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ガルパン みほルートGOODエンド
520
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/03/21(火) 00:29:05 ID:BzcJkhRc
「気分がスッとしたの。ああ、私は普通なんだ、って。好きな人が傷つくのは嫌で、傷つけた悪い人を傷つけるのは嬉しい。そんな普通の感覚を持ってるんだって」
何かが背中に当たる感触があった。おそらく壁だろう。もう、後ろには下がれない。
「でもね、やっぱり違った。今わかったの。ほら」
みほは怪我をした方の手をこちらの目の前にかざした。ガラスによって思いのほか深く切れてしまったらしい痛々しい傷口から、鮮血が流れ出ている。
「貴方がはじめてくれた傷。貴方がはじめてくれた痛み」
うっとりとした口調でみほは言う。
「私は最初からおかしくなんてなかった。だって、好きな人につけられた傷は、こんなにも素敵なものなんだから」
彼女はその手で自身の頬を撫でる。べっとりと血がその白い肌を染めた。
「ありがとう。私、目が覚めたよ」
今度はそのまま、こちらの頬へ触れた。生暖かい感触に思わずひっ、と情けない声が出た。
「ボコになるのも、ボコにするのも。どっちも好きな人でなくちゃいけなかったんだね」
みほの顔が、互いの息が当たるほどに近付く。
「私があの事故の時に感じたのは、嫉妬だったの。私以外の人が貴方を傷つけたことへの。だから犯人があんなにも許せなかった」
間近に迫るその瞳は。
「ごめんね、貴方も嫌だったよね?私が他の人を───貴方以外を傷つけようとしたこと」
───どうしようもないほど、美しく澄んでいた。
「でも、もう大丈夫。私たちの傷はもう、私たちだけのものだよ」
みほの手には、いつの間にか鈍く光るナイフが握られていた。
「さぁ、今度は私が『愛して』あげる番だね」
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