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ガルパン みほルートGOODエンド

533名前なんか必要ねぇんだよ!:2017/04/25(火) 22:56:50 ID:kjsa.ad2
 しかし一向に着信に応じる気配はない。と、ここで違和感に気づいた。

 ヴーン、ヴーンと。携帯から聞こえる呼び出し音と重なるように、バイブレーションのような音が部屋に響いているのだ。

 ガチャッ、と。携帯の呼出音が途絶えると同時に声が聞こえた。───両方の耳で。

 「『あー、こちらの番号は現在使われておりませーん。諦めてくださーい』」

 ブチリと通話が切れる。なんとか視線を向けた先では、ペパロ二が携帯を床に放り捨てていた。とても見覚えのある携帯を。

 しかし、記憶の中のそれと目の前に落ちてきたものには違いがあった。覚えている限り、ディスプレイはこんなにひび割れてはいなかったし、こんな赤黒い───まるで乾いた血飛沫のような装飾はなかったはずだ。

 「諦めなって。もう本格的に動けねえだろ?」

 そう言いながら彼女は馬乗りになってくる。恐怖と、混乱と。いっそのこと失神でもしてしまいたかったが、むしろ意識ははっきりしていくばかりだった。

 「結局最後にものを言うのは、ココの使いようってワケだ」

 自身の頭を指さしながら嘲笑うように言うと、そのままこちらのシャツに手をかけ、一気に引き裂いた。胸板を這う彼女の舌のぬめりとした感触に、快感とも嫌悪感ともつかないものが全身を駆け巡る。

 「さってと。そんじゃあお楽しみの時間だ。お前は天井のシミでも数えながら何も考えないで───いや、せっかくだ。アイツのことでも思い浮かべとけ」

 どうしてこんなことになてしまったのか。悪いのは自分か、それとも───。

 問いかけようにももはや口も痺れ、喋ることは叶わなかった。否、仮に万全の状態でも何も言うことはできなかったのだろう。この心と頭を支配する絶望感の前では。


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