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ガルパン みほルートGOODエンド
241
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/11/26(土) 00:52:43 ID:GnOAFsXs
「でも、私はあの子の母親で……貴方の妻です。世界で一人だけの。そして私の夫も貴方だけ。これからもずっと」
気づくと二人揃って足を止めていた。彼女は真っ直ぐにこちらを見つめながら言う。
「それじゃ、足りませんか?」
―――まさか。充分すぎる。自分が世界で最も愛しい人から、自分が世界で唯一の存在だと言ってもらえた。それ以上の幸せがあろうか。
「……いつの間にか、人のほとんどいない場所に来ちゃいましたね」
言われて周囲を見回すと、無意識のうちに公園に入っており、確かに周辺に人影はなかった。
「式のとき、ダージリン様からもらった言葉、覚えていますか?」
『夫婦とは、お互いに見つめ合う存在ではなく、ひとつの星を二人で眺めるものである―――ヘルマン・ヘッセの言葉よ。これを私からの祝辞に代えさせていただきますわ』
祝辞の時まであの調子だったのに驚いたと同時に、その言葉は心に深く刻まれた。おそらく、そこに込められた意味を正しく理解することが大切、ということなのだろう。
「あの言葉、私も好きなんです。でも、今は―――星を眺めるんじゃなくて、貴方と見つめ合っていたい。そう思うんです」
そう言って言葉通りにこちらをじっと見つめるその視線を、しっかりと受け止める。まったく、いい年をしてすることではない。ないが―――。
「……いいじゃないですか。今は誰も見ていないんですから」
そう。誰も見ていない。見ているとすれば、これまでも、そしてこれからも二人で眺める星だけだ。ならば、むしろ見せつければいい。お前を眺める夫婦は、こんなにも想い合える仲なのだと。
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