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【艦これ】ブサ督「イケメンに限るって……真理だよな」
760
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:22:21 ID:TTdZ85hY
フツ督「そこでイケメン提督にお尋ねしますが」
フツ督「どの様な作戦意図があって」
フツ督「緊急規制を遠征部隊に使用したのでしょうか?」
…………
イケ督「…………ぐ」
イケ督「軍事機密に……関わるので」
イケ督「この場での回答は控えさせていただきます」
…………
フツ督「分かりました」
フツ督「それでは、それらを踏まえた上で」
フツ督「北方鎮守府の行方不明部隊を調べてみたのですが」
フツ督「そこでも重要な事が判明しました」
761
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:23:13 ID:TTdZ85hY
ザワッ
イケ督(クソッ!)
イケ督(これ以上何が分かったんだ!)
フツ督「ここでゲストを呼びたいと思います」
フツ督「中尉」
中尉「了解です」
…………
中尉「それでは、ご紹介します」
大淀「…………」
中尉「彼女は、北方方面艦隊鎮守府で秘書艦をやっている」
中尉「大淀、と呼ばれている艦娘です」
大淀「……よろしくお願いします」
…………
762
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:24:03 ID:TTdZ85hY
フツ督「紹介ありがとう、中尉」
フツ督「さて、大淀」
フツ督「行方不明になった遠征部隊に」
フツ督「緊急規制が掛けられた当時の状況を教えてくれ」
イケ督「!!」
イケ督「ま、待て!」
イケ督「それは軍事機密に抵触する!」
元帥「……私の権限で発言を許可しよう」
イケ督「っ!!」
元帥「続けたまえ」
フツ督「ありがとうございます、元帥閣下」
763
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:24:52 ID:TTdZ85hY
イケ督「…………」 ギリッ…
…………
フツ督「では、大淀。 話してくれ」
大淀「はい」
大淀「当時……我が鎮守府の主力艦娘は某敵泊地を攻略中でして」
大淀「想定よりも多い敵艦隊から攻撃を受けている」
大淀「と、連絡がありました」
フツ督「ほう」
大淀「行方不明になった遠征部隊に緊急規制が掛けられた時間は」
大淀「ちょうどその連絡の直後くらいになります」
イケ督「……っ」
764
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:25:46 ID:TTdZ85hY
フツ督「ほう……それで?」
フツ督「主力艦娘の方はどうなったのかな?」
大淀「彼女たちの話では……」
大淀「敵からの激しい攻撃を受けていたものの、突然」
大淀「何の前触れもなく攻撃がやみ、撤退に成功した、との事です」
ドヨッ…
イケ督「…………」
フツ督「ありがとう、大淀」
フツ督「下がってくれ」
大淀「はい」
…………
フツ督「さて、イケメン提督殿」
フツ督「何か間違いはあるかな?」
765
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:26:27 ID:TTdZ85hY
イケ督「…………」
フツ督「貴殿の戦術がどんなものか、それは私の知るところでは無いが」
フツ督「これでは遠征部隊を囮にでも使ったのかと疑っ」
イケ督「ち、違う!」
イケ督「断じて違う!」
…………
元帥「……落ち着きたまえ、イケメン提督」
元帥「軍事機密に関わるという貴君の意見を尊重しよう」
イケ督「はっ……」
元帥「だが、後で文書での回答は求めさせてもらう」
イケ督「…………」
766
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:27:16 ID:TTdZ85hY
元帥「フツメン提督」
元帥「貴君も想像でモノを言うのは慎みたまえ」
フツ督「はっ。申し訳ありません」
元帥「では……続けてくれ」
フツ督「了解です」
…………
フツ督「えーそれでは最後になりますが」
フツ督「新聞各紙で報じられている」
フツ督「ブサイク提督の指揮に対する疑惑について」
フツ督「ここからは本人に申し開きをしてもらいましょう」
…………
ブサ督「……どうも。ブサイク提督です」
767
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:28:28 ID:TTdZ85hY
ブサ督「一部、軍事機密に触れますが」
ブサ督「元帥閣下の許可を得たので、話せる部分だけ話します」
ブサ督「まず、私が南方鎮守府に着任した当時」
ブサ督「かの地は極端な戦力・物資不足をおこしており」
ブサ督「支配海域の戦線維持すらままならない状況だったと」
ブサ督「言っておきます」
ザワッ…!
イケ督「…………」
ブサ督「その為、やむを得ず」
ブサ督「一部支配海域を切り捨てる判断を下しました」
ブサ督「自分からは以上です」
…………
フツ督「ありがとう、ブサイク提督」
768
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:29:31 ID:TTdZ85hY
フツ督「……これはどういう事なのか?」
フツ督「南方はイケメン提督が平定間近まで押していたはず」
フツ督「私も今現在、記者の皆さんと同様の疑問を抱きました」
…………
フツ督「そして、内密に調べた結果」
フツ督「何と、イケメン提督の独断で南方鎮守府の主力艦娘を」
フツ督「北方鎮守府へと移動させていた事が判明したのです」
イケ督「っ!」
ザワッ…!
フツ督(このネタは元大将がイケメン提督を糾弾するために)
フツ督(したためていたものだがな)
フツ督(これだけは元大将に感謝しかない)
769
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:30:21 ID:TTdZ85hY
フツ督「……以上の事から」
フツ督「ブサイク提督に何ら落ち度はなく」
フツ督「むしろ主力艦娘不在でロクな戦力も物資も無い中」
フツ督「よく南方鎮守府を守り抜いたものだと」
フツ督「私としては畏敬の念すら抱いている次第であります」
イケ督「…………」
ブサ督「…………」
…………
元帥「……イケメン提督」
元帥「何か申し開きたい事はあるかね?」
イケ督「…………」
イケ督「こ、これは……大本営からの指示で」
770
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:31:19 ID:TTdZ85hY
フツ督「残念ながら」
フツ督「この当時、大本営が出した指示は」
フツ督「指揮官の交代だけで、戦力の移動は命令されていない」
イケ督「くっ……」
フツ督「冒頭で言ったが」
フツ督「大本営と各方面艦隊司令官は、連絡を取り合い」
フツ督「ある程度の信頼関係で成り立っている」
フツ督「貴殿のこの行為は、その信頼を裏切る行為に他ならないと」
フツ督「私は思うのだが?」
イケ督「そ、そういう事ではない!」
イケ督「そもそもは大本営の指示が原因で大打撃を受けた……」
!?
771
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:32:04 ID:TTdZ85hY
イケ督「あっ……」
ザワ ザワ…
元帥「……イケメン提督」
元帥「大打撃を受けた……とは、どういう事かね?」
元帥「私は何も聞いておらぬが?」
イケ督「!!」
イケ督(しまった……!)
イケ督(疑惑をこれだけ向けられた状態で)
イケ督(元帥にしらを切られたら……!)
イケ督(大打撃を受けた責任を俺のせいにされてしまう!!)
イケ督(ハメられた!)
ブサ督「…………」
772
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:32:56 ID:TTdZ85hY
イケ督「ま、待ってください!」
イケ督「そ、そもそもの問題なんです!」
イケ督「私は、大将閣下からの命令に従っ」
元帥「もう良い!」
元帥「くだらない言い訳は皇国軍人らしからぬぞ!」
イケ督「ぐっ……!」
ザワ ザワ…
中尉「静粛に、静粛に願います」
…………
中尉「……それではフツメン提督」
中尉「他に何かありますでしょうか?」
773
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:33:43 ID:TTdZ85hY
フツ督「……私からは以上です」
中尉「ありがとうございました」
中尉「えー続きまして」
中尉「元帥閣下より、総括してのお言葉がございます」
中尉「元帥閣下、どうぞ」
元帥「うむ」
…………
元帥「まず、新聞各社の皆さんの報道に関する熱意は」
元帥「十分すぎるほど理解している」
…………
元帥「しかしながら」
元帥「海軍総司令官としては今回、過剰に報道された部分もあり」
元帥「いささか憤りも感じるところであると、言わざるを得ない」
774
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:34:32 ID:TTdZ85hY
…………
元帥「よって、ここである程度の決定を発表しようと思う」
!?
元帥「まず、元大将の辞職に伴う大将職人事だが」
元帥「これの候補にイケメン提督は入れない事を伝える」
イケ督「……っ」
…………
元帥「次に」
元帥「イケメン提督とブサイク提督についてだが」
元帥「懸案についての文書の提出を求め」
元帥「その文書の内容によっては何らかの処分を下す」
775
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:35:28 ID:TTdZ85hY
フツ督「…………」
ブサ督「…………」
イケ督「…………」
元帥「以上が……海軍総司令官として」
元帥「現時点での決定事項であると宣言する」
…………
元帥「私からは以上だ」
中尉「元帥閣下、ありがとうございました」
中尉「……えーそれでは、これを持ちまして」
中尉「今回の緊急記者会見を終了とさせていただきます」
!?
中尉「各新聞社の記者の皆さん」
中尉「ご清聴、ありがとうございました」
776
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:38:57 ID:TTdZ85hY
えっ!?
ちょっと待ってくださいよ!
質問が有るのですが!!
中尉「会見は以上です」
中尉「質問は受け付けません」
ギャー! ギャー!
―――――――――――
ツカ ツカ ツカ!
イケ督(クソッ!)
イケ督(クソッ!クソッ!クソッ!)
イケ督(どうしてこうなったんだ!?)
イケ督(とにかく、北方鎮守府に戻って――)
777
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:39:30 ID:TTdZ85hY
ガシッ
イケ督「!?」
イケ督「な、何をする!?」
憲兵A「イケメン提督殿」
憲兵A「元帥閣下のご命令で、文書による回答があるまで」
憲兵A「ホテルにて身柄を更迭(こうてつ)させていただきます」
イケ督「なっ……」
憲兵B「こちらに車を用意してあります」
憲兵B「どうぞ」
イケ督「は、放せ!」
イケ督「北方鎮守府に……資料、そう」
イケ督「必要な資料があるんだ!」
778
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:40:19 ID:TTdZ85hY
憲兵A「元帥閣下は後で整合性を取れば問題ないと仰せです」
イケ督「くっ……」
憲兵B「書類作成に必要なものはこちらで用意します」
イケ督「…………」
憲兵B「さ、行きましょう」
―――――――――――
大本営 元帥の執務室
元帥「……やれやれ」
元帥「何とか上手く行ったな」
フツ督「彼は、私が思っていたより頭が悪かった様です」
フツ督「しらを切った場合も想定していたんですが」
フツ督「必要ありませんでした」
779
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:41:18 ID:TTdZ85hY
ブサ督「…………」
元帥「しかし……海軍も無傷では済まんな」
フツ督「ええ……まず考えられるのは」
フツ督「艦娘が行方不明となっている事を暴露しましたから」
フツ督「艦娘の家族から安否確認が殺到するでしょう」
元帥「……事実を伝えねばな」
元帥「イケメン提督のせいに出来たが犠牲は変わりない」
元帥「慰労金や一時金の支払いも準備しないと……」
フツ督「大蔵省が青筋立てるのは間違いないでしょうね」
元帥「これで一応の区切りとなるが、やる事は山積みだな」
元帥「あとの問題は……」
780
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:42:16 ID:TTdZ85hY
フツ督「天龍の事ですね」
元帥「その後の動向はどうなっている?」
フツ督「残念ながら掴めていません……」
フツ督「よほど警戒しながら沿岸部沿いを進んでいるのか」
フツ督「それともいったん沖に出て、大回りでもしているのか」
ブサ督「…………」
元帥「ブサイク提督」
ブサ督「はい」
元帥「貴君から何か……意見は無いかね?」
ブサ督「……申し訳ありません」
元帥「そうか……」
ブサ督「…………」
781
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:43:04 ID:TTdZ85hY
元帥「いや、気にしないでくれ」
元帥「君の働きはここに居るフツメン提督や大淀」
元帥「そして今回の機転で十分知る事が出来た」
元帥「ありがとう」
ブサ督「元帥閣下……」
ブサ督「もったいないお言葉です」
元帥「今度、機会があれば酒でも酌み交わそう」
ブサ督「ありがとうございます」
元帥「これからも海軍に対し、尽力してくれたまえ」
ブサ督「はっ」
フツ督「…………」
782
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:43:54 ID:TTdZ85hY
―――――――――――
帝都 大通り付近
男「号外!号がぁい!」
男「イケメン提督の大スキャンダルだよ〜!」
ザワ ザワ
フード女「…………」
バサッ…
フード女「…………」
イケメン提督、裏の顔!
フード女「…………」
783
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:44:29 ID:TTdZ85hY
遠征任務艦娘の無線封じ!
フツメン提督は囮作戦を示唆
イケメン提督の黒い戦術!
行方不明艦娘、実に12名!
無許可の戦力移動
大本営、信頼を裏切る行為と糾弾
フード女「…………」
フード女「…………」
フード女「…………」
784
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:45:00 ID:TTdZ85hY
フード女「…………」
フード女「……!」
イケメン提督、ホテルにて更迭か?
他、2提督も同ホテルにて宿泊
フード女「…………」
フード女「…………」 ニヤリ…
785
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 14:45:46 ID:TTdZ85hY
本日はここまでです。
786
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 15:26:22 ID:8mH9W3uI
乙
787
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 18:50:06 ID:1ulJVcJk
乙
>>777
とか
>>784
の「更迭」の使い方は間違い
提督の職務から追い出すのが「更迭」で、ホテルに缶詰にしてるだけならば「拘束(こうそく)」が妥当と思われ
あるいは類義語の「勾留(こうりゅう)」だったり、「禁固(きんこ)」「監禁(かんきん)」またはホテルという部外施設だから「軟禁(なんきん)」も悪くない
別件、防衛省は所属共済組合の運営によるホテル「グランドヒル市ヶ谷」を間接的に保有してて、コレは防衛省本庁のすぐ隣
ホテルグランドヒル市ヶ谷 - 公式サイト
ttps://www.ghi.gr.jp/index.html
結構な高級ホテルだが、ブサ督やフツ督が宿泊したりイケ督が拘束されたホテルのモデルとしては、とてもピッタリだと思う
788
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 19:10:35 ID:TTdZ85hY
>>878
ご指摘ありがとうございます。
>>777
修正↓
789
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 19:12:10 ID:TTdZ85hY
ガシッ
イケ督「!?」
イケ督「な、何をする!?」
憲兵A「イケメン提督殿」
憲兵A「元帥閣下のご命令で、文書による回答があるまで」
憲兵A「ホテルにて身柄を一時、拘束させていただきます」
イケ督「なっ……」
憲兵B「こちらに車を用意してあります」
憲兵B「どうぞ」
イケ督「は、放せ!」
イケ督「北方鎮守府に……資料、そう」
イケ督「必要な資料があるんだ!」
790
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 19:12:53 ID:TTdZ85hY
>>784
修正↓
791
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/08(日) 19:13:26 ID:TTdZ85hY
フード女「…………」
フード女「……!」
イケメン提督、ホテルにて拘束か?
他、2提督も同ホテルにて宿泊
フード女「…………」
フード女「…………」 ニヤリ…
792
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/09(月) 01:57:47 ID:AbwcfRiA
乙乙
天龍はまだ誰も傷付けて無いうちに誰かに止めてもらえたらと思うけども……
793
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:38:17 ID:ODA80pmQ
―――――――――――
その日の夜
帝都 ホテル イケメン提督の部屋
憲兵A「…………」
憲兵B「…………」
イケ督「…………」
イケ督「……おい」
憲兵A「何でしょうか?」
イケ督「息が詰まる」
イケ督「少し出歩かせてくれ」
憲兵A「文書が完成するまではダメです」
イケ督「少しくらい、いいだろう?」
794
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:38:59 ID:ODA80pmQ
憲兵A「許可できません」
イケ督「そうかよ……」
憲兵A「…………」
憲兵B「…………」
イケ督(……クソッ!)
イケ督(これは本気だな……)
イケ督(…………)
イケ督(どうして俺がこんな目に……)
イケ督(クソッ!クソがッ!)
795
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:40:12 ID:ODA80pmQ
―――――――――――
同ホテル ロビー付近
フツ督「ほら、君の部屋の鍵だ」
大淀「……ありがとうございます」
大淀「ですが、本当によろしいのですか?」
フツ督「今さらだが、大本営のあの部屋は窮屈だっただろう」
フツ督「君への感謝の気持ちも含めての意味もある」
フツ督「今日くらいはゆっくり休んでくれ」
大淀「……分かりました」
大淀「お言葉に甘えさせていただきます」
フツ督「ああ」
テク テク テク…
796
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:41:43 ID:ODA80pmQ
フツ督「…………」
フツ督「さて、俺たちも行くか」
龍田「ええ」
龍田「と、言いたいところだけど……」
龍田「少し用事が出来たの」
フツ督「ん?用事?」
龍田「女の子の日よ」
フツ督「ああ……分かった」
フツ督「部屋は分かるな?」
龍田「ええ」
フツ督「じゃ、部屋でディナーを用意して待ってる」
797
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:42:27 ID:ODA80pmQ
龍田「あら」
龍田「それは急いで用事を片付けないといけないわね」
フツ督「ま、ご期待に添えればいいけどな」
龍田「うふふ」
龍田「それじゃ後で」
フツ督「ああ」
スタ スタ スタ…
ブサ督「…………」
榛名「…………」
ブサ督(……なんか次元の違うやり取りしてるなぁ)
ブサ督(あの二人……)
榛名(榛名も……ああいうのやってみたいです)
798
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:43:16 ID:ODA80pmQ
ブサ督「……榛名」
榛名「!」
榛名「は、はい!」
ブサ督「その……部屋でディ、ディナー?」
ブサ督「取るか?」
榛名「は、はい!」
榛名「榛名、ディナー?取ります!」
ブサ督「よ、よし」
フツ督「…………」
フツ督(微笑ましいなぁ)
799
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:44:01 ID:ODA80pmQ
―――――――――――
同ホテル ブサイク提督の部屋
榛名「わあ……」
榛名「ブサイク提督さん、窓の方、見てください」
榛名「夜景が綺麗です!」
ブサ督「うん。確かに」
ブサ督「でも料理が冷めてしまう」
ブサ督「景色を眺めるのは後にしよう」
榛名「はい」
スタ スタ スタ ストン
ブサ督「いただきます」
榛名「いただきます」
800
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:44:55 ID:ODA80pmQ
モグ モグ
榛名「ん……美味しいです」
ブサ督「確かに旨いな」
榛名「えと……どのお料理がディナーなのですか?」
ブサ督「え?……あーそのディナーって言うのはな」
ブサ督「英語……フランス語だったか?」
ブサ督「その、外国語で『夕飯』って意味だよ」
榛名「!?」
榛名「そ、そうだったのですか……」
榛名「榛名、知りませんでした……」
ブサ督「このくらい、そんな気にする事じゃない」
榛名「…………」
801
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:45:48 ID:ODA80pmQ
ブサ督「俺だって知らない事なんざ、たくさんある」
ブサ督「いちいち気にしてたら切りがない」
榛名「そうなのですか?」
ブサ督「ああ」
ブサ督「例えば……この食事だって」
ブサ督「テーブルマナーとかいうルールが存在するが」
ブサ督「俺は全く知らん」
榛名「お食事にルールがあるんですか?」
ブサ督「日本で言うとな」
ブサ督「お箸で豆腐をブスッと刺したり」
ブサ督「爪楊枝みたいに使ったりするのは、お行儀の悪い行為とされている」
榛名「そうだったんですか……」
802
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:46:30 ID:ODA80pmQ
ブサ督「でもこう言っちゃなんだけど」
ブサ督「そんなもん全部守ってたら、食った気がしないわ」
榛名「えっ」
ブサ督「……まあ、ある程度は仕方ないが」
ブサ督「知らなかった事はどうしようもない」
ブサ督「けど知ったあと、どうするかは……」
ブサ督「いや、どう生かすかは、自分次第かな」
榛名「はい!」
榛名「榛名、この失敗を生かします!」
ブサ督「そ、そう気張らなくていいから」
ブサ督「要は……楽しんで食事を取ればいいんだ」
榛名「はい!榛名は、もう楽しんでます♪」
ブサ督「ははは、良かった」
803
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:48:18 ID:ODA80pmQ
―――――――――――
同ホテル フツメン提督の部屋
フツ督「…………」
コン コン ガチャ
龍田「お待たせ」
フツ督「おっ、来たか」
キィ パタン
龍田「ディナーには間に合ったかしら?」
フツ督「帰りがいつになるか、聞いてなかったから」
フツ督「軽食にしておいた」
804
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:49:05 ID:ODA80pmQ
龍田「あらら」
龍田「豪華ディナーはサンドイッチですか」
フツ督「冷めたスープなんて旨くないしな」
フツ督「その代り……」
カラン…
フツ督「良く冷えたシャンパンを頼んでおいた」
龍田「うふふ、気が利くじゃない」
フツ督「食後にはコーヒーなんてどうだ?」
龍田「いいかも」
フツ督「じゃ、そうしよう」
フツ督「席についてくれ」
龍田「はぁい」
805
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:49:49 ID:ODA80pmQ
キュポン
トクトクトク…
フツ督「どうぞ」
龍田「いただきます」
ゴク…
龍田「うん……美味しいわ」
グビッ
フツ督「ふう……確かに旨いな」
龍田「結構するシャンパン?」
フツ督「ちょいとな」
龍田「あら、そこは最高級とか言わないの?」
806
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:50:49 ID:ODA80pmQ
フツ督「確かに飲みたかったけど、持ち合わせがな……」
龍田「ああ……」
龍田「銀行、もう閉まってるものね」
フツ督「そういう事」
フツ督「俺は……君が居てくれればそれでいいさ」
龍田「ふふふ」
龍田「安っぽいセリフね」
フツ督「……結構決めたつもりだったんだけどな」
龍田「冗談よ」
龍田「あなたから言われて嬉しくない訳ないじゃない」
フツ督「それはそれは」
807
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:51:43 ID:ODA80pmQ
フツ督「さて、メインディッシュの方に行きま……」
ドドーン… ドンッ ドンッ…
フツ督「ん?」
龍田「ん?」
フツ督「何の音だ?」
龍田「遠くで花火大会でもやってるのかしら?」
スタ スタ スタ…
フツ督「…………」
龍田「…………」
フツ督「……どこも花火なんてやって無さそうだが」
龍田「……!」
龍田「フツメン提督! あそこ!」
808
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:52:26 ID:ODA80pmQ
フツ督「…………」
フツ督「あっ、火の手が上がってるな」
フツ督「事故でもあったのか?」
龍田「何呑気な事を言ってるのよ!」
龍田「あの方角……大本営の方じゃないの!?」
フツ督「…………」
フツ督「あっ!?」
フツ督「天龍か!?」
龍田「すぐ向かいましょう!」
フツ督「よし!」
809
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:53:19 ID:ODA80pmQ
バタン!
タッ タッ タッ
フツ督「!」
フツ督「ブサイク提督!」
ブサ督「!」
ブサ督「フツメン提督」
フツ督「騒ぎは知ってるな?」
ブサ督「ああ、たぶん天龍だろう」
タッ タッ タッ
大淀「あ、ブサイク提督にフツメン提督!」
大淀「この騒ぎは……天龍さんでしょうか?」
ブサ督「タイミングからして、おそらくな」
フツ督「よし、俺は車を拾って来る」
ブサ督「いや、必要ない」
810
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:54:07 ID:ODA80pmQ
フツ督「何?走って行くつもりか?」
ブサ督「違う」
ブサ督「それよりもイケメン提督の部屋はどこか分かるか?」
フツ督「イケメン提督の?」
フツ督「それなら下の階だが……」
ブサ督「よし、俺はそこへ向かう」
フツ督「何故だ?火の手が上がったのは大本営だぞ?」
ブサ督「……天龍が今日の号外を見ているとしたら?」
フツ督「…………」
龍田「!」
大淀「!」
榛名「!」
811
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:54:57 ID:ODA80pmQ
フツ督「……良く分かった」
フツ督「イケメン提督の部屋へ急ごう」
タッ タッ タッ…
―――――――――――
イケ督「おい、どうなってるんだ?」
イケ督「何が起こっている?」
憲兵A「……ちょっと待っていてください」
ヒソヒソ…
憲兵B(ダメだ……通信が混線している)
憲兵B(下まで降りて、俺が確認してくる)
憲兵A(頼む)
憲兵B(イケメン提督は任せた)
812
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:55:34 ID:ODA80pmQ
イケ督「…………」
憲兵A「……ちょっとした事故が発生した様だ」
憲兵A「イケメン提督はここに居ろ、との事」
イケ督「ちょっとした事故ねぇ……」
イケ督「本当なのか?」
憲兵B「じゃ、ここは任せたぞ」
憲兵A「ああ」
ガチャ キィ パタン
イケ督「…………」
!?
ナンダ貴様… グアッ!
ドサッ…
813
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:56:15 ID:ODA80pmQ
憲兵A「!?」
イケ督「!?」
イケ督「お、おい……今の音は」
憲兵A「下がっていろ」
スチャッ…
憲兵A「…………」つ(拳銃)
イケ督「…………」
ドガアァァンッ!!
憲兵A「ぐあっ!?」
イケ督「ひ、ひいいいいいいっ!!」
イケ督(と、扉が……爆発した!?)
814
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:57:05 ID:ODA80pmQ
憲兵A「」
イケ督「お、おい、大丈夫か?」
憲兵A「」
イケ督「気絶とか止めろよ、おい!」
イケ督「誰が俺を守るんだよ!?」
ジャリ…
イケ督「!」
フード女「…………」
イケ督「…………」
フード女「……見ツケタ」
バサッ!
イケ督「!?」
815
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:57:59 ID:ODA80pmQ
天龍?「…………」
イケ督「し……深海…棲艦……!?」
天龍?「ふフふ……コロス」
イケ督「ひいいいいいっ!!」
大淀「天龍さんっ!!」
天龍?「!」
イケ督「!?」
イケ督(て、天龍……天龍だと!?)
大淀「もう止めてください!」
天龍?「……邪魔ヲするナ……オオよド」
大淀「気持ちは分かるつもりです……」
大淀「ですが」
816
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:58:51 ID:ODA80pmQ
大淀「イケメン提督は、これから社会的制裁を受け」
大淀「死ぬより辛い目に合う予定です!」
イケ督「」
天龍?「…………」
大淀「ですから、殺す必要は無いんです!」
イケ督(……いくら何でも酷くないか、その説得)
天龍?「……どケ……おオヨド」
大淀「!」
大淀「天龍さん!」
バキッ!
大淀「きゃあっ!」
817
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 21:59:39 ID:ODA80pmQ
フツ督「大淀!」
榛名「大淀さん!」
龍田「…………」
ザッ…
ブサ督「…………」
天龍?「…!」
天龍?「ブさイク……提督……」
ブサ督「…………」
天龍?「ドけ……俺ノ邪魔をスルナ……」
ブサ督「……もう許してやれ、天龍」
大淀「」
フツ督「」
榛名「」
818
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:00:20 ID:ODA80pmQ
天龍?「……何を言っテイる」
天龍?「このクズヲ許せル訳……無いダロ!」
ブサ督「違う」
ブサ督「イケメン提督の事じゃない」
天龍?「ナに?」
ブサ督「俺が言っているのは……」
ブサ督「お前自身の事だ、天龍」
天龍?「…………」
天龍?「意味が分からんゾ……」
天龍?「……どけ、くダラない話をスルな」
819
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:01:20 ID:ODA80pmQ
ブサ督「お前は……イケメン提督の口車に乗せられてしまった」
ブサ督「自分自身が許せないんだ」
ピクッ
大淀「…………」
フツ督「…………」
榛名「…………」
天龍?「……何を……言っている」
ブサ督「俺は……お前が文句を言いつつも」
ブサ督「言われた仕事はきっちりこなし」
ブサ督「低練度の艦娘の面倒見が良い事も知っている」
天龍?「…………」
ブサ督「大淀からおおよその話は聞いた」
820
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:02:28 ID:ODA80pmQ
ブサ督「あの状況で、お前がイケメン提督の要請を」
ブサ督「二つ返事で応じたとは思えない」
天龍?「…………」
ブサ督「たぶんだが……最初は断ったか、少なくとも」
ブサ督「低練度の艦娘を実戦投入する事に対し、安全確認をしたはずだ」
天龍?「…………」
ブサ督「だが……最終的に」
ブサ督「お前はイケメン提督の甘い言葉に乗せられる決断を下した」
天龍?「……黙れ」
ブサ督「お前が許せないのは……」
ブサ督「そんな決断を下し、仲間を死なせてしまった」
ブサ督「自分自身なんだろう?」
821
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:03:39 ID:ODA80pmQ
天龍?「黙れト言ってイル!!」
ブサ督「!!」
バキッ!
榛名「……ブサイク提督さんは」
榛名「この榛名が守ります……!」
天龍?「くっ……!」
ブサ督「天龍!」
天龍?「黙れ!」
天龍?「お前ニ……何が分カる!?」
天龍?「あいつらがどれだけ無念だったか……!」
ブサ督「俺には、お前の気持ちが良く分かる」
天龍?「!?」
822
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:04:42 ID:ODA80pmQ
天龍?「……ウソを付くナ!」
天龍?「こンな事を……簡単に分カラれてタマるか!!」
ブサ督「何故なら……俺は」
ブサ督「自分の命令が原因で何人もの艦娘を死なせているからだ!」
天龍?「っ!!」
フツ督「…………」
大淀「…………」
榛名「…………」
ブサ督「……立場は違えど」
ブサ督「自分の下した判断で仲間を死なせたのは同じ」
ブサ督「だから……お前の気持ちは痛いほど分かるんだ、天龍」
天龍?「…………」
823
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:05:45 ID:ODA80pmQ
フツ督「…………」
大淀「…………」
榛名「…………」
ブサ督「…………」
天龍?「……離れないんだ」
ブサ督「離れない?」
天龍?「アノ時の……あいつらの……最後の言葉が」
ブサ督「…………」
天龍?「俺の……くダラない……見栄のせいで……」
天龍?「みんな……ミンな……ううっ……」
天龍?「うっ……うううっ……う……」
ブサ督「…………」
824
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:06:36 ID:ODA80pmQ
ブサ督「……うらやましい」
天龍?「…!?」
天龍?「なん……だと……?」
ブサ督「俺は……その最後の言葉すら聞けなかった」
天龍?「…………」
ブサ督「きっと……俺に対して恨み言を言っていたに違いない」
榛名「ブサイク提督さん……」
フツ督「…………」
大淀「…………」
天龍?「…………」
天龍?「……俺は……そうは思わない」
825
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:07:24 ID:ODA80pmQ
ブサ督「?」
ブサ督「何故だ?」
ピシッ…
天龍?「あいつらは……無念を伝えたが……」
天龍?「誰も……恨み言は言い残さなかった」
ブサ督「……そうか」
天龍?「それどころか……」
天龍?「望月は、お前の下で……楽しかったと……言っていた」
ブサ督「!」
ブサ督「……望月が」
天龍?「ああ……」
ピキ… パキ…
826
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:08:07 ID:ODA80pmQ
天龍?「ブサイク提督……」
天龍?「教えてくれ……」
ブサ督「何をだ?」
天龍?「お前は……どうやって」
天龍?「自分を許したんだ……?」
ブサ督「…………」
ブサ督「……その気持ちを糧に」
ブサ督「一人でも多くの艦娘が死なないよう作戦を立てたり」
ブサ督「犠牲が出そうな場合は躊躇なく撤退する様にした」
フツ督「…………」
大淀(ブサイク提督……)
榛名(ブサイク提督さん……)
827
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:09:13 ID:ODA80pmQ
ブサ督「俺は……そうする事で過去の自分と向き合い」
ブサ督「今に至っている」
天龍?「過去の自分と……向き合う……」
ブサ督「……完全には許していないかもしれないが」
ブサ督「あの時の自分よりは、多少マシになった」
ブサ督「そう……思える様になってきた」
ブサ督「そんなところだ」
天龍?「…………」
天龍?「ふ」
天龍?「ふふ……ふ……」
天龍?「そうだな……それ……」
天龍?「……いい……な……」
828
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:10:03 ID:ODA80pmQ
ドサッ…
ブサ督「て、天龍!?」
大淀「天龍さん!」
天龍?「…………」
天龍?(過去は変えられない……)
天龍?(それなら、これからを変えて行けばいい)
天龍?(……そいう事……か……)
天龍?「…………」
ピシッ… パキパキ…
パアアアアアッンッ
ブサ督「うわっ!?」
榛名「うっ……!」
829
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:10:43 ID:ODA80pmQ
大淀「きゃっ!」
フツ督「眩しっ……!」
…………
ブサ督「て……天龍?」
榛名「……ブサイク提督さん、大丈夫ですか?」
大淀「天龍さんは……」
フツ督「…………」
天龍「…………」
大淀「!」
大淀「て、天龍さん!」
ダッ…
830
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:11:34 ID:ODA80pmQ
大淀「…………」
大淀「大丈夫、脈はあります」
大淀「それに艤装も……元に戻ってますね」
ブサ督「深海棲艦……みたいなパーツが」
ブサ督「すべて消えている……」
榛名「何が起こったのでしょう?」
ブサ督「……分からない」
フツ督「…………」
大淀「…………」
ブサ督「…………」
榛名「…………」
831
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:12:14 ID:ODA80pmQ
フツ督「……あ」
フツ督「イケメン提督は?」
ブサ督「!」
大淀「!」
榛名「!」
龍田「……逃げられたみたいよ」
フツ督「龍田!」
龍田「私もハッとして、そこら辺を探してみたのだけど……」
龍田「どこにも居なかった」
フツ督「……なんてこった」
ブサ督「仕方ないと言えば仕方ないが……」
ブサ督「やらかしてしまったな……」
832
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:12:59 ID:ODA80pmQ
フツ督「状況が状況だ」
フツ督「元帥閣下に報告はしておく」
ブサ督「頼む」
ブサ督「天龍は俺が軍病院へ連れて行こう」
龍田「私も付き添っていいかしら?」
フツ督「え……俺は?」
龍田「一人でも大本営へ行けるでしょ?」
フツ督「龍田ぁ……」
833
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:13:44 ID:ODA80pmQ
ブサ督「……役割を逆にしよう」
ブサ督「俺と榛名で大本営へ報告に行く」
ブサ督「フツメン提督、龍田。 天龍の事は任せる」
フツ督「心の友よ!」
ブサ督「……お前そんなキャラだったか?」
フツ督「冗談だ」
ブサ督「…………」
フツ督「それじゃ、大本営で落ち合おう」
ブサ督「……おう」
大淀「あのう……私も天龍さんに付き添ってもよろしいでしょうか?」
ブサ督「もちろんだ」
ブサ督「大淀はフツメン提督を手伝ってやってくれ」
大淀「分かりました」
834
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:16:15 ID:ODA80pmQ
……その後
攻撃された大本営は混乱状態だったが
後に時限式の爆発物で塀と建物の一部が
破壊されただけだけで被害は大した事は無かった。
死傷者も憲兵の二人だけで命に別状は無い。
深海棲艦化?した天龍の仕業なのは
俺を含めた一部の者しか知らないので
ホテルの襲撃含め、大目に見てもらう事が出来た。
表向きは、単体の深海棲艦が迷い込み
警報の不備で対応が遅れた事になっている。
.
835
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:17:12 ID:ODA80pmQ
元に戻った天龍は、後で詳しい検査を行ったが……
通常の艦娘と何ら代わりなく
別命あるまで北方鎮守府で待機する事となった。
イケメン提督は、襲撃後、完全に行方不明になった。
隙を見て逃げられたのは痛いが
公式に逃亡犯扱いとなり、少なくとも
皇国内でおいそれとは外を出歩けない事だろう……
.
836
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:18:18 ID:ODA80pmQ
―――――――――――
????
ピチョン…
ピチョン…
イケ督「…………」
イケ督「…………」
イケ督「……ん」
イケ督「…………」
イケ督「……ここは……どこだ?」
イケ督「……!?」
837
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:18:58 ID:ODA80pmQ
イケ督「な、何だ!?」
イケ督「手足を縛られてる!?」
ガチャ
龍田「あら……」
龍田「目が覚めちゃった?」
キィ パタン
イケ督「!」
イケ督「お前……確かフツメン提督の……」
龍田「龍田よ」
龍田「覚えてたみたいね」
イケ督「そ、それより……これはどういう事かな?」
イケ督「何故……俺は手足を縛られてるんだ?」
838
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:19:55 ID:ODA80pmQ
龍田「うふふ」
ザシュ
イケ督「」
イケ督「ぐあああああああああっ!?」
龍田「ああ……心地いい悲鳴……」
イケ督「ひっ、ひいっ……」
イケ督「や、止めろ……止めてくれ、龍田ァ……」
龍田「大丈夫」
龍田「これくらいでは死なないし」
龍田「痛いのは、これだけで済ませてあげるわ」
839
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:20:45 ID:ODA80pmQ
イケ督「な、何を……する気なんだ!?」
イケ督「て、天龍の事は、謝る!」
イケ督「だ、だから、許してくれ!」
龍田「ダ メ ☆」
スッ…
イケ督「な、なんだそれは!?」
イケ督「何を注射するんだ!?」
龍田「安心して」
龍田「ただの全身麻酔よ」
イケ督「全身……麻酔?」
龍田「分かりやすく言うとぉ、ちょーっと長時間」
龍田「ねんねしててもらうだけだから♡」
イケ督「や、止めろ……止めろォッ!」
840
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:21:52 ID:ODA80pmQ
龍田「うふふ」
プスッ
イケ督「ひっ、ひいいっ!」
龍田「だってさぁ」
龍田「痛みだけで死んじゃう人も……結構居るのよね」
イケ督「!?」
龍田「そうなったらぁ」
龍田「つまらないのよぉ」
チュー…
イケ督「ぐっ……!」
841
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:22:29 ID:ODA80pmQ
龍田「あなたにはぁ……」
龍田「天龍ちゃんが受けた苦しみをぉ」
チュー…
イケ督「あ……が……」
イケ督(い、意識……が……)
龍田「何倍にもして、受けて欲しいのよねぇ」
チュー…
イケ督「…………」
龍田「うふふ……」
スルッ
イケ督「…………」
龍田「これで準備良し」
龍田「さあ……イケメン提督さぁん……」
842
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:23:05 ID:ODA80pmQ
龍田「生まれ変わりを体験させてあげる……」
.
843
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:23:51 ID:ODA80pmQ
―――――――――――
????
イケ督「…………」
イケ督「…………」
イケ督「……!」
イケ督「…………」
イケ督「お゛……お゛お゛は……」
イケ督「!?」
イケ督(な、何だ!?)
イケ督(か、顔が……顔が熱い……!)
イケ督(いや、痛い!)
イケ督(それに声もおかしいし……腕も縛られてる)
イケ督(俺はまだ龍田に拘束されてるのか!?)
844
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:24:37 ID:ODA80pmQ
看護師「あ」
イケ督(!?)
イケ督(誰だ!?)
イケ督「う゛ーあ゛ー……」
看護師「クズ山さん、声を出さないで」
イケ督(……?)
イケ督(クズ山?何を言ってるんだ?この女)
看護師「落ち着いて聞いてください、クズ山さん」
看護師「あなたは……全身に酷いケガをされてて」
看護師「包帯でグルグル巻きの状態なんです」
イケ督「!?」
イケ督(包帯?……じゃあここは病院なのか?)
845
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:25:16 ID:ODA80pmQ
看護師「今、先生を呼んできますね」
スタ スタ スタ
イケ督「…………」
イケ督(……助かった)
イケ督(のか?)
―――――――――――
看護師「お待たせしました、クズ山さん」
看護師「先生……どうぞ」
医師「うむ」
イケ督「…………」
医師「あー……クズ山さん」
医師「落ち着いて聞いて欲しいのですが」
846
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:26:17 ID:ODA80pmQ
医師「あなたは今、全身に酷いケガをしてまして……その」
医師「命に別状はないのでご安心ください」
イケ督「…………」
医師「ですが……そのー……何と言いますか」
医師「お顔の方が、ですね……非常に、その……」
医師「酷い状況でして……」
イケ督(……はっきり言えよ)
医師「元のお顔に戻る事は、非常に困難であると……言えるでしょう」
イケ督「…………」
医師「それと、ですね」
イケ督(まだ何かあるのか?)
847
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:27:02 ID:ODA80pmQ
医師「右手、なの……ですが」
医師「手首から先が……もうありません」
イケ督「…………」
イケ督「……あ゛?」
医師「落ち着いて……それからしゃべらないでください」
イケ督(右手が……無い?)
イケ督(今……そう言ったのか!?)
イケ督「あ゛……があ゛あ゛……あ゛!」
医師「お、落ち着いて!クズ山さん!」
医師「君、鎮静剤を!」
看護師「はい!」
848
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:27:46 ID:ODA80pmQ
―――――――――――
医師「……どうだ?」
看護師「ようやく落ち着いたみたいです」
医師「そうか……」
看護師「やっぱり……事件なんでしょうか?」
医師「詳しい事は分からんが……」
医師「あれだけ執拗に顔を傷つけられ」
医師「右手を切り落とされ、左手も」
医師「指紋が取れなくなるほどの火傷を負わされているんだ……」
看護師「…………」
医師「身分証を持っていなければ」
医師「名前すら分からない状況だったからな」
849
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:28:42 ID:ODA80pmQ
医師「どう見ても……誰かからの恨みとか」
医師「何かの抗争に巻き込まれたとか」
医師「そういう風に見てしまう……」
看護師「厄介ごとは勘弁して欲しいですね……」
医師「……そうは言っても患者は患者だ」
医師「誰かからは分からんが、治療費も支払われてる」
医師「無下にはできんよ……」
看護師「そうですか……」
医師「まあ詳しい事は分かっていない」
医師「警察にも相談したし……」
医師「退院までは様子を見よう」
看護師「分かりました」
850
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:29:27 ID:ODA80pmQ
―――――――――――
天龍の襲撃から数日後の夜
とある旅館の個室
フツ督「……見るからに高そうなダルマだな」
ブサ督「約束だからな。酒屋で一番高いダルマを二本買った」
フツ督「肴(さかな)はナッツにチーズ、クラッカー」
フツ督「残念ながらここじゃ洋酒に合いそうな料理は用意できなかった」
ブサ督「別にいいさ」
キュポッ トクトクトク…
ブサ督「じゃあ……乾杯」
フツ督「おう、乾杯」
851
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:30:12 ID:ODA80pmQ
チンッ…
グビッ
ブサ督「んっ……」
フツ督「ふっ……んん」
ブサ督「これは……来るなぁ」
フツ督「いい酒だ」
ブサ督「よくストレートで飲めるな……」
フツ督「俺からしたら水割りやロックなんて邪道だ」
ブサ督「はいはい、邪道で結構です」
トクトクトク… グビッ
ブサ督「ふう……」
852
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:30:47 ID:ODA80pmQ
フツ督「これでようやくひと段落か……」
ブサ督「……ああ」
ブサ督「結局イケメン提督は逃亡を図ったとして指名手配」
ブサ督「どこへ雲隠れしたかは分からんが、もう皇国内を出歩けないだろう」
フツ督「だな……」
グビッ
ブサ督「ふう……」
ブサ督「北方の後任は誰がやるんだ?」
ムシャ ムシャ
フツ督「元帥閣下は、ショウユ顔提督か、ソース顔提督を」
フツ督「候補に考えてるそうだ」
ブサ督「……無難なところだな」
853
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:32:03 ID:ODA80pmQ
トクトクトク…
フツ督「俺からしたら問題ない様に思うが」
フツ督「お前は違うのか?」
ボリ ボリ
ブサ督「……俺が選ぶとしたら」
ブサ督「メガネ提督だな」
フツ督「メガネ提督?」
フツ督「……知らないなぁ。そんな名前の奴居たか?」
グビッ
ブサ督「ふう……」
ブサ督「新進気鋭の若者だからな」
フツ督「若者? もしかして今年、訓練模擬戦した奴か?」
854
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:33:01 ID:ODA80pmQ
ブサ督「ああ」
ブサ督「なかなか見どころのある戦い方をする奴だった」
フツ督「おいおい……」
フツ督「いくら何でも若すぎるだろ」
ムシャ ムシャ
ブサ督「たぶん……同戦力で戦ったら」
ブサ督「ショウユ顔提督もソース顔提督も勝てないと思う」
フツ督「……冗談だろ?」
ブサ督「ま……俺の贔屓目もあるかな?」
フツ督「…………」
855
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:33:54 ID:ODA80pmQ
グビッ
ブサ督「ふう……」
ブサ督「そういや大将職の人事は結局どうなったんだ?」
ムシャ ムシャ
フツ督「……そっちは大揉めに揉めて大変らしい」
フツ督「派閥争いの板挟みになって、元帥閣下は頭を抱えていたよ」
ブサ督「そりゃ気の毒に……」
フツ督「そういう苦労をするのが元帥閣下のお仕事さ」
ブサ督「……本人に聞かれたら怒られるぞ」
フツ督「ははは」
トクトクトク… グビッ
フツ督「ふう……」
ブサ督「……俺が元帥閣下の立場なら」
ブサ督「お前が大将にふさわしいと思うが」
856
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:34:35 ID:ODA80pmQ
フツ督「よせよ……あんな派閥争いに巻き込まれたくない」
ブサ督「それはまあ、俺も御免被りたいが」
ブサ督「人脈や人望とか考えたら、お前がいいと思う」
フツ督(実は元帥閣下から要請はあったが)
フツ督(どう考えてもこき使われそうで断ったんだよなぁ)
フツ督「……お褒めにあずかり光栄だが」
フツ督「俺が大将になると、お前に命令できる様になるんだぞ?」
フツ督「いいのか?」
グビッ
ブサ督「ふう……」
ブサ督「その分、こっちの要求も適正に聞いてもらうから」
ブサ督「構わないさ」
857
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:35:36 ID:ODA80pmQ
フツ督「そうじゃなくて、同期が上になって悔しくないのか?」
ブサ督「んー……」
ブサ督「お前だったら、全然ないな」
フツ督「なんだよそれ……」
ムシャ ムシャ
ブサ督「……だが、元大将みたいな事するなら」
ブサ督「見限るってだけだ」
フツ督「……それは怖いねぇ」
トクトクトク… グビッ
フツ督「ふう……」
ブサ督「……なあ」
フツ督「ん?」
858
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:36:24 ID:ODA80pmQ
ブサ督「あの時……天龍の事を元帥閣下へ報告していた時」
ブサ督「やたらと『沿岸部』を強調していたが……」
ブサ督「あれはわざとか?」
ピクッ
フツ督「…………」
フツ督「……何の事だ?」
ブサ督「責めるつもりはない」
ブサ督「あの時……俺は天龍が陸路を使う可能性を考えたが」
ブサ督「それを黙ってた俺も同罪だ」
フツ督「…………」
ブサ督「俺は……天龍を止められるものなら止めたかった」
ブサ督「そう考えたら、お前の策に乗った方が良いと思ったんだ」
フツ督「…………」
859
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/11/11(水) 22:37:19 ID:ODA80pmQ
フツ督(……見抜かれていたか)
フツ督(という事は……俺の目的も当然分かっている)
フツ督(って事か……?)
ブサ督「…………」
ブサ督(おそらく……暴走した天龍を放置して)
ブサ督(イケメン提督を亡き者に……って算段だろうな)
フツ督「…………」
ブサ督「…………」
フツ督「……俺が間抜けだったって事にしといてくれ」
ブサ督「……分かった」
ブサ督「それでいい」
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