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ガルパン みほルートGOODエンド

82名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/10/31(月) 00:21:33 ID:ZUO3Oe2U
【優花里ルート BADエンド】

 注:今回は一段とキャラ崩壊がひどいです。純粋な秋山殿好きの方は見ないほうがいいかもしれません。



 家を出て、周囲を何度か見回してから扉に施錠し、バイト先へと向かう。ま
ずありえないと分かっていても、一度付いた―――否、付けざるを得なかった習慣は抜けないものである。わざわざ地元でもある都会を捨て、こんな山あいの田舎町にやってきても、だ。いつ、あの女―――秋山優花里が現れるかと、脳ではなく体が警戒しているのだろう。
 出会った頃―――高校生の頃は、まだただの友人としての付き合いの範疇であり、何の問題もなかった。だが、大学に進学した際、彼女にとって最も仲のよかった友人たちが皆バラバラの進路となってしまった。特に、尊敬すらしていた西住みほが故郷の熊本に帰ってしまったことが大きかったのだろう。彼女は、その依存心をこちらへ向けてきた。
 一人暮らしを始めると、すぐ近くに向こうも部屋を借り、毎日迎えに来るようになった。授業はすべて同じものを選択し、休み時間もこちらを付いて回る。なんとか撒いても、帰れば部屋の前で待っている。果ては話していないバイト先さえも特定し、いつの間にか同僚として同じ時間に勤務している。いくら相手が可愛らしい容姿の同級生だからといって、恋人でもない相手にここまで付きまとわれるのは正直きついものがあった。だが、それを言い出すことができない理由があった。
 先に話したような大学生活が始まって半年が経とうとしていた頃だった。大学に向かう途中で、一匹の野良猫に足を引っかかれた。夏ということもあり短パンを履いていたためだ。どうやら気づかず尻尾を踏んでしまったせいらしい。

 『大丈夫ですか!?ああ、血が……今、絆創膏を貼りますね!』

 彼女の行動には辟易していたが、この瞬間だけは素直にその素早い動きに感謝した。―――この瞬間だけは。

 『っと、その前に』

 そう言って立ち上がると、彼女は流れるような無駄のない動作で件の猫を捕まえると、カバンから十徳ナイフらしきものを取り出し―――その喉笛を掻き切った。

 『ふぅ、任務完了です。さて、では改めて治療を』

 何事もなかったようにナイフをしまい、猫の骸を偶然すぐ近くにあったゴミ捨て場の生ゴミの袋にねじ込み、袖についた返り血をハンカチで拭うと、再びこちらに近づき、足の傷に目線を合わせる。そしてそのまま絆創膏を取り出して貼り付けると、こちらを見て満足げに微笑んだ。

 『これでもう大丈夫です。さ、早く学校に行きましょう!』

 あまりの事態に、何も言葉を発することができなかった。この女は何をしている?何を言っている?なぜこんなにも平然としている?

 『どうかしましたか?』

 心底不思議そうにこちらの顔を覗き込んでくる彼女から咄嗟に距離をとりつつ、なんとか声を絞り出した。どうしてあんな真似をしたのか、と。

 『はい?……ああ、あの猫の死骸のことですか?大丈夫ですよ、すぐに回収車が来ますから』

 違う。聞きたいのは、どうして殺したのか、ということだ。しかし彼女は、なんてことないことのように言葉を返してきた。

 『?だって、あなたにけがを負わせたんですよ?いわば敵兵です。野放しにしておく訳にはいきませんよ』

 悪びれもせず、むしろその戦果を誇るかのように言う彼女に、ただひたすら恐怖した。命はすべて平等、なんて綺麗事を言うつもりはない。少なくとも自分にとっては、虫や動物よりも人間の命の方が重い。しかし、おそらく彼女は、相手が人間であっても、先ほどと同じようにその喉を切り裂くだろう。そう直感した。

 『ほら、そんなことより急がないと遅刻してしまいますよ!』

 もはやそれ以上は、何も言えなかった。その刃が、人―――自分に向けられたら、という恐怖には勝てなかったのだ。
 その後、彼女には適当な理由をつけてから実家へと逃げ込み、両親に事情を話した。我ながら情けないが、とにかく自分の命が惜しかったのだ。そして話し合いの結果、大学は休学した上で、遠方の親戚の家に身を隠すこととなった。そしてその間に警察に相談し、ストーカー案件として対処してもらう―――ということになったのだった。


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