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ガルパン みほルートGOODエンド
462
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/11(水) 00:28:57 ID:91cLRn82
「……」
お母さんは私の言葉に目を瞑り、しばらく沈黙した。そして目を開けると、わずかに嘆息してから立ち上がると、私の隣でいまだ混乱から脱せずにいた彼に近づき、腰を下ろして―――頭を下げた。つまり土下座の格好だ。
「この度は娘が大変なご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありません。すべては親である私の不徳の致すところです」
慌てた様子で、頭を上げてください、と彼が言った。その言葉を受けてもお母さんはしばらくそのまま頭を下げ続けた。たっぷり1分以上経った後、お母さんは再び立ち上がると、今度はお姉ちゃんに声をかける。
「まほ」
「……っ」
それまで苦虫を噛み潰したような顔で震えながら俯いていたお姉ちゃんの肩がビクリと跳ねた。
「一週間与えます。その間に自分のすべての荷物をこの家から撤収しなさい。また、今後この家の一員と名乗ることも、戦車道に関わることも許しません。―――失望しました」
「お母様!!」
お姉ちゃんの必死な声を無視して部屋を出ようとするお母さん。しかし途中で立ち止まり、こちらに声をかけてきた。―――お姉ちゃんを一切視界に入れずに。
「みほ。交際の件はまた日を改めて話を聞きます。彼も気持ちの整理が必要でしょうし」
「わかりました」
私の返答を聞くと、今度こそお母さんは部屋を去った。残されたのは私と彼とお姉ちゃん―――だった人。
「さ、私たちも帰ろう?ごめんね、色々。しかもまたここまで来ることになっちゃったけど、次は話もスムーズに行くと思うから」
彼の手を取って立ち上がる。観光は次の機会にして今日は帰らないと。今夜は汚れてしまった彼の体を時間をかけてキレイにしないといけないし。―――と、その前に。
私は放心した様子で俯いたままの彼女の耳元まで近づき、声をかけた。
「これまで助けてくれてありがとう。大好きだったよ―――今は大嫌いだけど」
虚ろな眼でこちらを見てきた。もはや睨む力も残ってないらしい。
「お待たせ。さあ、行こう」
再び彼の手を取ると、それはわずかに震えていた。
ああ、かわいそう。怖かったよね。でも、もう大丈夫。あの人にも、誰にも、貴方を傷つけさせないから。私が守るから。
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