したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

SSスレッ!!!!!!!!!!

31闇の名無しさん:2014/05/05(月) 20:49:32 ID:V4n.RKYQ
「―――ちが……う…」

掠れるようなその声は、無意識のうちに発していた「本能」の叫び。
訴えるように吐出された声は女性の耳に届いたのか、館に向けていた意識を再びこちらへと戻す。

……ああ、違う。
自分でも理解できていない本能の言葉に相槌を残す。
例えこの闇の世界が、「闇」という虚像を借りた幻想の郷だとしても―――

「お前が……闇の、総意だろうと……!」

動くはずのない四肢が呼応する。自らの決意を叶えるかの如く、しっかりとした力を持って。

再び痛みと苦しみに思わず歯を食いしめてしまう。だが私は、此処で終わるわけには行かない
誰でもない“本能”こそが、此処で終わるなと訴えかけているのだから――!

「この闇は、この闇に宿る命は……壊していいものじゃない……ッ!」

首を掴む女性の手首を握り締め、突き刺すような視線とともに言い放つのは魂の叫び。
少しは威圧的に聞こえただろうか?目の前の女性は、驚愕の表情を浮かべて戸惑う。

「……そう。でも関係ないわ。この闇は、今此処で終わるべきだもの」

首を万力で締め付けられるかのような感覚が襲い掛かる。ああ、痛い
だがこの程度の痛み、疾うの昔に背負っている。私が犯した過ちと共に散り行った、人々の痛みも――!!

自分でも驚くほどの力で女性の手を振り払う。またしても驚きの表情を残し、こちらを睨む女性
地獄の万力から開放された我が身体は必死に空気を補給しようと、荒い呼吸を繰り返すのみ
……それでいい。今から行うことは、そんな呼吸を無下にするような行為なのだから。

「違う。闇は生きるべきなんだ。此処の闇も、闇の者も――其れが、醜いエゴだとしても!」


体が熱い。傷の痛みだとか、感情の昂ぶりだとか、そんなちっぽけなものでは断じて無い。
其れは自信に宿る“全て”の力を解き放つ際の前兆。今から行うは、かの『大魔法』の擬似展開


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板