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ガルパン みほルートGOODエンド

273名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/12/01(木) 01:41:55 ID:g5t5CPBI
 「私とシた時、彼、どんな感じだったと思う?一生懸命薬の効果に抗って、『自分にはまほさんがいる』『美穂の気持ちは嬉しいけど、応えられない』、だって。頑張ってる姿がなんだかボコみたいで可愛かったなあ。でもね、私が少し体に触れるとすぐに―――」

 「黙れッ!!」
 
 再びまほがみほの頬を打つ。

 「彼は私に泣いて謝ったんだぞ!裏切ってしまったと!それに、みほを追い詰めてしまった自分が悪い、とまで!」

 「……そっか」

 しかし、まほの言葉にみほは微笑みを深くした。今度のそれは純粋な喜びを示したものだった。

 「彼、私のことを心配してくれた、ってことだよね、それ。ふふふ、そっかぁ……お姉ちゃんと一緒の時でも、私のことを……」

 「……」

 そんな妹の姿に、まほははじめて怒り以外の感情を抱いた。違和感、あるいは―――恐怖。幼い頃からほんの数ヶ月前まで同じ時間を過ごしていたはずの妹が、まるでまったくの別人かのように思えた。
 しかしそんな姉の動揺をよそに、みほは踵を返し歩き出した。

 「お……おい、待て!まだ話は終わって―――」

 「ありがとう、お姉ちゃん」

 振り返ったみほは、笑みを浮かべながら言った。

 「彼が私のことを考えてくれてる、って教えてくれて。今日は会えて良かったかな」

 そう言うと、再び前を向いて歩き出すみほ。だが、背中越しに言葉を続ける。

 「すぐに彼の心は、私でいっぱいになるよ。お姉ちゃんじゃなく私でね」

 「お前は……何をするつもりだ?」

 まほは拳を握り、声を絞り出す。妹にはじめて抱いた恐怖を押し殺すように。

 「そりゃあ、『アプローチ』だよ。恋愛なんだから」

 「何度も言わせるな!もう彼は私の恋人なんだ!今更お前が……」

 みほは歩くスピードも、口調も変えることなく告げる。

 「今は、ね。でも、結局彼次第だよ。だから私は諦めない。彼と本当に幸せになれるのは、私だけだもん」

 それで話は終わり、と言わんばかりにみほは公園から去っていった。残されたまほは、握り締めたままだった拳を開き、手のひらを見た。じっとりとした汗が、彼女が妹に抱いた感情を如実に表していた。
 しかし、まほはその汗を握りつぶそうとするかのように再び握り締める。

 「……渡すものか。彼は私のものだ。守ってみせる、絶対に」
 
 決意とともに、まほはみほが歩いて行ったのと逆方向に歩を進めた。己と彼との幸せな結末のために、最愛だった妹を打ち砕くという決意とともに。


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