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引き篭もりにありがちなこと

113(-_-)さん:2024/09/15(日) 23:11:14 ID:???
だが、実はこうして研究対象となるミイラは貴重である。既に多くのミイラは略奪され、歴史の闇に消えてしまったからだ。墓泥棒、密輸業者、財宝ハンター、はたまた一部の学者までが数千年にわたってミイラを盗み続けた。

なぜミイラはこれほど盗まれたのか。

 ◇信じられてきた薬用効果

「欧州では19世紀まで、一部は20世紀に入っても、ミイラが薬用として盛んに取引されていました」。イクラム氏はそう話す。

ミイラは英語でマミーと呼ぶが、これは天然アスファルトのビチュメン(瀝青=れきせい)を指すペルシャ語の「ムンミヤ」が語源だ。ビチュメンは黒い色をしていて、古代には万能薬として用いられた。

肌が黒いミイラが多いことから、かつてはビチュメンがミイラに塗布されたと考えられたらしい。しかしそれは誤解で、ミイラの肌が黒いのは、単に処理の過程で塗られた樹脂が変色したものだった。

「昔の人々は、ミイラに万能薬ビチュメンが塗られていると考え、ミイラに薬効があると信じました。科学的な分析が難しかった時代には、それがビチュメンではないと認識できなかったのです。こうしてミイラの薬効は、結果的に長く信じられることになりました」

ミイラは医薬品として高く売れた。もちろん冷静に考えれば、ミイラは人間の遺体である。薬として飲んでも、傷口にすり込んでも、それで病気が治るはずがない。

しかし欧州では長くその効能が信じられた。たとえばフランス国王フランソワ1世(1494〜1547年)は、ミイラを砕いた粉を袋に入れ、常に救急薬として持ち歩いていたという。英国の科学者・哲学者のフランシス・ベーコン(1561〜1626年)も、けがをした際には「ミイラに血を止める効果がある」と信じていた。

イクラム氏によると、近年はミイラを解析する最新技術の向上もあり、多くのことが分かってきたという。

 ◇現代人と同じ病気も

「生活環境が現代と異なる古代人の死因を特定することで、現代医学にも応用できるという考えが出てきました。私が調べたミイラで印象に残っているのは、前立腺がんにかかっていたプトレマイオス朝(紀元前305〜同30年)時代のミイラです。食生活が今と違うのに、古代人も現代人と同じ病気になっています。それはなぜか。こうした研究も始まっています」

近年の研究で、古代人もマラリアにかかっていたことが判明した。紀元前12世紀のラムセス5世のミイラからは天然痘の痕跡も見つかった。人類とウイルスとの闘いも、太古の昔から続いてきたのだ。

日進月歩のミイラ研究だが、まだ分からないことも多い。「叫ぶミイラ」もその一例である。実はイクラム氏は、「苦しんで死んだ」姿が残ったというサリーム氏の説には懐疑的だ。

「遺体を処理する人が、この姿で残そうとするでしょうか。私は疑問です」

ミイラ化作業は数十日間かかるため、苦痛に満ちた女性の顔をきちんと整える時間も十分にあった。あえて悲惨な姿で後世に残すのはおかしい。それがイクラム氏の主張である。

ではなぜ口は開いているのか。ミイラ化の処理で起きた単純なミスか。それとも、女性は本当に何かに苦しんで世を去ったのか。

強烈な見た目のせいで、常に注目され続ける「叫ぶミイラ」。その叫びの理由は、永遠の謎である。

【ロンドン支局長・篠田航一】


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