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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか、今度こそ」

1Mii:2020/12/13(日) 04:46:59 ID:9GX1QhWw
このスレは

 ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」 【前々スレ】

 ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですね、是非!」【前スレ】

に引き続く続編となります。前々スレ、前スレをご覧になられていない方はそちらを先にどうぞ。
過去作を読まれていないと把握困難な設定、独自解釈が多々あります。

遅い進行のうえに寄り道万歳のスレですが、引き続き頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いします。

ラナ「たったーん♪たかたかた〜ん♪
  そのほか、いくつか注意点をお知らせするよー。

     ・スレ主の、基礎体力面での戦闘能力解釈は、ざっくり言うと…
      キャラとしての登場時期の早さと、登場回数の多さで大方決まるからね!

      マリオ、クッパ、リンクを『3強』と表現してるけど、たとえばクッパVSガノンドロフだと、
      クッパが欠伸しながらパンチを繰り出すだけでガノンドロフを一撃粉砕できるくらいの力量差があるよ!
      パーティゲームに参加しないから仕方ないってことで、うん。敵があっさりやられても嘆かないで…。
      リンクとの差が付いた理由は、前々スレを読めばわかる、のかなあ…?

     ・前々スレ・前スレ同様、いろんなパロディ、メタ発言が散りばめられてるよ!
      キャラが自分たちの背景情報を活用する…みたいなご都合主義が白けるなら
      急がず慌てず別のスレに移って、このスレのことは忘れよう!
      
     ・ようやくスマブラ編が完結して…マリオカート編にちょっとずつ戻っていくんだって!よかったよかった!」

シア(…………ちょっとずつ?)

422Mii:2021/07/25(日) 14:18:06 ID:kJrWaewE
リンク「これ、なにか一言スピーチでもした方がいい流れ?毎回、どうだったっけ。何も考えて来なかったんだけど」

ピーチ「いらないいらない。時間も押してるから余計なことはしなくていいわ」

リンク「…上位8位まで表彰するだけだろ?開始時刻も予定通りだし」

ピーチ「時間が押してるのは『私が徹夜で片づけてる戦後処理』よ」

リンク「…すんませんでした」

ピーチ「大丈夫よ、まだリンクが1人に見えてるわ」

リンク「なんだか末期症状!?」

ピーチ「では続いて2位以下の表彰に――――――――」



キノじい「姫様ぁ――――――――!少々、お待ちくださいっ!こちらの方々から、緊急連絡がある模様ですっ!」

ピーチ「…へ?」



任天堂スタッフ「あ、お邪魔して申し訳ありません。
        実は、このタイミングで発表しておきたいことがございまして」

ピーチ「え、ええ!?」

リンク「…なんだ、なんだ?」

423Mii:2021/07/25(日) 14:20:33 ID:kJrWaewE
突如現れたスタッフさん。表彰式が中断されてしまいました。
でも、ピーチ姫はヤレヤレとため息ついて、大人しくマイクを譲ります。
観客席の皆さんもざわつき始めました。何が起こっているのでしょうか。



ピーチ「…手短にお願いしますね」

スタッフ「あ、えーと。それはちょっと難しいかも、しれません。
    頑張りに頑張って、15分くらいの動画には収めてきたのですが」

リンク「…動画?」

スタッフ「リンクさん、優勝おめでとうございます。
    おかげさまで、ファイさんと我々の努力が無駄にならずに済みました」

リンク「…一体どうしたというんですか?それに、ファイとって、どういう…
   ファイがこそこそ居なくなっていた事と、関係があるってことですか!?」

スタッフ「なーに、リンクさんは幸せ者ですねーと言いたいだけですよ。
    それでは皆さんっ!巨大スクリーンの方を、御覧下さいっ!」



ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・!!!!
    


スタッフの合図とともに、どこかの景色が、鮮やかに映し出されて――――

424Mii:2021/07/25(日) 14:24:00 ID:kJrWaewE
ハイラル王国。
世界で有数の伝説処として知られるこの王国に、ある問題を抱えるお城がありました。

……ハイラル城。
…………この城が抱える問題、それは――――





――――  物件1024 イベントがない城  ――――





堂々たる佇まいを見せるハイラル城は、築100年の、伝統的なハイリア調の造りの伝統建築。

かつて伝説が紡ぎ出されたこの街で、長きにわたって続く誇り高き王家の住まい。
統治の始まりの時から変わらない、由緒正しき指導力と実績を代々受け継ぎ、現在で四代目。

そんな歴史ある城を、2X歳の時から1人で切り盛りしている四代目当主……
それが、かの有名なゼルダ姫。

100年前にここで統治を始めた、これまた別のゼルダ姫による旗揚げ以来、
数々の将を率いて王国を治める、世界でも名高い王国になりました。

今ではすっかり、キノコ王国のピーチ姫と並び立つ稀有の実力者。
やむを得ない王国事情で他国との交流を避けてきたとはいえ、
友好関係を結ぼうとする国々もずいぶん現れてきました。

425Mii:2021/07/25(日) 14:27:29 ID:kJrWaewE
こうして引き継がれていく権威ある城。
しかし、一見趣ある伝統建築も――――観光面、遊興面では悲惨なありさま。

何十年も、他国の者がほとんど誰も足を運んだことがないというその場所は、
完全に堅苦しい公務専用と化し、とても人が集まるような状態ではありませんでした。

建物全体の老朽化も酷く、1階のあちこちに、上層に行かせないためのこんな謎解きが。
この辺りは魔物エンカウント地帯でもあり、夜は更に魔物が狂暴になるため、
素人はとても寄り付けず、問題は深刻でした。

そんな不安を抱えながらも現状に妥協し、家臣たちと暮らすゼルダ姫。



――100年続くハイリア王朝の未来を守るため、
――安心して国を富ませながら観光客を呼び込める城に。



そんな切なる願い(ゼルダ姫は知る由もない)を受け、
1つの企業がふたたび立ち上がりました。



スタッフ「こんにちはー」

ファイ「よろしくお願いします」

スタッフ「よっしゃ!みんな、頑張るぞー!!」オオオオォォォォー

426Mii:2021/07/25(日) 14:31:03 ID:kJrWaewE
使える面積はおよそ1平方キロメートル。
ハイラル城の敷地そのものがその半分以上を占め、
城の入口を飛び出してすぐのあぜ道が、剣の精霊みずからが改装したというスタート地点。
もちろん、簡易的なものにすぎず、まだまだ手入れが必要です。



スタッフ「この石段とかはどなたがやられたんですか?」

ファイ「これは私が敷きました、サルボに運んでもらって」

サルボ「なんだか違う時代にきちゃったみたいだけど、ファイ様のためなら任せてケロ!
   緑のマスターにオイラの凄さを再認識してもらうケロ!」



よりにもよってハイラル城周辺は、魔物が不定期に現れるハイラルの中でも、
特に不意打ち召喚に悩まされるターゲット地帯。言うまでもなく、ガノンドロフの暗躍。

ハイラル城の敷地内にも年に100匹は敵が湧き出し、集客の際は大きな負担となります。
100年以上、毎年のように敵の攻撃を受け続けた城壁は、所々欠けたり崩れたりし、
イメージダウンにもつながっていました。





…これは、根本的な所から、対策が必要なようです。
しかし、怖気づく匠…いえスタッフたちではありません。むしろ腕が鳴るというものです。

427Mii:2021/07/25(日) 14:36:28 ID:kJrWaewE
リフォーム初日。



ハイリア「あ、その大きいベッドはもう要らない!こっちの鏡は…まあ要るかな。
    この趣味の悪い胸像は…作り替えね。あのゲートはもうちょっと簡略化していいわ!」

女神ハイリアの元気な声が、城じゅうに響き渡っていました。

ファイ「お手数をお掛けします」

ハイリア「いいのいいの!私の趣味だか美的センスだか買って、
    わざわざ別の伝説にまで迎えに来てくれて…むしろありがとう!暇してたのよね。

    …ほらそこ、きびきび動く!私だって労働(魔法)やってるんだから!
    不敬罪になっちゃうわよー!まあ、私は楽しんでやってるけど!」

インパ「は、はいいいいいいぃぃぃ……ただ、い、ま……」ガタガタガタガタ



ハイリアさんのスペック:
  ・トライフォースに関して原初にすっごい活躍をした女神
  ・リンクがトライフォースを集めまくりパトロールまでするのでお役御免、自由奔放に
  ・時代を行き来して、いろんな伝説のゼルダを霊体で観察するのが趣味
  ・常に霊体、リンクが平和にした伝説の中なら魔法で人やモノへ干渉できるが魂1つ分のゼルダにも劣るため弱っちい
  ・ただしゼルダに頭を垂れる者ならだいたいは下僕にできる御身分


インパを始めとした、プライドある古参の家臣たちも、ハイリアに言われるがまま。

428Mii:2021/07/25(日) 14:40:59 ID:kJrWaewE
スタッフ「いやはや、借りてきた猫のように皆さん従順ですね。結構こき使っていて驚きです」

ハイリア「ファイに依頼されるがまま私を探し出した貴方たちに言われたくはないけど…。

    そりゃ、主君のゼルダより更に上位の存在には逆らい難いでしょ。女神よ女神。
    このお城を勝手に改築して許されるのって私くらいなんじゃない?見事な人選…いえ神選よ、ファイ。

    『名前区別ができる』おかげで、ゼルダの数ある魂のうちの1つにならずに済んだのが、
    別人として存在できる怪我の功名だったわね!スレ主に盲点を衝いてもらったわ!」

スタッフ「…というかハイリアさん、性格変わってませんか?」

ハイリア「性格を変えとかないとゼルダと区別が付きにくくな…おっほん。
    色々と時代を巡っているうちに学習し感化されたのよ 。

    …あ!そっちの無駄に邪魔な鉄格子も運んでくださいな!」







スタッフ「へえ」トオイメ

スタッフ「あんまりやると原作無視で怒られるな」

スタッフ「今更感もあるけど」

429Mii:2021/07/25(日) 14:44:32 ID:kJrWaewE
複雑怪奇な部屋割となっていた上層からも、次々と荷物が。
何十年ぶりかに、一般人が入った上層。…すると、その時。



魔物「ギャオオオオオン!」

ファイ「――――ハッ!…大丈夫ですか?」シュンッ!

スタッフ「こ、こっわー。魔物が湧きますよ、ここ。死にかけました」

ファイ(身のこなし的に、そうは見えませんでしたが…)

魔物が湧き出すことすら皆無というわけには行かない、このお城。
いつエンカウントするかわからないため、みんな気が気ではありません。
今では使われていないスペースだらけのエリアも多く、埃をかぶったアイテムが何十個も出てきました。

スタッフ「こういうのは作るのがすごく大変で、できる職人さんも随分減ってるのに。
    この王国は道具を得ようとする人に対して厳しすぎるよなあ…
    隠し部屋だったり特別な鍵が必要だったり…。
    ああっ!このルピー、かなり年代物ですね!額面の何百倍もの価値が有りそう!」

ハイリア「まあ、他国に売っ払って小金稼ぎ、なんて目の眩み方をしなくてよかったけど。
    要らないのなら私が持って帰りたいくらい」

ファイ(…どこに持って帰るのでしょう)

――こうして、上層にあった埃まみれの荷物は、
――武器防具、機材、道具、美術品、果ては秘蔵の酒に至るまで、くまなく。
――取捨選択のうえで、廃棄あるいは裏庭に一時保管されることになりました。

430Mii:2021/07/25(日) 14:50:27 ID:kJrWaewE
スタッフ「オーライオーライ、どんどん運んでー!」



壁を壊し、柱を取って、間口を大きく広げると。そこに運ばれてきたのは、
トラック何十台分にもなる、工事用の土と敷石。

スタッフ「さあ、こっから正念場だぞ!夏じゃないのが幸いだ!一気にやっていこう!」

スタッフ「「「「「「「「おりゃーー!!」」」」」」」」

数百人態勢でテキパキと道を作り、それを伸ばしていく工程が待っています。

なんとも原始的な方法ながら、スタッフ、いい仕事をしています。
ただし、石畳は最低限の量で十分。というより、既に石畳となっていた箇所の補強のみ。

立派な道が、城の入口から外へ外へどんどん伸びて行きます。
目標とする経路と城の一部がぶつかってしまう場合…
なんと、城側に頭を下げさせます。城を取り壊す、とも言います。

いきなり大掛かりな土木工事が始まって失神したインパを、気にしてはいけません。
今ある申し訳程度の道では幅も強度も足りないのです。



ここからようやく、城の中も本格的な改築が始まりました。
行く手を遮るような遮蔽物や突起物、低い天井などを剥がし、空間を作っていきます。

そこに一切の容赦は有りません。重臣たちが顔を青白くしてワタワタとしています。

431Mii:2021/07/25(日) 14:54:38 ID:kJrWaewE
インパ「あ、あのっ!ハイリア様っ!僭越ながら申し上げますっ!
   こちらに数多く並べられている物は、歴代の姫君たちが大切になさった、
   この城のカナメであり歴史であり、失い難い思い出でありますっ!何卒ご容赦を…どうか…!」

ハイリア「よく言うわよ。私、霊体で度々うろうろして、よーく知ってるんだから。
    カナメも何も、城が守られるのは全部リンクのおかげでしょ?
    まともに守護像や警報システムが働いた試し、あるの?

    リンクの到着がちょっと遅れたらガノンドロフにあっさり壊されるだけの存在で。
    おまけにゼルダは政務に手一杯で鑑賞することもなくて。
    むしろ…なんかこう、TASで引っ掛かる出っ張りにしかなってないじゃない。邪魔なんだけど。

    流石に捨てたりはしない。ちゃんと保管して、別の場所に置き換えるだけよ。これでもまだ文句ある?」

インパ「う、う…!」





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




ゼルダ「」

ピーチ「やっぱりお城はシンプルな方がいいわよね。お尻でワープされることもあるけど」

デイジー「ピーチの場合『自分で清掃や保守管理しやすくて』って文言が行間に隠れてるよね」

432Mii:2021/07/25(日) 14:58:02 ID:kJrWaewE
城の外へ伸びゆく道を、橋の途中であえて途切れさせて落とし穴に。
橋なので当たり前ですが、数十メートルほども高低差がある、大きな穴…むしろ崖。
向こうの崖までは…50メートル、いえ100メートルほどもありそうです。

ハイリア「この距離は、一体なんなの?どうやって向こう側へ行けばいいの?」

スタッフ「簡単な話です。――――飛べばいいんですよ」

ハイリア「へえ、飛ぶんだ!スカイロフトみたい!その技術に驚くわ!
    …でも、物をぶつけられてグラついたりしたら真っ逆さまね」

スタッフ「それはまあ、仕方ないですね。
    落ちる要素はグライダーでぐらついた時ぐらいだー、なんちゃって」

ハイリア「ふふっ」ブッ

スタッフの非常につまらないダジャレが女神のツボに入ったみたいです。



スタッフたちは並行して、敷き詰めた道の上に、更に土や石畳を敷き詰めていきます。
頑丈さに妥協はできません。もちろん、敷き詰め、敷き固めの悪さから、
後々陥没や傾きを作らせるわけにもいきません。

ハイラルに「任天堂の技術力ってこんなものですか」とか笑われたら噴飯物です。



土が何百トン単位で次々と運び込まれていく様は壮観の一言。
敷石も非常に硬くて、ファイが自らの剣戟でせっせと加工処理していきます。

433Mii:2021/07/25(日) 15:02:09 ID:kJrWaewE
スタッフ「歴史を感じさせ見栄えを損なわないことは前提として…
    もちろん、使わせて頂くのは唯の石畳ではない超強化品ですよ。
    このくらい徹底的にしないと、過酷な環境に持たないんですよ。
    しょっちゅう爆発や爆風に巻き込まれますからね。

    石畳はアスファルトに比べ調温・調湿効果がありますが、
    こちらについては、まあ…おまけみたいなものでしょう。
    …あ、走るたび音が出て、迫力があるというのは大きいかもしれませんね」

ファイ「なるほど…迫力は大事ですね」

スタッフ「そりゃあ、もう」



長年の風雨や戦にさらされ、もうボロボロで耐え切れなくなった箇所を、
その周囲もろともしっかりと固め直すことも同時に行っています。

今後の負荷に対する備えを万全にし、更には。
造り続けている大きな道にピッタリと沿う、観光客のためのスペースを新たに設けました。

グラウンドエリアの構造補強を終えると、今度は、がらんとスペースの空いた城内へ。
ファイとハイリアの期待に応えるため、一層頭を絞る、スタッフたち。



スタッフ「何も我々は全ての装飾物を否定したいわけじゃありません。
    何か、『これだけは飾っておきたい』ってもの、ありますか?」

ハイリア「…………うーん、パッとは思いつかないけど…………」

434Mii:2021/07/25(日) 15:05:51 ID:kJrWaewE



ファイ「――――マスターソード」



スタッフ「…え?」

ファイ「――可能ならば、マスターソードを飾りたいです」

ハイリア「でも、今ってリンクがどんどんマスターソードを手元に集めてて…

    …あ!そういえば、うち(スカイウォードソード)の1本だけは…
    元の台座に返したんだっけ、じゃあ残ってるわね!一瞬借りちゃいましょう!」

スタッフ「過去スレの会話について行けなくなる人が多発しそう」

ファイの提案で、懐かしいマスターソードがまだ工事中の城の中へ。
議論しながら配置の微調整を繰り返し、置かれたのはど真ん中。
基礎まで組んだ特等席が用意されました。

スタッフ「通路を通り抜けた先に神秘的な聖剣が佇んでいて…
    こう、ギミック的にロックが解除されていたら加速装置として使える、というのはいかがでしょうか」

ハイリア「それ、謎解きみたいで素敵!もちろんあのお約束メロディも忘れないでね!」



新しいイベントの要となるシンボルとして、聖剣が収まったところで、工事が再開。

435Mii:2021/07/25(日) 15:09:05 ID:kJrWaewE
ハイリア「あら!それって、さっき埃を被ってたルピーじゃないの?」

スタッフ「はい。折角ですから、有効活用したいと思いまして。
    歴代の姫君もきっと思い入れがある品物でしょうから、残せるものは残しますよ」

ハイリア「…と、いうと?」

スタッフ「終了後にコインとの交換という形で回収するとして。
    この立体的でキラキラと輝く宝石がコインの代わりに道に置かれていたら、雰囲気が凄く出ると思いませんか?」

ハイリア「……!!素晴らしいわ!ぜひやってちょうだい!」

スタッフのアイデアはまだまだ尽きません。
今度は道の脇で、何かを作り始めました。

ハイリア「きゃっ!?デクババよっ!?ファイお願い、対処して――――」

スタッフ「待って待って!これ、さきほど植えたばかりです!斬り捨てないで!」

デクババ「ぐるるるるる…………」

ファイ「う、植えた?」

スタッフ「パックンフラワーの代わりです。相当近づかない限り襲ってこないですし、
    攻撃手段は噛みつきだけ、それほど強くもないですから大丈夫ですよ」



ハイラル城100年の歴史を繋ぐ、そのリフォームの全貌を――――
ご覧いただきましょう。

436Mii:2021/07/25(日) 15:13:50 ID:kJrWaewE
100年、四代にわたって受け継がれてきた、ハイラル王家。
ハイラル王国の統治を担う、大きく荘厳なハイラル城は。



歴史を感じさせる伝統的で立派な城であることはそのままに。
あちこち傷ついていた城壁や敷地を、綺麗に化粧直し。

道の傍には、一般の観光客を気遣えるセーフティエリアが作られ、そこには――――
魔物が決して召喚されなくなりました。

その代償として、数か所に押し込められた魔物のホップスポットには…なんということでしょう。
待っていましたとばかりに、特別製のデクババが待ち構えていて、
昼でも夜でも餌として一瞬で飲みこんでしまう頼もしさ。

このデクババは耐久性バツグン、食い溜めができ、人に対しては逆らわず、
レーサーに対してはとりあえず噛みついておくように調教されているため、
すぐさまみんなの人気者になることでしょう。

魔物対策を十分にしたおかげで、仰々しい城郭を一部無くして広く開放することができ。
風なびく芝生の上から光が落ちてくる、明るい広場へと大変身。
かつて兵たちの詰所だったスペースも、依頼者念願の…何千人もが収容できる、バリアフリーの観客席となりました。

道のあちこちに設置されたルピーは、改築のなかで見つけて活用を閃いた…この「コース」ならではのオリジナル。
もちろん、任天堂の許可は下りているため、心置きなくアピールできます。

とっておきの注目ポイントは、城内エリアで煌々と輝き続ける、
思わず拝みたくなるような神秘的なマスターソード。
手前通路にある3つの絡繰りをチェックすると、ソードに触れて加速できるようになるためのスロープが
突如として出現するようなギミックが設けられました。これぞセルダの伝説の真骨頂。

437Mii:2021/07/25(日) 15:21:48 ID:kJrWaewE
使われていないアイテムばかりが場所をとり、あちこちぶつかる城内。



スタッフは、走行ルートの分布を徹底的に研究し、コースの幅の広さを管理できる規模に合わせ。
安全性と臨場感を兼ね揃えた工夫を施しました。
大きなコースで繰り広げられる熱戦は、各所に設置される高性能撮影機で、直接、実況用スクリーンへ。

まるで舗装されたかのようながっちりとした走路は、
雨にも負けず、風にも負けず。

甲羅にもブーメランにもファイアボールにもボム兵にも落雷にもスタックルにも負けず、

激しい乱打戦にも耐え、砂ぼこりも易々とは舞わせず、
鮮明な状況を刻一刻と伝えるための手助けをしてくれることでしょう。



外見は立派でも、相当な老朽化が進んでいたハイラル城。

最後の粗探しとばかりにメンテナンスが済まされたそのお城は、
まるで完成して1年も経っていないかの如く鮮やかに生まれ変わり。
レース目的で観光客が増えてみたら城にガッカリされて却って評判が下がった、なんて心配もありません。



どのくらい素晴らしい改築かというと、最終的に…
あのインパが、「私は信じていました」と掌返しで大絶賛するほどの成果です。
機能性ばかりでなく、デザイン性の面でも、細やかな配慮を忘れないスタッフたち。

438Mii:2021/07/25(日) 15:23:36 ID:kJrWaewE
――――こうして、ハイラル至上最大のリフォームは無事終了。

ちゃっかりしているハイリア様が、使い道が特にないからと…
「スカイウォードソード」の金銀財宝を惜しげもなく差し出したため、
「こちらの伝説」としてのリフォーム費用予算は、なんと、タダ同然で済みました。



果たして、関係者たちは喜んでくれるでしょうか――――――――



パン!パン!パパパーン!





スタッフ「というわけで!
    祝っ!『ハイラルサーキット』、爆誕でーす!!」

ファイ「…………」パチパチパチパチ





リンク「」

ゼルダ「私のお城なんですけどおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――!?」

439Mii:2021/07/25(日) 15:27:36 ID:kJrWaewE
    「…何か言いました?」

ゼルダ「…何奴っ!?」クルッ

ハイリア「こんにちはー」

ゼルダ「」

ハイリア「駄目だよ、ゼルダ。あれだけ散々リンクに『ハイラルにもイベントを!』って
    進言されておきながら、数多の伝説で無視し続けるなんて。そのうち愛想つかれちゃうよー?
    まあ、当時は記憶がなかったゼルダに言うのも酷だとは思うけど」ポンッ

ゼルダ「ハイ・・・ハイ・・・」ビクビク



マリオ「なんかゼルダに似た人が登場してきた!そしてなんだか神々しい!
   …で、どうしてゼルダはあんなに逆らう気が失せてるんだ?」

ピーチ「マリオ…伝統を殊更重んじる格式高いハイラル王朝にとって、
    よっぽどヘマをしでかさない限りはご先祖さまって現当主より高位扱いよ?
   ましてや始祖と言っていいお方だったら、逆らう方が愚かってものよ」

デイジー「ゼルダは堅苦しいなー。私なんか、メイドたちとお菓子の争奪戦で鬼ごっこするくらいの気さくな仲なのにー」

ピーチ「アンタはもうちょっと格式ばりなさい」

ルイージ「本物の女神かあ…僕、初めて見たよ。生きてみるものだねえ、兄さん」

パルテナ「えっ」

440Mii:2021/07/25(日) 15:30:32 ID:kJrWaewE
リンク「え、えっと」

リンク「すまん、まだあんまり事態が飲みこめてない。
   要するに、俺のためにハイラルにサーキットを作ったって?
   藪から棒だな、なんのために?そんなこと頼んでないぞ?」

ファイ「その……………………………………私からの、ささやかな、サプライズを…と」

リンク「…え?どうした?サプライズ?」



ファイ「――――――――マスター。







   ――――――――お誕生日、おめでとう、ございます」







その一言に、リンクが頭をハンマーで殴られたかのような顔をしたのでした。

441Mii:2021/07/25(日) 15:38:09 ID:kJrWaewE
リンク「…………た、たんじょう、び?い、いや、だって」

ファイ「…はい、もちろん、存じております。
   マスターは数々の伝説にて人生を送られており、生年月日などというものが定かではないことは。

   ですが、それは――人一倍、人生に振り回されているマスターが。
   こうして生きてくれていることに対する、祝いのための日が設けられないということは。
   とても切ないことではないでしょうか。……そこで、スタッフの方々に相談させて頂いたのです」

スタッフ「ええ。そこで、我々はこうアドバイスしたのですよ。

    11月21日、神トラおよび時オカの発ば…いや伝説の始まり。
    11月23日、スカイウォードソードの伝説の始まり。
    ちょうど、こんな感じに…代表的なものがスマブラ大会終盤にかぶさっていたもので。

    とりあえず、リンクさんの誕生日を11月22日ってことにして
    大会終了直後に、遅ればせの誕生日を祝ってあげたらどうっすか?
    困惑されてもその場の勢いでなんとかなるでしょう!…と!」

リンク「」

スタッフ「ファイさんが、『マスターにふさわしい飛び切りのプレゼントを渡したい』とか
    言うもので。考えた挙句、ハイラルにイベント事を呼び寄せるのが一番かな、と。
    リンクさん、割と不満を垂れてましたからね。
    もちろん無茶振りではあったもので、最初は我々も苦い顔をしていたのですが、

    『賭けましょう。マスターが優勝しなければ如何様にも罰は受けます。企画自体も白紙に戻して頂いて構いません』

    とまで豪語されちゃあ、流石に奮起せざるをえないってもんですよ!
    最後の最後まで、ファイさん自ら手伝ってくれましたし!」

442Mii:2021/07/25(日) 15:42:05 ID:kJrWaewE
スタッフ「これで、遅れがちのマリオカート8の完成にも弾みがつくといいな!
    マリオカート7がまだまだ持ってくれていると言えば持ってくれているけど!」

リンク「」

ファイ「えっと、その。受け取って頂けますか?」

リンク「」

ファイ「あ、あの、マスター?」



ゼルダ「冗談ではありませんっ!勝手に人の城を滅茶苦茶にしておいて!
   私は勿論怒り心頭ですが!リンクだって心底呆れていますよっ!ねえ、リンク!」






リンク「――――――――」ポロポロ

リンクに 効果は 抜群だ!!▼



ヒルダ「泣いてる!?」

ゼルダ「」

443Mii:2021/07/25(日) 15:44:53 ID:kJrWaewE
リンク「――――お、俺。ファイが…言った、通り。
   誕生日、なんてものとは、無縁で。祝われたことなんて、なくて。
   ピーチがみんなの誕生日パーティ開くたび、ずっと羨ましくて。
   でも、勇者の宿命、だからって、半ば…諦めてて。

   こんな、俺の事、祝って…くれる、のか?」ポロポロ

ファイ「―――――――――――もちろんです。私は貴方の半身なのですから。
   今後とも、よろしくお願い致します」

リンク「ありがとう――――!ありが、とう――――!!
   ファイ、お前がいてくれて…ほんとうに、よかった――――!!」グズッ



ウオオオオオオオオオォォォォォォ!!!
ヒューヒュー!



ルキナ「み、見ているこちらが恥ずかしくなってきてしまいますね…」カアァ

ルフレ「この絆、他の人が割り込める隙なんてなさそうだ」



ゼルダ「……………………」ズモモモモモモ

ロゼッタ「や、闇のオーラが!?ゼルダ姫がなんだか黒化してますっ!
    これ、大丈夫なんですか、皆さん!?ねえ、ねえ!?」

444Mii:2021/07/25(日) 15:48:17 ID:kJrWaewE
ゼルダ姫が、再開を待つ表彰式を更に遮って、修羅の顔でリンクとファイの前に躍り出たではありませんか。

感極まっていたリンクが、ゼルダ姫に気が付いて…慌てて涙をゴシゴシ擦って、不思議そうに向き合います。

リンク「あの、ゼルダ姫?今は表彰式の最中ですよ?どうされましたか?」

ゼルダ「――――リンク。貴方、ファイにそこまで言うのならば。そこまでファイを持ち上げるの、ならばっ!
   …私にも、何か、言うことがあるのではないですかっ!」



観客「おおっ!修羅場かー!」

観客「相変わらずリンクは隅に置けないなー」

HAHAHAHAHAHAHAHA!!



…観客は、このハプニングを割と楽しんでいるようですが。



リンク「え?え?何か、言うこと、ですか?」

ゼルダ「そうですっ!私の奮闘に対してっ!――――何か、思い当たる気持ちとか、あるでしょう!!」

ピーチ「お、思いの外、ぐいぐい行くわね、ゼルダったら。もう後に引けなくなったってことかしら…!」

デイジー「これが女の戦いってやつか…!いやまあ私たちも女だけど」

445Mii:2021/07/25(日) 15:52:41 ID:kJrWaewE
リンク「――――ああ、そういえば」

ゼルダ「――――!!」

――はたと、何かを気付いたリンク。



リンク「――――私、勘違いしてしまっていました、貴方のことを想う気持ちに。
   申し訳ございませんでした」

ゼルダ「――――!!!!」パアァ

ゼルダ「――――教えて、ください。貴方の、言葉で。
   どんな言葉も、受け止めます。遠慮なく、思ったままを」

リンク「…えっと。それは流石に身分違いというか、畏まってしまうのですが」

ゼルダ「そんなこと、一切気にしませんから」ウルウル

リンク「そ、そうですか?そ、それじゃあ――――」モジモジ

ゼルダ「―――――――――――――――――――――」ドキドキドキドキ



リンク「ゼルダ姫。私、ようやく分かったんです。ゼルダ姫、貴方は私の――――」

ゼルダ「――――そうです、私は貴方の運命の――――――――」

446Mii:2021/07/25(日) 15:54:21 ID:kJrWaewE





リンク「――――――――――――味方だったんですねっ!!!!!!」





ピーチ「        」

デイジー「        」

ロゼッタ「        」

ヒルダ「        」

シア「        」

ラナ「        」

ルキナ「        」



ゼルダ「        」

ハイリア「――――っ、ははははははは!!」クスクス

447Mii:2021/07/25(日) 16:00:42 ID:kJrWaewE
ゼルダ「        」

ゼルダ「                」

ゼルダ「――――み――――――――か――――――――た…………??」カタカタカタカタ

リンク「伝説のたびにノルマ与えられて、面倒事だけ全部押し付けられて。
   むしろ私に仕掛けられたトラブルメーカーとばかり思うようになってたんですが!
   私の大きな勘違いでした、反省します!普通に、非常事態となったら私を助けて頂けるのですね!

   タブー戦では本当に助かりました!咄嗟に『女神の詩の逆再生』を弾いてくれるだなんて!
   その演出がなんとも心憎かったですね!」

ピーチ「ちょ、ちょっと待ちなさいよリンク!これまでだって、色々とゼルダには恩を受けてきたでしょ!ねっ!」

リンク「…………へ?いつ?」

ピーチ「いつって、そんなの――――――――」


アイテム:あちこち隠されているうえ、過去の伝説のものを使い回すので有難味があまりない
褒賞、爵位:貰ったことがない
催事:呼ばれたことがない、そもそもやってない、勧めてみれば断られる
平和:キノコ王国で生活しているので享受にまるで関係がない
交流:すれ違いからほとんどない
戦闘:リンク1人に任せきりのバランス リンクがまともに使える鍛錬場もない
共闘:ほぼ全てトゥーンゼルダに取られた 「ゼルダ無双編」は一連スレではゼルダが仕組んだ側


ピーチ「…………………………………………」

448Mii:2021/07/25(日) 16:07:18 ID:kJrWaewE
デイジー「なんか一切好感度を上げて来なかった主人公って感じだね。
    …とりあえず、その、友人から目指したら?」

ゼルダ「」

ゼルダ「――――――――はっ!『女神の詩の逆再生』って、一体どういうことですかっ!
   『ゼルダの子守唄』っていうちゃんとした名前が――――」

リンク「『ゼルダの子守唄』…?なんですか、それは」

ゼルダ「――――!?」

マリオ「あ、時オカの頃のリンクは相当に精神分裂の最中にいたから
   教えていたところで歌の響きや名前なんか印象に残っちゃいないぞ、これ豆な」

ピーチ「あー、そういえば…そんなこともあったっけ」トオイメ

ゼルダ姫が、がっくりと地面にうなだれます。肩を震わせ、顔を覆って、静かに泣き出してしまいました。
…見ていられない、もの悲しさ。ですが、私などではどうすることもできません。

ゼルダ「どうして――――どうして。こんなことに、なってしまった――――のですか。
   誰のせいで、そんなに、ファイとだけ、絆を深めて――――」ポロポロ

リンク「誰のせいと、言われましても…………」

リンク「…………強いて言うなら、(スカイウォードソードの)インパのせい?」

ゼルダ「私、ちょっと用事ができました」スクッ

ピーチ「ゼルダゼルダ、すっごく目が濁ってる!」

449Mii:2021/07/25(日) 16:12:16 ID:kJrWaewE
〜 12月7日 祝賀会開幕! 〜



ロゼッタ「…どれも、本当においしいですね…!」

特設会場には、ずらりと並ぶ料理。大勢…というか、ほぼファイター全員が集う。
時折、簡単なスピーチやゲームを挟んでの、7日間の祝賀会の始まりです。



…あのときは、ゼルダ姫を宥めるのに、小一時間掛かりました。リンクも罪な人です。
アタフタしている間に表彰式がいつの間にか終わっていて、ちょっと残念でした。
注目されていなかった側のマリオやクッパは、全く気にせずケラケラ呑気に笑っていましたが。



できるかぎりお淑やかにあちこち歩き回っては、テーブルから溢れんばかりに
並べられた食事に舌鼓。ほっぺたが落ちそうなくらいです。

…なんだか食事量が本当に増えてきて、昔の私に見られたとしたら、
「そんなにガツガツ食べて何がお淑やかですか」とか言われたりして。
…ちょっと食べる速度を落としましょう、はい。

これだけの料理が1週間も続くだなんて、ピーチ姫も用意周到です。
これでもタブー戦の被害を受けて質素にしたというのですから恐ろしい。

何故だか私も、他のファイター達からちやほやされる存在に。
よく頑張っただの、凄い魔法を使えるんだな、だの。
…実力との乖離に恥ずかしくなりますが。まだまだ、です。

450Mii:2021/07/25(日) 16:14:38 ID:kJrWaewE
リンク「いやあ、幾らでも食べられるな!さっすがピーチ、
   ここまで料理の質を高められるとは!料理人たちをいつか紹介してくれ!」

ピーチ「それはお褒めに預かりまして光栄だわ。頑張ったかいがあるものよ」ニコッ

リンク「…………」

ピーチ「…………」

リンク「………………………いい加減、休んだらどうっすか?いつか死ぬぞ。

   まあ、聞いちゃいないんだろうけど。…よし、じゃあ俺からも。
   こんなすっげー料理を用意してくれたことだし、俺からも御馳走をプレゼントだ!」

ピーチ「あら、一体なにかしら?」

リンク「はい、これ!!」サッ







リンクは ハチノコを くりだした!▼

ピーチ「」ピシッ

451Mii:2021/07/25(日) 16:17:48 ID:kJrWaewE
ピーチ「きゃああああああああああああっ!?む、虫っ!!
   ななな、なんてもの持ってくるのよっ!?とっととしまってちょうだい!
   場にそぐわないこと極まりないわっ!!!」
   【見た目の嫌悪感から思い切り拒否して怒る人】

デイジー「うわっ!こ、これが噂に聞くハチノコかっ!グロテスクだね…!
    …いい事考えた!ビンゴ大会の最下位罰ゲームでこれを食べることにしない!?」
   【嫌悪感より好奇心が勝る人】

ゼルダ「リンク、そんなものを持ち込まないでくれますか!?
   リンクが嗜好するのは聞き及んでいましたが…マナーがなっていません、よ!
   (一時の我慢で食べて見せればリンクの好感度が…あ、上がるのでは…?)」チラッ
   【本当は食べたくもないが損得勘定の天秤に掛ける人】

ルキナ「」
   【公認で典型的な虫嫌いの人】

サムス「ふっ、この程度の姿かたち、それほど気にするまでもない。好んで食べたいとは思わないがな」
   【こういったグロテスクさには耐性がある人】





ロゼッタ「…あ、これ罰ゲームで私が食べる展開ですか…
    せめて、調理場から調味料探してきましょう――――」スタスタ
    【自分の運の悪さから色々諦めている人】

デイジー「ちょ」

452Mii:2021/07/25(日) 16:21:45 ID:kJrWaewE
リンク「…え、誰も食べたがらないの?おいしいのに」

ピーチ「いいから片付けなさいっ!誰も欲しがりなんかしないわよ!
   周り全員引いてるじゃないっ!」

リンク「いやいや、男性陣なら流石に…」





マリオ「ま、まあ失敗料理と思えば…いや、でも…」

ルイージ「無理無理無理無理」フルフル

リュカ「あれはおいしい御馳走だ、あれはおいしい御馳走だ、
   泥沼だって思い込めば温泉になるんだから…………」

クッパ「ワガハイは割とグルメだからな」

リンク「あっれえ?」





リンク「しょうがないな……まあ、ヨッシーとカービィなら安牌だろ。
   折角取り出したんだし食べてもらうことにするか。

   ……………………………………ん?」

453Mii:2021/07/25(日) 16:26:09 ID:kJrWaewE
ヒルダ「………………………………」キラキラキラキラ

リンク「………………………………食べる?」

ヒルダ「よいのですか!?ありがとうございます!」

ゼルダ「えっ」



パクッ。

ヒルダ「ん〜〜〜〜!!ロウラルのハチノコも悪くはないのですが、やっぱりリンクの物には敵いませんね!
   リンクお手製の味付けまでされていてまさに高級、絶品です!
   貴重なたんぱく源で栄養面でも言うこと無し、嫌うだなんて勿体ない!」
   【普通にハチノコに慣れ親しんでいた人】

リンク「そうだろそうだろ!ヒルダはわかってるなー!
   なんだったら、あきビンに詰めてやるから持って帰るか?
   遠慮なんてしなくていいぞ!喜んでくれて俺もうれしいよ!」

ヒルダ「よろしいのですか!ぜひ!…あ、えっと。ラヴィオの分も頂くわけには、いかないでしょうか」

リンク「そのくらいお安い御用さ!そんじゃ、あきビン2本ぶんな!」

ヒルダ「わああぁぁ!!!!」パアアァ

ゼルダ「…………出遅れたっ!」ガーン

ピーチ「ヒルダはそんなこと一切考えてないと思うわよ」

454Mii:2021/07/25(日) 16:30:34 ID:kJrWaewE
ロゼッタ「調味料、調味料っと…」

やや人気のなくなった廊下を歩いていると、剣の精霊さんに出くわしました。



ファイ「…………」



小休憩のためのソファに座り込んで、なんだかあんまり元気が有りません。
…まあ、ちょっと表情は掴みにくい方ですが。こんなところで、一体どうしたのでしょう。

ロゼッタ「あの、どうかされたのですか?もしかして、料理が口に合わなかったとか。
    あるいは、場の雰囲気にあてられて気疲れしてしまったとかですか?」

ファイ「…ロゼッタ様。いえ、そのようなことはありません。
   まあ、私の体はもともと食事を必須とはしないのですが…。
   心配をおかけして申し訳ありません」

ロゼッタ「…………」

なんだか放っておけなくて、ファイさんの隣に座ります。
ちらりと伺うと、やっぱり何かを思い詰めているよう。

ロゼッタ「リンクへのサプライズプレゼントのことで、なにか思う所があるのですか?」

ファイ「…お見通しでしたか」

ロゼッタ「流石にそのくらいしか考えられませんよ」フフッ

455Mii:2021/07/25(日) 16:33:42 ID:kJrWaewE
ファイ「…………衝動的に動いて、後ろめたかったのかもしれません。
   結果的に丸く収まったから多少はよかったものの、多くの方にご迷惑をかけてしまいました」

ロゼッタ「衝動的…なにか、焦っていたのですか?」



ファイ「…そうですね。私は、焦っていました。

   私などより、マスターは何歩も先を歩いている。
   今のままでいいのか、何かできないのか、自問自答して。
   もっと強くなりたい、お役に立ちたいと思っても、何も見つけられなくて。

   結局、贈り物を差し出すという形で終わってしまいました。
   私自身は、何も成長できていません…半身失格です」

ロゼッタ「贈り物だけでも、凄いことではないですか!
    ファイさんの気持ち、しっかりリンクに伝わっていますよ!大丈夫!
    あんなに泣いて喜んでいたではないですか!」

ファイ「…ですが。やはり、半身としては…戦いで貢献したい。
   贅沢な悩みであると分かっては、いるのですが…………」



そこにあるのは、剣の精霊としての、矜持のようなものでしょうか。



ロゼッタ「…………半身としての、意気込み、ですか…」

456Mii:2021/07/25(日) 16:36:19 ID:kJrWaewE
正直、半身って言われても。どういう経緯でどういった立場になったのか、
まるでわかっていません。お恥ずかしながら。

それでも、とにかくパートナーとして恥じないチカラを得たいという気持ち。
それはひしひしと伝わってきました。そして、それが無理難題だという悲しみも。



ロゼッタ「……………………」



でも、第三者の介入があれば、無理難題じゃなくなったりして。



ロゼッタ「…………………………………………ふむ」





ロゼッタ「――――――――閃きましたっ!!!」

ファイ「…!?」



いいことを、思いついちゃいました!!

457Mii:2021/07/25(日) 16:41:11 ID:kJrWaewE
デイジー「あ、ロゼッタがようやく戻ってきた!まったくもう、早とちりが過ぎるんだか――――――――」

ロゼッタ「リンク!リンク!ちょっとお話が!」

リンク「ど、どうしたどうした。今せっせとヒルダのためにハチノコ詰めてるんだけど」

ピーチ「目に毒だから、せめて別の場所でこっそり作業してちょうだいよ…」



ロゼッタ「いつぞや、病院でリンクが私に土下座したときの罪滅ぼしについてですが!」

リンク「ういっ!?」ピタッ

ロゼッタ「祝賀会の間だけ、何も聞かずにファイさんを貸してください!
    ちょっとだけ、試したいことが有るんです!」

ファイ「私からも、お願いします。マスター」

リンク「え、ええ!?……………………まあ、ファイもOK出してるんなら…いいか。そのくらい喜んで。
   ただし、あんまり変な事させないでくれよ?ロゼッタだから大丈夫だと思うけど」

ロゼッタ「ありがとうございます!あんまり期待せずに待っておいてください!
    では早速行きましょう、ファイさん!」

マリオ「え、ちょっと、どこ行くんだ!?何をしに!?」

ロゼッタ「ファイさんとの作戦会議をしっかり済ませたあと、祝賀会抜けさせてもらって、
    適当な原っぱに行ってきまーす!何をするかは…秘密でーす!!」ダダダッ

458Mii:2021/07/25(日) 16:44:39 ID:kJrWaewE
ルフレ「…………んー」



マルス「ルフレ、ワインがぽたぽたと零れて行ってるんだけれど。
    あまり根詰めてないで。たまには息抜きをしよう」

アイク「そうそう!旨いもの食ってりゃ、いい案も浮かびやすいだろ」

ルフレ「そ、そうは言いましても。
    僕の判断次第で、王国が潰れるかどうかが決まっちゃうかもしれないのに…
    うわあ…頭が、痛い…………………!!
    中々名案の糸口も見つかりませんし…………!!」



ルキナ「…………??」





ルフレは未だに悩んでいた。

459Mii:2021/07/25(日) 16:50:03 ID:kJrWaewE
――――ファイさんは、凄い精霊に違いありません。

使えそうな「モノ」の候補を頼んでみたら、予想以上の代物がやってきました。
正六角形8面と、正方形6面とで形成された多面体構造、おおよそ丸っこいその珠は――――――――!



ロゼッタ「…これが、ファイさんの地元の…時を司る鉱物『時空石』を加工した…



    ――――――――神聖な、『時空珠』――――!!



    すごい、すごいですよ、これは!なんて力に溢れているのでしょう!
    私の空間魔法と、これほどまで相性がいいとは…!!
    どんどん術式が浸透していきます、怖いくらいに!これならば、もしかして――――――――」パアアアアァァァァ

ファイ「元の材料である時空石も大量にお持ちしました。持ってくるのに時間が掛かり、申し訳ございません。
   …それで、これを一体、どうするのですか?」





ロゼッタ「これに、私の魔法を編みに編み込んで――――
    ファイさんだけの、新たなる攻撃手段に仕上げて見せます!!」グッ!

ファイ「――――!!」

460Mii:2021/07/25(日) 16:55:41 ID:kJrWaewE
〜 12月11日 〜

リンク「どうしたんだ、ロゼッタ。急にこんな草原まで連れて来て」

ファイ「…………」スッ

リンク「なんだかファイが妙に緊張してるっぽいし。
   ロゼッタが言ってた用事が済んだのか?そんでもって、またもやサプライズ?」

ロゼッタ「…はい!成功するか未確定…駄目元といえば駄目元だったのですが、
    なんとか形になりました!細かい所は後でお二方で詰めて行ってくださいね!」

リンク「形になった?何が?」

ロゼッタ「ファイさんの、新たな攻撃手段ですっ!
    これでもう、ファイさんが力不足を悩むこともなくなる、はず!」

リンク「力不足…?ファイ、そんなことを気にしていたのか。
   もう十分、ファイは頑張ってくれてるぞ。気にし過ぎだよ」

ファイ「…そのお言葉は非常に嬉しいのですが。
   やはり、現状に胡坐をかいていたのでは、あまりにも怠惰でありますので。
   ロゼッタ様に、思わぬ助言を頂いた次第です」

リンク(ファイの胡坐姿とかなんだか想像しがたいな)

リンク「よーし。じゃあ、その新しい攻撃手段とやら、さっそくみせてくれよ。
   そこまで意気込むからには…期待していいんだよな?」ニヤッ

461Mii:2021/07/25(日) 16:59:09 ID:kJrWaewE
ロゼッタ「うう、ちょっとプレッシャー…ですが、お任せください!
    ターゲットはとりあえず、あの岩ということで!」ビシッ

100メートル程先に、5メートルほどの大きさの、中々大きな岩塊が。

リンク「…ほう?」

ロゼッタ「ちなみに、ここからリンクがあの岩を攻撃するとしたら、どうします?」

リンク「接近禁止が前提だよな。弓矢じゃちょっと荷が重いし、まあバクダンかな…。
   ただ、バクダンの威力は俺の戦闘力と関係ないから、ちょっと時間が掛かるかも」

ロゼッタ「…簡単だよとか言われたら困り果てていたところでした」

リンク「ははは。それで?ファイはどうやってあれを攻撃するのかな?」



ロゼッタ「では、やっちゃってください、ファイさん!」

ファイ「はい!」



深呼吸したファイが、ブゥンと力を籠めると。
目の前に、直径2メートル超えの、青白く文様輝く「時空珠」が現れました。



リンク「うわっ!そ、それって、時空珠じゃんか、懐かしい――――」

462Mii:2021/07/25(日) 17:02:38 ID:kJrWaewE
リンクの呟きは半分正解、半分間違い。

もともとリンクが馴染みのある時空珠は、この半分以下の大きさだったはずです。
ファイさんに時空石の加工をお願いしながら…スペックと相談し、徐々に大きくしていった成果です。
そして、異空間から出現させられるようにしたのは、もちろん私の鉱石…いえ功績です。

ロゼッタ「余所見しちゃいけませんよ、まだまだこれからです!」



ファイさんが自身を剣の形に変貌させて、――――時空珠を、強烈に、叩くっ!!



ガキイイイイイィィィィン!!!

リンク「…!?」



叩く!叩く!叩く!まだまだ、叩く!
短い間の余りの連撃に、激しすぎる衝撃音が響き渡ります!
不思議なことに、浮かんだままの時空珠は、動き出す気配はありません。しかし――!



リンク「なんだこりゃ!?へんなヤジルシ…いやベクトル、か?
   珠っころからグングン伸びて行ってるぞ!?」

463Mii:2021/07/25(日) 17:08:43 ID:kJrWaewE
ロゼッタ「自他が方向と速度を理解把握しやすいように…
     シンプルながら、視認性アナウンサーを付けさせていただきました!

    そろそろ十分ですよっ!ファイさん!!  3、2、1――――ハイッ!!」



ファイさんが元の体に戻り、最後のトリガーとなる魔力を込めます!

ファイ「――――リスタートッ!!」パアァ

リンク「こ、これって、タブーを仕留めた時の――――!?」



制止した珠に与えられるだけ運動エネルギーを与え続けて、気の済むまで与えたところで、一気に放出――!!
この「静と動」の組み合わせは、思いの外、敵に対して絶大なる効果をもたらすみたいなので!



時空珠は、有り得ないほどの超高速で、岩に向かって突き進み。



ズガガガガガガガアァァァァ―――――ン!!!

リンク「なああぁぁぁぁ――!?」

いともあっさり、遠方の岩を完全粉砕して見せました!
轟音に、上空の鳥たちが一目散に離れていくほどのド迫力です!

464Mii:2021/07/25(日) 17:11:28 ID:kJrWaewE
ファイ「――――――――――――キャッチ」



大地にめり込み、もうもうと土煙を巻き上げながらようやく止まった時空珠は、
これまた私の編み込んだ魔法の賜物で。
ファイさんが一言発せば、「プンプンの持つ手裏剣」のように。
たちまちファイさんの手元にシュンッと戻ってきます。



ロゼッタ「静止状態のまま、威力をチャージしてチャージして…一気に解き放つ!

    これが、リンクを支えるファイさんの新たなるチカラ。
    リンクが欲しがっていた、遠距離攻撃の第一候補となり得るチカラ。
    僭越ながら、私が勝手に命名してしまいました。







   その名も――――――――    ピ  タ  ロ  ッ  ク   !!」



リンク「す、すげええええええええええええええぇぇぇぇぇぇ――――!!!!」

465Mii:2021/07/25(日) 17:14:18 ID:kJrWaewE
リンクもこれ以上ないほど驚いてくれて、大層満足!

ロゼッタ「これで、ちょっと早いですが、ファイさんはお返しいたします」

ファイ「ロゼッタ様、本当にありがとうございました!私、少し自信が付きました!」

ロゼッタ「いえいえ、ファイさんのパワーと強靭性があってこそ為せる技ですよ!
    私も、お役に立てて本当に嬉しかったです!」

リンク「そっか。いやいや、俺もロゼッタに罪滅ぼしができて本当によかった――――」





リンク「…………………………………………」





リンク「……って、ちっともよくないぞおおおぉぉぉぉ――――――――!?」

ロゼッタ「!?」

リンク「よくない!まったくよくないっ!返せてないよ!?
   こんなすっごいプレゼントまでもらっちゃって、どうすんの俺!?

   これ、借りを返すどころか利子まで付きまくったんですけどっ!?
   ダメじゃん!なんの解決にもなってないよ!悪化してるよ!」

466Mii:2021/07/25(日) 17:20:17 ID:kJrWaewE
ロゼッタ「駄目…でしたか?」ショボン

ファイ「…………」ショボン



リンク「駄目じゃないよ!すっごく嬉しいよ!だからこそ駄目なんだよ!
   ロゼッタに返せてないよ何もかも!
   というかよく1週間…いや5日で完成できたな!?」

ロゼッタ「私は思いっきり空間魔法を行使出来てスッキリしました!」ムフー!

リンク「そういうことじゃなくてですね!ほんと天然だな!
   …ああもう、俺どうすればいい!?なんでもするから何か言い付けてくれよ!
   なあ!なあ!生き恥は嫌なんだけど!」

ロゼッタ「そ、そんな大げさな…!わ、分かりました、考えておきます」

リンク「絶対だぞ!絶対だかんな!!」



…あれ?なんだか、予想と違う展開になってしまいました。
まあ、こうなったら、適当に負担とならないお願いを考えておきましょう。





祝賀会は、残り2日です。

467Mii:2021/07/30(金) 21:23:47 ID:1j/hfldE
〜 祝賀会 会場 〜

ハイリア「ほんと、キノコ王国のお酒は美味しいわね…幾らでも飲めちゃいそう。
    さあ、次の盃、持ってきなさい!」

ヒルダ「あ、あの、恐縮ながら、いつまで飲み比べを―――」ビクビク

ハイリア「それはもう、どちらかが潰れるまでよ!
    他の人たちはみんな、逃げるか潰れるかしちゃったし!」



サムス「はやく次回作が出てほしいんだあ…………ZZZ」

ファルコ「フォックスっ!酒とノンアルの区別もできねえのか…………ZZZ」

ゼルダ「リンクのばぁかぁ…………ZZZ」

ヒルダ「……………………」

ラヴィオ「は、はい、お二方、どうぞ…………」

ハイリア「――――」ゴクゴク

ヒルダ「――――」コクコク

ハイリア「ほんと、キノコ王国のお酒は美味しいわね…幾らでも飲めちゃいそう。
    さあ、次の盃、持ってきなさい!」ダンッ!

ヒルダ「あ、あの―――?」

468Mii:2021/07/30(金) 21:27:40 ID:1j/hfldE
ハイリア「それはもう、どちらかが潰れるまでよ!
    他の人たちはみんな、逃げるか潰れるかしちゃったし!」

ヒルダ「…………」

ラヴィオ「は、はい、どうぞ、お二方…………」

ハイリア「――――」ゴクゴク

ヒルダ「――――」コクコク

ハイリア「ほんと、キノコ王国のお酒は美味しいわね…幾らでも飲めちゃいそう。
    さあ、次の盃、持ってきなさい!」ダンッ!

ヒルダ「あ、あの、だいぶ酔われていらっしゃいますね?」

ハイリア「酔ってないわ!」

ヒルダ「なんだか言い回しが固定されてきましたよ?」

ハイリア「そんな適当な言い掛かりをつけて、逃げる気ね!」

ヒルダ「い、いえ、滅相も無い…………ですが、そろそろ終わりにしても…」

ハイリア「それはもう、どちらかが潰れるまでよ!
    他の人たちはみんな、逃げるか潰れるかしちゃったし!」

ヒルダ「……………………助けてくださいぃ」

469Mii:2021/07/30(金) 21:30:25 ID:1j/hfldE
ラヴィオ「は、はい、どうぞ、お二方…………」

ハイリア「――――」ゴクゴク

ヒルダ「――――」コクコク

ハイリア「これ、水じゃないのっ!ふざけてるの!」バシャッ!!

ラヴィオ「ひ、ひいっ!申し訳ございませんっ!!」

ピーチ「……ハイリアさんハイリアさん、ここはちょっと酒の趣を変えてみませんこと?」

ハイリア「どういうことかしら、どれもこれも、一級品のお酒ばかりだと思うけど。
    安酒なんてこの場には一つもないでしょう?」

ピーチ「いえいえ、この程度で満足されているようでは、女神失格では?
   こちらのお酒こそが、ぜひ召し上がっていただきたい絶品酒なのですが…」

ハイリア「…へえ?そこまで挑発するのなら乗ってあげる。――――頂くわ」

ヒルダ「あ」



ハイリア「――――――――ZZZ・・・」

ヒルダ「…………さすが『桃葵の誓い』、一瞬で意識を失いましたね。
   恍惚の表情で倒れ込みました、おかげで助かりました」

ピーチ「まったくもう、とんだ女神様だこと」

470Mii:2021/07/30(金) 21:33:53 ID:1j/hfldE
パルテナ「でぇすから!私はっ!好きで人間を攻撃したわけじゃないんですよっ!
    操られてただけなんですよっ!酷いとぉ、思いませんかっ!
    守ろうとしていた者を知らず知らずのうちに苦しめていた、この仕打ちっ!
    やってられませんよっ!神は私がお嫌いですかぁっ!」ヒック

ピット「そうですね。私も分かってますよ、パルテナ様は何も悪くありません」

パルテナ「――――」ゴクゴク

パルテナ「だというのにっ!私のこと、勝手に呑気だとか能天気だとか決めつけて!
    傷ついていないだなんて決めつけてっ!労わるどころか後ろ指指す始末っ!
    みんなして、酷いとぉ、思いませんかっ!もう泣きたいですよっ!」

ピット「もう泣いてますパルテナ様」

パルテナ「そこはツッコむところじゃないでしょう!」バシャッ!

ピット「…………」ポタッ・・・ポタッ・・・

パルテナ「でぇすから!私はっ!好きで人間を攻撃したわけじゃないんですよっ!
    操られてただけなんですよっ!酷いとぉ、思いませんかっ!
    守ろうとしていた者を知らず知らずのうちに苦しめていた、この仕打ちっ!
    やってられませんよっ!神は私がお嫌いですかぁっ!」ヒック



ピット「…………」ポタッ・・・ポタッ・・・

ピット「そうですね。私も分かってますよ、パルテナ様は何も悪くありません」ポタッ・・・ポタッ・・・

471Mii:2021/07/30(金) 21:36:45 ID:1j/hfldE
ピーチ「パルテナ、悪酔いし過ぎよ…………女神ってみんなこうなのかしら。
   いい加減飲むの辞めなさい。はた迷惑だから。
   ピットったら、ずぶ濡れになって…はい、このハンカチで拭いて」

ピット「ありがとう、ピーチ」フキフキ

パルテナ「だというのにっ!私のこと、勝手に呑気だとか能天気だとか決めつけて!
    傷ついていないだなんて決めつけてっ!労わるどころか後ろ指指す始末っ!
    みんなして、酷いとぉ、思いませんかっ!もう泣きたいですよっ!」

パルテナ「――――」ゴクゴクゴクゴク

ピーチ「…………」イラッ

ピーチ「…………ちょっとふん縛って、パルテナを部屋に放り込んでおくわね…
   今の今まで任せっきりでごめんなさい、別の所で楽しんできてちょうだい」





ピット「あ、パルテナ様に信頼され切っている現状に満ち足りているので
   このまま僕たちは気にせず放置しておいてください」キリッ



ピーチ「」

ピーチ「ア、ウン、ヘエ、ワカリマシタ」

472Mii:2021/07/30(金) 21:41:19 ID:1j/hfldE
パルテナ「…………」

パルテナ「――――」スゥッ



パルテナ「酔い覚めの奇跡っ!!」パアアァァァ



ピット「あーっ」

パルテナ「何をがっかりしているのですか、ピット。これ以上迷惑かけられません。
    でもスッキリしました、ありがとうございます」

ピット「勿体ないお言葉です!」ビシッ

パルテナ「それで、ピーチさんピーチさん!今、色々と祝賀会の様子を見て回っているところなんですか、もしかして!
     私も付いて行ってもよろしいですか!」

ピーチ「べ、別に構わないけど…………さ、酒臭いっ!
   酔いは醒めてもアルコールが抜けた訳じゃないの!?」

パルテナ「ありがとうございます!それでは、レッツゴーですね!
    御歓談相手を探しに参りましょう!」

ピーチ「まるで聴いてくれていないし…」

473Mii:2021/07/30(金) 21:45:15 ID:1j/hfldE
ソニック「おー、ピーチじゃないか。楽しんでるか!俺は楽しんでるぞ!」

ピーチ「どっちかというと、管理する立場として…おちおち寝てもいられなくて
   疲労が積み重なっていってるけどね」

ソニック「しかし、こうも体が酒で火照ってくると、あれだな。
    思いっきり走って競争でもしたくなるぜ!」

ピーチ「走り切った後の皆さんが悲惨なことになるからやめてよね?フリじゃないわよ?」

パルテナ「ときにソニックさん、タブー戦ではお疲れさまでした。
    自分も戦いたいのをグッと堪えて、情報収集に努める!
    なかなかできることじゃありませんよ!」

ソニック「まあ、褒められたからには任務を全うしなきゃな!」

パルテナ「ピーチもなにかお褒めの言葉とか、褒賞とか、ないんですか?
    流石になにもなしはどうかと思うのですが」

ピーチ「…言われなくても分かってるわよ。
   ソニック、私が偽ロゼッタ達に隔離されている間、よく頑張ってくれたわね。
   貴方の功績は、数値には現れなくとも、素晴らしい物よ。
   なんなりと欲しい物を言ってちょうだい、可能な限り用意させてもらうから」

474Mii:2021/07/30(金) 21:51:35 ID:1j/hfldE
ソニック「…………ふむ、なら折角だから貰っておくか。
    こう、より己の素早さが鍛えられるアイテムが欲しいぞ!」

ピーチ「『スバヤクカワール』と『センセイサレナイ』、どっちのバッジがいい?」

ソニック「…いや、それはちょっと素早さを鍛えるとは違うだろう」

ピーチ「じゃあパワフルダッシュキノコで」

ソニック「一時的なブーストが欲しいわけじゃない」

ピーチ「…インドメタシン1個っと」メモメモ

ソニック「おい」

ピーチ「…冗談よ、冗談」

ソニック「全く…………」









ピーチ「10個もあればいいわよね?」

ソニック「数の問題じゃないぞ!」

475Mii:2021/07/30(金) 21:54:26 ID:1j/hfldE
ポケトレ「…………」



ピーチ「噂をすれば、ドンピシャな相手が見つかったわ」

ポケトレ「…………」バッテン

ニャース「お酒は二十歳になってから、俺は永遠の10歳だ!…と言ってるニャ」

ピーチ「…みょ、妙にカレーコーナーに群がってるわね。何杯目?」

ポケトレ「…………」モグモグ

ニャース「最新作の販促でもしておくぞ!…と言ってるニャ」

ピーチ「やめて時間軸が狂うから。…聴くところによると、
   偽ロゼッタたちがせっせと設置した爆発物…もとい砲台を、
   ステルス戦法で粗方除去してくれたんですって?

   市民や観光客に死者が出なかったのは、間違いなくあなたのお陰ね。
   いくらお礼を言っても言い足りないわ」

ポケトレ「…………」グッ!

ピーチ「…えーっと、褒賞として、何か欲しい物って、ある?」

パルテナ「なんでも言っちゃってくださいまし。ピーチがささっと叶えてくれますって」

ピーチ「パルテナ、貴方ねえ…まあ、大概のものなら用意できるけど…」

476Mii:2021/07/30(金) 21:56:55 ID:1j/hfldE
ポケトレ「…………」

ポケトレ「…………」

ポケトレ「…………!」ピコーン











ニャース「――――切断のない世界、と言ってるニャ」







ピーチ「――――――――ごめんなさい、私ごときでは無力なの…
   で、でも一応、任天堂に掛け合ってみる、わね…?
   というか、掛け合ってみるだけで許してちょうだいね…?」ガタガタガタガタ

ポケトレ「…………」ショボン

477Mii:2021/07/30(金) 21:59:20 ID:1j/hfldE
ネス「あー!ピーチじゃん!こんにちはー!
   僕、もっといろんなソフトドリンクが飲みたい!ここお酒ばっかりだよ!」

リュカ「あ、あのさあネス、流石に図々しいって。
   ソフトドリンクだって30種類くらいは用意されてるじゃない」

ネス「30種類程度じゃ飽きたっ!お酒は何百種類とあるのにずるくない?」

リュカ「…腹いせというか免罪符にしたというか、料理の方を馬鹿食いしてるけどね…」

パルテナ「そういう時は、ソフドリ同士を混ぜて新たな味を開拓しましょう!」

ネス「子供かっ!いやまあ僕たち子供だけれどもっ!」

ピーチ「…んー、MOTHER組はMOTHER組で、最後の踏ん張りで石化対策。
   見事に大当たりして、持ちこたえてくれたのよね。
   貴方たちが居なかったら、本当にまずいことになっていたわ。
   …ほかのみんなはどちらに?」

ネス「ファイターじゃないのに祝賀会に居座るのは居心地悪いので――
  とかなんとか言って、城下町の方に繰り出しちゃったよ。付き合い悪いなあ。
  ようやく羽を伸ばせるーって、アナとかポーラとかはしゃぎまわっていたけどね。

  …あれ、もしかして皆に用があった?」

ピーチ「あ、急ぎってわけじゃないけれど。何か欲しい物とかあったら――――」

ネス「褒賞っ!褒賞だね!わーい!」

478Mii:2021/07/30(金) 22:02:41 ID:1j/hfldE
ピーチ「…え、ええ。まあ。それでは今から、追加のソフトドリンクを」

ネス「いやいや、そんな褒賞はいやだからね!?何にしようかなー…

  そうだ!サンドイッチ1年分とか、どうかなっ!1年間サンドイッチ食べ放題!」

ピーチ「へえ、やっぱり子供らしくて可愛いわね。サンドイッチ…ロゼッタの出番かしら」

ネス「チョコチップと相性抜群!とっても美味しくて、思わず走り出してスキップしたくなって、
  厄介な敵も、広大な大地も、そしてたくさんの思い出も、一切合財スルーして行ける優れものグフフフフ」

ピーチ「…なんだか禍々しい感情が混ざり込んでない?気、気のせいよね?」











ネス「…あ、そういえば。ちょっといい、ピーチ?」コソッ

ピーチ「なになに、内緒話?」シャガミ

リュカ「…………??」

479Mii:2021/07/30(金) 22:05:44 ID:1j/hfldE
ネス「さっきさ。罰ゲームで黒歴史話す羽目になって、
  『内面世界で素っ裸で延々と歩き回ったことがある』って暴露しちゃったんだけど。
  言ったそばから、無茶苦茶恥ずかしくなった僕のことは一旦置いといて。



  一緒にゲームで遊んでたデイジーが、酔っ払いながら
  『現実世界で裸になったピーチよりはマシじゃーん!』とか言って
  根も葉もない噂、というかホラ話を面白おかしく語り出しながら大笑いしてたんだけど」ヒソヒソ

ピーチ「」グシャッ

ネス「女性陣はえらく引いてたし、ムッツリな男性陣の数名が鼻血出す事態になってたし。
  …変に騒ぎが大きくならないうちに止めといたほうがいいよ?いやほんと」



ピーチ「…………エエソウネ、本当ニアリガトウ、ネス」ゴゴゴゴゴゴゴゴ



ネス「うんうん、そりゃあぶち切れたくもなるよね…わかるわかる。
  あれじゃあピーチが手の施しようのない露出狂みたいな扱いだったもん。
  僕は子供だったことが幸いして逆に冷ややかだったけど」



ピーチ「……………………エエソウネ、本当ニアリガトウ、ネス」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

パルテナ「」

480Mii:2021/07/30(金) 22:09:40 ID:1j/hfldE
デイジー「……おぉぉぇえぇ…謎のピンクの悪魔にフライパンのようなもので背後からしこたま殴られて、
    なんか記憶がぶっ飛んだ気がするんだけど…私、何してたっけ…?
    
    …あるぇ?なんか、周りにも頭から血を流して倒れてる人がいっぱいいるんだけど…?
    みんな、だいじょうぶぅ…?事件?事件なのか…!?」

ピーチ「ねえデイジー、そういえばあなたの褒賞がまだだったわね!」

デイジー「うわっ、ピーチ!?…褒賞?」

ピーチ「遠慮はしないでいいのよ?
   貴方が偶然とはいえゼルダ、ロゼッタ、ヒルダと合流してくれたからこそ、
   そして彼女たちを短期間で強引に鍛え上げてくれたからこそ、
   戦いを打開することができたのだから。

   素晴らしい活躍よ!何が望みかしら!」

デイジー「…………褒賞、かあ」

デイジー「…………」

デイジー「先生。スマブラがしたいです」

ピーチ「よし、認めます」

デイジー「わーい、やったー…………」



デイジー「………………………って、マジっ!?ホントにっ!?ホントッ!?」

481Mii:2021/07/30(金) 22:14:39 ID:1j/hfldE
ピーチ「嘘なんてつかないわよ」

デイジー「ホントなんだね!?嘘じゃないの!?クーリングオフはできないからね!?

    ――――いやったぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――!!
    最高の褒賞だよぉ――――――――!!
    これであと20年は戦えるぞー!!」

ピーチ「よかったわね!おめでとうデイジー!」

















ピーチ(元から任天堂より通達されたペナルティ期間が終了して、
   次の大会で参戦させるつもりだった、ということは黙っておきましょ!)

482Mii:2021/07/30(金) 22:17:30 ID:1j/hfldE
リトル・マック「褒賞、だと?」

ピーチ「そ。ロゼッタにパンチの極意というものを叩き込んでくれたでしょ?
   結構あれ、意義が大きかったのよ」

リトル・マック「要らない要らない、そんなもの。
       別に対価が欲しくてロゼッタを鍛えたわけじゃない。
       教えるべきだと思ったから教えたまでだ」

ピーチ「そこをなんとか。私の思いを無碍にするのも失礼よ?」

リトル・マック「…………あ、じゃあ…………」

ピーチ「なになに?」



リトル・マック「うちの馬鹿コーチがロゼッタを鍛える合間合間にしでかしたセクハラを
       俺に免じて不問…いやせめて鞭打ち5回くらいにしていただけないでしょうか。
       何度か腰まわりを触ってロゼッタが青筋を立ててたので」ドゲザ

ピーチ「え、あ、うん。一応ロゼッタにも聞いてみる」

パルテナ「正直者ですねー」

デイジー「でも流石にロゼッタでも温情はくれないと思うなあ…」

483Mii:2021/07/30(金) 22:20:05 ID:1j/hfldE
トゥーンゼルダ「…ああ、統率したときの功績に対する褒賞ですね?
       そんなの、要りませんよ。困ったときはお互い様です。
       …なんだか、当時の振る舞いはあんまり思い出したくないですし…」

デイジー「そんなこと言わずに!バシバシ要求しちゃいなよ!」

ピーチ「どうして貴方が付いて来てるのよ」

デイジー「なんとなく面白そうだったから!」

パルテナ「というか、ゼルダにトゥーンゼルダにハイリア様に、
    なんというか出せるだけ出したというゴチャゴチャ具合ですね」

ピーチ「…………空耳が聴こえたわ」

トゥーンゼルダ「…………で、では1つだけ」

デイジー「なに、なにっ!1つと言わず3つでも100個でも――――」



トゥーンゼルダ「トゥーンの私たち…いえ私がもっと強くなる機会をください!
       ヒルダ姫にも追い越されたっぽくて、ちょっと悔しいというか。
       (トゥーン)リンクに相応しいパートナーになりたいんです!」

デイジー「くっ!?純真過ぎてみていられないっ!?ははーっ!」

ピーチ「…HD化だけじゃだめ?…駄目よね、そうよね…新作じゃないと意味がないわよね…」

パルテナ「あらあら」

484Mii:2021/07/30(金) 22:22:50 ID:1j/hfldE
デイジー「いやー、みなさん中々謙虚だよね、もっと欲しがればいいのに」

ピーチ「そんな、ファイターが誰も彼も浅ましいみたいな言い方止めなさいよ」

デイジー「でも、それだけ凄い事やってきたじゃん。
    やってきたからには、ちゃんと認めてもらうことは大事じゃない?
    それがピーチの信条、信賞必罰ってものでしょ?」

パルテナ「そうですよねー」

ピーチ「まあ、それは否定しないわ。
   凄いことをやった分だけ、いくらでも感謝し報いる、それが私のモットーよ」

パルテナ「わああ…!さっすがキノコ王国のトップ!そこに痺れる憧れる―っ!」

ピーチ「ふふっ、おだてても何も出ないわよ」







パルテナ「ということは、体を張ったラジオ番組で王国中を和ませて、ロゼッタの至宝の眼を奇跡の力で実質2度も治して
    スレの説明不足の解説役を一手に引き受けた私もむちゃくちゃ褒賞を期待していいんですよね!」

ピーチ「」

デイジー「」

485Mii:2021/07/30(金) 22:25:53 ID:1j/hfldE
ピーチ「貴方、それが狙いだったのね…妙に不自然についてくると思ったら…」

パルテナ「いぃえぇ、催促したみたいでかたじけない。
    実はですね私っ!欲しい物は既に決めてるんです!
    あの、究極のお酒っ!あれさえあれば他に何も要りません!
    というわけで、『桃葵の誓い』を下賜してくださいませ!
    飲んだ傍から、喉が切望してやまないのです!」

デイジー「まさに傾国の美酒」

ピーチ「下賜って…そんな言い方でいいの、プライドは?全く…
   それで?どれだけ欲しいのよ。言っちゃなんだけど、あげられるとしたら――」

パルテナ「いえいえ!まさか、そんな!
    キノコ王国のピーチ姫ともあろう御方に、こんな素晴らしいお酒を!
    1本で国ひとつが動きかねないような途轍もない価値があるお酒を!
    図々しく『何本ください』だなんて言えませんよ!」

ピーチ「…………え?」

デイジー「…………???」



パルテナ「で・す・か・ら!どれだけ下さるかは――――――――
    ピーチ御自ら、決めてしまってくださいな!」

ピーチ「」ピシッ

デイジー「…………??????」

486Mii:2021/07/30(金) 22:28:59 ID:1j/hfldE
パルテナ「もちろん!

    『こんな些細な功労でこのお酒を欲しがるだなんて図々しいっ!
    ロゼッタを2度も救ったあ?それがどないしたんや?』

    ということなら、それこそ耳かき一杯の量でも構いませんよ!
    ピーチの裁量に全てお任せ致します!」

デイジー「…………あっ」

ピーチ(……………………女狐に嵌められたぁっ!!?私、女だけどっ!)



――――身動き、取れないっ!?
提示する量が少なければ少ないだけ、王国とロゼッタを軽んじたって不名誉が残るっ…!?
結局見栄を張らざるを得なくなって、何本もパルテナに持っていかれることに…!?



パルテナ「回答は祝賀会が終わるまでにしてくださいねー!」タタタタタ

ピーチ「…………くうぅ…やられた…」

デイジー「す、すなおにさっさと1本確約しとけばよかったね…
    別に、今からでも遅くないよ。パルテナの挑発なんて無視して、
    何食わぬ顔で1本だけ渡せばそれでよくない?」

ピーチ「――――それは、私のプライドが」

487Mii:2021/07/30(金) 22:31:23 ID:1j/hfldE
ピーチ「…………頭が痛いわ、ほとんどアルコールなんて摂取してないのに」



――――ぱた、ぱた、ぱた、ぱた。



ロゼッタ「ピーチ姫っ!デイジー姫っ!一体どうしたというのですか!」

デイジー「あ、見かけなかったロゼッタがようやく戻ってきたか。
    おっそいよ、祝賀会も終盤に差し掛かろうとしてるのにー」

ロゼッタ「…い、いまはそんなことはどうでもいいのです!
    どうしてそんなにお二人とも表情が曇って――――

    会場に舞い戻った途端、真っ先に目に付くほどの。
    どんよりとした雰囲気を醸し出しているではないですか!」

ピーチ「だ、大丈夫よ、ロゼッタ。心配かけてごめんなさい。
   私たちで解決できる…解決してみせる。その程度の困りごとだから。
   そんなに深刻な話じゃないの。パルテナにちょっとからかわれただけで」

ロゼッタ「なっ…!そんな!文句を言いに行ってきます!
    親しき仲にも礼儀あり!許せません!」

ピーチ「い、いいからいいから!むしろそれは都合が悪いというか、
   私が惨めになるというか、いろいろとややこしい事情があるの!」

ロゼッタ「ですがっ――――」

488Mii:2021/07/30(金) 22:35:19 ID:1j/hfldE


凛とした、左目。魔眼のチカラが新たに宿った、左目。



ピーチ「…………ねえ、ロゼッタ。それはともかく、ちょっとお願いがあるんだけど。
   私を助けると思って、そのまま30秒ほど…私のこと見つめてほしいの」

ロゼッタ「えっ」



デイジー「…………」

ピーチ「…………」

ロゼッタ「…………」

デイジー「…………」

ピーチ「…………」

ロゼッタ(あ、あれ?何かのドッキリ?罰ゲーム?呪いの儀式?
    それとも隠し撮りされてまた変な挿絵に使われる?あれ?
    祝賀会をすっぽかしすぎて、激怒される5秒前?)ダラダラ



そのまっすぐで純粋な瞳に圧倒されて、わだかまっていたもの、全部飛んで行った

489Mii:2021/07/30(金) 22:40:18 ID:1j/hfldE
ピーチ「…………はい、ちょっとだけお辞儀して頭を下げなさい。ただでさえロゼッタは背が高いんだから」

ロゼッタ「……は、はあ」スッ








ピーチ「いい子いい子」ナデナデ

デイジー「あ、私もやる私もやるー」ナデナデ

ロゼッタ「」

ロゼッタ(何が何だかさっぱりわかりません!?)









ロゼッタの頭をそっと愛おしく撫でて、撫でて。
そうだ、大切なもの、しっかり守れたんだ。
こんなに嬉しくて、心穏やかになれる話はないってこと。

490Mii:2021/07/30(金) 22:42:27 ID:1j/hfldE
ピーチ「…ん。ありがとう、もういいわ」

デイジー「堪能したねー」

ロゼッタ「あ、はい。ええと。ではパルテナのもとへ――――」

ピーチ「それはもういいから。大人しく他の人たちと歓談してなさい。
   ……………………私たちとの約束よ、守ってね?」

ロゼッタ「…………………そこまでおっしゃるのなら」

しぶしぶという感じで、ようやくロゼッタが折れてくれたみたい。
そのまま、人の集まりに吸い込まれて行った。











ピーチ「さてと、デイジー。

   ちょっと、サラサ・ランドのお姫様に向けてご提案があるのだけれど」

デイジー「…………ほうほう、乗った」

491Mii:2021/07/30(金) 22:45:35 ID:1j/hfldE
ピット「え、ええ…?そんな挑発めいたことをやったんですか?」

パルテナ「ふふふ、本当にあのお酒は美味しかったんですから。ピットもさぞや美味しく飲めたでしょう?」

ピット「ま、まあ天にも昇るような味でしたけれど…天使なだけに」

パルテナ「…おや。ピーチが早速息を切らせてやってきましたね。
    ふふ、これでしばらくお酒には事欠きません」

ピーチ「…………パルテナ。話がまとまったわ」

パルテナ「ありがとうございます!話が早くて助かりました!
    それで、結局どうなりましたか本数は!」ニヤニヤ





ピーチ「在庫分10本と、向こう9年の先約90本で、100本あげるわ。あとでしっかり目録も渡すわね」

パルテナ「ふっふっふ、さっすがピーチったら太っ腹―。
    まさか100本も頂けるなんて思ってもみな――――――――」






パルテナ「……………は?」

492Mii:2021/07/30(金) 22:49:38 ID:1j/hfldE
ピーチ「デイジーともよーく話し合って、考えに考えて。
   王国の名誉とロゼッタの為なら、このくらい屁でもないって結論になったわ。
   良かったわねパルテナ、これだけあれば小国のひとつやふたつ、余裕で買収できるわよ?羨ましいわあ」

デイジー「これでパルテナも天界で好き勝手できるねえ、すごーい!」

パルテナ「」

ピット「」



ピーチ「そのかわり、肝に銘じておいてね?
   この決定…向こう10年、キノコ王国とサラサ・ランドに神酒が一切出回らなくなることと同義だから。
   そのことを十分に噛みしめて、余すことなく味わって飲んでね?

   ただの1滴でも地に零したり飲み残したりしたら、最後。
   たちまちもがき苦しんで血反吐吐いて死ぬような呪いを『気持ちだけ』掛けておくから」

デイジー「この神酒を冒涜するような飲み方をしたら、衝動的に夜陰に乗じて
    パルテナの寝首を掻っ切るかもしれないけど、そこんとこ了承して
    平時から遺書を手放さないようにしておくんだよ?

    あと、ここまでロゼッタのことが大事だと明言したこと、よもや忘れないでね?
    ロゼッタのことで次また揺すりタカリを仕掛けてくるようなら
    適当な牢屋に閉じ込めて100年くらい過ごしてもらうかもしれないよ。

    綺麗な綺麗な女神さま…………国同士のパワーバランスって知ってる?」

パルテナ「」ガタガタガタガタガタガタガタガタ

493Mii:2021/07/30(金) 22:54:23 ID:1j/hfldE
パルテナ「…あ、あ、あ、あの、ややややっぱり、
    1本だけでででもも貰えたらじゅうぶんんだなっててえ」ガタガタガタガタガタガタガタガタ

ピーチ「嫌でも受け取って貰うから。拒否するようなら天界に送り付けるから」

パルテナ「」ガタガタガタガタガタガタガタガタ

ピット「」ガタガタガタガタガタガタガタガタ



パルテナ「キノコオウコクバンザイキノコオウコクバンザイキノコオウコクバンザイ…」フラ・・・

ピーチ「…まあ、このくらい脅しておけば問題ないでしょ」

デイジー「…でも、脅しと言えどもしっかりお酒は渡すんだよね?い、痛手すぎるぅ…勿体ないなあ…」

ピーチ「…キノコ王国で70本持ってあげる。サラサ・ランドは30本でいいから」

デイジー「ピーチ愛してるっ!」ダキッ

ピーチ「…………くっつくのは暑苦しいからやめなさい」

デイジー「えへへ…………」



ピーチ「というより、自分の後始末ってことでロゼッタ本人に対価を払わせようかしら」

デイジー「台無しだよ!!」

494Mii:2021/08/01(日) 07:08:57 ID:1bf7iop2
ルフレ「…………………………………………」ブツブツブツブツ

ルフレ「…タイムリミットが刻々と近づいて来てるっていうのに、
   碌な案が浮かばない……………………どうしよう…………………」

ルフレ「……………………」

ルフレ「――――――――」ゴクッ ゴクッ

ルフレ「…………ぷはぁ」

ルフレ「…………ちょっと気分転換に夜風にでも当たってこよう」



カーテンの向こう、月の見えるバルコニーに躍り出て、ぼけーっとする。
アルコールが入ってふんわりした頭が、程よく冷やされて気持ちがいい。

欄干にもたれ掛かり夜の景色を楽しむことが済んだら、
ちょうどいい感じにぽつんと用意されていた丸テーブルと椅子を利用させてもらって…
突っ伏して、そのままキープ。…あ、この体勢なんだか楽だ。ほどよく机が冷たくて気持ちいい。



コン、コン、コン、コン。



別に眠たいわけじゃない。指を1本繰り出して、テーブルの上を小刻みに叩いて暇つぶし。

495Mii:2021/08/01(日) 07:11:17 ID:1bf7iop2
ルフレ「……………………どうすればいいんでしょうね、はあ」



ロゼッタ「あの、大丈夫ですか?気分が悪いとか?」

ルフレ「……………………ここから変えられるのか?うーん」

ロゼッタ「もしもーし」

ルフレ「…………うわあっ!?」



ビックリした!いつの間にか、ロゼッタ姫がテーブル挟んで反対側に。
全然気づかなかった…これ、戦場だったら死んでたな…。

ルフレ「も、申し訳ありません。少し考え事をしていたもので!」

ロゼッタ「考え事、ですか。すごく深刻そうだったんですが、一体どうされたのですか?よかったら話してみてください。

    …なんだか、人の相談を聴いて解決する自信がついてきたところなので!
    一時的な気まぐれ、過信、安請け合いかもしれませんがっ!」

ルフレ「い、いえいえ、そんな。国家間のトラブルを、無関係なロゼッタ姫にいきなり振るというのは流石に」

ロゼッタ「国家間のトラブル!?」ズイッ

ルフレ(あ、口が滑った…!)

496Mii:2021/08/01(日) 07:14:15 ID:1bf7iop2
ますます興味を持たれてしまった。ま、まずい。
口外厳禁な、こんな重要な極秘情報。ペラペラと話すわけには行かないぞ…!
どうにかして話を逸らして、去って貰わないと…!





ルフレ「…………あれ?その割に…口止めされていない?」





よくよく思い起こしてみれば、誰かに相談するなとも口外するなとも…
もちろん情報を漏らした場合の処遇なんかも、一言たりとも釘を刺されていない。



――――してやられました。



最終的な判断を、責任もって下せばよいだけで。
それまでの過程は、もっと融通利かせて自由に振る舞えってことですねピーチ姫。
他の人たちからのアドバイスは進んで聴いてみるべきだった。
…うん、間違った解釈かもしれないけれど、そういうことにしておこう。

目の前には、目をキラキラさせて僕が話し始めるのを待っている麗らかな女性1人。
いつまでも待たせるのも、立たせたままにするのも失礼というものでしょうか。

497Mii:2021/08/01(日) 07:20:26 ID:1bf7iop2
ルフレ「…長い話になるかもしれませんよ?夜風に当たり過ぎて風邪を引きかねないくらいに。
  ちなみに、僕の方はひとまず気にしませんが、ロゼッタ姫が今後『逢引していた』と揶揄されることになって困ることになるかも…」



ロゼッタ姫が、目をぱちくりして、一瞬赤面して、すぐに落ち着いて。

ロゼッタ「ルフレさんとしばらく2人っきりになるだけでそんな噂を立てる方なんていませんよ。ルフレさんも真面目な方ですし」

ルフレ「はは、そこまで品行を評価してもらえているのなら幸いです。あと、どうかルフレとお呼びください」

ロゼッタ「わかりました、ルフレ!よろしくおねがいします」

ルフレ「……………………」



ルフレ(自警団のメンバー同士の恋愛模様に一喜一憂する、微妙に不真面目な人間ですけどね、僕っ!
   仕方ないじゃないか!会話を眺めるだけで、互いの絆の程度が何故か分かるんだもん!
   …あ、思い出したらちょっと不謹慎な興味が湧いてきた!後でコッソリ遊んでみよう!)



ルフレ「では、せめて簡単につまめるものと飲み物を。さすがに何もなしというのも堅苦しいですから――――」



さあ、何からどんなふうに話そうか。
ロゼッタ姫も、キノコ王国民ってことで、一応合っているんだよね…たぶん。
ピーチ姫との接点も多そうだし、何か解決策の糸口を引っ張り出せないか――――

498Mii:2021/08/01(日) 07:24:03 ID:1bf7iop2
〜 12月12日 AM 0:30 執務室 〜

ピーチ「そろそろ日付変わりそう…あ、変わってた。あと2日…………」



――――ごくっ ごくっ ごくっ。



ピーチ「…………そろそろ強壮剤すら効かなくなってきたわね…頑張ろう…」

鏡を興味本位で覗いてみる。
…うわあ、死相が出てる。これは祝賀会にもう出ない方がいいかも。
子供が見たら泣くかもしれない。それくらいヤバイ。化粧で誤魔化せるか分からない。

ピーチ「とりあえず、魔法で扉をロックして。1時間だけ仮眠の為にベッドにだーいぶ――――」



ドンッ! ドンッ! ドンッ!!

ルフレ「ピーチ姫ぇっ!!いらっしゃいますかぁ――――!!」



彼らしからぬ、扉を叩き壊したいの?と思ってしまうような猛烈な殴打音。
…ノックのつもりなんだろうけど。

ピーチ「…………」ドサッ

499Mii:2021/08/01(日) 07:26:59 ID:1bf7iop2
ピーチ「…………ロック解除っと」スタスタ

ピーチ「入ってちょうだい」

うんざり顔で声を掛けてみれば、とんでもない勢いで扉が開けられて。
ズカズカとルフレが入ってきた。えらく興奮しているわね。

ルフレ「申し上げます!不肖このルフレ!
   まだまだツギハギだらけの策かもしれませんが!ピーチ姫に提示するための策をお持ちしました!

   …………って、顔こわっ!」

ピーチ「――――――――ほう?」

ルフレ「失言でしたぁっ!!!」ドゲザ

ピーチ「…ツギハギだらけならまだ持ってこないで。
   今の私、なっかなか気分も機嫌も悪いの。控えめに言って最悪よ」

ルフレ「じょ、冗談です!自信あります!お願いします!」

ピーチ「下らない案だったら窓から放り出すわよ…………あら?
   お仲間を連れてきたのね?ロゼッタと…………リンク?」

ロゼッタ「お仲間その1です!そして若干眠いです!そしてピーチ姫の顔が怖いです!」

リンク「お仲間その2だな!そして割と眠いんだけどな!」

え、なに?たった1日、日付跨いだだけで眠いとか言ってるの?
私の目の前で喧嘩売ってるのかしら。…おっといけない、思考回路がずれて来てる。

500Mii:2021/08/01(日) 07:33:05 ID:1bf7iop2
ルフレ「…それでは、ピーチ姫。
   なんとしてでも、この戦局、変えて御覧に入れましょう!僕たちの未来のために!

   そのために必要なピースは、おかげさまで揃いましたから!」

ロゼッタ「…………」

リンク「…………」



ピーチ「…………」



ロゼッタとリンクが、ちらりと私の顔を伺う。真剣な表情に変わって、嫌いじゃない。

私はというと、ため息ひとつついて、するりと移動し、
ささっと交渉台の机と椅子を用意して。

どっしりと座って、ジト目で3人にも掛けるように促して。



ピーチ「…………さあ、存分に話して貰おうじゃないの」



疲れ切っているけれど…何とも言えぬこの感覚は、捨てがたい。

501Mii:2021/08/01(日) 07:36:20 ID:1bf7iop2
〜 ルキナの部屋 〜

ルキナ「…………いたた、頭が…痛い、です」ズキッ

私なんて、大したことは何もしていないのに。正式なファイターですらないのに。
皆さんに励まされ続けて、促されるままお酒を嗜んで、
生まれてこの方食べたことのない絶品料理に感動して過ごす毎日。

寝る間際はいつも、自分の腑抜けっぷりを自分の内面に罵倒されている。そんな錯覚。
…でも、それと同時に、きっと英気も養われている、はず。
以前のような後ろめたさ、自責の念、絶望感は消え失せてくれました。

目を覚ましてまどろんでいるとほどなくして、ピーチ姫お抱えのメイドが挨拶をしに来てくれました。
これも既に日課。色々と気に掛けて頂いているみたいで、感謝のしようがありません。



メイド「ルキナ様、おはようございます。お体の具合はいかがでしょうか」

ルキナ「おはようございます。おかげさまで万全です、ありがとうございます」

ちょっとした頭の痛みなんて、気にしない方向で。

メイド「ふふ、一昨日は相当に御歓談が弾まれたようで。本当にぐっすりお休みになられていましたね」

ルキナ「そ、そう言われると恥ずかしいですね……………………」

変な寝相を見られたのかもしれないですね。これは確かに府抜けています。

……………………え?一昨日?

502Mii:2021/08/01(日) 07:39:57 ID:1bf7iop2
ルキナ「…ちょっと待ってください、何を言っているのですか。昨日は12月11日、今日は12月12日で――――」チラッ









日付表示「12月13日です」

ルキナ「」









ルキナ「まさか丸一日、緊張感のきの字もなく、ぐぅぐぅ眠りこけたままだなんて…
   本当に腑抜け切っています、だらけ切っています、私…………まずくないですか…?」ズーン

物ごころついた頃からの思い出を探ると、こんなに寝っぱなしだったのは初めての可能性が高いです。
体力面では元気いっぱいなのに、心が低空飛行。

…まあ、それでも。祝賀会最終日、楽しむつもり…なんですけれど。
その後の苦難に挑むにしても――――思い残すことはないようにしておきたい。

503Mii:2021/08/01(日) 07:43:08 ID:1bf7iop2
〜 祝賀会 会場 〜



ルキナ「…………?」



ぐるりと見渡せば。妙に、周囲から変な目で見られている気がします。
悪感情というわけではないのですが、なんだか、こう、避けられているような。

会話しようとすれば一応できるのですが、すぐに切り上げられてしまう。
妙にどもられて、目をそらされて、ビクビクされてしまう。
…私がいない昨日の間に、何かあったのでしょうか。

所在なく佇んでいると、流石に不憫に思われたのか、声を掛けて頂きました。



ルイージ「や、やあルキナ!今日もいい天気だね!」

ルキナ「は、はい、そう…でしたか?小雨が降っていた気がしたのですが」

マリオ「ルイージ、赤点」

クッパ「ぬるい。0点」

デイジー「むしろマイナス100点で国外追放」

ルイージ「酷いよ!」

504Mii:2021/08/01(日) 07:46:18 ID:1bf7iop2
ルキナ「……………」

リンク「…そ、そうだルキナ!ルフレ!とうとう最終日になっちゃったけど…
   祝賀会が終わった今日の晩にでも、最後に1戦、鍛錬場で模擬戦やっとくか?」

ルキナ「ほ、本当ですか!願ってもないご提案です!ぜひお願いします!」

ルフレ「それは僕も嬉しいですね、喜んで!
   流石に食べて飲んでだけだと、体がなまりそうだったんですよ」



ゼルダ「そうやって、またリンクったら口説く!手癖が悪いですよ、少しは自重しなさい!」

ヒルダ「お、落ち着いてくださいゼルダ姫…!」

ラナ「こんな人たちはほっといて。ほらリンク、ワイン注いであげるー!」

リンク「え、いや、割と結構飲んでるから…俺的には…」

シア「そんな情けないこと言わないの、優勝者様」

デイジー「よっ、モテモテだねリンクさーん!」ケラケラ





ルフレ「……………………」

505Mii:2021/08/01(日) 07:51:18 ID:1bf7iop2
ルフレ(全神経を集中させて、じ―――――――――――――――っ!)



実は、僕こと軍師ルフレには、何故か所持している凄い?能力がある。

それは――――――――絆解析能力っ(勝手に命名)!!

ある2人の会話を眺めている、たったそれだけで。
2人の間の共闘、共演により、どれだけ絆が培われてきたかがざっくりとわかる。
互いの好感度のうち「低い方」が唐突に思い浮かんでくるって考えればいいかな。
頭の中に「A」とか「B」とかが湧いて出てくるから、最初はなんだこりゃ!?と思ったものだ。

昔は、高い順にS/A/B/C/表示なし、と本当にざっくりすぎたんだけど、
不謹慎ながら自警団の仲間たちの観察をしていくうちに多少は精度が向上し、
S/A+/A/A-/B+/B/B-/C+/C/C-/D/表示なし…くらいにはなってきた。

…うむ、我ながら意味不明だ。意味不明、なんだが。
妄想とか気が触れているとかではなく、本当に正しく認識できるらしい。
今の所、間違った試しがないから信じるしかない。案外便利だし。誰にも言ってないけど。

ちなみに、自分と誰かの絆の強さは、この変な能力では調べないことにしている。
頑張れば調べられるのかもしれないけれど…なんだか、作戦段階で目が曇りそうで。
そのくらい普通に読み取れないで、何が軍師か。

        Dならば、知り合ったばかりの友人程度。
        Cならば、頻繁につるむことうけあい。
        Bならば、巷で大親友と呼べるくらいには仲がいい。
        Aならば、こいつに背中預けてもいいというくらいの戦友。
        Sならば、多分すでに結婚しています。

506Mii:2021/08/01(日) 07:56:33 ID:1bf7iop2
ルフレ(じ――――――――――――――――――っ!!)



皆の会話を盗み聞き…いや覗き見だ! 黙ってれば、誰にも怒られませんからね!





    マリオ⇔ルイージ   A
    マリオ⇔デイジー   A
    マリオ⇔クッパ     A
    マリオ⇔リンク     A
    ルイージ⇔デイジー A-
    ルイージ⇔クッパ   A-
    ルイージ⇔リンク   A-
    デイジー⇔クッパ   A-
    デイジー⇔リンク   A-
    クッパ⇔リンク     A-





ルフレ(いきなり恐ろしく高いのが出たっ!特にマリオさん、ド安定です!)

まだ上にSやA+があるからといって、AやA-は十分すぎるほど高い。
普通は、どれだけ仲が良くたってB止まりだからね!
Sなんかはもはや結婚前提のランクだから。

507Mii:2021/08/01(日) 08:00:18 ID:1bf7iop2
ルキナ「あの、ピーチ姫とロゼッタ姫はどちらでしょうか」

デイジー「…ロゼッタはちょっと用事があるって自室にこもってた。
    ピーチは、えっと、戦後処理が終わらなーいってぼやいてた」

ルキナ「そうですか、残念です…」

マリオ「気にしない気にしない」



…僕も残念だ。絆の解析ができないという不謹慎な理由のせいで。
マリオとピーチの絆は、Aだろうか、A+くらいはあるだろうか。







まあ、ピーチ姫がいない理由は…僕、というか「一部の人以外」は知ってるんですが。
…ロゼッタ姫はよくわからないけれど。







ふう、結構神経をすり減らしたけれども…もうちょっと続けてみよう!

508Mii:2021/08/01(日) 08:05:06 ID:1bf7iop2
リンク「そういやお礼しそびれてたな。ラナにシア。
   お前たちのお陰で戦いを有利に勧められたのは本当に助かったよ、ありがとう」

ラナ「…リンク――!!えへへ、そう言ってもらえると疲れもパアっと飛んで行くよ!」

シア「…ふん、感謝が遅いのよ」



    リンク⇔ラナ    C-
    リンク⇔シア    C-



うわっ、たった1日の戦闘だけでC-まで登ってきたなんて。何気に凄いぞ、これ。
…まあ、やたらハードな戦闘でしたから絆も深まりやすかったですけど。
これはゼルダ姫にとって強力なライバルになりそうだ…。

いや、別にゼルダ姫贔屓という訳じゃないけど。
あそこまであからさまにアピールしていたら、応援したくなるよね。うん。
まあ、長い付き合いでしょうし、気を抜かなければそうそう負けることは――――



    リンク⇔ゼルダ    D
    リンク⇔ヒルダ    B-



ルフレ「    」

509Mii:2021/08/01(日) 08:08:08 ID:1bf7iop2
ゼルダ「…おや?いきなり私を見て固まって、どうしましたかルフレ」

ルフレ「ななななななななななんでもありませんですハイっ!!」



ゼルダ姫っ!祝賀会に出ている暇じゃないかもしれませんよっ!
もっとリンクに好印象与えて行かないとまずいですよっ!
というよりヒルダ姫に負けているってどういうことですか!?おっかしいぞー?



ファイ「…………何か叫び声が聞こえました。マスター、異常発生ですか?」フワフワ

リンク「ははは、ルフレがいきなりゼルダ姫に問い詰められて叫んだだけだよ」

ゼルダ「どこが『問い詰めた』ですか!失礼ですね!
   その言い回しですと私が悪いみたいではありませんか」





リンク⇔ファイ A+





ルフレ(あ、これもう無理なやつだ)

510Mii:2021/08/01(日) 08:12:58 ID:1bf7iop2
うん、そりゃあ、そうだったね。本命相手に逆転とか無理だね、これ。
相手が3周目の最終コーナー曲がった状態からようやくスタートした程度には絶望だね。

い、いや、でも。ファイさんはあくまで半身、剣の精霊だし。
そうだよ、伴侶は別に他にいてもいいじゃないか。そうとも!まだ可能性はありますよ、ゼルダ姫!
よし、一旦切りが付いたところで、傍のグラスで喉を潤して――――

リンク「さっきからルフレの顔色が目まぐるしく変わってるが、大丈夫かな、あれ。
   まさか祝賀会の最中にも戦術のイメトレを…?マジで末恐ろしい奴だな…!」

ルキナ「ルフレさんなら、そのくらいの芸当はやってのけるかもしれませんよ?
   お父様、そして自警団一同が認める『神軍師』なのですから」

リンク「ああ、今回の大会でまざまざと見せつけられてる所だよ。
   ルフレ、まだまだ弱いけれど…凄いよな。幾らでも伸びるぞ。
   もちろん、ルキナの剣の才覚だって負けてない」

ルキナ「そ、そんな…恐縮です!ですが、お褒めいただきありがとうございます!」





    リンク⇔ルキナ    B+





ルフレ「ぶふううううぅぅぅ!!!???」ブフォッ

511Mii:2021/08/01(日) 08:18:07 ID:1bf7iop2
マリオ「どこからともなく取り出したマントっ!」バサァ!!

ルフレ「…………あ、わ、わわわわわ」

リンク「ちょっとマリオ、やりすぎだろ。自業自得とはいえ、ルフレがびしょ濡れだぞ」



――――てくてく、ダンッ!!

ルフレ「…………ゼルダ姫っ!!どうか…強くっ!強く生きてくださいねっ!!」ボロボロ

ゼルダ「な、なんですかいきなり!?肩から手を離しなさいっ、セクハラですよっ!
   それもお酒で濡れた手でっ!」





ルフレ「…………はあ、驚いた…」

トントンッ。

ルフレ「…………?」



ハイリア「…………あんまりオイタはだめよ?覗き見好きな軍師さん」

ルフレ(能力の事がばれてるっ!?)

512Mii:2021/08/01(日) 08:21:27 ID:1bf7iop2
リンク「それにしても、最後の最後まで料理がふんだんに…これ、残ってたら捨てられるのか?勿体ないなあ」

マリオ「そんな勿体ないこと、当然しないぞ。祝賀会のあと、給仕の人たちが打ち上げで消費してくれるし…
   それにこれから、一気に食ってくれる奴がいるからな」

リンク「…あ、いつもの大食いコンビね」

クッパ「それは違うぞ。ヨッシーとカービィには別口で、料理が既に用意されているのだ」

リンク「…じゃあ誰が食うんだ?」

マリオ「おいおい、前回大会のこと忘れたのかー?」

リンク「前回大会…?たしかあの時は――――

   優勝者のマリオが、優勝祝いとか称して周囲から無理やり
   大皿料理をぐいぐい口の中に詰め込まれて地獄絵図に――――

   ――――――――えっ」

マリオ「…………」ニヤリ

クッパ「…………」ニヤリ

リンク「ちょ、ちょ、ちょっと待った!まさか俺が食うのか!?
   無理無理!結構この1週間食い続けてるんだ!これ以上無理――――」

マリオ「うおーーーーす、みんなー!時間的にも頃合いだ!
    俺とクッパがリンクをがっちり抑えとくから、
   片っ端から料理を食わせてけー!盛大に優勝者を祝ってやるぞー!!」

513Mii:2021/08/01(日) 08:23:47 ID:1bf7iop2
リンク「おいやめろ!こんな古臭いパワハラ演芸会イベントなんか止めちまえ!
   だからみんなやめろって喜々として料理持ってくんな!!」

マリオ「前回はリンクも煽ってた側だがな」

ワリオ「はーい、リンクちゃん、口を大きく開けましょうねー」グイイイィィィッ!!

リンク「もごごごごごごごごごごご」



ゼルダ「とりあえずこのローストビーフから行ってみましょうか。
   軽く1kgはありますけれどリンクなら大丈夫でしょう。
   は、はい、あーんしてくださいねー」ズズッ

フォックス「脂っこい物の後はサッパリしたもので口直ししたいよな!
     ソーメンとかどうだソーメン!ツユごと流し込んでやるから!」

オリマー「栄養が偏ってるから、ここはひとつ野菜を食べないか?
    赤ピーマンに黄ピーマンに青ピーマン!紫ピーマンに白ピーマンもあるぞ!
    もしかしたら2文字ほど字が違うかもしれないが」

デイジー「ヨッシーですら残した激辛トウガラシ、消費してくれる?
    ちょっと舌が悶えるかもしれないけれどなんとかなるっしょ!」

ネス「辛いものは甘いもので中和しよう!ほら、特製ケーキ!
  どれもこれもほっぺたが落ちそうになるくらい甘くておいしいよ!
  とりあえず5ホールほど行ってみようか!」

リンク「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」ビクッビクッ

514Mii:2021/08/01(日) 08:27:49 ID:1bf7iop2
リンク「………………………………ぬおお…は、腹がまだ痛いっ…………!
   あやうく漏らすとこだったぞ、やっべー」ギュルギュル

俺、勇者リンク。死闘のすえ、一目散にトイレに駆け込んで…ギリギリセーフ。
あやうく尊厳を失うとこだった。パワハラはんたい。
なんだかゼルダ姫が一番楽しそうだったのは気のせいか。

…………1時間くらいはトイレの住人にならざるを得なかった。
なんとか耐えきって、めでたしめでたし。
手を洗ったけれど、また腹痛が起こることを警戒して。
ちょっとトイレ内で待機して様子見だ。こんちくしょう。



リンク「それにしても、ピーチのほうは順調かな…。ルフレもなかなか思い切ったことを考えたもんだ」



ルフレの奇策が成立すれば、物事は一気に解決に向かう、かもしれない。
そして今は、ピーチが倒れそうな体を鞭打って「交渉」してくれている真っ只中だ。
多分ピーチなら…吉報をもたらしてくれるはず。信じよう。

リンク「まあ、ひとつ気懸りがあるとするなら、作戦決行中の俺が、
   新たな伝説に召喚されてしまわないかってことだけど…」

それをされると、全部パーになっちゃうんだよなあ。
ほんと唐突に体が光って、新たな魂植え付けられて、俺の意思関係ナシに飛ばされるから。
ほら、ちょうどこんな感じにピカーッと…………。

リンク「……………………」ピカーッ!

515Mii:2021/08/01(日) 08:32:15 ID:1bf7iop2
リンク「ぎゃああああぁぁ――――!?よりにもよってこのタイミングで召喚だとぉ!?
   そんなもん、許可できるかっ!ふざけんじゃねぇ!!
   
   …ピーチ、ごめん!前に嫌というほど忠告はされたけどっ!
   トゥーンのときみたいに、魂を強引に引っぺがすぞっ!!
   勇者分裂の責任問題とか、もう知らん!

   いっせーのー…でっ!!」



ベリイイイィィィィッ!!

ポンッ・・・・・・!!









リンクル「やっほー!!わたし、リンクル!よっろしくー!!」

リンク「」

リンク「」

リンク「…………性転換してる!?」

516Mii:2021/08/01(日) 08:34:52 ID:1bf7iop2
現れたのは、おれと同じく緑の衣を纏った、ボーガン持ってる女の子。
首に掛けたコンパスがキラリとひかる。



リンクル「私だって、もう一人の勇者だもんねー!
    どういうわけか、貴方の生まれ変わりであることと、魂の知識に関しては
    頭にしっかり記録されてるよ!!」

リンク「」

リンクル「…くんくん。
    ところでなんだか変な臭いがするけれど、ここどこ?」

リンク「見ての通り男子トイレっす」

リンクル「嫌あああぁぁぁ!?この人、痴漢ですっ!!
    いたいけな女の子をこんなところに連れ込むだなんて!」ズサァッ!!

リンク「叫ぶなおいっ!誰かに聞かれたらどうする!

   しっかし、まあ、驚いたな…。まあ、帰って来たらしっかり面倒は見てやるから。
   うむ、生活面はお兄ちゃんに全て任せておきなさい、妹よ。
   新たな伝説にむけて、どうぞ召喚されちゃってください。いってらっしゃーい。

   それで、今回はどんな伝説を紡ぐことになるんだろうな」



リンクル「誰が兄で妹よ、冗談じゃない――――うぐっ!?」

517Mii:2021/08/01(日) 08:39:52 ID:1bf7iop2
――――リンク達の活躍によって魔王ガノンドロフは倒され
――――ハイラル城は闇の力から解放されました。

――――これで平和が戻る――
――――誰もがそう思っていたそのとき、ハイラル城に
――――再び魔物の群れが押し寄せてきました。

――――ガノンドロフが倒され統率を失った魔物達が
――――凶暴な本性の赴くままに人々を襲い始めたのです。
――――今はゼルダもリンクもいません。
――――工事現場で働いていた任天堂スタッフ達も、もういません。

――――それでもインパは、ハイラルの人々を守るため
――――まだ先の戦いの傷が癒えていない兵士達から
――――戦える者を集めて魔物を迎え撃ちました。
――――デクババたちも、餌が飛び込んできたと張り切っています。



リンクル「頭の中に、情報が、かき、こまれて、いく…!行かなきゃ…!わたしがみんなを救うんだ!

    ………………………ぐ、ぐ。でも、そ、その召喚、ちょっと、待って。
    私だけじゃ、てんで力不足、かも…!
    こ、これ、新たな伝説、というより…この前の戦いの後半戦、だよぉ!
    ガノンドロフの残党たちが暴れ出してるんだって…………!」ガタガタ

リンク「この前の…って、ゼルダ姫が引き起こした、あの戦いのことか!
   まだ終結してなかったのか…魂1つ分のお前じゃ、ひょっとして荷が重い?」

リンクル(こくこく)プルプル

518Mii:2021/08/01(日) 08:43:15 ID:1bf7iop2
なんか、召喚に抗ってプルプル震えながら涙目になってる。
変な気分にはならないが庇護欲はちょっとあるかな。
…うん、俺に比べると確かにかなり弱っちい感じがする。比較対象があれだけど。

このまま乱戦の舞台に立たせたら結構命が危ないか?
でもすまん、俺が助太刀する訳にいかない事情があるんだ。



――――仕方ない、ちょっと周りを巻き込もう。



リンク「おいリンクル、だっけか。体感で、あとどのくらい召喚に抵抗できる!?」

リンクル「た、たぶん、が、がんばっても2,3分が限界…………!」プルプル

リンク「よっしゃ!こうなったら妹のためだ、手伝ってやるよ!とりあえず…!」

リンクル「と、とりあえず…?」プルプル







リンク「そこの個室に入って30秒でさっさと服を脱げ」

リンクル「」

519Mii:2021/08/01(日) 08:46:13 ID:1bf7iop2
バアアアァァ――――――ン!!



会場の扉が、勢いよく開かれて――――――――



リンク「――――――――はぁっ!はぁっ!はぁっ!」ピカーッ!

ゼルダ「ど、どうしたのですかリンク!そんなに乱暴に扉を押し開けて!
   マナーというものがなっていません!…え、その体の輝き、は」

リンク「ぜ、ゼルダ!大変だ!ハイラル城が危ない!
   ガノンドロフの残党が暴れ出してるらしい、よ!今こそ、勇者の使命を果たすとき――」ピカーッ!

ゼルダ「!?」

リンク「ほ、ほら、お、おれの体、見てくれ!召喚されそう!
   一気にハイラルまで飛ばされるみたい、だっ!この体が、恨めしいっ!

   お願いしますっ!ゼルダ、も、なるべく早く、舞い戻って、くださいっ!
   ハイラル、ゆかりの、他の方々も、ぜひっ!

   先に行って、待ってますからっ!!!」ピカーッ!



ゼルダ「な―――――――!?そ、そんな突拍子もないこと――――」

520Mii:2021/08/01(日) 08:49:01 ID:1bf7iop2





リンク「ゼルダっ!黙って、俺に、付いて来いっ!」ピカァーーー!!

ゼルダ「」

リンク「――――」シュンッ!!



「リンク?」を エリアから ロストしました。▼



ゼルダ「」

ゼルダ「」

ゼルダ「即刻ハイラルに戻りますっ!!」

マリオ「ちょ、ちょっと待てよ――――」

ゼルダ「待ちませんっ!リンクが私を必要としてくれているのですっ!!!」クワッ!



ザワザワザワザワ・・・・・・・・・!!!

521Mii:2021/08/01(日) 08:53:56 ID:1bf7iop2


ヒルダ「…………そーっと」コソコソ



ゼルダ「ヒルダ姫、貴方も当然行きますよね!手伝いなさいっ!ユガ役っ!」ガシッ!

ヒルダ「きゃああああ!!見逃してくださいっ!ユガ役って何ですか!?

   帰りたいですっ!祝賀会が終わったらすぐにロウラルに帰りたいだけなんですっ!!
   これ以上ロウラルを放置したくないんです巻き込まないでくださいぃ――!」ズルズルズルズル・・・

ラヴィオ「ヒルダ様ぁ――――!え、ぼ、僕もですか!?
    ま、まあヒルダ様が向かわれるのなら当然同行させていただきますけれど!」バタバタ

ゼルダ「それでは、みなさん!
   突然のお別れになってしまいましたが、お暇させていただきます!御機嫌よう!」

ヒルダ「たーすーけーてぇ――――」ズルズルズルズル

マリオ「…………リンクがいなくなっちまっただと?やっべ、作戦が…!」ボソッ

ゼルダ「何か言いましたか?」クルッ

マリオ「い、いやなんでもない。わ、忘れてくれ。いってらっしゃい…」

ラヴィオ「この程度の戦い、勇者くん…リンク1人でお釣りがくるじゃないですかぁ…!」バタバタ

デイジー「す、すこしでも早く解決したいってことじゃないのかな、ハハハ」


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