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ガルパン みほルートGOODエンド

291名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/12/04(日) 02:19:12 ID:gXc2L1ck
 「……い、おい!聞いているのか?」

 声で意識を戻される。顔を上げると、桃が横に立って呆れたような表情をしていた。どうやらいつのまにか眠ってしまっていたらしい。

 「ハァ……。だから先に帰っていいと言っただろう」

 見れば桃はすでに帰り支度も終えているようだった。あわてて自分もコートを着て、鞄を手に取る。

 「慌てなくていいぞ。待たせたのは私なんだから」

 桃はそう言うが、仕事で疲れている彼女を待たせるわけにはいかない。それでは本末転倒もいところだ。
 支度を終え、お待たせ、と声をかける。二人で事務所を出ると、鍵をかけて家路に着く。

 「すまなかったな。日中のトラブルがなければこんな時間にはならなかったんだが」

 冬の寒空の下、帰り道で桃が言った。しかし、あれは完全に偶発的なもので桃はもちろん誰が悪い、ということでもなかった。むしろその対処の手際の良さのおかげで、無事こうして家に帰ることができるのだ。他の人間なら、徹夜を覚悟するべきところだっただろう。

 「……昔の私なら、きっとパニックになっていただろうな」

 自嘲気味に言う桃。だがそれは裏を返せば、それだけ今の彼女が成長した、ということだ。冷静さを失わず、自分に出来ることと他の人間に頼るべき部分を見極める。そしてその上で全力で行動する……。どれも少しずつ彼女が努力の末に身につけたものだ。

 「……他人事みたいに言ってるが、お前のおかげなんだぞ?」


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