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ガルパン みほルートGOODエンド
42
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/10/28(金) 01:00:28 ID:G/4hQAcY
―――すべてのきっかけとなったのは、一週間ほど前の事故だ。信号無視の車にはねられる姿を麻子に見られたことからはじまった。
事故自体は大したものではない。相手は軽自動車だったし、比較的細い道だったこともあってスピードもそれほど出ていなかった。こちらの怪我は捻挫と打撲くらいで済んだのがその証拠だ。保険などのことは親に任せてしまったし、一日だけの検査入院が終わればまた恋人である麻子、それに他の友人たちと過ごす日常に戻れる―――はずだった。
退院の日、学校をわざわざ休んで迎えに来た麻子に、彼女の家に寄るよう言われた。恋人からの誘いを断る理由はなく、言われるがままにすでに何度も訪れた彼女の家に入り、出されたお茶を飲み―――気づけばこの状況だった。
ここまでの経緯からして、ここはまず間違いなく麻子の家の中のどこかではあるはずだ。一軒家であるこの家屋の中に、こちらが知らない部屋があり、そこに閉じ込められている……と考えるのが妥当だろう。決して大きい家ではないが、その構造すべてを把握していたわけではない。
『お前は今日からここで暮らすんだ。一生、私といっしょに』
目覚めた直後にそう告げた麻子の顔に、冗談や嘘の類はひとかけらも感じられなかった。こちらの意思の介在を許さない、一方的な宣言。当然納得などいかずに最初は説得を試み、それが無理だとわかれば力尽くで脱出しようとした。同年代の少女に比べても小柄な彼女に腕力で負ける道理はない。しかし、その手段も麻子の小さな手に握られたひとつの携帯電話によって潰されることとなった。
「よく撮れてるだろう?」
そこに映し出されたのは、紛れもなく自分と彼女―――それも、行為の真っ最中の動画だった。
『押入れの中に仕掛けておいた。せかくだから記念に、程度に思っていたが、まかさこんな風に役立つとは』
あっさりと言い放つ麻子。しかし間違いなく、それはこちらの抵抗をすべて封じるには十分すぎるほどのジョーカーだった。
『これが”うっかり”流出でもしたら大変だな。顔もしっかり映ってるからすぐに特定されるだろう。そうなればふたりとも破滅、だな?』
彼女は人質を取った。他ならぬ冷泉麻子を。こちらが絶対的に犠牲にすることができない存在を―――。
『わかったか?わかったな?お前はなにも心配しなくていい。お前が私を見捨てなければすべてうまくいく』
―――そして現在。あれから三日経った。麻子は先ほどのように時折現れる訪問者の対応と買い物、そしてどこかへの連絡以外はずっとこの部屋にいる。どのみち、あの動画の存在を知ってしまった以上、こちらはどうすることもできない。たとえあの携帯を壊してもおそらくデータはとっくにコピー済みだろうからだ。
考えてみれば、この異常な状態が維持できているのはおかしい。いくら彼女が天才的な頭脳を持つとは言え、人ひとりを世間から隠して監禁するなど、単独でできるものだろうか。もしかしたら協力者がいるのかもしれない。麻子の周囲には財力や社会的影響力を持つ家柄の人間が何人かいることを考慮に入れればありえない話ではない。
「さあ、これで最後だ」
気づけば、すでに弁当をあと一口というところまで食べきっていた。考え事をしていたとはいえ、もはや彼女に食事を食べさせてもらうことを自然に受け入れてしまっていた。いや、食事だけでなく―――。
「さて、食事も終わったことだし、食後の運動といくぞ」
そう言いながら麻子はその衣服を脱ぎ始める。それを止めない。
「さあ、お前も」
そう言いながら麻子はこちらの衣服を脱がせ始める。それを止められない。
「ふふ……」
微笑みながら抱きついてくる彼女のぬくもりを感じながら、すでに自分も彼女と同じくらいに堕ちていることを自覚する。ああ、でも、もうどうでもいい。麻子さえいるならもう、それで―――。
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