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女騎士「優しくしないでくれ」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/01(火) 21:46:07 ID:tI0Kk1Wk
女騎士「私にそんな資格はない」
2
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/01(火) 21:51:20 ID:QL2MqXjk
〜とある村、酒場〜
勇者「どうしたんだいきなり…酔うにはまだ早いんじゃないか?」
僧侶「そうですよぉ〜、まだジョッキ10杯じゃないれすかぁ〜全然飲み足りないぃ〜」
魔法使い「…貴女は飲み過ぎ」
女騎士「あ、いや…すまない。せっかく皆気分良く飲んでいたのにな」
勇者「何か、悩んでいるのかい?相談なら乗るよ?」
3
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/01(火) 21:56:03 ID:4eRWu1EI
女騎士「いや、本当になんでもないんだ…ははは、すまんな…少し夜風に当たってくる」
ガタリ テクテク…
勇者「どうしたんだろ女騎士」
魔法使い「…元気、無い」
僧侶「えぇ〜そうですかぁ?いつもあんな感じじゃないれすかぁ〜えへへ〜」
勇者「酔いすぎだろ…」
魔法使い「…そして笑い上戸。正直鬱陶しい」
僧侶「あぁ〜酷いれすぅ魔法使いさぁ〜ん」
4
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/01(火) 22:06:30 ID:vFpbnRIE
勇者「君はもうお酒ストップ!祝勝会だからといって僕らの冒険はまだまだ続くんだからね」
僧侶「うへ〜い」
ガフガブ
勇者「あっ、また飲んだ!」
魔法使い「…こうなったら駄目。もう止まらない」
勇者「とほほ…明日は回復魔法に期待できないな…」
5
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/02(水) 02:28:33 ID:961TMF5A
僧侶「それにしてみょ、今回ばかりはもう駄目だと思いましゅたよね〜」
ガフガブ
勇者「あぁ、さすが四天王といったところだね」
魔法使い「…魔王軍ナンバー2といわれる『虫使いのフォルス』…女騎士の機転が無ければ、私達は全滅していた」
勇者「あぁ、あのフォルス…まさかカブトムシをあんな風につかうなんてな」
僧侶「はぃ、カブトムシが私の…あれを…ツノが…そこにメスのカブトムシが…しかも…たくましさ…あぁ!思い出しただけでゾッとしますぅ〜!」
勇者「そのカブトムシ地獄を、あんなやり方で突破するなんてね。女騎士はやはり戦いの天才だよ」
僧侶「それにしても、どうしてあんなやり方を知っていたんですかね〜?初見で出来るとは思えませんん〜」
6
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/02(水) 02:30:52 ID:IoyYLjhU
勇者「それは…」
チラッ
魔法使い「…」
フルフル
勇者「…」
勇者「や、やっぱり女騎士は戦いの天才ってことさ。ささ、飲んで飲んで!浴びるほどビール飲んで!」
バシャー
僧侶「浴びてるぅ〜」
7
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/02(水) 02:40:05 ID:J1ktSUGI
・・・・・
僧侶「ぶへぁ…」
勇者「ようやく酔いつぶれたか」
魔法使い「…やりすぎ」
勇者「僧侶は地雷を踏む名人だからね…下手な事を言う前に酔い潰したかったんだ」
魔法使い「…女騎士のとこ。早く行く」
勇者「あぁ、僧侶を頼んだよ」
ガタリ テクテク
魔法使い「…優しいひと。ばか」
8
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/05(土) 22:10:46 ID:fP6WnL4.
・・・・・
〜酒場の外〜
女騎士「…」
ガサッ
勇者「…」
女騎士「勇者か…私の事など気にしなくていいのに…」
勇者「そういう態度、よくないよ。抱え込んで拒絶して辛くなって…それで潰れるんだ」
女騎士「ははっ、潰れないさ。私はそんな弱い人間に見えるか?」
勇者「…弱いさ。君も僕も…だからみんな一緒に冒険しているんだろう?」
9
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/05(土) 22:16:20 ID:0oDCQBJs
女騎士「…」
勇者「困るととたんに黙り込むんだ。よく知ってるからね、君の事は」
女騎士「…」ボソッ
勇者「ん?」
女騎士「いじ…わる…」
勇者「ふふっ。そうだよ、僕が君に優しかった事なんて一度だってあったかい?」
女騎士「…」
トンッ
女騎士「そういう言い方も…やっぱり、ずるい」
勇者「…そうだね」
ギュッ
10
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/10(木) 09:17:49 ID:3Y1iJSWM
・・・・・
勇者「ねぇ、女騎士」
女騎士「?」
勇者「辛くはないかい?なんならここで君は…」
女騎士「大丈夫だ。後悔も覚悟も十分にした。これは私がやらなきゃならない事だから…」
勇者「そう、か」
女騎士「魔王を止めるのは…私の役目さ…なんたって『お母さん』だからな、私は」
女騎士「魔王だけじゃない、あいつに仕える魔物…その全ては私の子供だ。だから…」
11
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/10(木) 09:22:42 ID:hnqZ8B8U
勇者「…」
女騎士「やるさ、成し遂げるさ。たとえ同族殺しと罵られようと、私は…!」
勇者「強いね、君は。そんな君だからこそ、僕は惹かれた」
女騎士「勇者…」
勇者「君の助けになりたい。隣で共に歩みたい。それが僕の望みだ」
12
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/11(金) 10:41:23 ID:yDGd6m5c
女騎士「…」
勇者「僕だけじゃない。魔法使いも…あと一応僧侶も。君を助けたい、君の力になりたいと思っているよ」
女騎士「ありがとう…」
勇者「さ、戻ろう。僧侶が酔いつぶれてしまってね、介抱しなくちゃ」
女騎士「ふふ、あいつは本当に仕方のない奴だな」
勇者「まったくさ、でもいい奴だよ」
女騎士「あぁ」
勇者「いつか、本当の事を話せるといいね」
女騎士「…あぁ」
13
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/11(金) 10:52:02 ID:KUIHQzuM
またお前……おや?これは久しぶりの真面目な女騎士ss……?
14
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/12(土) 16:15:24 ID:Vtkh8i8w
・・・・・
僧侶「にゅあ…」
グデェ…
魔法使い「…」
僧侶「…」
僧侶「つまんなさそうでふねぇ、魔法使いしゃん」
魔法使い「…今の貴女に比べれば、ね」
僧侶「どうして勇者様を行かせたんですかぁ?今頃いいカンジになっちゃったりしちゃったりしてるかもですよぉ?それって魔法使いさん的にいいんですかぁ?」
魔法使い「…私は」
僧侶「なんていいますかぁ〜私的には勇者様には魔法使いさんがお似合いだと思うんですよねぇ〜」
僧侶「…」
ボソッ
僧侶「じゃなきゃ、姉さんが報われないじゃない」
魔法使い「?」
僧侶「にゃ〜んでも、ありませぇんよ〜。さぁさぁ残された者同士じゃんじゃん飲みまひょうよぉ」
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