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【艦これ】ブサ督「イケメンに限るって……真理だよな」

1以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:23:30 ID:Xw55B38o
※注意事項
自分は艦これ改しか知らない提督です。
話の都合上、艦娘の幾人かはゲスいです。
また割と艦娘が轟沈します。
気まぐれ投下。
これらが嫌な方はブラウザバックしてください。

839以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:20:45 ID:ODA80pmQ

イケ督「な、何を……する気なんだ!?」

イケ督「て、天龍の事は、謝る!」

イケ督「だ、だから、許してくれ!」

龍田「ダ メ ☆」

     スッ…

イケ督「な、なんだそれは!?」

イケ督「何を注射するんだ!?」

龍田「安心して」

龍田「ただの全身麻酔よ」

イケ督「全身……麻酔?」

龍田「分かりやすく言うとぉ、ちょーっと長時間」

龍田「ねんねしててもらうだけだから♡」

イケ督「や、止めろ……止めろォッ!」

840以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:21:52 ID:ODA80pmQ

龍田「うふふ」

     プスッ

イケ督「ひっ、ひいいっ!」

龍田「だってさぁ」

龍田「痛みだけで死んじゃう人も……結構居るのよね」

イケ督「!?」

龍田「そうなったらぁ」

龍田「つまらないのよぉ」

     チュー…

イケ督「ぐっ……!」

841以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:22:29 ID:ODA80pmQ

龍田「あなたにはぁ……」

龍田「天龍ちゃんが受けた苦しみをぉ」

     チュー…

イケ督「あ……が……」

イケ督(い、意識……が……)

龍田「何倍にもして、受けて欲しいのよねぇ」

     チュー…

イケ督「…………」

龍田「うふふ……」

     スルッ

イケ督「…………」

龍田「これで準備良し」

龍田「さあ……イケメン提督さぁん……」

842以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:23:05 ID:ODA80pmQ








龍田「生まれ変わりを体験させてあげる……」








.

843以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:23:51 ID:ODA80pmQ


―――――――――――


????


イケ督「…………」

イケ督「…………」

イケ督「……!」

イケ督「…………」

イケ督「お゛……お゛お゛は……」

イケ督「!?」

イケ督(な、何だ!?)

イケ督(か、顔が……顔が熱い……!)

イケ督(いや、痛い!)

イケ督(それに声もおかしいし……腕も縛られてる)

イケ督(俺はまだ龍田に拘束されてるのか!?)

844以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:24:37 ID:ODA80pmQ

看護師「あ」

イケ督(!?)

イケ督(誰だ!?)

イケ督「う゛ーあ゛ー……」

看護師「クズ山さん、声を出さないで」

イケ督(……?)

イケ督(クズ山?何を言ってるんだ?この女)

看護師「落ち着いて聞いてください、クズ山さん」

看護師「あなたは……全身に酷いケガをされてて」

看護師「包帯でグルグル巻きの状態なんです」

イケ督「!?」

イケ督(包帯?……じゃあここは病院なのか?)

845以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:25:16 ID:ODA80pmQ

看護師「今、先生を呼んできますね」

     スタ スタ スタ

イケ督「…………」

イケ督(……助かった)

イケ督(のか?)

―――――――――――

看護師「お待たせしました、クズ山さん」

看護師「先生……どうぞ」

医師「うむ」

イケ督「…………」

医師「あー……クズ山さん」

医師「落ち着いて聞いて欲しいのですが」

846以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:26:17 ID:ODA80pmQ

医師「あなたは今、全身に酷いケガをしてまして……その」

医師「命に別状はないのでご安心ください」

イケ督「…………」

医師「ですが……そのー……何と言いますか」

医師「お顔の方が、ですね……非常に、その……」

医師「酷い状況でして……」

イケ督(……はっきり言えよ)

医師「元のお顔に戻る事は、非常に困難であると……言えるでしょう」

イケ督「…………」

医師「それと、ですね」

イケ督(まだ何かあるのか?)

847以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:27:02 ID:ODA80pmQ

医師「右手、なの……ですが」

医師「手首から先が……もうありません」

イケ督「…………」

イケ督「……あ゛?」

医師「落ち着いて……それからしゃべらないでください」

イケ督(右手が……無い?)

イケ督(今……そう言ったのか!?)

イケ督「あ゛……があ゛あ゛……あ゛!」

医師「お、落ち着いて!クズ山さん!」

医師「君、鎮静剤を!」

看護師「はい!」

848以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:27:46 ID:ODA80pmQ

―――――――――――

医師「……どうだ?」

看護師「ようやく落ち着いたみたいです」

医師「そうか……」

看護師「やっぱり……事件なんでしょうか?」

医師「詳しい事は分からんが……」

医師「あれだけ執拗に顔を傷つけられ」

医師「右手を切り落とされ、左手も」

医師「指紋が取れなくなるほどの火傷を負わされているんだ……」

看護師「…………」

医師「身分証を持っていなければ」

医師「名前すら分からない状況だったからな」

849以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:28:42 ID:ODA80pmQ

医師「どう見ても……誰かからの恨みとか」

医師「何かの抗争に巻き込まれたとか」

医師「そういう風に見てしまう……」

看護師「厄介ごとは勘弁して欲しいですね……」

医師「……そうは言っても患者は患者だ」

医師「誰かからは分からんが、治療費も支払われてる」

医師「無下にはできんよ……」

看護師「そうですか……」

医師「まあ詳しい事は分かっていない」

医師「警察にも相談したし……」

医師「退院までは様子を見よう」

看護師「分かりました」

850以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:29:27 ID:ODA80pmQ


―――――――――――


天龍の襲撃から数日後の夜

とある旅館の個室


フツ督「……見るからに高そうなダルマだな」

ブサ督「約束だからな。酒屋で一番高いダルマを二本買った」

フツ督「肴(さかな)はナッツにチーズ、クラッカー」

フツ督「残念ながらここじゃ洋酒に合いそうな料理は用意できなかった」

ブサ督「別にいいさ」

     キュポッ トクトクトク…

ブサ督「じゃあ……乾杯」

フツ督「おう、乾杯」

851以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:30:12 ID:ODA80pmQ

     チンッ…

     グビッ

ブサ督「んっ……」

フツ督「ふっ……んん」

ブサ督「これは……来るなぁ」

フツ督「いい酒だ」

ブサ督「よくストレートで飲めるな……」

フツ督「俺からしたら水割りやロックなんて邪道だ」

ブサ督「はいはい、邪道で結構です」

     トクトクトク… グビッ

ブサ督「ふう……」

852以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:30:47 ID:ODA80pmQ

フツ督「これでようやくひと段落か……」

ブサ督「……ああ」

ブサ督「結局イケメン提督は逃亡を図ったとして指名手配」

ブサ督「どこへ雲隠れしたかは分からんが、もう皇国内を出歩けないだろう」

フツ督「だな……」

     グビッ

ブサ督「ふう……」

ブサ督「北方の後任は誰がやるんだ?」

     ムシャ ムシャ

フツ督「元帥閣下は、ショウユ顔提督か、ソース顔提督を」

フツ督「候補に考えてるそうだ」

ブサ督「……無難なところだな」

853以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:32:03 ID:ODA80pmQ

     トクトクトク…

フツ督「俺からしたら問題ない様に思うが」

フツ督「お前は違うのか?」

     ボリ ボリ

ブサ督「……俺が選ぶとしたら」

ブサ督「メガネ提督だな」

フツ督「メガネ提督?」

フツ督「……知らないなぁ。そんな名前の奴居たか?」

     グビッ

ブサ督「ふう……」

ブサ督「新進気鋭の若者だからな」

フツ督「若者? もしかして今年、訓練模擬戦した奴か?」

854以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:33:01 ID:ODA80pmQ

ブサ督「ああ」

ブサ督「なかなか見どころのある戦い方をする奴だった」

フツ督「おいおい……」

フツ督「いくら何でも若すぎるだろ」

     ムシャ ムシャ

ブサ督「たぶん……同戦力で戦ったら」

ブサ督「ショウユ顔提督もソース顔提督も勝てないと思う」

フツ督「……冗談だろ?」

ブサ督「ま……俺の贔屓目もあるかな?」

フツ督「…………」

855以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:33:54 ID:ODA80pmQ

     グビッ

ブサ督「ふう……」

ブサ督「そういや大将職の人事は結局どうなったんだ?」

     ムシャ ムシャ

フツ督「……そっちは大揉めに揉めて大変らしい」

フツ督「派閥争いの板挟みになって、元帥閣下は頭を抱えていたよ」

ブサ督「そりゃ気の毒に……」

フツ督「そういう苦労をするのが元帥閣下のお仕事さ」

ブサ督「……本人に聞かれたら怒られるぞ」

フツ督「ははは」

     トクトクトク… グビッ

フツ督「ふう……」

ブサ督「……俺が元帥閣下の立場なら」

ブサ督「お前が大将にふさわしいと思うが」

856以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:34:35 ID:ODA80pmQ

フツ督「よせよ……あんな派閥争いに巻き込まれたくない」

ブサ督「それはまあ、俺も御免被りたいが」

ブサ督「人脈や人望とか考えたら、お前がいいと思う」

フツ督(実は元帥閣下から要請はあったが)

フツ督(どう考えてもこき使われそうで断ったんだよなぁ)

フツ督「……お褒めにあずかり光栄だが」

フツ督「俺が大将になると、お前に命令できる様になるんだぞ?」

フツ督「いいのか?」

     グビッ

ブサ督「ふう……」

ブサ督「その分、こっちの要求も適正に聞いてもらうから」

ブサ督「構わないさ」

857以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:35:36 ID:ODA80pmQ

フツ督「そうじゃなくて、同期が上になって悔しくないのか?」

ブサ督「んー……」

ブサ督「お前だったら、全然ないな」

フツ督「なんだよそれ……」

     ムシャ ムシャ

ブサ督「……だが、元大将みたいな事するなら」

ブサ督「見限るってだけだ」

フツ督「……それは怖いねぇ」

     トクトクトク… グビッ

フツ督「ふう……」

ブサ督「……なあ」

フツ督「ん?」

858以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:36:24 ID:ODA80pmQ

ブサ督「あの時……天龍の事を元帥閣下へ報告していた時」

ブサ督「やたらと『沿岸部』を強調していたが……」

ブサ督「あれはわざとか?」

     ピクッ

フツ督「…………」

フツ督「……何の事だ?」

ブサ督「責めるつもりはない」

ブサ督「あの時……俺は天龍が陸路を使う可能性を考えたが」

ブサ督「それを黙ってた俺も同罪だ」

フツ督「…………」

ブサ督「俺は……天龍を止められるものなら止めたかった」

ブサ督「そう考えたら、お前の策に乗った方が良いと思ったんだ」

フツ督「…………」

859以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:37:19 ID:ODA80pmQ

フツ督(……見抜かれていたか)

フツ督(という事は……俺の目的も当然分かっている)

フツ督(って事か……?)

ブサ督「…………」

ブサ督(おそらく……暴走した天龍を放置して)

ブサ督(イケメン提督を亡き者に……って算段だろうな)

フツ督「…………」

ブサ督「…………」

フツ督「……俺が間抜けだったって事にしといてくれ」

ブサ督「……分かった」

ブサ督「それでいい」

860以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:37:52 ID:ODA80pmQ

     グビッ

ブサ督「ふう……」

ブサ督「少し酔ってきたかな」

フツ督「おいおい。早いな」

ブサ督「元々そんなに強くないんだ、俺は」

フツ督「そうか」

フツ督「そういやさ」

ブサ督「ん?」

フツ督「榛名、気に入ったのか?」

ブサ督「…………」

フツ督「黙るなよ」

フツ督「男なんだ。女の一人や二人好きになって何が悪い」

861以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:38:45 ID:ODA80pmQ

     サク サク

ブサ督「……そうだな」

ブサ督「お前には話しておくか」

フツ督「ん?」

―――――――――――

ブサ督「――という事があったんだ」

フツ督「」

フツ督「ちょ、ちょっと待ってくれ……」

ブサ督「ああ」

フツ督「ディルプ……グレッズに」

フツ督「離島艦娘が深海棲艦の生まれ変わりとか」

フツ督「情報量多すぎだろ!?」

862以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:39:31 ID:ODA80pmQ

ブサ督「……離島艦娘に関して確信が持てたのは」

ブサ督「天龍があの状態から元に戻ったのを目の当たりにしたからだ」

フツ督「…………」

ブサ督「うかつに公表も出来ないし」

ブサ督「かと言って俺一人が抱え込むには大きすぎる」

フツ督「……で、俺を引き込んだって訳か」

ブサ督「そうとも」

ブサ督「これで一蓮托生だ」

フツ督「はあ……くそっ」

フツ督「酔いが覚めちまった」

863以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:40:15 ID:ODA80pmQ

     トクトクトク… グビッ

フツ督「……で?」

フツ督「お前はそんな榛名の事、どう思ってるんだ?」

     ピクッ

ブサ督「…………」

フツ督「また、だんまりか」

ブサ督「……好意は持ってる」

フツ督「ほう」

     グビッ

ブサ督「ふう……」

ブサ督「けど……なんて言うか」

ブサ督「ずるい気がしてな……」

フツ督「ずるい?」

864以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:40:55 ID:ODA80pmQ

ブサ督「さっきも言ったが……榛名は」

ブサ督「深海棲艦だった頃の記憶は無くとも」

ブサ督「俺に好意的だった人格の生まれ変わり」

ブサ督「でなきゃ……俺の顔を見て普通に接してくれる訳無い」

フツ督「…………」

ブサ督「もし」

ブサ督「普通に艦娘として採用されてたり」

ブサ督「俺と何の関わりもない離島艦娘として生まれていたら」

ブサ督「榛名は……」

フツ督「……だから何だってんだ?」

ブサ督「え?」

865以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:41:51 ID:ODA80pmQ

     ムシャ ムシャ

フツ督「あのなぁ……生まれとか、生い立ちとか」

フツ督「そんなのは後付けだ」

ブサ督「…………」

フツ督「大事なのは今、お前に、好意を持ってるイイ女が」

フツ督「目の前に居るって事」

ブサ督「…………」

フツ督「その女を好きなら好き、嫌なら嫌」

フツ督「極端な話、抱くか抱かないかの二択だろ?」

ブサ督「…………」

フツ督「迷ってんのなら、もう答えは出てるんじゃないのか?」

フツ督「さっさと抱いちまえ」

ブサ督「おま……簡単に言いやがって」

866以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:42:34 ID:ODA80pmQ

フツ督「ふん」

フツ督「言っとくが俺と龍田なんてなぁ……」

     …ドドドドドドドドド

フツ督「ん?」

     ガラッ!

榛名「ブサイク提督さぁん♪」

     抱きっ

ブサ督「うわっぷ!?」

榛名「榛名、寂しかったので」

榛名「会いに来ましたぁ♪」

ブサ督「ちょ、榛名!?酔ってるのか!?」

867以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:43:23 ID:ODA80pmQ

龍田「ごめんなさい……」

龍田「女子会開いて飲ませたら」

龍田「平気そうな顔しててどんどん進めちゃって」

龍田「こうなっちゃったの……」

大淀「……うぷっ」

大淀「龍田さん……何でそんあに平気なんですか」

フツ督「あ〜あ……龍田に付き合ったのか」

榛名「んふ〜♪ブサイク提督さぁ〜ん♪」

ブサ督「分かった、分かったから!」

フツ督「……こりゃもうお開きだな」

フツ督「んじゃ、部屋に戻るか」

龍田「はぁい♪」

ブサ督「おい!? 手伝ってくれよ!?」

868以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:44:07 ID:ODA80pmQ


―――――――――――


同旅館 フツメン提督と龍田の部屋


フツ督「あー疲れた」

フツ督「さて、さっさと寝るか」

龍田「あ、そうそう」

フツ督「ん?」

龍田「これ。忘れない内に渡しておくわね」

     スッ

フツ督「!?」

フツ督「これって……通信機の端末か!?」

869以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:44:52 ID:ODA80pmQ

龍田「ええ」

フツ督「型番は……俺の知らない番号」

フツ督「これをどこで手に入れた?」

龍田「イケメン提督が持ってたものよ」

フツ督「」

フツ督「はあ!?」

龍田「声が大きいわよ」

フツ督「ぐ……イケメン提督はどうしたんだ?」

龍田「安心して」

龍田「生かしてあるわ」

フツ督「……その言い方だと」

フツ督「背乗り(はいのり)処理か」

870以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:45:54 ID:ODA80pmQ

龍田「正解」

フツ督「なんて事を……俺は」

フツ督「君にそんな事をさせたくなかったのに……」

龍田「ふふ……その気持ちは嬉しいんだけどね」

龍田「天龍ちゃんに酷い事をしたのを知ってから」

龍田「ずっと機会を伺ってたの」

フツ督「…………」

フツ督「あの日ってのもウソか……」

龍田「ごめんなさい」

フツ督「……やってしまった事はしょうがない」

フツ督「イケメン提督が名乗り出る事は無いのか?」

871以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:46:34 ID:ODA80pmQ

龍田「たぶん大丈夫でしょ」

フツ督「たぶんじゃ困るんだが……」

龍田「あれをイケメン提督と見破る人ほど」

龍田「手を引くと思うわ」

フツ督「……なるほど」

フツ督「でも、金輪際こういう事は止めてくれ」

龍田「それは約束できない」

フツ督「何?」

龍田「私だって感情があるんだもの」

龍田「自分の愛する人が酷い目にあわされて」

龍田「平気でなんて居られない」

フツ督「…………」

872以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:47:30 ID:ODA80pmQ

フツ督「……対艦娘暗殺組織を前の天龍と一緒にぶっ潰した」

フツ督「君ほどの力は俺には無いが」

フツ督「もう……俺に何も言わずに事を起こすのは止めてくれ」

龍田「……分かった」

フツ督「それならいい」

龍田「ところで……前の天龍って」

龍田「どういう意味?」

フツ督「!!」

フツ督「あ……それは……その……」

龍田「ふふふ」

龍田「……もういいのよ」

龍田「私、気が付いているから」

873以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:48:39 ID:ODA80pmQ

フツ督「え……」

龍田「実は……去年の合同艦監式で会った時に分かっちゃったの」

フツ督「!?」

龍田「本当に……よく似ていたわ」

龍田「前の天龍ちゃんに」

フツ督「…………」

龍田「だけど……同時にあなたに愛されてる事も再確認できた」

龍田「だから……あなたの優しいウソに騙されてあげようと思ったの」

フツ督「……そうだったのか」

龍田「もちろん今の天龍ちゃんへの気持ちも本当よ?」

龍田「だから行動したの」

フツ督「…………」

874以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:49:28 ID:ODA80pmQ

フツ督「……そろそろ寝るか」

龍田「うん。いっぱい愛してね♡」

フツ督「……さっきまでやる気満々だったんだけどな」

フツ督「色々と衝撃すぎて、息子が……ちょっと」

龍田「あら、残念」

龍田「それじゃ、お楽しみは西方に帰ってから」

フツ督「すまん」

龍田「……いいわよ」

龍田「あなたの気持ちも分からないでは無いし……」

龍田「お休みなさい」

フツ督「ああ、お休み」

875以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:50:11 ID:ODA80pmQ

フツ督「…………」

フツ督(……ったく)

フツ督(…………)

フツ督(…………)

フツ督(普段、俺のこと腹黒だの何だの言ってくれるが)

フツ督(俺の周りの奴も結構腹黒いじゃねーか)

フツ督(…………)

フツ督(やれやれ……)

フツ督(まだまだ修行が足りないって事か……)

フツ督(…………)

876以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 22:51:15 ID:ODA80pmQ
本日はここまでです。次回、最終回になります。

877以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/11(水) 23:13:01 ID:utO32FZs
乙、大団円かな

878以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:29:05 ID:axPxlTaQ


―――――――――――







     約二ヶ月後








.

879以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:30:02 ID:axPxlTaQ


―――――――――――


帝都 〇×新聞社・社会部


     ガヤ ガヤ

編集員「部長」

部長「ん?」

編集員「部長にお会いしたい、という人物が居るのですが……」

部長「……今日は誰とも会う予定はないはずだが?」

編集員「はい。分かってます」

編集員「ただ……」

部長「ただ?」

編集員「顔は酷い傷で似ても似つかないんですが」

編集員「イケメン提督と名乗ってまして……」

部長「…………」

880以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:30:34 ID:axPxlTaQ

―――――――――――

応接室


部長「……お待たせしました」

イケ督「!」

イケ督「ああ、待ちくたびれた」

部長(……酷い傷だ。これじゃ元の顔も分からんし)

部長(声も全然違う……)

部長「えー……イケメン提督、とお伺いしましたが?」

イケ督「ああ……軍にこんな姿にされたんだ!」

部長「…………」

881以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:31:42 ID:axPxlTaQ

部長「それで……私に何の御用ですか?」

イケ督「決まっている」

イケ督「この事実を報道してくれ」

部長「…………」

イケ督「足りなければ、俺が知っている軍の隠し事を」

イケ督「洗いざらいぶちまけてやる」

部長「…………」

イケ督「確かに顔も声も変わっているが」

イケ督「前にお前の息子の話をした事を俺は覚えている」

イケ督「確か……小学校へ上がったばかりだとか言っていたな」

部長「…………」

イケ督「さ、今こそ新聞の力を……」

部長「自称イケメン提督さん」

882以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:32:15 ID:axPxlTaQ

イケ督「!?」

イケ督「俺はイケメン提督だと言っているだろ!」

部長「まあまあまあ」

部長「そうですな……まずは」

部長「イケメン提督があの事件以降、どう扱われているか」

部長「お話ししましょう」

イケ督「そんな暇は……」

部長「聞く気が無いのなら、このままお帰りください」

イケ督「な……」

部長「いかがしますか?」

イケ督「…………」

イケ督「……聞こう」

部長「結構」

883以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:33:14 ID:axPxlTaQ

部長「まず……深海棲艦の単独襲撃事件後」

部長「イケメン提督は、そのどさくさに紛れて逃亡した」

部長「という事になってます」

イケ督「違う!」

イケ督「俺はあの時、当て身を喰らわされ、気絶させられたんだ!」

部長「まあまあまあ、落ち着いて」

イケ督「ちっ……」

部長「……その後、軍はですね」

部長「南方海域の大打撃は逃亡を図ったイケメン提督の責任とし」

部長「指名手配を大々的に行っています」

884以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:34:08 ID:axPxlTaQ

イケ督「違うんだ!」

イケ督「あの大打撃は、元は大将閣下の指示に従っていたら」

イケ督「深海棲艦の急襲を受けて……!」

部長「落ち着いてください」

部長「あくまで、軍の発表は、というだけです」

イケ督「…………」

部長「続けますよ?」

部長「その後は、イケメン提督のご家族に取材が殺到しまして」

イケ督「!?」

部長「イケメン提督のご家族は、ですね」

部長「息子の不祥事に申し訳ない、申し訳ないと繰り返すばかりでして」

部長「いくばくか経った後……ご自害なされました」

イケ督「」

885以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:35:00 ID:axPxlTaQ

イケ督「な……な……!?」

部長「大変……痛ましい事件でした」

イケ督「親父……お袋……」

部長「それで、ですね」

イケ督「…………」

部長「もし、今、イケメン提督が現れたとしても……」

部長「味方する世論は皆無だと思います」

イケ督「!!」

部長「まあ……あなたが本当にイケメン提督だとしても」

部長「それを示す証拠が無いのでは、お話にならないと思いますが」

イケ督「…………」

886以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:35:50 ID:axPxlTaQ

―――――――――――

編集員「さっきの人、お帰りになられたんですか?」

部長「ああ、帰ったよ」

編集員「しっかし、寄りにもよってイケメン提督だと名乗り出るなんて」

編集員「新聞を見てないんですかね?」

部長「……あの傷跡だから」

部長「治療に専念してて見る機会が無かったのかもな」

編集員「そういうもんですか」

部長「そういうもんさ」

編集員「何にしてもお疲れさまでした」

部長「ああ。たまにはいいさ」

887以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:36:22 ID:axPxlTaQ

部長「…………」

部長(……たぶんあれは)

部長(軍からの警告だろう)

部長(イケメン提督と繋がりのある報道関係者に対して)

部長(余計な事をしたら、次こうなるのはお前だ)

部長(という……)

部長(…………)

部長(今後は……海軍に目を付けられていると想定して)

部長(報道しないといけないな)

部長(くわばら、くわばら……)

888以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:37:03 ID:axPxlTaQ


―――――――――――


帝都 郊外

障碍者支援施設


イケ督「…………」

イケ督「……あの」

職員「はい?」

イケ督「病院から……ここを紹介されたんだが」

職員「はい、お名前は?」

イケ督「…………」

イケ督「クズ山……クズ夫……です」

889以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:37:56 ID:axPxlTaQ


―――――――――――


北方鎮守府 執務室


     コン コン

ショウユ督「誰だ?」

明石「明石です」

ショウユ督「入れ」

     ガチャ

明石「失礼します」

     キィ パタン

ショウユ督「どうした?」

890以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:38:49 ID:axPxlTaQ

明石「新しい広域通信機が届きました」

明石「こちらがその関係書類になります。サインをお願いします」

ショウユ督「分かった」

     サラサラ…

ショウユ督「これでいいか?」

明石「はい」

明石「後ですね。新しい広域通信機の設置なんですが」

明石「丸一日かかりますので、日程の調整をお願いします」

ショウユ督「それはいつでも問題ないだろう」

ショウユ督「今は厳冬期で深海棲艦も大人しい」

ショウユ督「明石の都合の良い日を大淀と決めてくれ」

明石「分かりました」

891以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:39:30 ID:axPxlTaQ

明石「ところで大淀はどこですか?」

ショウユ督「たぶん食堂だと思う」

明石「今頃?」

ショウユ督「少々書類仕事が立て込んでな……」

ショウユ督「遅くなってしまったんだ」

明石「分かりました」

明石「では、食堂に行ってみます」

ショウユ督「すまんな」

ショウユ督「大淀にもう少しゆっくりでもいいと伝えてくれ」

明石「はい」

892以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:40:23 ID:axPxlTaQ


―――――――――――


北方鎮守府 食堂


利根「む?大淀、今頃昼食か?」

大淀「そう言う利根さんも?」

利根「うむ」

利根「吾輩は演習の後始末に少々手間取ってな」

大淀「そうですか」

大淀「実は私も書類仕事が溜まってて……」

利根「そうか……お互い手際が悪かった様じゃの」

大淀「ははは……」

893以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:41:19 ID:axPxlTaQ

利根「……ブサイク提督は」

利根「こんな小さな事も手際よく用意してくれておったのじゃな」

大淀「そういう事ですね……」

利根「こうなると、南方への転属願いが認められた天龍と」

利根「転属命令があった金剛達がうらやましく思えるのう」

大淀「ふふふ、そうですね」

大淀「日々、ブサイク提督の有難さが分かる事ばかりです」

利根「今頃は……どうしておるのやら」

大淀「大丈夫ですよ」

大淀「きっと……利根さんのアドバイスを生かしてくれてるでしょう」

利根「そうじゃな……」

利根「吾輩らの轍を踏まぬ様、艦娘が育つじゃろう」

894以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:42:31 ID:axPxlTaQ


―――――――――――


南方鎮守府 談話室


霞「まったく……つまらない任務ばかりで退屈だわ」

霞「顔だけでなく作戦の作りも酷いものね、あいつ」

満潮「ほんと。なんであんなのが指揮官なんだか」

朝潮「……二人とも、言葉が過ぎるわ」

大潮「そ、そうですよ……」

大潮「まあ、気持ちは分からないでもないけど……」

霞「ふん」

     テク テク テク

天龍「……朝潮型、そろってるな」

霞「何よ、天龍。何か用?」

895以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:43:43 ID:axPxlTaQ

天龍「次の任務だがな」

天龍「お前たちに決めさせてやるぞ」

霞「……はあ?」

     バサッ(海図)

天龍「大体の戦況は分かっているな?」

霞「バカにしてるの?」

天龍「ほいほい」

天龍「この海図に書かれてる赤丸がブサイク提督お勧めの海域だ」

天龍「他の海域を選びたいのなら、そこでもいいし」

天龍「俺は確定だがあと一人、戦力も好きなのを連れて行っていいぞ」

896以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:44:38 ID:axPxlTaQ

霞「戦力……戦艦や空母とかでも?」

天龍「ああ」

天龍「どうだ? やってみるか?」

霞「ふん……面白そうね」

霞「やってやろうじゃない」

朝潮「えっ本気?」

朝潮「いくら何でも危ないのでは……」

満潮「あんなブ男に出来る事なのよ?」

満潮「実際の戦場を知らないあいつより私たちの方が」

満潮「よっぽど優秀だって事、見せつけてやるわよ!」

天龍「…………」

897以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:45:34 ID:axPxlTaQ

天龍「……旗艦は誰がやる?」

霞「私がやるわ」

天龍「分かった」

天龍「どこの海域を攻略するのか、敵戦力はどれだけか」

天龍「他にも知りたい情報があれば、俺が答えよう」

霞「ふん……そうねぇ」

―――――――――――

翌日

南方 某海域

     ザザザザザザザ…

満潮「……くっ」

大潮「大丈夫? 満潮?」

満潮「これくらい……平気よ」

898以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:46:35 ID:axPxlTaQ

霞「…………」

天龍「さて、霞」

霞「……何よ」

天龍「敵に潜水艦が居て予想外のダメージを受けた訳だが」

天龍「これからどうする?」

霞「…………」

天龍「……対潜装備が無い以上」

天龍「俺は撤退をお勧めする」

霞「……っ」 ギリッ

朝潮「霞……気持ちは分かるけど」

朝潮「満潮と鳳翔が中破してる……敵の主力まで行けたとしても」

朝潮「相当のダメージを覚悟しないといけない」

899以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:47:28 ID:axPxlTaQ

霞「…………」

霞「……ブサイク提督に……撤退を打電するわ」

朝潮「うん……それでいいと思う」

朝潮「次、また頑張ろう」

満潮「待ってよ!」

満潮「私はまだ戦えるわ!」

霞「旗艦は私よ。従いなさい」

満潮「何でよ霞!」

満潮「あのブ男みたいに安易に撤退を選んで!」

霞「っ!!」

霞「…………」

天龍「…………」

900以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:48:24 ID:axPxlTaQ

天龍「満潮」

満潮「何よ、ブ男の腰巾着」

天龍「なら、お前が今から旗艦をやるか?」

満潮「……は?」

天龍「お前が旗艦をやって、この先、戦闘を続行させ」

天龍「誰かが轟沈した場合」

天龍「その責任はお前になるが……それでいいな?」

満潮「な……」

天龍「旗艦ってのは……指揮官ってのは、な」

天龍「そういった命令を下した全員の命を預かっているんだ」

満潮「…………」

天龍「その覚悟や自覚がお前にあるってんのなら……」

天龍「今からでも旗艦をやらせてやる。やってみろ」

901以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:49:04 ID:axPxlTaQ

満潮「…………」

天龍「……どうした満潮」

天龍「やってみろよ!! ああ!?」

満潮「ひっ……」

霞「天龍……その辺にして」

天龍「ふん……」

霞「満潮……私の命令に従って」

満潮「…………」

満潮「……了解」

朝潮「…………」

大潮「…………」

902以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:50:01 ID:axPxlTaQ


―――――――――――


南方鎮守府 執務室


ブサ督「よく帰って来てくれた」

霞「…………」

満潮「…………」

朝潮「…………」

大潮「…………」

鳳翔「…………」

天龍「……おうおう、行きしなの勢いはどうしたぁ?」

天龍「さっさと任務報告しろ、霞」

903以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:51:17 ID:axPxlTaQ

ブサ督「…………」

霞「……当該海域の主力部隊撃滅を目指すも」

霞「道中の敵から……予想外である潜水艦から攻撃を受け」

霞「満潮と鳳翔に中破のダメージを負い、目的達成は困難と判断」

霞「撤退の決断を……下したわ」

満潮「…………」

朝潮「…………」

大潮「…………」

鳳翔「…………」

ブサ督「……そうか。大変だったな」

ブサ督「では、損傷した艦娘は入渠、高速修復材の使用を許可」

ブサ督「あとは、ゆっくり休んで、次の戦闘に備えてくれ」

904以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:52:03 ID:axPxlTaQ

霞「!?」

霞「ま、待ちなさいよ!」

ブサ督「ん?」

霞「私は……ミスをしたわ」

霞「その罰を受けさせないの?」

ブサ督「……最終的に霞の作戦行動に許可を出したのは俺だ」

ブサ督「だから、そんな必要はない」

霞「で、でも……」

ブサ督「むしろ……この状況で速やかに撤退を決断したのは」

ブサ督「俺としては好感が持てるくらいだ」

霞「ブサイク提督……」

905以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:53:04 ID:axPxlTaQ

ブサ督「なので、お咎め無し。それでも何か罰を受けたいのなら」

ブサ督「今度、飯でも奢ってくれ」

霞「…………」

霞「ふん……いいわよ」

霞「食堂で一番高いメニューをご馳走してあげるわ」

ブサ督「ああ。楽しみにしておこう」

―――――――――――

南方鎮守府 談話室


天龍「これで分かったか?」

天龍「敵海域の情報、艦隊構成、分析、それに対する艦娘の種類と装備」

天龍「全部、ブサイク提督が1から10まで考え、揃えて」

天龍「お膳立てしてくれてたんだ」

906以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:53:38 ID:axPxlTaQ

霞「…………」

満潮「…………」

朝潮「…………」

大潮「…………」

天龍「お前たちはな、自分の実力で勝ってたんじゃねえ」

天龍「ブサイク提督に『勝たせてもらってた』んだよ」

天龍「それを肝に銘じておけ」

霞「……了解」

満潮「……分かったわよ」

朝潮「……朝潮、肝に銘じます」

大潮「……よく分かりました」

907以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:54:32 ID:axPxlTaQ

天龍「ん」

     ゾロ ゾロ…

天龍「ふう……」

鳳翔「お疲れ様です、天龍さん」

天龍「鳳翔の方こそな……」

天龍「中破までさせちまった」

鳳翔「いえ……お気になさらず」

鳳翔「後方に増援部隊が控えているの知ってましたから」

鳳翔「安心してましたし」

天龍「……あのまま進んでても大丈夫な様にはしてあったが」

天龍「霞が撤退を決断するとは思わなかったよ」

鳳翔「きっと……根はいい娘なんでしょう」

天龍「……そうだな」

908以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:55:17 ID:axPxlTaQ


―――――――――――


南方鎮守府 執務室


天龍「――って感じで」

天龍「いい経験になったと思う」

ブサ督「そうか……」

ブサ督「でも天龍」

天龍「ん?」

ブサ督「わざわざお前が憎まれ役をやらなくても……」

天龍「……自分で決めた事だ」

天龍「あんな思いはもう……二度としたくねぇしな」

ブサ督「…………」

909以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:56:10 ID:axPxlTaQ

天龍「それにな、利根の言う通り」

天龍「ブサイク提督は優しすぎるんだよ」

ブサ督「そ、そうか?」

天龍「だから……かつての俺たちみたいに」

天龍「艦娘が付け上がっちまうんだ」

ブサ督「…………」

天龍「この利根が考えた方法は俺としても かなりいいと思う」

天龍「ブサイク提督のすごさを分からせるには」

天龍「自分たちで一から準備させて行動させればいい」

天龍「本当に効果的だ」

910以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:56:58 ID:axPxlTaQ

ブサ督「……イケメン提督指揮下での経験から学んだとか」

ブサ督「手紙には書いてあったな」

天龍「実際そうだろうさ」

天龍「この俺も……そうだからな」

ブサ督「…………」

天龍「ところでよ」

ブサ督「ん?」

天龍「前から聞きたかったんだが……ブサイク提督は」

天龍「どうして艦娘部隊の指揮官になろうと思ったんだ?」

ブサ督「……こ」

天龍「こ?」

911以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:57:57 ID:axPxlTaQ

ブサ督「こ、皇国の、海の安全を守るため……」

天龍「……ブサイク提督は嘘がヘタだな」

天龍「正直に言ってくれ」

ブサ督「……察してくれないか?」

天龍「ブサイク提督の口から聞きたいんだ」

ブサ督「…………」

ブサ督「……艦娘となら」

ブサ督「仲良く出来るかな……って……」

天龍「ふうん……」

ブサ督「十代後半の思春期真っただ中だったんだ」

ブサ督「今なら不純な動機だったって思ってるよ」

天龍「いいんじゃねーの?」

ブサ督「……へ?」

912以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:59:13 ID:axPxlTaQ

天龍「ブサイク提督も男なんだし」

天龍「そういう気持ちを抱くのも分からんでもないぜ?」

ブサ督「…………」

天龍「よく俺の胸ばっか見てたしな♪」

ブサ督「す、すまん……」

天龍「別にいいって」

天龍「それだけ俺に魅力があるって事でもあるんだからな」

ブサ督「…………」

天龍「何なら……揉ませてやろうか?」

ブサ督「」

天龍「ははは!」

913以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 20:59:56 ID:axPxlTaQ

ブサ督「……天龍」

天龍「すまん。冗談でも良くないよな」

ブサ督「分かればいい」

天龍「……でもよ」

天龍「本気だったら……どうする?」

ブサ督「…………」

ブサ督「……天龍」

ブサ督「もう、からかうのはそのくらいにしてくれ……」

天龍「……へいへい」

天龍「…………」

914以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:00:43 ID:axPxlTaQ

天龍「……なあ、ブサイク提督」

ブサ督「ん?」

天龍「この後……さ」

天龍「予定が無いのなら……二人で飯でも食わないか?」

ブサ督「ああ、いいぞ」

天龍「うっしゃあ!」

     バタン!

榛名「ブサイク提督さん!」

榛名「この後、榛名と一緒にご飯を食べませんか?」

ブサ督「あ……」

915以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:01:28 ID:axPxlTaQ

天龍「悪いな、榛名」

天龍「ブサイク提督は、この俺と夕飯を食べる約束を、今、したんだよ」

榛名「なっ……」

榛名「ぐぐぐっ……榛名、我慢しますっ」

ブサ督「いや、俺は別にみんなと一緒でも……」

天龍「なんだよ……」

天龍「俺と二人きりは……嫌だってのか?」

ブサ督「」

ブサ督「だ、誰もそんな事は言ってないだろ!?」

916以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:02:12 ID:axPxlTaQ

     ガチャ

電「失礼しま……」

ブサ督「…………」

天龍「…………」

榛名「…………」

電「……した」

     パタン

ブサ督「いや!?ちょっと待ってくれ!電!」

ブサ督「大丈夫だから!?」

     ガシッ

天龍「さ、俺と二人っきりで飯にしようぜ♡」

榛名「ぐぎぎぎぎっ」

ブサ督「」

917以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:03:14 ID:axPxlTaQ


―――――――――――


大本営 元帥の執務室


フツ督「……報告は以上です」

元帥「うむ」

元帥「後任のソース顔提督は、ちゃんと西方を守っているようだな」

フツ督「ええ……俺の代わりにしっかりと」

元帥「ふふふ……そう浮かない顔をするな」

元帥「私は貴様が大将になってくれて本当に感謝している」

フツ督「その代償で、俺の胃に穴が開きそうですよ……」

元帥「貴様なら大丈夫だ」

918以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:03:56 ID:axPxlTaQ

元帥「それでは明日の予定だが」

元帥「陸軍との合同演習に向けた調整を頼む」

フツ督「…………」

フツ督「……ひと月くらいかかりそうな案件なんですが」

元帥「これが済めば休暇を取らせよう」

元帥「秘書艦の龍田と共にな」

フツ督「…………」

元帥「頑張ってくれたまえ」

フツ督「……了解」

フツ督(うう……どうしてこんな事に)

元帥(…………)

919以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:04:55 ID:axPxlTaQ

元帥(ブサイク提督に彼を大将にする妙案は無いか相談したら)

元帥(一番の近道はフツメン提督に手柄を立てさせる事だと言われ)

元帥(あえて、脛に傷持つ敵対派閥の人物を先に大将職へ就かせた)

元帥(…………)

元帥(その後、フツメン提督にそいつを調べさせ)

元帥(そいつを引きずり降ろさせる事で手柄とし)

元帥(彼を大将へ昇進させる事に議会を納得させ)

元帥(私の派閥の大躍進となった……)

元帥(…………)

元帥(フツメン提督には悪い事をしてしまったが)

元帥(彼の人脈を私の派閥に組み込む事もできたし……)

元帥(ブサイク提督には、今度、何か贈り物でもしておこう)

920以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:05:35 ID:axPxlTaQ

元帥「ああ、そうそう」

元帥「以前、言われてた事だったが……」

フツ督「はい?」

元帥「メガネ提督」

元帥「貴様の指揮下に加える手続きが済んだ」

フツ督「!」

フツ督「あ、ありがとうございます!」

元帥「何でもブサイク提督のお墨付きだとか?」

フツ督「ええ」

フツ督「俺は全く知りませんでしたが」

フツ督「彼が言うには、同じ戦力で戦った場合」

フツ督「ショウユ顔提督もソース顔提督も敵わないだろうと」

921以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:06:53 ID:axPxlTaQ

元帥「……にわかには信じられない話だな」

フツ督「贔屓目もある、とは付け加えてましたけどね」

元帥「だが、その言葉を貴様は信じるのだな?」

フツ督「ええ」

フツ督「ブサイク提督の戦術、戦略は超一流ですから」

元帥「私も大いに期待しよう」

元帥「それと……」

フツ督「まだ何か?」

元帥「例の離島艦娘と深海棲艦についてのレポートだが」

フツ督「……ようやくお読みになられましたか」

元帥「厄介な事実を持ち込んでくれたな……」

元帥「こんなもの公表なんて絶対に出来ないぞ」

922以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:07:52 ID:axPxlTaQ

フツ督「でしょうね」

元帥「ふう……」

元帥「一部、公表したいものもあるが」

元帥「それをやると、どう考えても情報源を追及されてしまう」

元帥「そうなったら芋づる式に公表しなくては」

元帥「海軍の信用の失墜に繋がってしまうだろう」

フツ督「…………」

元帥「公表したらしたで、艦娘を敵視する連中も増えるだろうし」

元帥「対艦娘部隊創設派を勢い付かせてしまう」

フツ督「……全くもってその通りだと思います」

923以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:08:46 ID:axPxlTaQ

元帥「まあ、そういう訳だから」

元帥「海軍への情報提供には感謝するが」

元帥「私が元帥職である限り、この情報は秘匿し続ける事とする」

フツ督「ええ。それで構いません」

フツ督「私としても元帥閣下に知っておいて欲しかっただけですので」

元帥「ふん……」

元帥「抜け抜けと言いおって……」

フツ督「腹黒ですので」

元帥「よろしい。それでこそ私が見込んだ男だ」

フツ督「はっ」

元帥「では、明日からも頼むぞ」

元帥「フツメン大将」

フツ督「了解です」

924以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:09:44 ID:axPxlTaQ


こうして……

イケメン提督による一連の騒動は幕を閉じた。


彼によるとされる大損害での艦娘の犠牲に加え

大将職が短期間に二人も辞任するという

不名誉な出来事に見舞われ

海軍の信用は一時期、大きく失墜する事になった。


が、新たに大将へ就任した若手のフツメン提督は

その手腕をいかんなく発揮し

各方面艦娘艦隊は一部で新たな提督を迎え

戦力の再編と拡充、国民への信用回復を少しずつ進めている。

.

925以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:10:59 ID:axPxlTaQ


北方は厳冬期に入り、深海棲艦の活動が

一時的とはいえ鈍るため、当該主力である金剛と比叡は

南方へ転属。

さらに南方では、金剛型4番艦である霧島が加わり

金剛型4姉妹が勢ぞろいした、という事で

紙面を大いに賑わせ、これも海軍の信用回復に繋がる事となった。


しかし……深海棲艦との戦いは、まだまだ混迷を極め

人々が安心して海を渡るには時間が掛かりそうであった。

.

926以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:11:34 ID:axPxlTaQ


―――――――――――


数日後のある日

西方海域 例の離島の砂浜


     ザザーン… ザザーン…


榛名「久しぶりですね、ここへ来るのも」

ブサ督「ああ……そうだな」

     ザッザッザッ

榛名「灰色の髪の君さん」

榛名「お久しぶりです」

ブサ督「…………」

927以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:12:12 ID:axPxlTaQ

ブサ督「ここも温かいな……」

ブサ督「内地は真冬で雪が降っている頃だというのに」

榛名「不思議ですね」

榛名「緯度とか経度とか、地球の地軸とか」

榛名「そういう理屈は分かってても」

榛名「今、この瞬間、同じ星で、違う気候が存在するんですから」

ブサ督「……そうだな」

ブサ督「この世の中は不思議でいっぱいだ」

榛名「ふふふ」

ブサ督「…………」

ブサ督「榛名」

榛名「はい?」

928以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:12:57 ID:axPxlTaQ

ブサ督「その……こういうのは慣れてなくて」

ブサ督「正しいやり方かどうかも良く分からんのだが……」///

榛名「?」

ブサ督「……俺は」///

ブサ督「榛名の事が……好きだ」///

榛名「!!」

ブサ督「…………」///

榛名「ブサイク提督さん……」///

榛名「榛名……嬉しいです!」///

榛名「榛名もブサイク提督さんの事が、大好きです!」///

ブサ督「あ、ありがとう、榛名」///

929以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:13:54 ID:axPxlTaQ

ブサ督「そ、それで、だな」

ブサ督「これを……受け取って欲しい」

榛名「指輪……ですか?」

ブサ督「うん……海軍艦娘部隊の伝統で」

ブサ督「好意を寄せる艦娘に指輪を送って結ばれると……」

ブサ督「その二人はずっと幸せになれるっていうものなんだ」

榛名「まあ……うふふ」

榛名「とっても素敵な伝統ですね♪」

ブサ督「ははは……喜んでくれて良かった」

     キラン☆

榛名「榛名、大事にします!」

ブサ督「うん」

930以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:14:56 ID:axPxlTaQ


     ザザーン… ザザーン…


ブサ督「……近いうちに」

ブサ督「俺の両親に会って欲しいんだが、いいか?」

榛名「はい、構いません」

榛名「ブサイク提督さんのご両親ですから」

榛名「榛名、今から楽しみです♪」

ブサ督(……俺がこんな美人を連れて帰って来たら)

ブサ督(とーちゃん、かーちゃん、腰抜かすだろうなぁ)

ブサ督「……そうだ」

ブサ督「榛名、内地へ帰ったら、何かやりたい事はあるか?」

榛名「やりたい事、ですか?」

ブサ督「そう」

931以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:15:26 ID:axPxlTaQ

ブサ督「例えば美味しいものを食べたい、とか」

ブサ督「映画を見たい、とか……」

榛名「う〜ん……」

ブサ督「…………」

榛名「……そうですね」

榛名「榛名は……桜が見たいです」

榛名「ブサイク提督さんと二人で!」

ブサ督「!」

932以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:16:07 ID:axPxlTaQ


 「私は……自分の名前に使わせてもらった」

 「桜の花を見たい」

 「……ブサイク提督と二人で」


ブサ督「…………」

ブサ督「…………」 ポロポロ

榛名「えっ!?」

榛名「あ、あの、ブサイク提督さん!?」

     グイッ…

ブサ督「……大丈夫」

ブサ督「大丈夫だ、榛名」

933以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:16:41 ID:axPxlTaQ

榛名「でも……」

ブサ督「悲しくて泣いたんじゃない」

ブサ督「嬉しかったんだ」

榛名「そう……なのですか?」

ブサ督「ああ」

榛名「…………」

ブサ督「来年……春になったら」

ブサ督「内地に戻って、桜を見に行こう」

ブサ督「必ず、榛名と二人で」

榛名「はい!」

934以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:17:44 ID:axPxlTaQ


俺は……自分の顔の醜さをずっと呪ってきた。

ガキの頃は、この境遇に何度も泣いて死にたくなった。


周りは俺をバカにする奴ばかりだったが

わずかながら友達も居た。

おかげで俺は道を踏み外さずにいられたが

友人に彼女が出来てからは疎遠になった。

.

935以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:18:20 ID:axPxlTaQ


悔しかった。

俺はかすかな希望にすがって

海軍艦娘部隊の士官学校へ入学した。

……艦娘の反応も同じだった。


でも俺は思い違いをしていた。

そこにある艦娘には命があって

浮ついた気持ちで扱っていいものでは無かったのだ。

.

936以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:19:07 ID:axPxlTaQ


……俺と話をしてくれた艦娘たちの命を

俺の命令で失ってしまった。

恐ろしかった。

悲しかった。

罪悪感が俺の心を苛(さいな)んだ。

この世の中は俺に悪意しかないのかと

絶望した。

.

937以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:19:54 ID:axPxlTaQ


俺は努力をした。

艦娘の命を二度と無駄にしない為に

作戦を考え、地形を調べ上げ

少しでも艦娘が傷つかない方策を

模索し続けた。


……気が付けば

鎮守府の司令官に上り詰めたが

一般の婦女子も艦娘の態度も変わらなかった。

.

938以下、名無しが深夜にお送りします:2020/11/13(金) 21:20:32 ID:axPxlTaQ


それでもいいじゃないか

これで良かったんだ。

……そんな言葉で誤魔化していたが

現実は俺の心を

少しずつ蝕んで凍らせて行くのが

ひしひしと感じられて辛かった。

.


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