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ガルパン みほルートGOODエンド

530名前なんか必要ねぇんだよ!:2017/04/25(火) 22:54:46 ID:kjsa.ad2

 「カルパッチョは元気にしてる?」

 ───そう。自分が彼女の友人でもあるカルパッチョに告白し、交際を始めたときだ。その事実を伝えてから間もなく彼女は様子が変わっていった。

 学校が違うのでカルパッチョから聞いた話だが、あれほど熱心に打ち込んでいた戦車道や屋台での料理へのやる気を失い、次第に学校にも来なくなってしまったらしい。
 
 心底慕っていたはずのアンチョビさんの説得にも耳を貸さず、結局彼女は卒業を待たずにアンツィオを去ってしまった。

 タイミング的にも、自惚れでないなら彼女は自分のせいで───。そう考え悩んだこともあったが、

 『お前はお前が好きな相手に告白して恋人になったんだ、何も後ろめたく感じることはない。……ペパロニを止められなかったのは私が不甲斐なかったせいだ』

 アンチョビさんにそう諭され、カルパッチョとの関係を続けてきた。……ただ、口には出さずともお互いペパロニのことはモヤモヤと常に心の隅にあった。

 そんな彼女が、今こうして目の前にいる。この事実をいまだ飲み込めないでいると、ペパロニが再び口を開く。
 
 「あのあと高卒資格を取って、そこから必死で勉強したの。でもまさかあなたと同じ大学だなんてね」

 照れたように微笑む。その仕草も、口調も。どれもが自分の知っている彼女とは違っていた。戸惑いながらも、そうだったんだ、と返事を返す。

 「ねぇ、今夜は空いてる?せっかくだから色々と話したいの」

 その誘いに一瞬躊躇した。アンチョビさんにああ言われたとはいえ、やはり彼女の人生を大きく変えてしまったのは自分だ、という思いはある。

 「カルパッチョも一緒に、昔みたいに三人で楽しく過ごしましょう?」

 ───しかし、ここで彼女の誘いを断るのはそれこそ逃げだろう。愛情からの、そして友情から。過去からの、そして未来からの。

 意を決し、大丈夫だと答える。カルパッチョも今日は特に予定がなかったはずだ。

 「よかった。じゃ、場所は私の家で。住所は後でメールしておくね」

 それじゃあまた後で、と言って彼女は去っていった。その後ろ姿が見えなくなるのを確認してから、携帯電話を取り出した。

 『ペパロニが!?』

 電話口でカルパッチョが驚愕の声を上げる。

 『今夜は空いてるけど……大丈夫かしら』

 その“大丈夫”には様々な想いが込められているようだった。ペパロニとの友人としての付き合いは彼女のほうが長いのだ、自分よりその心中は複雑であるのも当然である。

 『でも……ええ、わかったわ。あとで住所を私の方にも送っておいて』

 カルパッチョは今日こちらよりも遅い時間帯の授業があるので、ペパロ二の家にはバラバラに行くこととなった。……本音を言えば心細いので彼女と一緒に向かいたかったのだが、わがままは言えない。

 それから3つ授業を受けたのだが、内容はまったく頭に入ってこなかった。


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