャャンハッハッハッハッハッハ!!」
(周囲の客が迷惑そうな顔でsyamuを見ている)
安室「(あの男が奇声を発して暴れていれば、こちらを伺っていても不自然に思われない…)」
安室「(単に奇声を発する珍獣を見ているだけと思われるからだ)」
安室「(確実に…この中に『サッポロ極ZERO』がいる…!!)」
511
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:35:03 ID:6TkC53cA
安室「おまたせしました!カレーライスになります!」コトッ
syamu「それでは早速、いただきますゥゥゥゥゥゥ…」
安室「それではごゆっくり!」ニコッ
安室「……。」
syamu「クチャ…ペチャ…ズズッ…」
安室「(もう30を過ぎているだろうに食べるのに汚い音を立てて…食べ方に品性の欠片も感じられない…)」
安室「(躾どころか教育すらまともに受けたかどうか怪しいな…)」
syamu「あのですね、カレーのうまみがミックスされて何ていうんだろ、
ものすごいうまみが生まれてますゥゥゥ…」
syamu「これはねぇ、そやねぇ、お好みで、粉チーズを掛けると、マイルドになって、
美味しいかもしれません。それ、そうはお好みで、ね。粉チーズをかけて下さい」
安室「(…恩義のあるこの店のカレーの味の改善点をこんな男に言われると腹が立つな…)」
安室「(…いや、この男のことなどどうでもいい、早くあの男を…『サッポロ極ZERO』を探さないと…!)」
512
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:35:56 ID:6TkC53cA
安室「(『サッポロ極ZERO』の特徴は…僕の全てを見抜き短期間で組織の幹部に収まるほどの天才的頭脳と洞察力を持った人物…)」
安室「(追い詰める手段の老獪さ…となればあの老人か…?)」
(テーブル席でコーヒーを飲む老紳士を見る安室)
安室「(いや、あの眠そうにしている若いサラリーマン…?)」
(テーブル席でうたた寝をするサラリーマンを見る安室)
安室「(…もしくはベルモットのような変装術を使ってあの大学生に化けているのかも…)」
安室「(二人組というのも怪しまれない偽装だと考えられる…)」
(テーブル席で談笑する2人組の女子大学生を見る安室)
安室「(…いや、さっきから店の外で待ち合わせをしているらしい中年の主婦らしい人物…?)」
(店の外に立って腕時計を気にしている中年女性を見る安室)
安室「(どこだ…どこにいるんだ…!?)」
安室「(僕にさえ全く尻尾を掴ませない…一体何者なんだ…!?)」
513
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:36:43 ID:6TkC53cA
(15分後)
syamu「はい、というわけで、ごちそうさまでした」
安室「(ダメだ…全くわからない…一体誰が…)」
syamu「点数の方なんですけども、そうですね…百点満点中、90点ですゥゥゥ…。
このカレーなにか足りないな〜と思うんですよ、自分的に。
それが何かと言ったら、やっぱり『お笑い』ですね。
おふざけが足りない」
安室「(公共の面前でふざけた奇行をしておいてよくもまあメニューにおふざけが足りないなどと言えるな…)」
安室「(しかし食べ終わったとなると…もう時間がない…)」
安室「こちらお下げしてよろしいでしょうか?デザートなどはいかがで…」
安室「!!!?」
514
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:37:15 ID:6TkC53cA
syamu「今回はまずマーガリン、小岩井のマーガリンをつけて、まずつけて、
マーガリンつけて、まあ小岩井マーガリンっていうかマーガリンをつけて…。
…だからまず食パンの上にマーガリンを塗って、その上に餡子を塗って…。
トーストして、マーガリンを上に塗ってこれを…」
安室「(持ち込んだ食パンとマーガリンと餡で小倉トーストを作り始めた…!?)」
安室「(いや、違う…それだけじゃない…!)」
syamu「えー、アクエリアスゼロを買いました。まあ、アクエリアスは2種類あると思います。普通のアクエリアスとこちらの、アクエリアスゼロがあると、思います。
で、こちら2点目が、三ツ矢、ミルクサイダー、を買いました。
えーーー…ま炭酸のジュースを買おうと思ったんですけども。
最初はCCレモンを買おうと思ったんですけども、こっち飲んだことがないので、
この三ツ矢サイダー…三ツ矢ミルクサイダーを買いました。
ほんでこの2点を使って何のジュース、何のオリジナルジュースを作るかといいますと、
炭酸、スポーツドリンクを作ってみようかなーと、思いました」
安室「(さらに持ち込んだジュースを交ぜ始めた…?一体何が目的なんだ…!?)」
515
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:37:55 ID:6TkC53cA
安室「(喫茶店に食べ物や飲み物の市販品を持ち込んで交ぜて食べるなど絶対にありえない…)」
安室「(フードコートなど許可されている場所こそあるが、一般的に飲食店に市販物を持ち込んで食べるのはマナー違反だということは誰でも知っていることだ)」
安室「(それに明らかに食べ物で遊んでいるだけの無意味な行為…意味があるとは思えない…)」
安室「(常識的に考えれば意味もなく30を過ぎたいい大人が公共の場で奇声を発しながら食べ物で遊ぶなんて絶対にありえない…)」
安室「(しかしこの男は組織トップクラスの切れ者の手駒…意味がない行為をするとは思えない…)」
安室「(…なぜこんな意味のない行為を…?)」
安室「(考えられるとすれば…)」
安室「(これは何らかの暗号…!!)」
516
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:38:41 ID:6TkC53cA
安室「(何だ…何を意味している…?)」
安室「(もしや…『サッポロ極ZERO』がこのモグラを通じて僕にメッセージを送っている…?)」
安室「(そうに違いない…。考えてみれば『アクエリアスZERO』という商品名…『ZERO』が入っている)」
安室「(こんな偶然はありえない…おそらく、アクエリアスZEROは『サッポロ極ZERO』からのメッセージということだろう…)」
安室「(ミルクサイダーはおそらく『見る』『スパイだー』…『観察の結果スパイだと分かった』という意味…ミルクサイダーと掛けた洒落…)」
安室「(『サッポロ極ZERO』からの『観察の結果お前のことを公安のスパイだと確信したぞ』という僕への最後通牒…死の宣告…!)」
安室「(まずい…このままでは…!)」
安室「(僕は、消される…!!)」
517
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:39:31 ID:6TkC53cA
syamu「ようこそ!わたくしの!チャンネルへ!ワーオ!!」(いきなり立ち上がる)
安室「(チャンネル?この男は一体何を…)」
安室「(チャンネル…領域…)」
安室「(!!!?)」
(原作からの回想)
赤井「此処から先はこちらの領域(エリア)だ…)」
(回想終わり)
安室「(『サッポロ極ZERO』は赤井秀一の生存にすらも気付いているというのか…!?)」
安室「(…くそ…『サッポロ極ZERO』はどこに…少なくともこの店の中にも外にもそれらしい男は…)」
syamu「それじゃ!私のゲーム実況はぁじまるゾ!!本編!行ってみよう!ヲーッホッホッホッホ!ホウッ!!」
安室「(まさか…!?)」ハッ
syamu「目の前におるジャァァン…」
(いつの間にか安室の目の前にいるsyamu)
安室「(こ、この男が…!?)」
安室「(最初から堂々と僕の前に顔を表していたというのか…!?)」
518
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:40:16 ID:6TkC53cA
安室「(まずい…)」
安室「(正体を知られた上にこれだけ近くまで接近されている…)
安室「(逃げられない…ここで消される…僕はここまでなのか…!?)
syamu「いやいやそれはさ、キミの甘えじゃないか?ということや」
安室「そうだな…確かに僕には甘えと慢心があった…僕の負けだよ」
syamu「ンー、改めて考えるとすごいな、って思うなあ。俺はやっぱ」
安室「ああ、キミは凄いよ。僕を完璧に上回って見せた…。
僕のことは組織に報告するなり消すなりどうにでも…」
519
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:40:46 ID:6TkC53cA
syamu「苦しいときも悲しいときも笑っちゃえば、プラスになりますからねー」
安室「え?」
syamu「信じること、信じ続けること。それが本当の強さだ」
安室「本当の強さ…」
syamu「――自分の身は、自分で守れるはずです」
安室「……え?それはどういう…」
syamu「ほいじゃ、まったのう〜!」
(安室の横を通り過ぎ、店から出ていくsyamu)
安室「あ…」
520
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:41:18 ID:6TkC53cA
梓「あ、お客様!お会計…」
安室「ああ、良いですよ。僕が払っておきます」
梓「安室さん!そんな…」
安室「良いんですよ。僕も彼から勉強させていただいたことがありましたから」
梓「あのお客様から…?ただ叫んだり汚くカレーを食べたり、
店の中で勝手にジュースを交ぜたりしてただけだと思うんですけど…」
安室「(『サッポロ極ZERO』…ヤツは敵ではないというのか?)」
安室「(一体、何者なんだ……?)」
521
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/12/15(日) 14:47:40 ID:6TkC53cA
(夜の米花町の大通りを走るベルモットの車。車内ではベルモットが運転し、ジンとウォッカが後ろの座席に座っている)
ウォッカ「syamu_game…いえ、『サッポロ極ZERO』はどこへ行ってるんです?」
ベルモット「さあ、どこへ行ってるのかしらね?でも計画に支障はないはずよ」
ウォッカ「最初に引退した後のことを聞きたかったのに残念ですね、兄貴。
丸坊主の復活動画で出てきた例の引きこもり支援施設のこととか幻の焼肉動画の…」
ジン「フン…そんなことはどうでもいい。ちゃんと計画は進んでいるんだろうな?」
ベルモット「ええ、キャンティとコルンも呼び寄せてあるわ」
ウォッカ「そういえば兄貴、キールとバーボンにも計画を伝えたんですかい?」
ジン「さあ、どうだったかな…いっそあいつらも巻き添えで死んでも構わねえんだがな…」
ウォッカ「兄貴!?」
ジン「フン、冗談だ。奴等なら勝手に嗅ぎつけて逃げるだろうよ。
巻き込まれて死ぬようなマヌケは組織には不要だ…」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板