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【艦これ】ブサ督「イケメンに限るって……真理だよな」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/22(土) 08:23:30 ID:Xw55B38o
※注意事項
自分は艦これ改しか知らない提督です。
話の都合上、艦娘の幾人かはゲスいです。
また割と艦娘が轟沈します。
気まぐれ投下。
これらが嫌な方はブラウザバックしてください。
463
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/27(日) 16:47:57 ID:JB5oSu/M
利根「問題点もある」
利根「この作戦に限らず、この書類すべての作戦は」
利根「広域通信できる前提で立てられておる事じゃ」
大淀「あ……」
利根「……さすがのブサイク提督も」
利根「こればっかりは予測できなかったようじゃの……」
大淀「…………」
利根「なに、今回の作戦は広域通信の心配はそれほどない」
利根「それよりも例の背後の海域」
利根「これにどれだけの戦力を振り向けるか」
大淀「…………」
464
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/27(日) 16:49:07 ID:JB5oSu/M
大淀「それについては……私に考えがあります」
利根「ほう?」
大淀「最悪……予測が外れても」
大淀「北方鎮守府は死守してみせます」
利根「……そんな悲壮な覚悟は要らん」
利根「必要な戦力はどれだけじゃ?」
大淀「鳥海さんと摩耶さん、それと夕立さん」
大淀「あと瑞鶴さんの計4名です」
利根「正規空母一隻はちと痛いが、それだけで良いのか?」
大淀「戦闘は私も参加します」
利根「……良かろう」
利根「では……それ以外の動かせる艦娘はこちらで使わせてもらう」
利根「こちらも……上手く行くかは賭けになるがの……」
465
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/27(日) 16:51:11 ID:JB5oSu/M
本日はここまでです。
466
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/27(日) 16:53:49 ID:JB5oSu/M
広域通信について。
我々の概念で一番近いのは衛星通信です。
今回の話で出てきている広域通信機の破壊は
衛星通信の人工衛星が破壊された様なものだと
お考え下さい。
467
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/27(日) 18:59:12 ID:8alRoJdQ
乙
短波 - Wikipedia
ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%AD%E6%B3%A2
艦娘が搭載してる技術レベルを勘案して、短波通信がちょうど近い感じになると思われ
468
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/28(月) 07:43:26 ID:C/aRaZcc
>大淀「鳥海さんと摩耶さん、それと夕立さん」
>大淀「あと瑞鶴さんの計4名です」
>大淀「戦闘は私も参加します」
火力高め……やはり火力(暴力)……火力(暴力)は全てを解決する!
469
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:05:24 ID:hXDa/yuQ
―――――――――――
西方海域 とある離島の砂浜
ザザーン… ザザーン…
ブサ督「エンジ〜ン〜のお〜と〜」
ブサ督「ごぅお〜ごぅおぉぉ〜と〜」
ブサ督「ハヤブ〜サ〜は〜ゆぅぅ〜くぅ〜」
ブサ督「くぅ〜もぉ〜のぉ〜はぁ〜て〜」
桜「…………」
ブサ督「よぉ〜くぅに輝く日の丸とぉ〜」
ブサ督「むぅ〜ねに描き……ふおっ!?」
ブサ督「さ、桜か……いつからそこに?」
桜「ついさっきだ」
470
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:06:34 ID:hXDa/yuQ
桜「で、その妙な言い回しは何だ?」
ブサ督「……歌……というものだ」
桜「何の意味があるのだ?」
ブサ督「意味……というものは余り無いが」
ブサ督「音楽というジャンルの……娯楽の一つ」
ブサ督「かな……」
桜「ふむ……娯楽か」
桜「将棋やオセロ、双六や小説に漫画……」
桜「人間は娯楽が本当に好きだな」
ブサ督「まあ否定はしない」
ブサ督「娯楽はまだまだたくさんあるしな」
桜「そうか」
471
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:08:08 ID:hXDa/yuQ
ブサ督「むしろディルプの娯楽の無さに衝撃を受けるぞ」
桜「私は自我を持って間もない」
桜「ディルプにはディルプの娯楽があるのかもしれないぞ」
ブサ督「どんな娯楽なんだろうな……想像もつかん」
桜「それは私も同様に思う」
桜「それで?」
桜「歌……を言いながら、何を作っているんだ?」
ブサ督「トイレ……んと、排泄施設……とでも言うか」
桜「排泄か……」
桜「人間はやって当たり前の行為をなぜ隠したがるのか」
桜「私には理解できん」
ブサ督「…………」
472
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:09:59 ID:hXDa/yuQ
ブサ督(文化の違い、と言ってしまえばそれまでなんだが)
ブサ督(まさか立ちション覗かれるとは思わなかった……)
ブサ督(ち〇ち〇について根掘り葉掘り聞かれるし)
ブサ督(ディルプは排泄行為なんぞ海上で誰の目の前だろうがやっている)
ブサ督(という衝撃の事実を聞かされるし)
ブサ督(あれ?じゃあ艦娘は?)
ブサ督(などと考えちゃいけない事まで想像しちゃいましたよ……)
ブサ督(…………)
ブサ督(とにかく!)
ブサ督(桜に説明するのは大変だったが……)
ブサ督(これでもう覗かれる心配はない)
ブサ督(……って、普通逆だろ……こういう心配は)
473
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:11:48 ID:hXDa/yuQ
ブサ督「……はあ」
ブサ督「まあ無理に理解しなくていいけど」
ブサ督「俺は見られると嫌なんだから、配慮してくれ」
桜「…………」
ブサ督「…………」
桜「…………」
ブサ督「……桜?」
桜「…………」
ブサ督「桜!」
桜「!」
桜「あ、ああ、すまない」
桜「また意識が飛んだみたいだ」
474
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:12:47 ID:hXDa/yuQ
ブサ督「本当に大丈夫なのか?」
桜「ああ」
桜「気分が悪いとか、体調が思わしくないという事は無い」
桜「理由は……私にも分からないが」
ブサ督「…………」
ブサ督(時々……桜がぼうっとしている時があるのだが)
ブサ督(たまに、会話中でも突然こうなる)
ブサ督(本人に聞いても大丈夫だと言うばかりだし)
ブサ督(深海棲艦の生態に詳しいわけでもない……)
ブサ督(…………)
ブサ督(何事もなく治ってくれればいいのだが……)
ブサ督(…………)
475
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:13:49 ID:hXDa/yuQ
桜「…………」
桜「なあ、ブサイク提督」
ブサ督「ん?」
桜「お前に……触れてもいいか?」
ブサ督「え」
桜「ダメか?」
ブサ督「い、いや……ダメじゃ無いが」
桜「無いが?」
ブサ督「…………」
ブサ督「……そういう事を女の子に初めて言われたな」
ブサ督「って……思って」
桜「そうか。初めてか」
476
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:14:46 ID:hXDa/yuQ
ギュッ
ブサ督「」
桜「……私も初めてだ」
桜「誰かに触れてみたい、と思ったのは……」
ブサ督「…………」
ブサ督(アカン……俺)
ブサ督(たぶん一生分の運を使ってるわ……)
ブサ督(…………)
ブサ督(……女の子って)
ブサ督(こんなに柔らかいんだなぁ……)
桜「♪」
477
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:15:40 ID:hXDa/yuQ
―――――――――――
翌日の昼頃
大本営 元帥の執務室
コン コン
元帥「誰かな?」
イケ督「元帥閣下、イケメン提督であります」
イケ督「入室の許可を願います」
元帥「許可する。入ってくれ」
ガチャ…
イケ督「失礼します」
キィ パタン
478
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:17:13 ID:hXDa/yuQ
元帥「遠いところ、ご苦労だった」
元帥「そこのソファにでも掛けたまえ」
イケ督「はい」
ストン
イケ督「…………」
元帥「では……話をする前に紹介をしておこう」
元帥「これは西方鎮守府の司令官をやっている」
元帥「フツメン提督だ」
フツ督「初めまして」
イケ督「初めまして」
元帥「そしてその傍らに居るのは秘書艦の龍田だ」
龍田「初めまして。以後、お見知りおきを」
イケ督「よろしく」
479
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:18:22 ID:hXDa/yuQ
元帥「それでは本題に入ろう」
元帥「イケメン提督」
イケ督「はい」
元帥「貴君の武勇は耳に入っておるし」
元帥「民衆の人気も大したものだ」
イケ督「恐れ入ります」
元帥「だが……いささか戦費の面での折り合いが悪い」
元帥「正直、海軍としても目玉が飛び出るほどだ」
元帥「この点について貴君はどう思っているのかね?」
イケ督「…………」
480
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:19:34 ID:hXDa/yuQ
イケ督「まず……軍人の本分は果たしていると自負しておりますが」
イケ督「深海棲艦との戦いは常に予測困難を極め」
イケ督「対処療法的な戦い方しかできず……」
イケ督「少々犠牲が多かったのは確かです」
フツ督「…………」
イケ督「しかしながら……その様な状況下でも」
イケ督「私の指揮により奪取した海域は確かに存在しており」
イケ督「その点も考慮していただければ……というのが」
イケ督「自分の正直な気持ちであります」
元帥「……そうか」
481
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:21:01 ID:hXDa/yuQ
元帥「では……これは提案だ」
イケ督「提案?」
元帥「現在、貴君は北方鎮守府司令官となっているが」
元帥「大本営直属の指揮官として栄転……という話はどうだろうか?」
イケ督「…………」
イケ督(……なるほど)
イケ督(俺に現場は任せられんから大本営で飼い殺しに)
イケ督(という事か……)
イケ督「……大変良いお話ですね」
元帥「であれば――」
イケ督「しかしながら」
イケ督「指揮官、というのも色々なものが存在します」
イケ督「その点についてのご説明はいただけるのでしょうか?」
482
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:22:18 ID:hXDa/yuQ
元帥「……フツメン提督」
元帥「例のものを」
フツ督「はい」
イケ督「……?」
フツ督「イケメン提督殿」
フツ督「これを見てくれ」
イケ督「海図……日本近海のものだが?」
フツ督「最近は内地付近の海にも深海棲艦は時々顔を見せる」
フツ督「その討伐が主任務の艦娘艦隊の指揮官」
フツ督「それが貴君に示された指揮官だ」
イケ督「…………」
483
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:23:47 ID:hXDa/yuQ
元帥「給料も現在の倍を提示しよう」
元帥「どうかね?」
イケ督「…………」
イケ督「……確かに魅力的な提案でありますな」
イケ督「ですが、それは栄転というよりも左遷ではないのですか?」
イケ督「第一、民衆がこれをどう思うか」
フツ督「その点は問題ない」
イケ督「……というと?」
フツ督「かの大英雄イケメン提督が」
フツ督「民衆の為、日本近海の深海棲艦討伐を行ってくれる」
フツ督「これほどの美談はありますまい」
フツ督「新聞もこぞって記事にする事でしょう」
イケ督「…………」
484
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:24:57 ID:hXDa/yuQ
元帥「どうだろうか?」
元帥「私としては、受け入れてくれる事を望むが」
イケ督「…………」
イケ督「……せっかくのありがたい申し出ですが」
イケ督「自分には受け入れがたい提案ですな」
元帥「…………」
フツ督「では、単刀直入に聞こう」
フツ督「何が足りない?」
イケ督「ふふ……足りないも何も」
イケ督「私が望むのは現在の民衆が望んでいる事ですよ」
フツ督「…………」
フツ督(こいつ……本気で大将職に就きたいと思っているのか)
元帥(周りに煽てられ、自分の実力を完全に見失っている……か)
485
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:27:56 ID:hXDa/yuQ
元帥「……イケメン提督」
元帥「貴君の気持ちと想いは良く分かった」
元帥「だが、すぐに返事は出来ない」
元帥「少々時間をくれ」
イケ督「分かりました」
イケ督「他に話はありますか?」
フツ督「私から少々……いいかな?」
イケ督「どうぞ」
フツ督「海軍としても、今の様な提案はそう何度も出来るものではない」
フツ督「気が変わるのなら……今の内だけだと思う」
フツ督「本当にその選択でいいのか?」
486
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:29:01 ID:hXDa/yuQ
イケ督「……それは脅しかな?」
フツ督「そういう事じゃない」
フツ督「いつまでも美味しいメシが出てくる訳ではない」
フツ督「それを認識しているのか、気になったまでさ」
イケ督「なら……さっきの提案には君が応じればいいのでは?」
イケ督「私は喜んで譲ろう」
フツ督「…………」
イケ督「他に話はありますか?」
龍田「あのう」
龍田「わたくし事なんですけどぉ」
龍田「いいですか?」
イケ督「……何かな?」
487
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:29:59 ID:hXDa/yuQ
龍田「北方鎮守府の天龍ちゃん、どうしてるかなー?」
龍田「と、思いまして」
イケ督「……君は天龍と知り合いなのか?」
龍田「はい」
龍田「姉妹艦ですので」
龍田「とぉ〜っても、仲良しだったんです」
イケ督「…………」
龍田「で?天龍ちゃんは元気ですか?」
イケ督「……残念だが」
イケ督「遠征任務中に行方不明になってそれっきりだ」
龍田「えっ」
イケ督「現在、大淀に任せて捜索を……」
488
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:30:49 ID:hXDa/yuQ
ガバッ
イケ督「ぐっ!?」
龍田「……どういう事かしら?」
イケ督「な、何をする、貴様!」
フツ督「龍田!やめろ!」
龍田「…………」
スッ…
イケ督「ぐっ……はあっ……ふう」
龍田「…………」
イケ督「……随分と乱暴な艦娘が居たものだ」
イケ督「しっかりと躾けておけ!」
フツ督「……謝罪しよう」
489
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:31:57 ID:hXDa/yuQ
イケ督「ふん……それで?」
イケ督「もう話は無いですかな?」
…………
イケ督「では、私はこれで失礼させてもらいます」
元帥「ああ……時間を取らせたな」
元帥「下がってくれ」
イケ督「失礼する」
ガチャ キィ パタン
フツ督「ふうう……」
フツ督「肝を冷やしたぞ……龍田」
龍田「……ごめんなさい」
490
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:32:48 ID:hXDa/yuQ
元帥「しかし……遠征任務で行方不明とな」
元帥「珍しい事もあるものだ」
フツ督「確かに珍しいですが、無い事ではありません」
フツ督「あ……すまない、龍田」
龍田「いいえ」
龍田「よくよく考えれば、まだ沈んだと決まった訳でもないし」
龍田「あの天龍ちゃんが簡単に……」
ギュッ…
フツ督「…………」
龍田「……やめてよ」
龍田「元帥閣下が見てる」
フツ督「構うもんか」
491
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:33:57 ID:hXDa/yuQ
元帥「…………」
龍田「……うっ」
龍田「う、うあっ……」
龍田「うああああああああああ……」
龍田「うっ……うっ……」
龍田「ああああああああ……」
フツ督「…………」
フツ督(……くそっ)
フツ督(何か……何か手は無いのか?)
フツ督(何か……)
フツ督(…………)
492
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:37:19 ID:hXDa/yuQ
―――――――――――
大本営 廊下付近
テク テク テク
イケ督(ふん……どうやら海軍は)
イケ督(どうあっても俺を大将にしたくない様だな)
イケ督(…………)
イケ督(……そっちがその気なら)
イケ督(仕方ない)
イケ督(こちらも……奥の手を使わせてもらおう)
イケ督(ククク……)
493
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:38:26 ID:hXDa/yuQ
―――――――――――
北方鎮守府 ブリーフィングルーム
利根「――以上が」
利根「吾輩の提案する作戦じゃ」
利根「現状、内地に連絡する人員も時間もない」
利根「他に何か提案があれば聞こう」
熊野「…………」
熊野「あの……利根さん、でしたっけ?」
利根「うむ。何かな?」
熊野「この作戦は、あなたがお考えになられたので?」
494
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:39:28 ID:hXDa/yuQ
利根「残念ながら吾輩ではない」
利根「ここの前の指揮官であった、ブサイク提督のものを引用した」
ザワッ…
エッ アノキモブタノ……?
ウソッ… ヤダー…
利根「だから聞いておろう」
利根「他に何か提案があれば聞こう、と」
利根「お主らにこれ以上の作戦があるのなら、ぜひ提案して欲しい」
…………
利根「……不安なのは吾輩も同じじゃ」
利根「だが、数の不利を覆す作戦はこれしかない」
利根「皆の衆、どうか従ってくれ」
495
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:40:10 ID:hXDa/yuQ
熊野「わたくしはむしろ、イケメン提督でない方がありがたいですわ」
鈴谷「鈴谷もそれに一票」
…………
利根「では、この案で行動するぞ」
利根「解散!」
バタ バタ バタ…
利根「……金剛」
金剛「ん?何ですカー?」
利根「本来はお主向きの役では無いのじゃが……」
利根「頼むぞ」
金剛「任せてネー!」
金剛「どんな役でも……金剛はキッチリ仕事シマース!」
金剛「増設バルジ、準備完了ネー!」
496
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:41:23 ID:hXDa/yuQ
利根「大淀の方も頼むぞ」
大淀「お任せを」
大淀「お互い、元気な姿で北方鎮守府に帰りましょう」
利根「必ず」
大淀「…………」
利根「…………」
タッ タッ タッ…
利根(必ず……か)
利根(敵の数はこちらの倍)
利根(大半が駆逐級のイ級といえど……どの程度の犠牲で済むのか……)
利根(…………)
利根(ええい!弱気になるな!)
利根(ただの一人たりとも犠牲にしてたまるか!)
497
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/03(土) 20:42:57 ID:hXDa/yuQ
本日はここまでです。
498
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/04(日) 01:08:49 ID:Ac6DzCks
おつ
499
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/04(日) 04:40:50 ID:dgYs9bZE
おつやで
500
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/04(日) 09:42:34 ID:RsqElm6k
乙
奥の手、ねぇ?
501
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/04(日) 22:50:43 ID:DE6s1za.
乙乙
龍田は天龍と関係者だったか……これってひょっとするとタイミング次第では……
502
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:44:53 ID:Wwx.GDpY
―――――――――――
西方海域 とある離島の砂浜
ザザーン… ザザーン…
桜「…………」
桜「…………」
ブサ督「桜」
ブサ督「そろそろ昼飯にしよう」
桜「…………」
桜「…………」
ブサ督「…………」
ブサ督「桜」
503
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:45:47 ID:Wwx.GDpY
桜「!」
桜「あ……ブサイク提督」
桜「何か用か?」
ブサ督「……そろそろ昼飯にしないか?」
桜「ああ、分かった」
桜「今日の献立は何だ?」
ブサ督「カレーライスだ」
ブサ督「旨いぞ」
桜「ほう……わざわざお前が旨いと言うからには」
桜「期待してしまうな」
ブサ督「楽しみにしててくれ」
504
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:46:37 ID:Wwx.GDpY
―――――――――――
夕刻前 テント内
ピピー ガガッ
ブサ督「こちら、ブサイク提督」
ブサ督「南方鎮守府、応答してくれ」
電『こちら南方鎮守府、執務室』
電『電なのです』
電『ブサイク司令官さん、どうされました?』
ブサ督「電、すまないが」
ブサ督「医局員を呼んできてくれないか?」
電『えっ』
電『ブサイク司令官さん、どこかおケガでもされたのですか?』
505
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:47:18 ID:Wwx.GDpY
ブサ督「そうじゃない。そうじゃないんだが」
ブサ督「ちょっと聞きたい事があってな……」
電『分かりました』
電『少々お待ちください』
ブサ督「頼む」
―――――――――――
ブサ督「……そうか」
ブサ督「手間をかけさせたな、ありがとう」
ブサ督「電に代わってくれ」
ブサ督「…………」
電『電なのです』
電『お役に立ちましたか?』
506
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:48:09 ID:Wwx.GDpY
ブサ督「ああ、ありがとう、電」
電『いえ』
ブサ督「ブサイク提督、通信終了」
電『南方鎮守府、通信終了』
ブッ…
ブサ督「…………」
ブサ督(桜の例の症状は酷くなる一方……)
ブサ督(艦娘や人間の病気で似た症状や症例は無いか)
ブサ督(聞いてみたが……)
ブサ督(…………)
ブサ督(やはり……桜を医者に見せるべきなのだろうか)
507
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:48:50 ID:Wwx.GDpY
ブサ督(…………)
ブサ督(だが……それは……)
ブサ督(桜を深海棲艦の標本として差し出すのと同義)
ブサ督(…………)
ブサ督(ほぼ……間違いなく)
ブサ督(桜は実験動物にされる……!)
ブサ督(…………)
ブサ督(そんな事……出来るか!)
ブサ督(そんな事……!)
ブサ督(…………)
508
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:49:37 ID:Wwx.GDpY
ザザーン… ザザーン…
ブサ督「桜」
桜「……ん」
桜「ブサイク提督」
ブサ督「調子はどうだ?」
桜「……前にも言ったが」
桜「気分や体調が悪いという訳じゃないんだ」
ブサ督「…………」
ブサ督「ディルプでは、こういった……」
ブサ督「病気やケガには、どう対処してるんだ?」
509
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:50:47 ID:Wwx.GDpY
桜「……基本的には何もしない」
桜「ある程度休ませて……見た目、平気そうなら、また使う」
桜「そんな感じだ」
ブサ督「……手当てとかいう概念は無いのか」
桜「機械化された部分の修理は行うが」
桜「生体部分は自然任せ……そんな感じだ」
ブサ督「…………」
桜「…………」
桜「……ところでブサイク提督」
ブサ督「……何だ?」
桜「お前は……南方グレッズの指揮官なのか?」
ブサ督「…………」
ブサ督「ああ、そうだ」
510
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:51:40 ID:Wwx.GDpY
桜「ふふっ、そうか……」
ブサ督「……どうして笑うんだ?」
桜「…………」
桜「私にも分からない」
桜「お前には……いろいろして貰ったからだろうか」
ブサ督「…………」
桜「……いや、違うな」
桜「すまない、上手く言えない」
ブサ督「…………」
桜「不思議と……恨みはない」
桜「ついこの前まで殺しあう仲だったというのに……」
ブサ督「……俺も同じだ」
511
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:52:32 ID:Wwx.GDpY
桜「ふふっ……同じか」
桜「それは奇遇だな」
ブサ督「ああ」
桜「…………」
ブサ督「…………」
桜「…………」
桜「…………」
ブサ督「……そろそろ晩飯にしよう」
ブサ督「桜」
桜「…………」
桜「…………」
ブサ督「…………」
512
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:53:27 ID:Wwx.GDpY
―――――――――――
ブサ督「ほら、桜」
桜「ん……これは何だ?」
ブサ督「おでん、というものだ」
桜「また違う献立か……」
桜「グレッ……人間の食への欲求は」
桜「我々のそれとは比べ物にならんな」
ブサ督「ははは。俺もそう思う」
ブサ督「では……いただきます」
桜「……そういえば」
桜「その、いただきます、というのは何の意味があるのだ?」
513
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:54:39 ID:Wwx.GDpY
ブサ督「日本では食べ物になった食材に対して」
ブサ督「感謝して食べる習慣があるんだ」
桜「死骸に感謝?」
ブサ督「生きて行く上で自分の為に殺してしまったわけだからな……」
ブサ督「すまない、という意味も含まれている」
桜「…………」
桜「すまない、か……」
桜「ディルプでは思いもよらない考え方だ」
ブサ督「まあ……自己満足とも言える」
ブサ督「殺された方からしたら……たまったもんじゃないだろうし」
桜「……そうだな」
桜「でも、そんなに悪い事とも思わない」
ブサ督「そうか」
514
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:55:14 ID:Wwx.GDpY
桜「…………」
桜「いただきます」
モグ
桜「うん……今日の献立も旨い」
ブサ督「…………」 クスッ
桜「……この世界は不思議だ」
ブサ督「ん?」
桜「ディルプに居た時は疑問すら抱かなかったが」
桜「外に出たとたん分からない事だらけになった」
ブサ督「井の中の蛙(かわず)ってやつか……」
桜「井の中の……何?」
515
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:56:17 ID:Wwx.GDpY
ブサ督「そうだな……」
ブサ督「自分の知ってる世界が世界のすべてだと思っているが」
ブサ督「実際はもっと広い世界があって……」
ブサ督「それを知らないのに威張っている奴を指す言葉かな」
桜「…………」
ブサ督「……なんて偉そうなこと言ってるが」
ブサ督「俺もその一人だ」
桜「え……?」
ブサ督「深海棲艦……ディルプにも」
ブサ督「こんなに話せる奴が居る」
ブサ督「桜に出会って初めて知った事だ」
桜「…………」 クスッ
516
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:56:59 ID:Wwx.GDpY
ブサ督「お互い……望んでこうなった訳じゃないが」
ブサ督「自分が小さな世界に居て、知らない事を知ったという意味では」
ブサ督「同じだろう」
桜「……そうだな」
桜「その通りだ」
ブサ督「ははは」
ブサ督「さ、飯を食わなくちゃ……」
カランッ…
ブサ督「ん?」
ブサ督「どうした桜、スプーンを落として」
ブサ督「手が滑ったのか?」
桜「…………」
517
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:57:51 ID:Wwx.GDpY
ブサ督「桜?」
桜「……違う」
ブサ督「違う?」
桜「…………」
桜「手が……右腕が……」
ブサ督「うん」
桜「まったく……動かせない」
ブサ督「……!?」
ザザーン… ザザーン…
.
518
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:58:29 ID:Wwx.GDpY
―――――――――――
北方 某海域
ザザザザザザザザ…
利根「…………」
利根「む……!」
利根(吾輩の電探に反応あり)
ピピー ガガッ
利根「利根より全艦娘へ達する」
利根「敵艦隊を補足」
519
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 18:59:21 ID:Wwx.GDpY
利根「予測海域よりやや東に展開しておる」
利根「これより艦隊の進路を変更する」
利根「左(ひだり)舷、20度転進せよ!」
ヨーソロー!
利根「…………」
利根「利根より筑摩へ」
ピピー ガガッ
筑摩『こちら筑摩。何でしょうか、利根姉さん?』
利根「吾輩の気のせいか……」
利根「どうも敵艦隊の動きが鈍い様に感じる」
利根「筑摩はどう思う?」
筑摩『…………』
筑摩『……大艦隊ゆえ、動きが悪いのではないでしょうか?』
520
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:00:08 ID:Wwx.GDpY
利根「一理あるが……どうにも気になる」
利根「十分警戒しておいてくれ」
筑摩『了解です、利根姉さん』
利根「利根、通信終了」
筑摩『筑摩、通信終了』
ブッ…
利根「…………」
ピピー ガガッ
金剛『こちら金剛ネー!』
金剛『利根サーン!聞こえマスかー?』
521
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:00:44 ID:Wwx.GDpY
利根「こちら利根。感度良好」
利根「どうした?」
金剛『比叡ともども目標の海峡前に到着したネー!』
金剛『いつでも殿(しんがり)を任せてくだサーイ!』
利根「……うむ」
利根「済まぬが……頼む」
金剛『了解!』
金剛『金剛、通信アウト!』
利根「利根、通信終了」
ブッ…
利根「…………」
利根「…………」
利根(……そろそろか)
522
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:01:38 ID:Wwx.GDpY
ピピー ガガッ
利根「こちら利根」
利根「全艦娘に達する」
利根「陣形、複縦陣」
ザザザザザザザザ…
利根「…………」
陣形 準備ヨシ!
砲弾、装填ヨシ!
利根「…………」
利根「目標……敵艦隊前衛、イ級!」
利根「一隻でも多くの敵艦を沈めよ!」
利根「全艦娘……攻撃開始!」
523
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:02:34 ID:Wwx.GDpY
ドォンッ ドォンッ!
ヒュウウウウウウウ……
ドォンッ! ドォンッ!
利根「…………」
利根(やはり、敵艦隊の動きが鈍い……)
利根(何の意図があるのじゃ?)
イ級 轟沈3!
同ジク イ級轟沈2!
利根(誘っておるのか?)
利根(じゃが、そういう事なら乗ってはやれん)
12時、敵機確認!
数、約60!
524
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:03:20 ID:Wwx.GDpY
ピピー ガガッ
利根「赤城、加賀」
利根「よろしく頼む」
赤城『赤城、了解』
加賀『加賀、了解』
ピピー ガガッ
利根「全艦娘に達する」
利根「あまり前へ出るな」
利根「なるべく現状海域に留まって攻撃せよ!」
了解!
利根「…………」
利根(……例の海域、どうなっておるかのう)
525
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:04:14 ID:Wwx.GDpY
―――――――――――
例の海域
ザザザザザザザザ…
名取「…………」
名取「!」
名取「この反応は……!」
ブロロロロロロ…
名取「3時に敵機……!」
ピピー ガガッ
名取「こちら名取! 敵機襲来!」
526
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:05:07 ID:Wwx.GDpY
名取「艦種……不明ながら空母級3!ル級いち!イ級2!」
ヒュウウウウウウウ……
ドォンッ ドォンッ!
名取「くっ!」
名取(襲撃があるかもと聞いてたけど……結構きつい!)
名取「対空戦闘!」
ダダダダダダダ!
名取「名取、現海域から離脱します!」
ピピー ガガッ!
大淀『了解。後はこちらにお任せください』
527
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:05:54 ID:Wwx.GDpY
ザザザザザザザザ…
大淀「…………」
大淀「…………」
大淀「あ……追撃をやめましたね」
鳥海「大淀さんが言った通り……この海域は敵にとって重要なのでしょうか」
大淀「その詮索は後にしましょう」
大淀「利根さんに打電」
―――――――――――
筑摩『大淀さんから例の海域で侵攻があったと連絡が来ました』
利根「……予測通り襲撃を受けたか」
利根「では、こちらも作戦を開始する!」
筑摩『はい』
利根「全艦娘に達する」
利根「中破以上の損傷をした艦娘は作戦通り後方の海峡に迎え!」
528
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:06:52 ID:Wwx.GDpY
了解!
利根(さて……ここからじゃ)
利根(敵はどう出るか……!)
利根「!」
利根「全艦娘に達する!」
利根「敵艦隊急速接近!」
利根(こちらの考えた通り……例の海域と連携しておったか!)
ザザザザザザザザ…
利根「くっ……!最初の鈍さはやはり誘いか!」
利根「全艦娘!後進一杯!」
利根「魚雷一斉射して敵を牽制せよ!」
529
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:07:54 ID:Wwx.GDpY
シュボボボボボンッ
シャアアアアア……
ドォンッ! ドォンッ!
……敵艦隊の足、止まりません!
利根「分かっておったが……!」
利根「こちらも後進の足を止めるな!」
利根「例の海峡まで頑張るのじゃ!」
敵イ級、肉薄!
利根「うろたえるな!」
利根「こんなに接近しおったら、後方の敵もうかつには攻撃でき……」
ドォンッ! ドォンッ!
ドォンッ ドォンッ!
利根「何ッ!?」
530
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:08:37 ID:Wwx.GDpY
ドガッ! ドガアァァァンッ!
利根「み、味方ごと……撃ちおった!?」
キャアアアアアッ!
味方艦娘、被害拡大!
利根「くそっ!イケメン提督でも上に居るのか!こやつら!」
利根「この状況での反転は命とりじゃ!」
利根「後進一杯を続けつつ、迎撃!」
利根「海峡を越えるまでの辛抱じゃぞ!」
キャアアッ! 機関破損!
速度が……助けてぇっ!
利根「……っ!」
531
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:09:28 ID:Wwx.GDpY
利根「全艦娘に……達する!」
利根「脱落した艦娘は、艦娘は……!」
利根「構うな!」
!!?
利根「後進一杯を続けよ!」
待って! 置いてかないで!
キャアアアアアッ!!
ドガァンッ!
利根「……う……ううっ……」
利根「うああああああああっ!!」
ドォンッ! ドォンッ!
筑摩(利根姉さん……)
532
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:10:17 ID:Wwx.GDpY
金剛「……待ちくたびれマシタ」
金剛「後は、この金剛が敵のヘイトを集めるネ!」
金剛「増設バルジ、展開!」
ジャキン!
金剛「さあ……深海棲艦サーン」
金剛「ドンドン金剛を狙いなサーイ!」
利根「頼むぞ、金剛、比叡!」
比叡「お任せを」
比叡「早く海峡の向こうへ!」
利根「お主らも必ず来るのじゃぞ!」
ザザザザザザザザ…
533
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:11:10 ID:Wwx.GDpY
金剛「全砲塔を外してまで増設バルジ付けまくった」
金剛「この防御特化型金剛の殿(しんがり)」
金剛「そう簡単には抜かせないネー!」
比叡「そして金剛お姉さまを狙う敵は……」
比叡「この比叡の主砲で至近砲撃を喰らわせてやります!」
ピピー ガガッ
利根『何をしておる!』
利根『早う後進せい!』
利根『ル級が10は居るのじゃぞ!?』
金剛「利根サーン!了解ネー!」
金剛「金剛、後進一杯!」
比叡「比叡、後進一杯!」
534
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:11:56 ID:Wwx.GDpY
―――――――――――
例の海域
大淀「…………」
大淀「……では、こちらも攻撃を開始します」
大淀「艦隊、前進!」
ザザザザザザザザ…
大淀「!」
大淀「敵機襲来!」
大淀「瑞鶴さん、頼みます!」
瑞鶴「了解!」
535
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:12:53 ID:Wwx.GDpY
瑞鶴「まさか格納庫すべてに迎撃戦闘機を載せるなんてね」
瑞鶴「発艦!」
ブロロロロロロ…
大淀(これで制空権確保、とまではいかなくとも)
大淀(互角くらいには持って行けるはず)
大淀(そして撃ち漏らした敵機は……)
摩耶「ハッハー!」
摩耶「お客さんだぜ、鳥海!」
鳥海「対空戦闘、用意!」
大淀(対空特化型の彼女たちに任せ……)
夕立「敵艦、見ゆっぽーい!」
大淀「目標、単縦陣先頭のル級!」
536
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:13:27 ID:Wwx.GDpY
大淀(私と駆逐艦最強クラスの火力を持つ夕立さんで)
大淀(攻撃、殲滅する!)
大淀「魚雷、斉射ー!」
夕立「ぽーい!」
シュボボボボボンッ
シャアアアアア……
ドォンッ! ドォンッ!
大淀「ル級、轟沈!」
夕立「次、イ級ぽい」
大淀「砲撃、てー!」
537
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:14:07 ID:Wwx.GDpY
ブロロロロロロ…
ヒュウウウウウウウ……
ドォンッ ドォンッ!
摩耶「ちいいっ!」
摩耶「さすがに数が多いぜ!」
鳥海「空母3隻分の攻撃機ですからね」
鳥海「瑞鶴さん、もう少し何とかなりませんか?」
瑞鶴「これでも精一杯やってるわよ!」
大淀「もうしばらく持ちこたえてください!」
大淀「護衛はあと少しで片づきます!」
摩耶「頼むぜ、大淀!」
大淀「お任せを!」
夕立「北方でも悪夢見せたげるっぽーい!」
538
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:14:56 ID:Wwx.GDpY
―――――――――――
北方 某海域 海峡出口付近
利根「筑摩!」
利根「艦隊陣形はどうじゃ!?」
筑摩「はい、利根姉さん」
筑摩「扇状陣形、もう間もなく完成します」
利根「よし……各艦娘へ達する!」
利根「もうすぐ金剛達が海峡を抜けてくる!」
利根「吾輩の合図とともに金剛達を追い、海峡を抜けて来た」
利根「深海棲艦艦隊へ、集中砲火を喰らわせるのじゃ!」
539
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:15:40 ID:Wwx.GDpY
利根(……敵に一杯食わされたふりをして)
利根(後方へ逃げを打ったかのように見せ)
利根(海峡という一種の隘路(あいろ:狭い道の意)へ誘い込み)
利根(海峡先にて扇状に展開した艦娘で出口に現れた敵を叩く!)
利根(……見事な策じゃが、どうしても陣形を整えるために)
利根(少しの時間がいる……!)
利根(金剛、比叡……)
利根(決して……やられるでないぞ!)
筑摩「利根姉さん」
筑摩「陣形準備、整いました」
利根「よし! 吾輩の合図を待て!」
利根「…………」
540
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:16:58 ID:Wwx.GDpY
―――――――――――
ドォンッ ドォンッ!
ドガァッ! ドガアァァンッ!
金剛「ぐっ……くうっ!」
比叡「このぉっ!」
ドォンッ! ドォンッ!
比叡「もう少し……もう少しですよ!」
比叡「金剛お姉さま!」
バキィィンッ!
金剛「うあああっ!!」
金剛(さ、最後の増設バルジがっ!)
541
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:17:33 ID:Wwx.GDpY
ドォンッ ドォンッ!
ドガァッ! ドガアァァンッ!
金剛「ひぎゃあああああっ!!」
比叡「金剛お姉さまぁぁぁっ!!」
比叡「このおぉぉぉぉっ!!」
ドォンッ! ドォンッ!
金剛「ぐっ……う……」
比叡「金剛お姉さま、しっかりしてください!」
金剛「比叡……」
金剛「私……置いて行くネ……」
比叡「っ!」
比叡「何をバカな……!」
542
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:18:33 ID:Wwx.GDpY
金剛「最後の……効いた……ネ……」
金剛「機関出力…………低下……」
金剛「…………」
比叡「金剛お姉さま!?」
比叡「……いいえ、いいえ!」
比叡「比叡は……比叡は!」
比叡「金剛お姉さまを見捨て……」
ドォンッ ドォンッ!
ドガァッ! ドガアァァンッ!
比叡「ぎっ……あああああああああああっ!!」
比叡「…………」
比叡「ま、まだ……動けます」
543
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:19:19 ID:Wwx.GDpY
比叡「さあ、金剛お姉さまも……諦めないで!」
金剛「…………」
比叡「金剛お姉さまあっ!!」
ブロロロロロロ…
ヒュウウウウウウウ……
ドォンッ ドォンッ!
比叡「!?」
ピピー ガガッ
加賀『こちら加賀』
加賀『最後の航空支援よ、長くはもたない』
加賀『急いで!』
比叡「……了解!!」
544
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:19:59 ID:Wwx.GDpY
筑摩「金剛さん達の予定地点通過を確認!」
利根「――全艦娘に達する」
利根「目標、海峡出口付近に現れる敵深海棲艦・艦隊!」
利根「全砲門……開け!!」
ドォンッ ドォンッ!
ドォンッ! ドォンッ!
シュボボボボボンッ
シャアアアアア……
ドガアァァンッ!
利根「次弾装填!」
筑摩「敵艦隊の反撃、来ます!」
545
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:20:45 ID:Wwx.GDpY
利根「回避ー!」
ドォンッ! ドォンッ!
ドガアァァンッ!
利根「今度はこちらの番じゃ!」
利根「残った火力をすべて叩き込め!!」
了解!
熊野「一捻りで黙らせてやりますわ!」
熊野「てー!」
鈴谷「うりゃぁ!」
ドォンッ ドォンッ!
ドォンッ! ドォンッ!
利根「まだまだじゃ!撃ちまくれ!」
筑摩「また敵の反撃、来ます!」
546
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:21:34 ID:Wwx.GDpY
キャアアアアアッ!
損傷! 大破!
サガレ!
利根「こちらも反撃の手を緩めるでない!」
利根「撃って撃って撃ち尽くすのじゃ!」
ドォンッ ドォンッ!
筑摩「!」
筑摩「敵艦隊のイ級が何隻か抜けてきました!」
利根「近寄らせるな!」
シュボボボボボンッ
シャアアアアア……
ドガアァァンッ!
筑摩「イ級殲滅!」
547
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:22:14 ID:Wwx.GDpY
利根「よし、敵艦隊の動きがあからさまに悪くなって来おった!」
利根「皆の衆、もう少しじゃぞ!」
利根「撃てー!」
ドォンッ ドォンッ!
ドォンッ! ドォンッ!
シュボボボボボンッ
シャアアアアア……
ドガアァァンッ!
548
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:23:06 ID:Wwx.GDpY
―――――――――――
筑摩「利根姉さん、敵艦隊、撤退を始めました」
筑摩「追撃しますか?」
利根「そんな余力、微塵も無いわ」
筑摩「ですね」
筑摩「警戒監視を敷いておきます」
利根「頼む」
ピピー ガガッ
筑摩「あ……大淀さんから連絡があったそうです」
利根「何と言ってきた?」
筑摩「…………」
筑摩「侵入してきた敵艦隊を殲滅した、との事です」
利根「そうか」
利根「こちらも何とか勝てたと伝えてくれ」
549
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:23:53 ID:Wwx.GDpY
筑摩「分かりました、利根姉さん」
筑摩「ん?」
利根「どうした?」
筑摩「…………」
筑摩「近くなので、少し長良さんの捜索を行いたいと……」
利根「……大淀の好きにすれば良かろう」
筑摩「では、その様に伝えますね」
利根「ああ、任せる」
利根「鈴谷、熊野、点呼を取ってくれ。被害報告!」
550
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:24:37 ID:Wwx.GDpY
鈴谷「……小破2」
鈴谷「中破……12」
鈴谷「大破18」
鈴谷「轟沈……3」
利根「…………」
熊野「……あの数の劣勢を考えたら」
熊野「記録的な大戦果ですわ」
鈴谷「敵も7割は沈めたし……ほとんどイ級だけど」
利根「そうじゃな……大戦果じゃな」
鈴谷「…………」
利根「じゃが……吾輩はミスをした」
利根「そのミスを無くすため……脱落した仲間を見捨てた」
551
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:25:21 ID:Wwx.GDpY
鈴谷「…………」
熊野「…………」
利根「……結局、吾輩はイケメン提督と似た様な事を」
金剛「利根サーン……それを言い出したら」
金剛「私もイケメン提督と同じネ……」
利根「!」
利根「金剛……大丈夫なのか?」
金剛「疲労がポンッと回復するお菓子を食べてなかったら」
金剛「危なかったネ……」
利根「……あれを使っておったのか」
552
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:26:11 ID:Wwx.GDpY
金剛「それよりも……利根サン」
金剛「先の戦いで……私は第二戦隊を……見捨てマシた」
利根「じゃが、あれは……」
金剛「同じヨ……見捨てたことに代わりないネ……」
利根「…………」
比叡「利根さん……気に病むのは後にしましょう」
比叡「今は傷ついた艦娘を一刻も早く入渠させなければ」
利根「!」
利根「……そうじゃな」
利根「全艦娘に達する」
利根「警戒監視の艦娘を除いて、全艦娘」
利根「北方鎮守府へ帰還せよ!」
553
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:26:46 ID:Wwx.GDpY
―――――――――――
北方鎮守府 工廠
明石「…………」
明石「ふううっ……」
明石「これで後はテストして……と」
カチャ カチャ
ピッ
明石「…………」
明石「……ん?」
明石「…………」
明石「これって……何?」
554
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 19:27:57 ID:Wwx.GDpY
本日はここまでです。
555
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 23:03:17 ID:cYHj6Mg6
乙、ブサ提督に料理上手説?
556
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/07(水) 19:37:25 ID:C6RmN7yo
乙ん乙ん
一方で交流を深めてもう一方で対立を深めてでコレどうなっちゃうんやろ
557
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/09(金) 19:52:04 ID:2aUzpO4U
>>555
全部レトルト(保存食)を開けただけです。
第二次世界大戦当時には無かったものですが
艦これなのでご容赦を……
558
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/09(金) 19:53:07 ID:2aUzpO4U
―――――――――――
夜
西方海域 とある離島の砂浜
ザザーン… ザザーン…
ブサ督「…………」
ブサ督「…………」
ブサ督(……もう、迷っている時間は無い)
ブサ督(桜の様態は悪化の一途……)
ブサ督(とうとう首から上しか動かせない様に……)
ブサ督(…………)
559
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/09(金) 19:54:07 ID:2aUzpO4U
テント内
ブサ督「……桜」
桜「ん……ブサイク提督」
ブサ督「…………」
ブサ督「話がある」
桜「なんだ?」
ブサ督「君を……」
ブサ督「我々の医療……生体部分メンテナンスを」
ブサ督「受けてみないか?」
桜「…………」
桜「…………」
560
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/09(金) 19:55:04 ID:2aUzpO4U
ブサ督「桜」
桜「聞こえている」
ブサ督「…………」
桜「…………」
桜「一つ聞きたい」
ブサ督「なんだ?」
桜「こんな状況になってから提案するという事は……」
桜「何か……デメリットがあるのか?」
ブサ督「…………」
ブサ督「……感がいいな」
桜「そんな不安そうな顔をしていれば嫌でも分かる」
ブサ督「…………」
561
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/09(金) 19:56:04 ID:2aUzpO4U
ブサ督「まず……桜の症状が良くなるかどうかは分からない」
桜「…………」
ブサ督「そして……」
ブサ督「君は深海棲艦の貴重なサンプルでもある」
桜「…………」
ブサ督「俺の権限では医療従事者の口まで塞げない」
ブサ督「桜の事を知った大本営は……おそらく君を……」
ブサ督「研究材料として実験動物にする可能性が高い」
桜「…………」
桜「実験動物……か」
桜「それは少し受け入れがたいな」
562
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/09(金) 19:57:13 ID:2aUzpO4U
ブサ督「だが、生き延びられる可能性もある」
ブサ督「このままじゃ君は……君は……!」
桜「…………」
ザザーン… ザザーン…
桜「私は……このままでいい」
ブサ督「!」
桜「ブサイク提督は信じられないだろうが」
桜「気分も悪くないし、どこかが痛い訳でもない」
桜「正直……手足を動かせないのに何を言ってるんだと思うだろうが」
桜「死ぬ気がしないんだ」
ブサ督「桜……」
ブサ督「…………」
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