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【俺能世界】俺が能力授けるからこの世界で戦え【新世界】Part46

51【聖剣】刃 ◆y7XUmHaaYQ:2020/07/19(日) 15:42:19 ID:g2ZByGYI
>>50
「どうやらすでに脳が腐っているらしいな、俺のような男が正義の味方であるものか」

悪を殺せと怨念じみた使命感と義務感が身体を突き動かしているだけの男が、どうして正義の使者を名乗れるだろう
情無く慈悲無く容赦無く、粛々と悪を切り裂くこの身はただの刀剣なれば、未知の相手であろうが互いの制空権を触れさせることに恐怖を欠片も抱きはしない
故にこそ、当然今もその剣の冴えに狂い無く、折れず曲がらぬ鋭き鋼を悪を断とうと煌めかせ──

「確かにな、認めよう、貴様は正しい。
 貴様の力の特性、運用法、それに対する対策のどれもに俺は用心をしていなかった」

──手に伝わるは肉を裂く感触ではなく硬質な手ごたえ、同時に響き渡るは鋼の残響
女の操る触腕、そのうち二つが剣を防いでいる
そして遠目からでは分からなかったが──あるいは、今白衣の内より飛び出させたのか、今見えているだけでも触腕の数は3対6本
これがすべてかはわからないが、断言できることはただ一つ、あの段階から後の先を取って防がれた以上この触腕は男の速度の数段上ということ
迅く、そしてあるいは本来の腕以上に精密だ

男は確実に剣において並大抵の相手に後れを取らない、どころか上を取れる実力者だ
彼はその事実を誇張も卑下もせずに正しく受け止めている。その上で認めざるを得ないことが一つ。
仮に正面からの切り合いになれば、確実に手数と速度で封殺されるということを

二つまでなら如何に早くとも捌いて見せよう
三つだろうが培った経験と技術をもとに対応して見せる
だが、それでもそこまで。どれだけ死力を尽くしても、四つ以上になれば必ず最低一つは取りこぼす
素の実力と技術では勝っているという自負はあるが、真っ向からの勝負になればその速度と手数、そしてリーチの差が絶対的な壁となって立ちふさがってくる

剣を防ぐのに二つ、その衝撃を殺すのに二つ
ならば当然最後の二つが攻勢に出てくるのは明白で
速度で負けている以上は今から剣を引いても間に合うはずもなく───

「───だがな、それは貴様とて同じだろう
 何故用心もせずに俺を間合いに入れた?」

間に合わないのなら、剣を引くなどという無駄なことをする必要はない
何かで指示している様子がない以上、そしてこの“本来の腕以上の精密性”からしておそらく操っているのは意思か、あるいはより直接的に脳信号か

ならば、その意思に空白を作ってやれば僅かでも隙ができるのでは?

腹を穿とうとまさに動き出した触腕を目に入れた直後、目を閉じる。あるいはそれは諦めたように映るかもしれない。
だが、悪を切り裂く聖なる剣に諦めなどという言葉は死んでもなく、まして先日自傷を禁ずることを真に善なるものと誓った彼には猶更だ。
故に当然そこにも理由は存在して
瞬間、女の首元で停止したままの剣から銀の眩い極光が放たれる
例え昼であっても目眩ましとして機能できるそれは、表通りと違い明かりもなく、月だけが見守る暗い夜空のここではより一層強烈な輝きとして映ることだろう
まして、首元まで剣との距離が近づいていたならなおのこと
それ自体に攻撃力は全くないが、覚悟もなく、不意に暗闇で光を浴びせられれば例えそれが懐中電灯程度の光でも目が眩み、思わず何事かと身を固めてしまうものだ。
それと同様の現象を狙っての極光を放つと同時、成功しようが終いが回り込むように横に飛ぶ
止まったならば避けれるだろうし、止まらなかったなら一本はわき腹を穿ち、痛打となることは間違いないが、どの道距離を取ってはリーチの差で封殺される以上はこれしかない
結局のところ、どう転ぼうが余裕を持たせぬように即座に連撃を仕掛けるのみだ


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