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('A`)怪人のようです

468同志名無しさん:2014/10/17(金) 05:54:30 ID:r7wARFeQO
(`・ω・´)

>>467
才能?昔から売り買いされているじゃないか

パトロンとクリエイターの関係を思い浮かべてみればいい
才能がある人間を金で買えばいいのさ

けれども、僕も一時は>>467と思ったのは確かだ
それに

僕のギャンブルの手段はまさに>>467の通りであり
そこに気づいたら、魔法使いになれる

469同志名無しさん:2014/10/18(土) 03:08:15 ID:JsTAAgUoO
スナック店内

(`・ω・´)「なあ、モラン。僕と組まないか?」

(`・ω・´)「100万。キャッシュで払うよ?」

モランは即答

(-@∀@)「嫌です」

(;`・ω・´)「な、なんでさ?バスツアーに勝ち抜く為に協力し合おうと……」

(-@∀@)「500万下さい。そしたら考えます」

(`・ω・´)「500万?」

(-@∀@)「その金を貰ったら、バスツアーに勝ち抜け、達成したのと同じ意味になるからです」

(-@∀@)「500万。それを貰えれば僕はツアーを降ります」

シャキンは片目をつむって考え始める

(`・ω-´)「払うのは、べつにいいんだけどね……」

470同志名無しさん:2014/10/20(月) 15:18:54 ID:rCzToHLIO
(-@∀@)「べつに払うのはいいけれど、払えない。その理由は」

(`・ω-´)「む……」

モランは何かを悟っている様子だ

(-@∀@)「話を続けていいですか?シャキンさん」

(`・ω-´)「どうぞ」

モランの言わんとしている事は、おそらくシャキンにとって都合が悪い事であり
それでもシャキンはモランの話を止めない

(-@∀@)「僕に500万払ってバスを降ろした場合」

(`・ω-´)

(-@∀@)「あなたはギャンブルで僕に勝った事にはならない」

(`・ω-´)「……」

(-@∀@)「金で障害を排除しただけで、勝負、しのぎ合いから逃げた。となる」

(-@∀@)「格好悪いっすもんね。それ」

471同志名無しさん:2014/10/20(月) 15:26:21 ID:rCzToHLIO
(-@∀@)「僕の能力を買う形なら、シャキンさんは持っている手札を切るという形で」

(`・ω・´)

(-@∀@)「ギャンブルに参加していると、かろうじて言える」

(-@∀@)「だから、100万で僕と組もうと持ちかけた」

(-@∀@)「僕をシャキンさんのカードの一つにする為に」

(`・ω・´)「……お前はなかなか賢いな。そう。そうなんだがな?」

一拍あって、シャキンは問う

(`・ω・´)「カードの一つにする為。と言ったが」

(`・ω・´)「他に僕が持っているカードが何なのか、知ってるのかい?」

472同志名無しさん:2014/10/20(月) 15:34:04 ID:rCzToHLIO
間髪入れずの返答

(-@∀@)「全部は分かりませんが、とりあえずいくつかは」

(`・ω-´)「具体的に言えるかい?」


(-@∀@)「たとえば」

(-@∀@)「クールさん。も、あなたのカードの一つですよね?」

(;`・ω・´)「ほう」

(-@∀@)「あなたの先読みは、不自然だ」

(-@∀@)「クールさんと組んでなければ、分からないはずの事まで口を滑らせた」

(-@∀@)「思い当たるでしょ?」

(`・ω・´)「失敗のつもりはないよ?」

つまり、シャキンは認めている
これから始まるギャンブルが
クールとシャキンによる出来レースだと

しかしモランは言う

(-@∀@)ククク「それを失敗にするのは」

(-@∀@)「僕だよ?偽物」

473同志名無しさん:2014/10/20(月) 15:44:16 ID:rCzToHLIO
(*`・ω・´)「面白いじゃないか」

(*`・ω・´)「僕の資金力と、「選の女神」クールのテクニック」

(`・ω・´)「その二つに勝てるつもりか?モラン?」

(-@∀@)「勝てるかは分かりませんが」

川 ゚ -゚)

クールは黙って二人を眺めているのみ

モランはおもむろにメガネを外す

(*・∀・)「僕は、生粋のキャンブルジャンキーなんでね!」

474同志名無しさん:2014/10/20(月) 17:20:39 ID:rCzToHLIO
さて、ドクオだが

彼は運転手と別れ、一人喫茶店にいた

('A`)白 ポチポチ

携帯でどこぞにメールを打っている

('A`)「おコーシー下さい。おコーシー」

どことなくふざけた調子で注文を受けた店員は、ちょっとイラッとした

ドクオは、こういうちょっとした事で他人をイラつかせてしまう性を持っていたから
他人から虐められやすかったのだとは

今もって分からないでいた


('A`)c∪「あとは……成り行きを見守るのみ。だけど」

('A`)「こういうのは、もうこれっきりにしよう」

(*'A`)c∪ クイッ「勝負師らしくなきゃな!」

景気よくコーヒーをがぶ飲みする、つもりが

熱さの為半分以上テーブルにぶちまけ

結果、店員を更にイラッとさせた

475同志名無しさん:2014/10/20(月) 17:23:40 ID:rCzToHLIO
前レスミス修正

ミス
>どことなくふざけた調子で注文を受けた店員は、ちょっとイラッとした

修正
>どことなくふざけた調子で注文をしたドクオに対し、店員はちょっとイラッとした

476同志名無しさん:2014/10/20(月) 20:06:11 ID:rCzToHLIO
( ∀゚キ)ノシ「買ってきたぜー」

(`・ω・´)「きたか」

運転手がスナックに戻り、買ってきたばかりのカードを取り出す

それを受け取ったクールはちょっと笑ったように見えた

川 ゚ -゚)「ふふ。期待を裏切らないな。ハインド」

パッケージには

「マジックトランプ」とある

(*・∀・)「なるほど。こりゃ面白い!」

(;`・ω・´)「マジック用のトランプカード!?まともな勝負が出来ないんじゃないのか?」

(*・∀・)( ∀^キ)川 ゚ -゚)「そりゃ当然!」

(#`・ω・´)「な!?」

クールがツアー連中と共に笑っているのを見て、シャキンは吠える

(#`・ω・´)「クール!お前、僕との契約を忘れてないだろうな?」

川 ゚ -゚)「もちろん」

川 ゚ -゚)「バスツアーの連中を負かせればいいのだろう?」

川 ゚ -゚)白「君もバスツアーの参加者で、負かすべき相手だ。と言う話だな?シャキン」

(;`・ω・´)「く、クールッッ!」

477同志名無しさん:2014/10/20(月) 21:15:47 ID:rCzToHLIO
モランはクールの何気ない左手を見逃さない
彼は視力が悪くてメガネをしているのではない

( ・∀・)「……」

( ∀゚キ)「まぁまぁ。シャキンよ?こういうのが俺のツアーだぜ?」

(;`・ω・´)「薄汚い奴らだ」

川 ゚ -゚)「私はきれい好きな方だが」

( ∀^キ)「カードにはイタズラしてねえぜ?」

( ∀゚キ)「マジックのネタはみんなまだ分からないんだから、公平にゃ違いねえだろ?」

( ∀゚キ)「クールが技を使いにくくなる分、逆におめえには勝ち目がでらあ」

(;`・ω-´)「そ、そう、かも、しれないが……」

確かに、カードを得意にするクールと、普通のカードで対しては
シャキンに勝ちは薄いだろうが……

( ・∀・)ニヤニヤ「勝負、しましょうよー!シャキンさーん?」





ギザギ



478同志名無しさん:2014/10/20(月) 21:22:07 ID:rCzToHLIO
シャキンにとって最も理解できないのは

モランが異常なほど乗り気だという事

シャキンよりは自信があろうが、モランもやはりカードではクールに勝ち目はないはず

なのに何故か、モランは降りるどころか
勝負にでる気満々でいるようなのだ

モランもバスツアーを続ける為に、負ける訳にはいかないはず

何故だ?何故、勝ち目の薄い勝負に突っ込もうとするのだ?

シャキンには分からない

479同志名無しさん:2014/10/20(月) 21:39:40 ID:rCzToHLIO
まあいい

ここは降りてしまえばいい

何も無理に付き合う義理はない
勝てる策を練り直し、勝てる時にだけ勝負すればそれでいい

シャキンにとってバスツアーの運賃を払い続けるのは、大した出費でもない

時を待てばいい

(;`・ω・´)「」


いつまで?

480同志名無しさん:2014/10/20(月) 21:56:58 ID:rCzToHLIO
( ∀゚キ)「顔が青いな?シャキン」

( ∀゚キ)「無理はよくねえ。なんなら降りたっていいんだがよ」

(;`・ω・´)「……っ」

( ∀゚キ)「ただ、この場合、ドクオの降りとは意味が違うってのは、分かるか?」

(;`・ω・´)「……」

( ∀゚キ)「策を打って、それが成らなかったから、降りる……」

川 ゚ -゚)「見苦しいこと、この上ないな」

( ・∀・)「イカサマがバレても命が助かるなんて、考えるキャンブラーはいない」

(*・∀・)「恥ずかしくて、生きてられないな。僕なら。アヒャヒャヒャ!」



( ∀-キ)「むしろ、腹を括った方が楽。かもな?」

追い詰め方は、流石はキャンブラー三人組である
徹底的。冷徹。そして悪質

(;`・ω-´)「勝負の方法を聞こう……」

まあ、負けても特に痛くもない金額だろうと
事ここに至ってもまだ、シャキンは何かに対して甘さを持ったままでいた

481同志名無しさん:2014/10/20(月) 22:10:29 ID:6euNpsIU0
シャキンくわれてしまうん?

482同志名無しさん:2014/10/20(月) 22:14:16 ID:rCzToHLIO
( ・∀・)「クールさん。さっき、メール来てましたよね?」

川 ゚ -゚)「ああ。ドクオからだよ」

( ・∀・)「へえ?彼はなんて言ってましたかね?」

川 ゚ -゚)「素人が混じってるから、手加減してやってくれ。と」

ギザギザ

ギザギザギザギザ
ギザギザギザギザギザギザギザギザギザギ
ギザギザギザギザギザギザ
ギザ

(#`゚ω゚´)「あんにゃろう!」

(#`゚ω゚´)「ナメやがってええええ!!!」

483同志名無しさん:2014/10/21(火) 03:07:09 ID:nlU4HluEO
( ∀゚キ)「俺は今回見だから、立会人をやらせてもらうが」

( ∀゚キ)「勝負はブラックジャックでいいのか?」

川 ゚ -゚)「かまわんが、二人が納得するかな?」


そう言われて対照的な反応をする二人

(#`゚ω゚´)「良いわけないだろ!何で相手の得意なゲームで勝負する必要があるんだよ?」

( ・∀・)「いいですよ。むしろ、そうじゃなきゃ、「選の女神」と手合わせする意味がないですもんね」

( ・∀・)「ブラックジャックで勝たないと。ね」

(#`゚ω゚´)「余計な事言うなキモメガネが!」

(・∀・)「あなたこそ黙れよシロート。勝負のステージに立つ気がないんならカエレ!」

ケンカ腰の二人に、運転手の一喝

( ∀゚キ#)「じゃかましい!ツアーで揉めんのぁ御法度だ!肉屋に卸すぞコンチキショウ共め!」

懐からドスを抜き、テーブルに突き立てる運転手
かつて「外道のハインド」と呼ばれた男の喝は、堂に入っており未だ錆びていない

二人は押し黙る

(;・∀・)「……」(`・ω・´;)

冷静なのはクール

川 ゚ -゚)「ハインド。テーブルの修理代は貰うからな?」

( ∀゚キ;)「え、あ、すまん……」

ちょっと錆びていたようである

484同志名無しさん:2014/10/21(火) 03:46:52 ID:nlU4HluEO
( ∀゚キ)「ブラックジャックでいいだろう。さっきも言ったが、嫌なら降りな」

(;`・ω-´)「運転手さん。あなたがシャッフルし、カードを配るなら」

( ∀゚キ)「OKだ。なら、こういうルールにするぜ」

今回のブラック「マジック」ジャック……黒魔法ジャックのルール

・ファーストカードは全員オープン。セカンドカードのみ伏せて配られる

・三枚目以降を要求した場合、それらもオープンで配られる

・一勝負につき、参加費は5万円。最も強い手を作った者の総取り

・勝負は計10回。1回目の勝負を受けたら最早、最後まで降りられない


( ∀゚キ)「こんなとこか?」

(`・ω-´)「いいよ。それで」

シャキンは内心ホッとしていた
大負けしてもたかが50万だ……と

モランは逆に困る立場
手持ちは20万そこそこしかないので、負け続ければ4試合しかできない
それでもモランは、まるで怯まない

( ・∀・)「10ゲーム強制なら、僕は負けたら借金をしなきゃならなくなりますね?」

(`・ω-´)「金なら僕が貸すとも。ただし……」

( ・∀・)「その代わり、僕はツアーの間中シャキンさんの手下、カードになる。という事ですかね?」

(`・ω・´)「そうだ」

( ・∀・)「おっけー♪ですよ」

(`・ω-´)(コキ使ってやるぞ……生意気な小僧め)

485同志名無しさん:2014/10/21(火) 04:05:34 ID:nlU4HluEO
川 ゚ -゚)「私はファーストカードの選択権を放棄する」

(;・∀・)「僕ら二人に、先に選ばせてくれる。んですか?」

(;`・ω-´)「なんだって……?」

場に出された三枚のファーストカードの内、クールは余り物で勝負すると言い出した

この変則ブラックジャックにおいて、選択権の放棄は相当な無茶のはずである

川 ゚ -゚)「もちろんそれでも勝つ。からな?」

( ∀^キ*)「キシシ……流石の余裕かぃ。カッチョいいじゃねーか!クール!」

( ∀^キ*)「惚れちまいそうだぜ!」

川 ゚ -゚)「本気にするぞ?ハインド」

( ∀゚キ;)「えー、では、粛々と……始めましょーかねぇ?」

川 ゚ -゚)「スルーか。そこはスルーなのか」

(;・∀・)「運転手さん。モテるんですね……」

486同志名無しさん:2014/10/21(火) 04:33:45 ID:nlU4HluEO
ゲームはスタートした

ぱらぱらと放るように、三枚のカードを場に出す運転手

クールは言った通りに、選択権を放棄したので
二人は三枚のファーストカードの内、コイントスでそれぞれ絵札を選び
クールには7のカードが回った

伏せたセカンドカードが配られ、三人はそれを確認する

川 ゚ -゚)「三枚目をくれ」

(`・ω・´)「その必要はない」

おもむろに自分のセカンドカードをオープンするシャキン

ブラックジャック

有無を言わせぬ手役
一ゲーム目はシャキンの勝ち

( ・∀・)「へえ。ツキはあるんですね」

川 ゚ -゚)「ブラックジャックか。倍払いだな」

(;`・ω-´)「お、おう」(倍払いなんてルールになかったぞ?いいのか?)

かくして、シャキンは初戦で20万を得た

487同志名無しさん:2014/10/21(火) 05:17:40 ID:nlU4HluEO
2ゲーム目

コイントスでモランは絵札。シャキンは9のカードを選択
クールには3のカードが回る

( ・∀・)「よし。これで勝負」

モランはセカンドカードを見てストップ

(`・ω・´)「同じく」

シャキンも追加のカードは要求しない

川 ゚ -゚)「……追加をくれ」

クールはセカンドカードをしげしげと見やり、そう言う

三枚目はオープンで配られ、それは3のカード

川 ゚ -゚)「ふむ。もう一枚だ」

川 ゚ -゚)「9か。オーバー……」

伏せたセカンドカードを公開もせず、負けを認めるクール

今回はモランが絵札揃いの20、シャキンは9揃いの18

( ・∀・)「……なんとか命が繋がったな」

(`・ω・´)「良かったな」(……ちっ)

モランは手持ちを20万に戻す

488同志名無しさん:2014/10/21(火) 05:29:20 ID:nlU4HluEO
( ∀゚キ)「どうしたクール?調子が悪いのか?」

川 ゚ -゚)「ふふ。心配するな。ゲームはまだまだこれからだ」

川 ゚ -゚)「私の見せ場はもう少し……そうだな。5ゲーム目までお預けさ」

(*・∀・)「予告ですか?楽しみだなあ」

(;`・ω・´)(馬鹿言え……そんな事にさせてたまるかよ)

川 ゚ -゚)「3、4ゲームでせいぜい稼いでおけ」



川 ゚ -゚)「そこからは、地獄だぞ?」



川 ゚ -゚)ギャンブルスカベンジャーのようです

489同志名無しさん:2014/10/21(火) 09:32:47 ID:DB3c63LU0
おもしろい支援

490同志名無しさん:2014/10/21(火) 14:22:51 ID:nlU4HluEO
3ゲーム目

配布されたカードはいずれも微妙な数字

コイントスでシャキンは7、モランは5のカードを選択
クールに残されたのは3だ

(`・ω・´)「……もう一枚」

セカンドカードに満足せず、シャキンは三枚目を要求
( ・∀・)「むうん。もう一丁!」

モランも同じく、三枚目を加える

川 ゚ -゚)「私は引くだけ無駄のようだ」

クールは勝負を投げたように、セカンドカードでストップ

( ∀゚キ)「どうしたクール?見えてるのは3だ。伏せたカード良くてもエース……14にしかならないぜ?」

川 ゚ -゚)「どうやらシャキンは、引くべきものを引いたからな」

その通り。シャキンは手札を公開

(;・∀・)「プレイヤーに似合わず、やたら美しい手役だな。スリーセブンか……」

(*`・ω・´)「どうだ!7が3つで21ィッ!」

川 ゚ -゚)「スリーセブンは三倍役だな。モラン、後がないぞ?」

(*`・ω・´)「ふふん!」(三倍役だったのか!ラッキー)

幸運にもスペシャル役を揃えたシャキンに対し
二人は15万を支払う

(;・∀・)「残金は5万ある。借金はまだ……まだだよ」

(`・ω・´)「いつでも遠慮なく言ってくれよ?」

得意気なシャキンは有頂天

(;・∀・)「う、うるさい奴だなッ!」

491同志名無しさん:2014/10/21(火) 14:45:01 ID:nlU4HluEO
4ゲーム目冒頭、クールは宣言する

川 ゚ -゚)「次のゲームから、私は勝ちにいく」

川 ゚ -゚)「今回で稼げなければ、モランはもちろん……」

川 ゚ -゚)「シャキンも敗北にのたうつだろう」

川 ゚ -゚)「健闘を祈るよ?愚かな二人に幸運を……」

(;`・ω-´)「ふん。僕の好調を止められるものかよ!」

( ・∀・)「……」

モランは神妙な顔つきで言う

( ・∀・)「そうこなくっちゃ!」

川 ゚ -゚)「ふふ……」

クールは絶対的な勝利を確信しているかのように
余裕を持って、静かに柔らかく、笑った

492同志名無しさん:2014/10/21(火) 14:57:31 ID:nlU4HluEO
コイントスによって、幸運にもモランは1のファーストカードを得
シャキンは9、クールは3と続く

モランの願いはセカンドカードでは叶わず、ブラックジャックとはならない

(;・∀・)「三枚目、よこしてくれ」

シャキンは冷静に、セカンドカードでストップをかける

(`・ω・´)「ふん。これでいいだろ」

川 ゚ -゚)「……私にも三枚目を」

クールは興味深げに、モランを見ている
何かに気づいたような素振りだ

(;・∀・)「ちっ……小目だ」

モランは種銭がつきかけている焦りからか、ブレが酷い
引いてきた三枚目は3


川 ゚ -゚)(ふむ……)

クールの引いた数は7
ストップをかけ、モランの様子を伺っている

(;・∀・)「よ、四枚目、くれよ」

またしても小目。3

(*`・ω・´)「そらそら!もっと引けもっと引け!そんでオーバーしちまえ!モラン!」

493同志名無しさん:2014/10/21(火) 15:39:57 ID:nlU4HluEO
危険域である
ブラックジャックにおいて5枚目を引く羽目になった場合の勝率は
ほぼないと言っていい

しかし、モランは喉から声を振り絞るように叫ぶ

(;・∀・)「五枚目!五枚目だ!」

(*`゚ω゚´)「ハハハ。見苦しいぞモラン?挙げ句にオーバーしちまうのか?なあ?オーバーか?」

配られた五枚目のカードは……1

(*・∀・)「来たああああああああああああ!」

そして伏せたカードをオープン。3

1(11)、3、3、3、1の手

キタ――(・∀・)――ッ!!

川 ゚ -゚)「執念か……」

(;`・ω・´)「ぬぅ?」

五枚合わせて21。土壇場でフルリミットの手を完成させたのだ

川 ゚ -゚)「ファイブハンド21は倍払いだったな。良くやるよ……ギリギリの時に」

(;`・ω・´)「ふ、ふん。見苦しくはい回ったんだ。払ってやるさ」

シャキンとクールは己の伏せたカードを見せることなく、シャキンに金を払う

今やシャキンの手持ちは25万

川 ゚ -゚)「五枚目以降で21を完成した場合は、勝ちは倍々になって行く……」

川 ゚ -゚)「見せるじゃないか。ギャンブラー君」

494同志名無しさん:2014/10/21(火) 16:01:03 ID:nlU4HluEO
( ∀゚キ)「六枚目が10か絵札ならシックスハンド21になる手だぜ……?確率も悪くねえし、俺ならチャレンジしたがな……」

川 ゚ -゚)「いや、引かなくて良かったんだよ。ハインド」

( ∀゚キ)「そうかー?次のカードはと……」

運転手は山札の一番上とその次のカードを確認

( ∀゚キ;)「7……お次が絵札か。一目ズレてやがったか」

川 ゚ -゚)「良くソコで止めたな?ギャンブラー君」

(;・∀・)「いやぁ、直感です……あと、怖くてビビってました。ここがリミットだろうって感じです」

モランの意見を聞いたクールは、落胆に肩を落とす

川 ゚ -゚)「直感?ビビって?だって?」

(;・∀・)「はい……」

川 ゚ -゚)「4ゲームもの間、私が大人しくしていたのに」

川 ゚ -゚)「君は勝ちの布石を打つのを怠ったようだな?偽物君」

(;・∀・)「偽物?僕が?」

川 ゚ -゚)「そこの偽物二人に、これから後悔してもらう」

川 ゚ -゚)「未熟なまま私と対した事を」

495同志名無しさん:2014/10/22(水) 08:01:45 ID:rbG/GPSAO
前半終了時点での
各プレイヤーの認識を整理する

(`・ω・´)

・この黒魔法ジャックについて

派手な倍付け役があるみたいだが、もし喰らっても大したことない金額だし
モランを落とすのにはかえって好都合さ

・他のプレイヤーについて
言うことはでかい、やってることはショボい奴ら
クールに裏切られたのには少々腹が立ったが
ハッタリばかりでてんでダメ女じゃないか

・マジックカードのネタについて

どうやら絵札の他は、奇数のカードしかないようだ
偶数のカードを一度も見ていない
つまりスリーセブンは狙い目の手役だな

・他に気づいたこと

飲み物ぐらいサービスしろよ。気の利かない店だ

496同志名無しさん:2014/10/22(水) 08:39:25 ID:rbG/GPSAO
( ・∀・)


・この黒魔法ジャックについて

面白いゲームだ。しかし、不親切なゲームだ
「選の女神」のテクニックが楽しみで仕方がない
僕は多分、このゲームが終わったら、脱落者になるだろう
その覚悟はしている

・他のプレイヤーについて
シャキンさんはギャンブラーじゃなく、見栄っ張りの資本家で冒険しないタイプだから
今回のように無策で釣り出された場合に弱い
なら、彼の専属の代打ちになってやるのも悪くない。このツアー中はお断りだけど

クールさんは、しきりに僕の様子を伺っていた
僕のイカサマを警戒していたようだが、僕の仕掛けはバレてはいないはずだ

・マジックカードのネタについて

奇数が多いのではなく、偶数のカードが全くない
カードの配分はおそらく、3が多めに入っているのだろう
とり急ぎ、三枚の3と三枚の7にガン(目印)をつけたので
追加カードを引くときにはそれを活用できるか?
3が多めに入っている理由は……わからないが
もしかして、マジックのネタの一部か?

・他に気づいたこと

クールさんおっぱい大きいなあ。すーぱーそに子ちゃんのコスプレなんかしたら、似合うだろうなぁ
おっぱいにカード挟んでプレイしてくんないかなぁ

やや店内が暑いな。湿度が高いんじゃないか?

僕の座る席は、窓際だから日差しもちょっと強いが
ブラインドを下げられちゃ困るな

シャキンさんは高そうな靴穿いてるな。クールさんはシックなローファーがカッコいい
運転手さんはボロっちい雪駄か?アレでバス運転してんの?
新しいの買えよな?あこぎにぼろ儲けしてるんだからさ

でも、みんな走るのには不向きだな

497同志名無しさん:2014/10/22(水) 09:13:44 ID:rbG/GPSAO
川 ゚ -゚)

・この黒魔法ジャックについて

予定通り
ドクオは昔負け役ディーラーをやっていたらしいが、器用なものだ
私にはこういう手加減しかできない

・他のプレイヤーについて

二人共それなりにイケメンだな。モラン君はもう少し髪型に気を配ればモテるだろう
モラン君は私の技を見たがっているようだが
本当に技を使っていいのか?崖っぷちにいるのだよ?君は
……まあ、破滅に向かって進むギャンブラーの性か

あと、彼が目印をつけたカードの構成について、3は「今は」8枚あるんだよと教えてやりたい
まぁ教えないけど


シャキンは甘い。ギャンブルを舐めているのだろうが
小博打だからか?
資金力に頼るのに慣れすぎているようだ
金持ちは嫌いではないが、その出所はおそらく……ろくなものじゃないのだろう
額に汗して働くタイプには見えない


・マジックカードのネタについて

予定通り
ひねくれ者ハインドは、思った通りにマジックカードを買ってきた
あの店の手品用カードは、内容を全て把握済みだ
ギャンブラーとしても、マジシャンとしても、負ける要素はない

・他に気づいたこと

ハインドとセックスしたい

マジックカードを利用するためとはいえ、湿度を上げすぎたか。暑いな

ハインドとケモノみたいにセックスしたい

ドクオは今頃、ろくでもないことをしでかしているんだろうな

ハインドとセックスしたい。した過ぎヤバい。濡れてきた

ドリンク位注文して欲しいものだ。ウチはスナックだぞ?
特にシャキンは金持ちなんだから、気前よくスパーンと皆に奢れよ

ああハインドとセックスしたい

498同志名無しさん:2014/10/22(水) 09:47:32 ID:rbG/GPSAO
ついでに、見に回った運転手の認識も書いておく

( ∀゚キ)

・この黒魔法ジャックについて

思ったよりブレないねぇ
クールがそういう風に場をコントロールしてんだろうがな

その均衡は、これから派手にぶっ壊れるって訳か?

キシシ。楽しみだねぇ

・他のプレイヤーについて
シャキンもモランも、今回は不参加のドクオもだが
まだまだ伸びしろがある若い者だ
俺達の時代とは違う、新しいタイプのギャンブラー達……

いやはや内藤にゃあ面倒くさい仕事を押し付けられたもんだぜ。
ったくよ。俺はピンが性に合ってるっつーのに

……野郎等との旅も案外悪くないけどよ

クール、やり過ぎるなよ?

・マジックカードのネタについて

……知らね。俺ぁ説明書なんか読まないタイプだ
あんまりなネタだったら、俺ならドスをブン回してちゃぶ台ひっくり返すだろーな

・他に気づいたこと

なんかクールがこっち見てる気がする
いい女にゃ違いないが、アイツは昔から苦手だぜ
……蛇に睨まれたカエルって言うか、取って喰われそうなふいんきがなぁ。どうも……

そろそろ便所を押さえておくか。モランが行きたがるはずだ


ま、俺の予想通りになったらつまらん
どんでん返しの一つや二つ、期待はしておこうかね

……キシシ

499同志名無しさん:2014/10/24(金) 23:46:23 ID:CxVN9F92O
そしてついに
予告の5ゲーム目が始まる……

500同志名無しさん:2014/10/24(金) 23:58:01 ID:CxVN9F92O
( ∀゚キ)「ほいほいほいと」

他人事の気楽さで、運転手は三枚のファーストカードを場に出してゆく

コイントスにてモランが絵札、シャキンは9カードを取る
クールは選択権を放棄したままで、3のカードを使う事になった

セカンドカードがそれぞれに配られ
クールを除いた二人はそれを確認する

(`・ω・´)「なんだよクール。セカンドカードを確認しなきゃゲームが進まないだろ?」

( ・∀・)「確認の必要があるのは、僕らだけ。ってことか」

クールは至極冷静に、いや、冷徹に

川 ゚ -゚)「そうだ」

とだけ答えた

501同志名無しさん:2014/10/25(土) 01:16:28 ID:MiPRBvJUO
モランは手を公開

( ・∀・)「例えどんな策があっても、これなら僕の勝ちだ」

ブラックジャック

問答無用の手役。ツキに頼って拾った勝ち。実力ではない

シャキンはそれを見て勝負を放棄。己のカードをテーブルへ放る

(;`・ω・´)「しぶとい奴だな。まだはい回るのかよ」

それまで黙っていたクールが口を開く

川 ゚ -゚)「シャキンは負けを認めた。そして、ギャンブラー、モラン君……」

川 ゚ -゚)「君はその手で確定し、もう引かない。ということで、いいのかな?」

(;・∀・)「え、ええ。そりゃ、引きませんよ?だって……最強役のブラックジャックだし」

川 ゚ -゚)「そうか。ならハインド。私には追加のカードをくれ」

( ∀゚キ;)「いや、無駄だろ?どれだけ引いてもブラックジャックより強い手はないぜ……」

ハインドの言葉を無視し、あくまでも追加のカードを要求するクール

川 ゚ -゚)「そうだな。追加で……」

全員が、耳を疑った


川 ゚ -゚)「10枚。貰おうか」

(;`゚ω゚´)(;゚∀゚)( ∀゚キ;)「何ィー!!!!?」

502同志名無しさん:2014/10/25(土) 01:32:58 ID:MiPRBvJUO
(;・∀・)「いや、だから、クールさん?」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

(;・∀・)「僕の手役は、ブラックジャックなんで。最強役でしょ?」

(;・∀・)「クールさんがどれだけ引こうが、僕の勝ちですよ?」

クールは笑顔を作らず笑う

川 ゚ -゚)「フフフ。君の見間違いだよモラン君。バスツアーで疲れているのかな?」

(;・∀・)「え?」





(;・∀・)「ええッ!?」

503同志名無しさん:2014/10/25(土) 01:44:26 ID:MiPRBvJUO
川 ゚ -゚)「本日お集まりの紳士の皆様……」


川 ゚ -゚)「これよりは、ショータイムだ」

クールのしなやかな指先が
モランの開かれた二枚のカードの内
エースのカードの絵柄をそっと撫でる……


(;`・ω・´)(;・∀・)( ∀゚キ;)「な、何をする?」


川 ゚ -゚)「ワン」

川 ゚ -゚)「ツー」

川 ゚ -゚)「スリィィー!」

504同志名無しさん:2014/10/25(土) 01:58:42 ID:MiPRBvJUO
クールが撫でたカードには
最早、色も、数字もなかった

つまり、エースのカードが撫でられただけで、一瞬にして真っ白なカードに化けたのだ

(;`゚ω゚´)(;゚∀゚)( ∀゚キ;)「んなバカなー!」

川 ゚ー゚)「絵札と、白紙のカード。つまり10だ。しかも」

川 ゚ -゚)「モラン君。君はこれ以上のカードの追加を拒否した」

(;・∀・)「な、なにが、どうなっ……て……」

( ∀^キ)「クールおめぇ、さてはマジックのネタを知ってたな?」

(;`・ω・´)「まさ、かッ!?」

クールはそれには答えない

川 ゚ -゚)「そして、私のカードの追加を頼むぞ?ハインド」

505同志名無しさん:2014/10/25(土) 02:10:34 ID:MiPRBvJUO
結果

川 ゚ -゚)「トゥエルブハンド21……つまり、君たちは256倍の払いだ」

数枚の白カードと7枚の3
あり得ない光景が、場末のスナックのテーブル上にあり得てしまっていた

(#`゚ω゚´)「ふ、ふざけんなあああああ!なんだゴリャアアアアアアアアアアアアアア!」


(*・∀・)「す、スゲエエエエエエエ!ありえぬぇええええええ!」

( ∀^キ*)「ヒデエ!こりゃヒデエわ!ギャハハハハハハ!!」

川 ゚ -゚)「ま、ざっとこんなもんでな……」


それはイカサマと言うには
あまりにも馬鹿馬鹿しいドハデさで

506同志名無しさん:2014/10/25(土) 02:19:39 ID:MiPRBvJUO
川 ゚ -゚)「一人頭、1280万」

川 ゚ -゚)「悪いが、きっちりと頂くぞ?」



(#`゚ω゚´)「そんなもん通るかアホンダラアアアア!!」

(*・∀・)「や、やるゥ!最高ですよう!クールさん!」

(*・∀・)「そこまでいくともう、なんか気持ちいいや!」

( ∀゚キ;)「キッシッシッ……俺ぁ見で良かったぜぇ?」

507同志名無しさん:2014/10/28(火) 03:48:52 ID:qwsMDyfMO
沈黙が一拍あってその後
出し抜けに運転手は言う

( ∀゚キ)「いやあ良いもん見せてもらったぜ。クール」

( ∀゚キ)「モランよぅ?おめぇ小便チビりそうなくらい驚いてるんだろ?」

(;・∀・)「……チッ」

モランの次の行動を読みきった運転手の牽制

( ∀-キ)「悪いが便所には俺が立たせてもらう。便所の窓が心配なんでな。キシシ」

つまり負け分を踏み倒して、トイレの窓からとんずらするのは許さぬと言うわけである

また、トイレの前を通らねばスナック唯一の出入口へも行けないので
逃げ道を塞ぐことになる

モランは窮地に立たされていた

だが、モランは笑う
笑顔を作らずに

( ・∀・)「まいったなあ。ははは」

川 ゚ -゚)「おやおや厳しいなハインド?二人は1280万の負けだぞ。そんなモラン君の逃げ道を塞ぐなんて……」

508同志名無しさん:2014/10/28(火) 08:53:20 ID:qwsMDyfMO
( ∀゚キ)「モラン」

( ・∀・)「はい」

運転手は、モランに言う

( ∀゚キ)「俺はな、おめぇにはこの程度のピンチは脱する力があると思っている」

( ・∀・)「ははは。無理でしょう。1280万なんて金、シャキンさんだって貸してくれる訳がない」

( ・∀・)「そして逃げ道もあなたに塞がれた。策なんて全くありませんよ」

川 ゚ -゚)「……」

(#`゚ω゚´)「……」

( ∀゚キ)「そうかい」

( ・∀・)「ええ。残念ですが」

( ∀-キ)「という事は、アレだな」

( ・∀・)「ええ」


(#・∀・)「僕は策士じゃあない!」

( ∀゚キ*)「ほほう!?なら、なんだ!?」

運転手はやはりモランに何かを期待している。のか

(#・∀・)「『ギャンブラー・トレジャーハンター・モラン』です!」

(#・∀・)「その僕にできるのは、するのはッ!」

(#・∀・)「『ギャンブル』に決まっています!!!」

509同志名無しさん:2014/10/30(木) 22:43:16 ID:4hcCmD36O
( ・∀・)「僕の悪あがきを見てもらいましょう……」

( ∀゚キ)「……」

いいながら、モランは自分のズボン縁に手を掛ける

( ・∀・)「奥の手です」

510同志名無しさん:2014/10/30(木) 22:50:43 ID:4hcCmD36O
( ・∀・)「おちんちん!」

(#・∀・)「びろ〜ん!!!」



川 ゚ -゚)

( `゚ω゚´)

( ∀^キ*)

下半身丸出し。おちんちんびろ〜ん

川;゚ -゚)

(;`゚ω゚´)



……時は止まった

511同志名無しさん:2014/10/30(木) 23:29:40 ID:7pU7Xf3AO
かっこよく啖呵切った後での
まさかの下半身露出

512同志名無しさん:2014/10/30(木) 23:55:14 ID:/ljKLP2U0
全然先が読めんww

513同志名無しさん:2014/10/31(金) 02:48:26 ID:GO0nzkvEO
川;゚ -゚)

(;`゚ω゚´)

およそ5秒の(ザ・ワールド)時止め

突然の露出に、少なくとも二人は固まっている
もう一人は成り行きを見るつもりのようだ

( ∀゚キ)「で?」

(#・∀・)「ここからが僕の勝負!うわあああああああ!!」

腹の底から声を張った雄叫び
自分の覚悟を決めると同時に
他のプレイヤー達を驚かす

川;゚ -゚)(;`゚ω゚´)

(#・∀・)「今だあああああっ!」

ブラックジャックの席を立ち、後を振り向くモラン
そこには窓があり、陽が射し込んでいる

( ∀゚キ)「その窓は嵌め殺しだな。開かねぇ。そこからじゃ逃げられないぜ?」
しかし
それを聞いてや聞かずや、窓に向かって猛突進するモラン

(#・∀・)「うおりゃああああああ!」

514同志名無しさん:2014/10/31(金) 02:57:14 ID:GO0nzkvEO
( ∀-キ)(ライダー・ブレイク……)

年齢相応な事を連想する運転手

( ∀-キ)(燃えろ!変身!命懸け……ってか?キシシ)



バッシャアアアアン!


モランの体当たり
窓は派手に割れ、そのまま体は店外に転げ出す
あたかもハリウッド映画の脱出劇

ただし彼はヒーローでもスタントマンでもスカイライダーでもなく
ただのギャンブラーである
無傷で済むわけもない

515同志名無しさん:2014/10/31(金) 03:18:07 ID:GO0nzkvEO
(;・∀メ)「くッ……やっ、たぞ!」

顔面に派手な裂傷
ガラスの破片が、無残にもモランの左目から頬にかけてを切り裂いている

血飛沫をあげながら、それでもモランは路地に立ち上がり
どこへともなく駆け出してゆく

(;・∀メ)「今回の勝負、これにて引き分けです!」

(*・∀メ)「バイバイキーン!」

その背を茫然自失のまま見つめるシャキン

(`゚ω゚´)「あ……」

既に素に戻っているクール

川 ゚ -゚)「逃げたか……やられたな。最後の最後で」

そう嘯くクールに笑い掛ける運転手

( ∀^キ)「クール。おめぇ、この展開をうすうす予想してたんじゃねえか?」

川 ゚ -゚)「いや。だが、モラン君にある種の期待はしていたよ」

川 ゚ー゚)「彼は、『本物』かも知れないぞ?ハインド」

516同志名無しさん:2014/10/31(金) 03:34:52 ID:GO0nzkvEO
川 ゚ -゚)「ギャンブラーの負けが、金を払った時に決まる。としたなら」

( ∀゚キ)「その理屈なら、金を払わなけりゃ負けじゃねえ。ってこったな」

川 ゚ -゚)「ま……いいだろう。今回は引き分けとしておこうか」

( ∀゚キ)「キシシ……で、シャキンよ?おめぇはどうする?」

( ∀゚キ)「ちなみにモランと同じ手は使わせねえぜ?」

(;`゚ω゚´)「ぼ、僕は……」

シャキンにとって1280万の金は払えなくはないが
このツアーには持ってきていない額。大金である

クールは静かに語る

川 ゚ -゚)「シャキン。わたしは君との契約通りに、バスツアー参加者を脱落させた」

(;`゚ω゚´)「えっ?」

今さら契約を切り出すクールに、シャキンは当惑する

川 ゚ -゚)「契約を履行。報酬を頂きたい。約束通りの100万と……」

川 ゚ -゚)「ついでに、窓ガラスとテーブルの修繕費もお願いできるかな?」

517同志名無しさん:2014/10/31(金) 03:55:05 ID:GO0nzkvEO
川 ゚ -゚)「今回のブラックジャックは、私にとってはマジックショーみたいなもの」

川 ゚ -゚)「しかもその勝ち負けは、モラン君によって流された。だから、シャキン」

川 ゚ -゚)「君からも勝負の金は取らない。ただ、契約は果たしたのだから、その分はもらう。OK?」

(;`゚ω゚´)

次第に、ようやくにシャキンは落ち着き始め
そして

(;`・ω・´)「わ、分かったよ……報酬と修繕費、合わせて150万でいいか?」

横合いから口を挟む運転手

( ∀゚キ)「ついでに三人分のドリンクを奢れや?勝負観戦で、さっきから喉が渇きっぱなしでよ」

(`・ω・´)「フフン。クールも運転手さんも好きなだけ飲みなよ。今日はおごってやるとも」

( ∀゚キ)「しかしよ……?クールおめぇ、これで手打ちにするのか?勿体なくねえか?せっかくの大勝をよ?」

皆のドリンクを用意しながら、クールは答える

川 ゚ -゚)「ああ」

川 ゚ -゚)「私はこういうエンターテイナー的な部分が強すぎて、ギャンブルから引退を決意したんだ」

(`・ω・´)「腕は確かなのに……惜しいな」

518同志名無しさん:2014/10/31(金) 04:04:28 ID:GO0nzkvEO
( ∀^キ)「エンターテイナーだから博奕の金は取らないってか!格好いいじゃねーか。惚れちまいそうだぜ」

川 ゚ -゚)「……だからそれは本気にするぞ?ハインド?」

(`・ω・´)「フフフ……」

シャキンは今回、手も足も出ずに追い込まれたが

今やっと穏やかに笑えた






(#`゚ω゚´)「ドリンク三杯で100万って!いったいどういう計算だあああああああ!」

30分後には、またぶちギレていたのだが

519同志名無しさん:2014/10/31(金) 04:27:33 ID:GO0nzkvEO
モランが一か八かの奥の手(おちんちんびろ〜ん)で
逃亡し負けをチャラにしたころ

ドクオはなにをしていたかといえば

彼は箱を持って街角に立っていた

('A`)「恵まれない方へのご寄付をお願いしやーっす!」



とりあえずドクズであった

520同志名無しさん:2014/10/31(金) 05:16:45 ID:GO0nzkvEO
そんなドクオの近くを疾走していく者あり

(;'A`)「oh……フルチン……」

小金を集めようと街まで、出・掛・けた〜ら
フルチンで駈けてく
愉快なモランさん

ピュー≡(*・∀メ)「あはははは!」

('A`)「……」

('A`)「どうやら……モランさんは『ギャンブル』には勝ったみたいだな」

('A`)「……いやあ」




('A`)「……キモい」

521同志名無しさん:2014/10/31(金) 05:23:01 ID:GO0nzkvEO
**……おかしい……**

**ドクオにやらせるはずだったのに**

**……なんでこうなった……**

522同志名無しさん:2014/10/31(金) 07:40:30 ID:J2r1KDSs0
安価でひよった奴がいたから……

523同志名無しさん:2014/11/01(土) 09:34:02 ID:x6zXhfZAO
血みどろフルチンで笑いながら街中疾走って
完全にヤバい人としてネットでネタにできるレベル

524同志名無しさん:2014/11/03(月) 00:38:36 ID:.k6oLU5sO
('A`)「ぼちぼち現れる頃合いだと思ってたっす」

街頭募金をしながら、ドクオはある人物を待っていた

果たして待ち人来たり

(,,゚Д゚)「小金集めのエセ募金活動とはな……セコすぎるぜ」

ギコはバスツアーを追ってきたのであり、ドクオには用はないのだが
ドクオのあまりのセコさについつい声をかけてしまう

('A`)「この間はどうも。俺、あなたを待っていたんすよ。ギコさん」

(,,゚Д゚)「俺を?」

('A`)「ええ。またちょっと揉んで貰えたら……と思ってて」

(,,゚Д゚)「俺とサシで博打をやろうってのか?」

('A`)「そっすね」

525同志名無しさん:2014/11/03(月) 00:52:34 ID:.k6oLU5sO
(,,゚Д゚)「俺はギャンブラーじゃあないんだぜ?それでも勝負をふっかけるのか?」

ドクオはへらへら笑う

('A`)「だからっすよ。素人ってえんなら好都合だ」

('A`)「今日の所は……ギコさんの有り金全部で勘弁しときますわ」

(,,゚Д゚)「大した自信だな?内藤の腰巾着が」

('A`)「勝負の方法は選ばせてやるよ?オッサン」

ギコはふと、留置場にいるモララーとの面会を思い出す
モララーは、ドクオを特別扱いしていた

(,,゚Д゚)「なるほど。何か吹っ切れたようなツラしてやがるな」

(,,゚Д゚)「いいぜ。なら、一丁やってみるかい……」

ギコもギャンブルは嫌いではない

526同志名無しさん:2014/11/03(月) 02:17:51 ID:.k6oLU5sO
('A`)「すでに俺は、勝っているんす」

(,,゚Д゚)「なに?」

ギコにはドクオのいう事の意味が掴めない

ぽつりと、しかしはっきりとドクオは疑問に答える

('A`)「ギコさんがここに来るかどうかという」

('A`)「一番根本のギャンブルにです」

('A`)「俺はその大事な勝負に勝った」

(,,゚Д゚)「ほほう?だが、俺にまた凹まされる結果になるぞ?」

('A`)「……」

ドクオはへらへら笑いを止め、冷たい目をしてギコを見つめる

('A`)「始めましょうか」

('A`)「消化試合を」

527同志名無しさん:2014/11/07(金) 23:27:22 ID:iZsXTie2O
( ´∀`)

人間、辛抱が肝要モナ
それは重々分かった上で、ならぬ辛抱はやはりならぬ

引っかけられ、死にかけたのはいい
まさしく博徒の有り様だモナ
俺ィいらが我慢ならないのは
無様に生き延びてしまったこの身……

外道、極道、はぐれ道
野垂れる果てを探してうつろうその淵は
この身を焼いた火焔よりも、まだまだもっと地獄でなきゃならん。と……

つまりそういう事かモナ……

( ´∀`)「ククク」

地獄。地獄。この世は地獄
俺ィらの末は地獄待ち
素っ単単騎、地獄待ち

ひたすら末は、ただ地獄……

( ´∀`)「外道の行方その道連れに」

( ´∀`)「地獄を見せてやるモナ……」

528同志名無しさん:2014/11/07(金) 23:42:36 ID:iZsXTie2O
車椅子にもたれながらモナーは笑う

その両足は、既に動かない
満足な治療を受けられるような蓄えなどないし
保険も入っていない

何の後ろ楯も持たず、人生に保険をかけず、日々を喰うために博奕を打つ……

そうやって生きてきたし、死ぬまでそうあるつもりのモナー

だから足が動かない事にも関心はなく……

頭にはただ、博奕のみ

狂人と言っていい。だがしかし
モナーが博奕の人生を真摯に生きている事だけは
誰にも否定できないだろう

( ´∀`)「待っていろ……モナ……」

529同志名無しさん:2014/11/07(金) 23:56:52 ID:iZsXTie2O
(,,゚Д゚)「コイントスでどうだ?」

(,,゚Д゚)「シンプルかつ、短時間で勝負できる」

ドクオに異論はない

('A`)「ルールは?」

(,,゚Д゚)「俺がコインを投げる。着地する前にお前が裏表を予想して、当てる」

(,,゚Д゚)「それだけさ。簡単だろ?」

('A`)「いいっすよ。分かりやすいし」

(,,゚Д゚)「賭けるのは、有り金全部。でいいな?」

ドクオは嘲笑する

('A`)「みっともねえなwwwwギコさんwwさすが素人だ」

(,,゚Д゚)「なにがおかしい?」

530同志名無しさん:2014/11/08(土) 00:08:46 ID:SBfjy8WYO
('A`)「あなたが今持っている金なんて、たかが知れてる」

('A`)「仮に負けて有り金無くしても、どうって事はなく」

('A`)「少し悔しい出来事だった。で終われる」

('A`)「ギャンブラーじゃないからねwwwwww」
('A`)「そこいくと、俺は違う。本当に全財産っすからね」

('A`)「金の重みが違うんすよ?」

ギコは言われるがままだ

(,,゚Д゚)「そういうこった。汚いと思うか?」

(,,゚Д゚)「だが、俺はお前の挑発には乗らない。賭けるのは今現在の有り金だけだ」

開き直りも板についたギコの言葉

('A`)「やるなあ。さすが元公務員。堅いっすね」

(*'A`)「ダッセwwwwwww」

531同志名無しさん:2014/11/08(土) 08:15:15 ID:SBfjy8WYO
(,,゚Д゚)「ま、気にしない事だな」

('A`)「え?」

軽くいなすギコ

(,,゚Д゚)「お前の正しさを押し付けられても困る。俺には、俺の生き方がある」

正論である。ドクオの言い分には主観が多すぎている
しかも、ギャンブルジャンキーの主観だ

('A`)「……そうっすね。なるほど」

('A`)「それでも、俺は俺の理屈を押し付けるっす」

(,,゚Д゚)「とりあえずは、俺に勝って。か?」

('A`)「ええ」

532同志名無しさん:2014/11/08(土) 11:07:12 ID:SBfjy8WYO
無造作にポケットを探り、500円硬貨を一枚取り出すギコ

(,,゚Д゚)「ご託はいい。始めようぜ?」

('A`)「……すね。やりますか」



読者諸兄はもちろんご存知だろうが、一応念を押す
常識では硬貨は500と書いてある方が裏と定まっている
今回のギャンブルは、その常識に従う

(,,゚Д゚)「じゃ、いくぜ?」

コインが弾かれる前にドクオは宣言する

('A`)「表」

(,,゚Д゚)「……せっかちな野郎だなw」

ピィィィーン!

533同志名無しさん:2014/11/08(土) 12:34:33 ID:SBfjy8WYO
澄んだ音色が響き渡る
陽光を受け、白銀に輝くコイン……



さて、勝負の行方は?

1・表

2・裏

3・お前のいう通りの事が起きる



ただし、言っておくが
お前らの予想はおそらく裏切られる

534同志名無しさん:2014/11/08(土) 13:28:02 ID:GFYDVj620
3.コインの行方がわからなくなる

535同志名無しさん:2014/11/08(土) 14:44:37 ID:SBfjy8WYO
('A`)「ご協力……」

(*'A`)「ありがとうございまあああああああすッ!!」

ドクオは素早い

募金箱を差し出し、落下途中の500円硬貨を見事にキャッチ

(,,;゚Д゚)「お、おい?」

理解する間など与えず、ドクオは募金箱を抱え走り出す

ダッ≡(*'A`)「ばーかバーか!騙されてやんの!」

(,,゚Д゚)「え……?」


まんまと500円をせしめ、とんずらこいたドクオの背を
ギコはぽつねんと見送っている

(,,;゚Д゚)「え?」



しばらくして状況を把握したギコは
まんまとドクオに乗せられた自分に腹を立て、えらく悔しがっていた。という

(,,#゚Д゚)「ふざけやがってあの野郎!」

536同志名無しさん:2014/11/08(土) 14:45:17 ID:SBfjy8WYO
(*'A`)ニヤニヤ「してやったり!」

537同志名無しさん:2014/11/08(土) 14:50:43 ID:SBfjy8WYO
もしコインのギャンブルで有り金全て無くしても
ギコはこうまで怒りはしなかったろう

乗せられ釣られ、コケにされた事が無性に腹ただしく一人吠える

(,,#゚Д゚)「こんの、ろくでなしがあああああああ!!」



今回はドクオの勝ち。であろう

538同志名無しさん:2014/11/08(土) 20:27:09 ID:SBfjy8WYO
0時

( ∀゚キ)「さあて。今夜も出発するぜぇ」

バスには来たときと同じ面々が、(ちゃっかりと)乗り込んでいる

(;`・ω・´)「も、モラン……脱落したんじゃ?」

( ・∀メ)「え?どうしてです?」

(;`・ω・´)「お前、カードでおけらになって逃げたんじゃ?」

( ・∀メ)「勝ちましたよ?差し引き5万だけ……顔の治療費でパアですけどね」

そうである。モランは勝った分はしっかり持ち逃げしていたのだ

(#`゚ω゚´)「お、おま、ふざけんなー!」

(;・∀メ)「ふざけてませんけど……」

( ∀^キ)「男前になったもんだな?モラン?キシシ」

(*・∀メ)「いやはは」

(#`゚ω゚´)「ドクオまで残ってるじゃねーか!」

('A`)「親切な人からカンパをもらったんすwww」

539同志名無しさん:2014/11/08(土) 20:48:06 ID:sGS1p62Y0
そりゃあ確かにギコのコインの行方は分からないわ

540同志名無しさん:2014/11/09(日) 00:11:42 ID:JR8AfLIA0
表だろうと裏だろうと持ち逃げすれば関係ないわな

541同志名無しさん:2014/11/09(日) 01:00:01 ID:zgODFmK20
安価とは一体…
いやそもそも別に安価とも言ってはないか

542同志名無しさん:2014/11/11(火) 06:45:22 ID:WMcCswXsO
( ・∀メ)「運転手さん」

( ∀゚キ)「あんだ?」

モランは運転手に念を押す

( ・∀メ)「もしかしたら忘れてるかも知れませんけど……実は」

( ・∀メ)「僕、あと2日でバスツアー達成なんです」

( ∀゚キ;)「……ええ!?そうだっけか?」

本気で忘れていたのか、しらばっくれているのか
どっちともつかない表情の運転手

(`・ω・´)「……」

( ・∀メ)「そうなんです。賞金の準備をよろしくお願いしますね」

( ∀゚キ)「おう。見事に達成してみせな?モラン」

( ∀゚キ)「そうか。そうだったか……早いもんだな。一月なんてよ」

('A`)「案外簡単なんすね?達成するの」

( ∀゚キ)「そりゃおめえ、簡単に達成できるなあモランの実力の賜物さぁ」

543同志名無しさん:2014/11/11(火) 07:13:20 ID:WMcCswXsO
( ∀゚キ)「そうさな。だったら……」

( ∀゚キ)「今日のギャンブルバスの行く先は変更して」

( ∀゚キ*)「モランの送別会としゃれこむかい!キシシ」

(;'A`)「なんすかそのいい加減ぶり」

( ∀゚キ)「バァカ。楽しむべき時は楽しむ。こうでなきゃ博打打ちなんてやってらんねえぜよ?」

(`・ω-´)「ふむ……?」
シャキンは一人考えこんでいる様子

(*・∀メ)「送別会?なんか学生時代の飲み会を思い出すなあ?ねえドクオ君」

('A`)「いや……おれ、ハブられてたから……」

(;・∀メ)「え、あ、そうなの?……ゴメン」

('A`)「ええ……いや……」

( ∀^キ)「いよーし!今日はギャンブル中止だ!カラオケ行くぞカラオケ!」

(`・ω-´)「読めたぞ」

( ∀^キ)「何を神妙な面してんだぃシャキンよ?歌は苦手か?」

(`・ω・´)「ギャンブラー対抗……」

( ∀^キ*)「賞金争奪歌合戦よ!」

(;`・ω・´)(;・∀メ)(;'A`)「やっぱりか!」

544同志名無しさん:2014/11/13(木) 22:20:47 ID:QyjPi8ZYO
ギャンブルバスはゆっくりと駐車場に停まる

ここは郊外のアミューズメント複合施設だ
温泉、インターネットカフェ、ラクロスコート、カラオケ、ボウリング場、ゲームセンター、パチンコ店、バーにレストラン街、ダーツ、ビリヤード、おまけに大観覧車とサーカステントといった
客から金を巻き上げる事しか考えていない集団の作った一大レジャー施設である

こういう華やかな場所には不似合いな……ただし不似合いの意味は違うだろう運転手とドクオ
こういう華やかな場所にこそ居そうな……ただし居る意味は違うだろうモランとシャキン

性格も歳も生活スタイルも違う四人だが
なぜか一同となり、ここに降り立つことになった

ギャンブルが結びつけた、奇妙な縁……

四人は決して仲がいい訳ではない。どころか敵同士なのだが

実に、楽しげであった

545同志名無しさん:2014/11/13(木) 22:38:08 ID:QyjPi8ZYO
現在午前11時

( ∀゚キ)「一杯やりながらカラオケ……にゃあまだ早い時間だし、20時にカラオケ屋前に集合ってことにして……」

(*・∀メ)ウズウズ「それまでは自由時間でいいですよね!」

モランは明らかにこの場を嬉しんでいる

(;'A`)「またゲーセンで景品全部さらう気っすか?」

(`・ω・´)「モンティーカルロの店があるな。僕はソコに行くから」

シャキンはレストラン街に、一際高級な店を見つけたようである

( ∀゚キ)「ああ自由時間でいいぜ。俺ぁうるせえトコはパスだ。ちょっくら長風呂してくらあ」

(;'A`)「え、と。俺は……」

こういう必要以上に明るい場にはあまり来た事のないドクオは、行き場にちょっと困るのだ

(;'A`)「パチンコ店は有名ボッタクリチェーン店だしなぁ……」

( ∀゚キ)「悪ィがバスは空けねえぜ?適当に時間潰してきな」

さて、どうしたものか

546同志名無しさん:2014/11/13(木) 22:46:31 ID:QyjPi8ZYO
ドクオ選択

1・>>544のいずれか(お前が指定した場所)に行く

2・どこにも入らず、時間まで広大な敷地内を歩く

3・お前の言う通りにする

ちなみにドクオの現在の所持金は3万強しかなく
バスツアー継続の為にも、あまり無駄使いは出来ない事を先に述べておく

547同志名無しさん:2014/11/13(木) 23:01:52 ID:QyjPi8ZYO
(,,゚Д゚)ニヤニヤ「スカンピン野郎め……相変わらずとんでも無いことを思い付くもんだぜ」

バスツアー一行に遅れる事、約一時間
愛車のカタナを駐車場に着けるギコ

ヘルメットを取ったその顔には、ニヤニヤ笑いが貼りついている

(,,^Д゚)ニヤニヤ「さあて、お仕事お仕事……ってな!」

この男もまた、どうしようもないゲスなのである

バスの四人よりは倫理が分かる人間

では、一応あるのだが……

548同志名無しさん:2014/11/13(木) 23:59:52 ID:6ktlUhuA0
安価だったらサーカステントで

549同志名無しさん:2014/11/14(金) 02:52:25 ID:OAjdRRUUO
作者にとってサーカスと言えば、まずは華やかで、見物客も多い……というイメージがある

しかし、このサーカステントには付近に客もおらず
どことなく古ぼけていてこじんまりとした風情

('A`)「……」

テントの小ささから考えて、せいぜい一家でやっている程度の規模と見受けられる

「夢のショータイムは13時〜!大人も子供も5000円持って集合!」

入り口にいくつか立っている看板に、いかにも胡散臭い案内がしかも手書きで書かれている

「火吹き男」だの「腹話術師」だの「ナイフ投げ達人」だの「未来を読む少女」だのと……

昭和、あるいは大正の時代に戻ったかのような看板絵

('A`)「5000円持って集合……って……もろ金じゃん……夢のショータイムとかじゃないじゃん……」

ドクオはあまりの退廃的な光景、雰囲気に少々たじろぎながら
それでも好奇心に勝てず、テント外周をぐるりと一周する

そして、出会う

550同志名無しさん:2014/11/14(金) 03:06:16 ID:OAjdRRUUO
('A`)

♪ 空気女と、小人を連れて
♪ 街にサーカスが来る前に
♪ 僕ら終わろう。お別れしよう
♪ 夏の、来る前に……

夜のカラオケに備えてというのではないが
何となく空を見上げ、懐かしい歌を口ずさみながらテントの裏まで歩くドクオ
よそみをしているつもりはなかったが

ずさっ……

「ああっ!」

地面に倒れるか細い女性。いや、女の子

(;'A`)「え、えうっ?」

ぶつかったか?いや、ぶつかったかな?

(;'A`)「だ、大丈夫っすか?す、すんませ……すんません」

……お決まりのパターンに入ったようである

551同志名無しさん:2014/11/14(金) 03:26:07 ID:OAjdRRUUO
レストラン・モンティカルロ店内

(`・ω・´)「……オススメで!」

('e')「畏まりました」

!(`・ω・´)Ψ「……」

どうでもいいことなのだが、作者は思うのである

シャキンというAAほど、ナプキンを下げてナイフとフォークを構えたポーズが似合う者もそうなかろうと

(`・ω・´)←この表情である

いかにも「もりもり食べるよ!」と言わんばかりに見え
萌えが大嫌いな作者にしては珍しく、可愛らしく思えるのだ


閑話休題

552同志名無しさん:2014/11/14(金) 03:38:39 ID:OAjdRRUUO
('e')「本日のコースには少々お時間を頂く料理がございますので、よろしければお暇潰しに」

!(`・ω・´)Ψ「ん。ありがとう」

ナイフとフォークを一旦下ろすシャキン

ウェイターが差し出したのはパンフレット
この施設の案内が書かれたものだ

(`・ω-´)「これは……ふむう……」

マップにざっと目を通したシャキンは、ある事に気づく

(`・ω-´)「……いや、まさか、な」

(`・ω・´)「でも一応、頭には入れておこう……」

一人何かを考えている様子

シャキンは、頭を使うとより美味しく食事ができるタイプなのだ

553同志名無しさん:2014/11/14(金) 04:22:24 ID:YvzhWaA6O
サンフランシスコだっけ?
ドクオが筋少だと他の選曲も気になるな
特にシャキン

554同志名無しさん:2014/11/16(日) 00:01:19 ID:pxP.c0uMO
( ・∀メ)ロンロント

予想通りというか、モランはゲームセンターにいる
しかし、プレーしているのはプライズ機ではなく

(,,゚Д゚)「通信対戦麻雀ゲームか……お前、こういうのもやるんだな」

プレーしているモランの背に声をかけるギコ

( ・∀メ)「なんでもやりますよ。広く浅くかな?」

浅くはあるまい。上位ランクの対戦、12連勝中の表示がある

( ・∀メ)「何か僕にご用ですか?ギコさん?」

(,,゚Д゚)「ビリー・ザ・キッド・モラン。その顔はどうした?」

(*・∀メ)「ちょっと顔面が大爆発しましたwww」

(,,゚Д゚)「そうか。ちょっと大爆発したか……」

( ・∀メ)「何かご用ですか?とさっき聞きましたよ?」

(,,゚Д゚)「ああ。用は二つ」

( ・∀メ)「手短にどうぞ?」

モランはゲームに熱中しているようで、あまりギコに気を向けていない

555同志名無しさん:2014/11/16(日) 00:13:08 ID:pxP.c0uMO
(,,゚Д゚)「スカンピン野郎から……あっと、ギャンブルバスの運転手から連絡があってな?」

(,,゚Д゚)「お前、間もなくツアー達成だってな?」

(*・∀メ)ロンロント「そりゃ出るよなあ中は……え?ああ。そうですが?」

モランは話を半分しか聞いていない

(,,゚Д゚)「お前、あのスカンピン野郎がまともに500万も払うと思うのか?」

( ・∀メ)「そんなの関係ありませんよ」

(,,゚Д゚)「関係ない?どういう事だ?ごまかされずに達成の賞金を得るうまい手があるのか?」

( ・∀メ)「ふう……麻雀も飽きたな。次はどのゲームをやろうかな?」

(,,゚Д゚)「おい、聞いてるのか?」

556同志名無しさん:2014/11/16(日) 00:26:23 ID:pxP.c0uMO
( ・∀メ)「僕がバスツアーに参加してる理由、分かりますか?」

(,,゚Д゚)「だから賞金目当てだろ?」

モランは笑顔を作らす笑う

( ・∀メ)ククク

(,,゚Д゚)「違うのか?」

( ・∀メ)「金目当てなら……500万じゃ安すぎますよ」

( ・∀メ)「そんな金、僕が自由にかつ本気にやれば、一週間で稼げる額です」

(,,゚Д゚)「大した自信だ。それはギャンブルでか?」

( ・∀メ)「僕はギャンブラー。トレジャーハンター・モランです」

( ・∀メ)「僕の一挙手一投足が全てギャンブルです」

( ・∀メ)「呼吸すら。まばたきですら。です」

(,,゚Д゚)「ほう……」

この兄弟にはどうやら誇大妄想癖があるようだな。とギコは思う

557同志名無しさん:2014/11/16(日) 00:37:00 ID:pxP.c0uMO
( ・∀メ)「ギャンブルは楽しいからやる。楽しいからです」

( ・∀メ)「あ、でも、やるからには徹底的に勝つつもりもあるので」

( ・∀メ)「僕のやり方で、賞金はきっちり頂きますよ」

(,,゚Д゚)「そこまで言うんなら、俺が口を挟む必要はなさそうだな」

(*・∀メ)「お、懐かしいー!あれをやろう」

ギコにはまるで興味がないモラン

向かうのはもぐら叩きゲーム

(,,゚Д゚)「もう一つの用はな」

(*・∀メ)「一回50円かぁ。なかなか良心的だなあ」

(,,゚Д゚)「俺と、ゲームで勝負してくれ」

(・∀メ;)「はい?ゲームで?ギコさんが?僕と?」

(,,゚Д゚)「勝負はそのもぐら叩きゲームでいい」

(・∀メ;)「ゲームで僕に勝てるつもりですか?」

(,,゚Д゚)ニヤリ「まあな」

558同志名無しさん:2014/11/16(日) 01:03:09 ID:pxP.c0uMO
( ∀-キ)「極楽、極楽と」

超巨大露天風呂のど真ん中、運転手は大の字になり
海月が如くぷかりのたりと浮かんでいた

完全なリラックス状態は、妄想がはかどるものである

( ∀-キ)(……)

( ∀-キ*)(ボインボインのヒッチピチ……)

( ∀^キ*)「うへへ……」

どうやらこのおっさん……結構だめなやつのようである


辺りに人のいないのを良いことに、ついには歌いだしている

( ∀-キ)

♪好きだよと言えずに、初恋はァ〜

♪振り子細工の心ォ〜

♪放課後の校庭にィ〜

しかしその歌は馬鹿にしたものではない
つまりカラオケにも自信はあるのだろうか

( ∀-キ*)

♪ダッダッダダダダダダ星のォ〜


……地球強奪ロボット軍……
ジャンルもあらゆるものに通じている……ようである……

559同志名無しさん:2014/11/16(日) 15:15:57 ID:pxP.c0uMO
(,,゚Д゚)「単純明快に、1ゲームずつプレーして得点の多い方が勝ち。ってことでどうだ?」

( ・∀メ)「おっけー。賞金は?」

(,,゚Д゚)「10万」

( ・∀メ)「まあそんなとこかな……いいですよ」

モランには勝算がある。このもぐら叩きゲーム勝負、負けるはずはない

( ・∀メ)「知ってます?出たり引っ込んだりするもぐらは、ランダムじゃなく法則性があるって」

(,,゚Д゚)「知らん。スピードで何とかする」

ダメだこりゃ。つまらない勝負になりそうだ。と、モランは思う

(;・∀メ)ハァ「じゃ、僕が先手でやりますから、よく見て覚えてくださいよ?」

(,,゚Д゚)「お前の手際、期待してる」

560同志名無しさん:2014/11/16(日) 15:36:08 ID:pxP.c0uMO
( ・∀メ)ポコポコ「スタートから10分が勝負なんです」

先読みでハンマーをもぐらの出現箇所に「置いておく」モラン

パターンを知っているからこそできる技であり
動体視力ではどうにも追い付かないもぐらをも得点にしていく

( ・∀メ)ポコポコ「10分を過ぎると、永久パターン防止のためにもぐらの同時出現数が5以上になるから……」

(,,゚Д゚)「永久パターン?」

( ・∀メ)ポコポコ「百円で1日遊ばれたら、売り上げさっぱりでしょ?」

( ・∀メ)ポコポコ「ゲーム機は店の儲けの為に、インカムをあげる必要がありますから」

話しながらでも、完璧なパターン化によって1ミスもなくポイントを積み上げるモラン

( ・∀メ)ポコポコ「プレー時間が10分を越えると、ハンマー一丁で叩ける限界以上にもぐらが出てきて、ほぼ強制終了。と」

( ・∀メ)「まあそういうわけですよ」

モランは10分でゲームを放棄。ハンマーをギコに渡す
モランの言う通り、大量のもぐらが出始め、叩くのをやめたモランはゲームオーバーとなる

ポイントは敢えて書かない。10分までのノーミス最高得点だからだ

561同志名無しさん:2014/11/16(日) 15:45:15 ID:pxP.c0uMO
(,,゚Д゚)「なるほど。さすがトレジャーハンター・モランだな」

( ・∀メ)「パターンは覚えましたか?」

(,,゚Д゚)ニヤリ「いや?」

ギコは不敵に笑う

(;・∀メ)「あのね?はっきり言うけど無理ですよ?体力でどうこう出来るモンじゃないんだから」

(,,゚Д゚)「……」

モランを無視しギコはライダージャケットを脱ぐ

(;・∀メ)「うわ……」

タンクトップ一枚になったギコの上半身を見て、モランは思わず声をあげる

とんでもなく鍛えあげられた筋肉……ボディービルダー真っ青な身体
ムキムキにも程がある

(,,゚Д゚)「へのつっぱりは」

(,,*゚Д゚)「いらんですよ!」

562同志名無しさん:2014/11/16(日) 16:06:17 ID:pxP.c0uMO
15分後

(;・∀メ)「ば、馬鹿な!こんな、ことが!?」

(,,゚Д゚)「10万。貰っていくぜ?」

ギコが圧勝。モランは完敗を認め
財布から10万をギコに差し出す

何があったかを書こう



ゲームスタート直後、ギコはボソリと呟いた

(,,゚Д゚)「ゴルディオン・ハンマーアアアアアアア!!!」

ドグワッシャアアアアアアン!

最初に出てきたもぐらを
台も割れんばかりのパワーで一撃

その一撃で、そのもぐらは即死……というか
ぶっ壊れ、二度と頭を出せなくなったのだ
機械はもぐらを出そうと動くが押し込まれている、つまり叩かれている状態にすでになっているので自動的にポイントが加算されていく

全てのもぐらがギコの「ゴルディオン・ハンマー」によってそうなった時……

(,,゚Д゚)フウ「永久パターン……だ」

(;・∀メ)「何だってえ!?」

563同志名無しさん:2014/11/16(日) 17:02:41 ID:pxP.c0uMO
(;・∀メ)「まいりましたよ。でもそれスピードって言うか」

(,,゚Д゚)「スピード」

(,,゚Д゚)「×(かける)」

(,,゚Д゚)「握力」

(,,゚Д゚)「×(かける)」

(,,゚Д゚)「体重」

(,,゚Д゚)「=(イコール)」
……破壊力。である。本当か?

(;・∀メ)「見事なまでの花山理論ですね……」

真偽はともかくも
とりあえず

ゲーム機破損に気づいた店員が駆け寄ってくる前に
二人共逃げなければならない事は確実だった

564同志名無しさん:2014/11/16(日) 17:18:24 ID:pxP.c0uMO
ズドオオオン!ズドオオオン!ズドオオオン!

グラグラ

!(((`・ω・´)))Ψ

!((;`・ω・´))Ψ「……」

グラグラ

!(;`・ω・´)Ψ「……地震かな?」

立て続けの振動にひっくり返った海亀のスープのカップを見て
シャキンはお預けをくった犬のように、そう呟いた

565同志名無しさん:2014/11/18(火) 15:34:20 ID:L6tMzAuAO
川д川「あ、あの。私のステージは夜からなので……まだ……」

(;'A`)「はい?」

ドクオは少女が何を言ってるのか、すぐには分からず
しかし悟る

('A`)「ああ、もしかしてサーカスの人っすか?」

川д川「あ、はい。まだまだ未熟なので、昼間の部にはステージに立たせてもらえないですけど」

(;'A`)「えっと、ぶつかったのかな?ぶつかっちゃってすんません。怪我ないすか?」

川д川「大丈夫なんです」

('A`)「はあ……」

川д川「お父様が、あ、座長が」

川д川「お客様にぶつかったふりして、わざと転べって。そうしたらそのお客様は私のステージにいらしてくれる。っておっしゃったので……」

ああ……なんだそうか。客引きかよ
胡散臭さを感じるドクオ

('A`)「……」

川д川「夜19時半から、見るだけなら5000円で、プレイしていただけるならもう5000円……なので」

プレイ?
なるほど。ドクオはほぼ全てを察する

('A`)「……君はいくつっすか?15位?」

川д川「歳は分からないんです」

川д川「孤児だったので…」

566同志名無しさん:2014/11/18(火) 16:08:52 ID:L6tMzAuAO
ドクオには
少女の周りに紫色の薄幸オーラがハッキリ見える。気がしている
だが、ドクオは情に流されるタチではない

('A`)「……」

('A`)「せっかくっすけど、俺」

冷ややかな目をしているドクオ

('A`)「今夜は20時から約束があるんで、君のステージへは……」


川д川「そう、ですか」

川д川「でも、もしお時間の都合がよろしくなったら……」

砂を払い、前髪を上げて
小さく微笑む少女
雰囲気がガラリと変わる。薄幸オーラは掻き消え

纏う新しいオーラが橙色にほのめく

注・ドクオのイメージです

从*゚ー゚从「ぜひ、来てください!」

少女はそれだけ告げ、テントに消える

(*'A`)「あ、え、はあ」

あらゆるタイミングが洗練されている、そういうテクニックとも取れ
これも手管なのか?とドクオは思う

ただ

騙されても、いい気も、する

567同志名無しさん:2014/11/18(火) 16:11:45 ID:M47.oMs60
ド、ドクオーー!ww


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