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ガルパン みほルートGOODエンド

562名前なんか必要ねぇんだよ!:2017/12/30(土) 01:01:40 ID:kswcSn3U
クリスマスみぽりん


「……」

現在午後11時。

先ほどまで行われていたクリスマスパーティーの熱気と喧騒はすっかり消え失せ、部屋の中には男女二人の呼吸と時計の針の音が聞こえるばかりだ。

目の前に座る恋人───西住みほは、ひたすら無言、そして無表情のまま正座の姿勢を崩さずこちらを見つめてくる。10分ほど前からプレッシャーに耐えかねてこちらも正座しているが、足のしびれも精神も限界が近かった。

事の起こりは数時間前。

ここ、みほの住む部屋で大洗女子あんこうチーム+自分のクリスマスパーティーが催されていた。

旧友同士、さらに女子同士の集まりに混ざるのは正直気が引けたものの、誘いを断れば大変わびしい聖夜を過ごすことになりそうだったので甘んじて参加を承諾した。

パーティーは和気藹々とした空気の中つづが無く進行していった。……のだが、少し調子に乗りすぎた。自分が。おそらく原因はアレだろう。

『ほらほら、私特製ローストチキン!どんどん食べて!……おお、さすが男の子!いい食べっぷりだね!』

『次はこっちのビーフストロガノフをどうぞ!たくさんあるよー!』

『いいお嫁さんになれるって……やだもー!褒め方がベタすぎるってー!でも嬉しいー!』

……このようなやり取りを参加者のTさんと繰り広げたことがみほの逆鱗に触れたらしい。この会話のみならず物理的な距離感が近すぎたのもまずかった。

『…………』

───周りが見ていない瞬間、みほと目があったのだが……目からはハイライトが消え失せ、表情も皆無の能面のごとき状態で彼女はそこにいた。一瞬で高揚していた気分がなべ底景気へ転じたのは言うまでもない。

皆が帰った後で片づけを手伝おうとしたのだが、

『いいです。座っててください』

とにべもなく断られてしまった。この場合、そこに込められているのは『遠慮』ではなく言葉通りの『命令』のみである。すごすごと引きさがりおとなしくリビングで待つことにした。

『…………』

片づけを終えたみほは無言でリビングに入ってくると、そのまま正座しこちらを見つめてきた。所作が美しいこともあってこの間聞こえてきたのはわずかな衣ずれの音のみであった。


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