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【集い騒げ】模擬戦スレ【戦いの探求者達よ】

21アンバー=ワールドアイズ ◆Melef7S.Sw:2013/07/26(金) 23:08:53 ID:l5PGz5Do
>>20
「ふ――――ぅぅぅ……」

強烈な冷気を前に、アンバーは深く息を吸い、吐き出した。
直後から、これまでの存在感の薄さとは、別次元での存在の薄さへとアンバーは変化していった。
まるで、薄皮一枚を境に全く別の場所に居るような、そんな不自然さを纏っている。

迫り来る、怒涛の氷の波濤。
殺しに掛かっているその一撃、冷気により動作を止めての止めの意図なのだろう。
それを前に、アンバーはしかし動く。冷気の影響を受けていないわけではないが、通常ありえないであろう程にその効果は薄い。
皮膚の所々が赤くなり、服に霜が降りていてもアンバーは表情を変えること無く、相対する。

「脅威。だが、対処できないわけではない。
貴様は強い。だがしかし――、ただ炎を放ち、ただ光線を放ち、ただ冷気を散らし、ただ水を操り、ただ風を吹かせるだけ。
貴様のそれは、多様に見えてしかし単純。故に――そこが貴様の戦力と脅威の空隙だ」

氷の波を前に、そんな事をぼそぼそとつぶやくアンバー。
女は、右腕を振りかぶり、腰を落として構えを取る。
前進に気力が満ち、しかしその満ちた気力は外部に漏れ出さず、内部に収束し濃度密度が上昇していく。
女の姿がブレ、直後に収束。その瞬間に、氷はアンバーに衝突する。

「私の覇道を邪魔するモノは、何で有ろうと轢き潰し蹂躙し駆け抜けるのみッ! それが私の意志と知れッ!!」

ガラスをぶちまけたような衝撃音。
女の拳が、有ろうことか氷塊を粉砕した。飛び散る鮮血、肉。
しかしながら、それでも拳の負傷は軽微。歯を食いしばり、女は前進を開始した。

1秒――氷を砕き、砕き、砕く。

2秒――砕いて開けた道に身体をねじ込む。

3秒――地面を陥没させるほどの圧倒的踏み込み。

4秒――大きな氷塊に、右手のナイフを振りぬき切断、そのまま加速。

5秒――氷片突き刺さる肉体で、八咫烏まで到達。最後の踏み込み。

ルートセレクト   テンカウント
「選択分岐――十分割」

女の姿がその瞬間に十に分割される。どれもが、先ほどからの女と寸分たがわぬ存在感。
そして、女がこの時点で可能である行動から、十の行動が選択される。

一つはナイフを頸動脈に。二つは膝蹴りをみぞおちに。三つはモーゼルの弾丸を右膝に。
四つはPLR-16の弾丸を左足甲に。五つは目潰しを掌底で。六つは右脇腹狙いの横蹴りを。
七つは六つを踏み台に上空からの踵落とし。八つは肘打を胸骨へ。九つは顎に裏拳を。

――最後は背負った散弾銃、イサカM37のスラムファイア。10発のペレット入りの5発のカートから、計50の散弾が襲いかかる。

そのどれもが、人の域は決して超えない攻撃、そのどれもが常識の範疇の技。人間なら鍛えれば誰でもできる行動。
だが、それが10。そして、人の域であっても、人の域の限界を目指した全力の人域の技、業。
一人が放つ十人分の飽和攻撃。その一撃でも、相手には届くだろうか?


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