[
板情報
|
R18ランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
【艦これ】ブサ督「イケメンに限るって……真理だよな」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/22(土) 08:23:30 ID:Xw55B38o
※注意事項
自分は艦これ改しか知らない提督です。
話の都合上、艦娘の幾人かはゲスいです。
また割と艦娘が轟沈します。
気まぐれ投下。
これらが嫌な方はブラウザバックしてください。
33
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:03:06 ID:S6Rj0msw
大淀「…………」
大淀「あ、そういえば……」
大淀「…………」 ゴソゴソ…
大淀「あった」
大淀「すみません、ブサイク提督」
ブサ督「ん?」
大淀「今朝、大本営から書状が届いていたのを失念していました」
ブサ督「書状? 大本営から?」
大淀「はい。 これがそれになります」つ(書状)
ブサ督「……?」つ(書状)
34
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:08:35 ID:S6Rj0msw
ビリッ ガサガサ…
ブサ督「…………」
ブサ督「ッ!?」
大淀「どうされました?」
ブサ督「…………」
大淀「提督?」
ブサ督「……出向命令だ」
大淀「ああ、艦娘の」
ブサ督「違う」
大淀「え?」
ブサ督「俺への、だ……」
35
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:09:13 ID:S6Rj0msw
大淀「あら」
大淀「出向先はどこなんですか?」
ブサ督「南方方面艦隊鎮守府……となっている」
大淀「……え?」
大淀「その鎮守府はイケメン提督が着任しているのでは……?」
ブサ督「そのイケメン提督と入れ替え、となっている」
大淀「!」
大淀(という事は……イケメン提督がここにいらっしゃる!?)
大淀(きゃー!///)
大淀「そ、それで……いつ、なんですか?」
ブサ督「…………」
ブサ督「今日から一週間後……となってる」
大淀「左様ですか」
36
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:10:14 ID:S6Rj0msw
大淀「良かったですね、提督」
ブサ督「……え?」
大淀「だってイケメン提督が平定した後の海域を守るだけなんですから」
大淀「これほど楽な出向も無いですよ」
ブサ督「…………」
ブサ督「大淀、聞いてくれ」
大淀「さて、これからいろいろと準備しないといけませんね」
大淀「まずは……」
ブサ督「大淀!」
大淀「ひっ」 ビクッ
ブサ督「…………」
ブサ督「怒鳴ったのは謝る」
ブサ督「でも聞いてくれ」
37
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:10:56 ID:S6Rj0msw
大淀「はあ……」
ブサ督「大淀に……いや」
ブサ督「ここの艦娘ほぼ全員に俺が良く思われてないのは分かっている」
大淀「…………」
ブサ督「だから、信じてもらえないかもしれない」
ブサ督「ただの僻(ひが)みと思うかもしれない」
ブサ督「それでも、ひとこと言っておく」
大淀「…………」
ブサ督「イケメン提督の指揮には疑問が生じる」
大淀「…………」
38
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:11:46 ID:S6Rj0msw
ブサ督「大淀も知っているだろうが」
ブサ督「勝っていながら、何故戦力を欲しがるのか」
ブサ督「また、俺は何度と無く出向した艦娘の安否を大本営に尋ねているが」
ブサ督「曖昧に対応されて一向に答えてくれない」
大淀「…………」
大淀「……何がおっしゃりたいのでしょうか?」
ブサ督「だから、そこから推測すると」
ブサ督「新聞報道はでたらめで、実際には相当の被害を受け」
ブサ督「それを覆い隠すため、世間受けのいい」
ブサ督「イケメン提督を前面に出しているんじゃないかと思う」
大淀「…………」
ブサ督「つまり」
39
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:12:19 ID:S6Rj0msw
ブサ督「この出向話は、イケメン提督の失態を」
ブサ督「全部俺に押し付けるための辞令ではないかと俺は思うんだ」
大淀「…………」
大淀「……すみませんが」
大淀「ちょっと信じがたい推測ですね」
ブサ督「…………」
大淀「戦力についても戦闘行為があったのなら損害は付き物ですし」
大淀「こう言っては大変失礼ですが」
大淀「ブサイク提督が大本営に失態を押し付けられる……」
大淀「もっと言いますと、嫌われる原因を作っているのも」
大淀「問題なのではないでしょうか?」
ブサ督「…………」
40
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:13:15 ID:S6Rj0msw
大淀「いずれにしても」
大淀「辞令が下った以上、出向は確定していますし」
大淀「準備をなさった方がよろしいのでは?」
ブサ督「…………」
ブサ督「……そうか」
ブサ督「確かに……その通り、だな」
大淀「わかってもらえましたか」
ブサ督「では、その準備は大淀に一任する」
ブサ督「必要な事があれば言ってくれ」
大淀「了解です」
大淀「それでは、ちょっと失礼しますね」
ブサ督「ああ……」
41
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:13:49 ID:S6Rj0msw
ガチャ キィ パタン
ブサ督「…………」
ブサ督(なんか……もう)
ブサ督(どうでも良くなってきたな)
ブサ督(…………)
ブサ督(…………)
ブサ督(あとは……)
ブサ督(俺の推測がまったくの見当違いである事を)
ブサ督(祈るのみ……か)
ブサ督(…………)
42
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:14:50 ID:S6Rj0msw
―――――――――――
一週間後
北方鎮守府 執務室
大淀「忘れ物は無いですか?」
ブサ督「……ああ」
大淀「それでは、南方鎮守府でも頑張ってくださいね」
ブサ督「分かっている」
ブサ督「それからな、大淀」
大淀「はい」
ブサ督「…………」 ゴソゴソ…
ブサ督「これを渡しておく」つ(書類)
43
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:16:08 ID:S6Rj0msw
大淀「これは……?」つ(書類)
ブサ督「俺が考えた防衛作戦の一覧だ」
ブサ督「状況や地形、戦力等で分類してある」
大淀「は?」
ブサ督「もし……万が一」
ブサ督「イケメン提督の指揮に疑問が生じたら」
ブサ督「参考にしてくれ」
大淀(…………)
大淀(この人は……どこまで見栄っ張りで僻(ひが)み根性丸出しなんでしょう)
大淀「……了解しました」
大淀「そうだ、最後に質問してもよろしいでしょうか?」
ブサ督「なんだ?」
44
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:16:48 ID:S6Rj0msw
大淀「いつだったかの侵攻作戦」
大淀「突然撤退を指示されて腑に落ちなかったのですが」
大淀「どういう意図があったのでしょう?」
ブサ督「…………」
ブサ督「あの作戦目的の泊地は、危険だと判断しただけだよ」
ブサ督「侵攻の道中も抵抗が少なかったし……」
ブサ督「泊地付近には無数の孤島や岩礁が存在する」
ブサ督「自分が敵の立場なら、敵を誘い込んで」
ブサ督「一気に包囲殲滅するのに最適な場所だと思ったんだ」
大淀「え……」
ブサ督「攻められて困る場所ってのは、たいてい抵抗が強くなる」
ブサ督「これは戦術・戦略の基本だよ」
大淀「…………」
45
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:17:49 ID:S6Rj0msw
ブサ督「もっとも……それを利用する奴もいるだろうから」
ブサ督「一概に言い切れないところではあるがな」
大淀「…………」
ブサ督「納得したか?」
大淀「は、はい」
ブサ督「そうか」
ブサ督「それじゃあな……」
大淀「…………」
ガチャ キィ パタン
大淀「…………」
46
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:18:29 ID:S6Rj0msw
大淀「…………」
大淀「…………」つ(書類)
大淀「…………」つ(書類)
大淀「……まあ」
大淀「保険はあっても困らない……ですよね」
大淀「たぶん必要ないでしょうけど」
大淀「…………」
大淀「この引き出しの奥にでもしまっておきましょう」
ごそごそ
大淀「うん」
大淀「これでよし、と」
大淀「さ、歓迎会場に行かなくちゃ!」
47
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:19:18 ID:S6Rj0msw
テク テク テク
ブサ督「…………」
デー、イケメン提督ッテー
キャー キャー
ブサ督「…………」
テク テク テク
ブサ督「…………」
ブサ督「!」
ブサ督「…………」
ブサ督(……イケメン提督、歓迎会会場)
ブサ督「…………」
ブサ督「……へっ」
48
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:20:17 ID:S6Rj0msw
テク テク テク
ブサ督「…………」
ブサ督「…………」
ブサ督「あ……」
ブサ督「金剛、比叡……」
金剛「それでもう楽しみデー……あ」
比叡「ブサイク提督……」
ブサ督「…………」
金剛「何かご用ですカー?」
ブサ督「……そうだ」
比叡「いったい何用です?」
ブサ督「……今さっき、大淀に」
ブサ督「俺が考えた防衛作戦の一覧を渡しておいた」
49
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:20:57 ID:S6Rj0msw
金剛「はあ……」
比叡「左様ですか」
ブサ督「…………」
ブサ督「……もし、イケメン提督の指揮に疑問が」
金剛「たぶん無いと思うネー」
比叡「ええ。私もそう思います」
ブサ督「…………」
ブサ督「……そうか」
金剛「それじゃ、南の鎮守府でも頑張ってくだサイネー」
比叡「さようなら、ブサイク提督」
ブサ督「……ああ」
50
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:21:48 ID:S6Rj0msw
―――――――――――
北方鎮守府 正面玄関付近
テク テク テク
ブサ督「…………」
テク テク テク… ピタ
ブサ督「…………」
ブサ督(見送りも無し……か)
ブサ督(…………)
ブサ督(…………)
ブサ督(……南方鎮守府でも)
ブサ督(こんな扱いなんだろうな……たぶん)
テク テク テク…
51
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:22:39 ID:S6Rj0msw
―――――――――――
北方鎮守府
イケメン提督 歓迎会会場
ポンポンッ ポンッ
大淀「イケメン提督、北方方面艦隊鎮守府へようこそ!」
大淀「艦娘一同、心待ちにしておりました!」
イケ督「おおっ、これはこれは……」
イケ督「こんなに熱烈な歓迎をして貰えて嬉しいよ」
イケ督「ありがとう」 ニコッ
大淀「い、いえ///」
52
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:23:33 ID:S6Rj0msw
金剛「イケメンテイトクー!」
金剛「私は金剛ネー!」
金剛「これからどんどん活躍するから、期待してくだサーイ!」
比叡「もう、お姉さまったら、子供みたいにはしゃいで……」
イケ督「ははは、まあいいじゃないか」
イケ督「もちろん当てにさせてもらうよ」
天龍「おい! 俺も活躍させろよ!?」
天龍「前の提督の下じゃ遠征ばかりさせられて、もううんざりなんだよ!」
イケ督「ああ、安心してくれ天龍」
イケ督「必ず君の期待に答えよう」
天龍「うっしゃあ!」
ハハハハハハ…
53
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:24:08 ID:S6Rj0msw
長門「…………」
陸奥「…………」
翔鶴「…………」
瑞鶴「…………」
鈴谷「…………」
熊野「…………」
利根「ん?」
利根「何じゃお主ら。 見たところ艦娘のようじゃが」
利根「イケメン提督の艦娘か?」
長門「……ああ」
利根「そうか。 ならばこれからは仲間じゃな」
利根「我輩は利根じゃ。 よろしく頼む」
54
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:24:46 ID:S6Rj0msw
長門「……よろしく。 長門だ」
利根「ほう。 かの有名なビック7とはお主の事……」
長門「すまないが」
利根「!」
長門「疲れたので部屋を用意してもらいたい」
利根「そ、そうか」
利根「それは気が効かずに済まない事をした」
利根「大淀!」
大淀「はい?」
大淀「利根さん。 何でしょう?」
利根「こやつらはイケメン提督直属の艦娘なのじゃが」
利根「疲れていると言うので部屋へ案内しようと思ってな」
利根「部屋番号を……」
大淀「……私は何も聞いてませんが」
55
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:25:30 ID:S6Rj0msw
利根「……何?」
大淀「ですから、新しい艦娘が来る、などとは聞いていませんが……」
利根「そうなのか?」
長門「…………」
利根「しかし……現にああして来ているのだし」
利根「何かの手違いではないのか?」
大淀「かもしれませんね……」
大淀「ともかく、イケメン提督に事情を聞いて」
イケ督「私がどうかしたのかい?」
利根「おう、イケメン提督。 実は……」
56
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:26:24 ID:S6Rj0msw
―――――――――――
イケ督「ああ、そうだったか」
イケ督「確かに急遽決まったからね……」
イケ督「連絡が追いつかなかったのだろう」
利根「やはりか」
イケ督「さっそく迷惑をかけてしまって申し訳ない」
イケ督「事情が事情だから、急ごしらえの部屋でも」
イケ督「私の艦娘は文句を言わないだろう」
イケ督「彼女達の部屋を用意してくれるかな?」
大淀「はい。 分かりました」
大淀「お安い御用です」
イケ督「頼もしいね。 これからもよろしく頼むよ」
大淀「はい///」
57
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:27:15 ID:S6Rj0msw
望月「…………」
望月「ねえ、天龍」
天龍「あん?」
望月「ブサイク司令官の送迎会はいつやったの?」
天龍「やるわけねーだろ、んなもん」
望月「えっ」
天龍「来る日も来る日も遠征、哨戒、演習ばっかで」
天龍「前線に立たせてくれねーし」
天龍「たまーに出撃したかと思えばすぐ撤退命令出すし」
天龍「そんな腰抜けで、おまけにブ男な司令官の送迎会なんて必要ないない」
望月「…………」
58
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:28:05 ID:S6Rj0msw
北方鎮守府 正面玄関付近
ビュオオオオオオ…
望月「…………」
文月「望月」
望月「……文月」
文月「こんなところで何してるの?」
文月「風邪引いちゃうよ? 中に入ろう?」
望月「…………」
望月「……そうだね」
ギィ… パタン
望月「…………」
59
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:28:35 ID:S6Rj0msw
望月「ねえ、文月」
文月「うん?」
望月「ブサイク司令官って……」
望月「そんなにダメな司令官だったのかな……?」
文月「……さあ」
文月「文月には分からない」
望月「……そう」
文月「…………」
文月「でも文月は、嫌いじゃ無かったよ」
望月「!」
望月「ほんと?」
60
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:29:34 ID:S6Rj0msw
文月「うん」
文月「……天龍の前じゃ言えないけどね」
文月「艤装の事とか相談したら、ちゃんと聞いてくれたし」
文月「時々飴ちゃんくれるし」
望月「ふふふ、そうだね」
望月「よくくれたね、飴ちゃん」
文月「あはは」
望月「…………」
文月「…………」
望月「また……会えるよね?」
文月「うん。きっと会えるよ」
望月「うん……そうだよね」
61
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 01:31:02 ID:S6Rj0msw
本日はここまで。
62
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 03:37:11 ID:TBWnfZac
乙
63
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 08:49:03 ID:URh41WPU
続きがきになる
64
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/26(水) 23:52:28 ID:/wQUJPv.
乙、鳥海=サンまだー?
65
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:22:59 ID:f96qigYE
>>57
修正↓
66
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:24:31 ID:f96qigYE
望月「…………」
望月「ねえ、天龍」
天龍「あん?」
望月「ブサイク司令官の送別会はいつやったの?」
天龍「やるわけねーだろ、んなもん」
望月「えっ」
天龍「来る日も来る日も遠征、哨戒、演習ばっかで」
天龍「前線に立たせてくれねーし」
天龍「たまーに出撃したかと思えばすぐ撤退命令出すし」
天龍「そんな腰抜けで、おまけにブ男な司令官の送別会なんて必要ないない」
望月「…………」
67
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:26:15 ID:f96qigYE
続きを始めます。
68
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:26:53 ID:f96qigYE
―――――――――――
3日後
南方鎮守府 正面玄関付近
ブサ督「はあ……はあ……はあ……」
ブサ督「ふうぅぅぅ……」
ブサ督「…………」
ブサ督「あっつうぅぅ……」
ブサ督「デブには辛い地域だ……」
ブサ督「…………」
ブサ督「はい、出迎えも特に無し、と……」
69
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:28:27 ID:f96qigYE
―――――――――――
南方鎮守府内
テク テク テク
ブサ督「…………」
ブサ督(……建物の構造はだいたい同じだな)
ブサ督(という事は執務室は……)
ブサ督「!」
ブサ督(第一艦娘発見!)
ブサ督(……などとお茶らけた雰囲気は出せない様子)
ブサ督「…………」 コホン
ブサ督「あー……そこの艦娘」
70
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:29:31 ID:f96qigYE
?「……ん?」
?「誰……なのです?」
ブサ督「本日付でここの司令官に任命されたブサイク提督だ」
?「ああ……そういえば、そんな話ありましたね」
ブサ督「…………」
ブサ督「すまないが執務室まで案内を……」
ブサ督「おっと、その前に君の名前を教えてくれ」
?「……電(いなずま)といいます」
ブサ督「そうか、よろしくな、電」
電「執務室ですね……」
電「こちらになります」
ブサ督「…………」
71
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:30:31 ID:f96qigYE
―――――――――――
南方鎮守府 執務室前
電「このお部屋が執務室になります」
ブサ督「ありがとう」
電「いえ」
電「それでは……」
テク テク テク…
ブサ督「あ……」
ブサ督「…………」
ブサ督「まあいいか……」
ガチャ
72
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:32:32 ID:f96qigYE
??「!?」
??「誰だ!?」
ブサ督「御挨拶だな……」
ブサ督「本日付でここの司令官に任命された」
キィ… パタン
ブサ督「ブサイク提督だ」
??「ああ……あんたが後任の」
ブサ督「……お互い色々思うところがあるみたいだが」
ブサ督「とりあえず名前を教えてくれないか?」
??「そうだね……それは失礼だったねブサイク提督」
??「私は川内」
川内「ここの秘書艦をやってる」
73
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:34:27 ID:f96qigYE
ブサ督「そうか」
ブサ督「では……何か言いたい事があるのなら言ってみてくれ」
川内「……言いたい事?」
ブサ督「そうだ」
川内「…………」
川内「く……くくく」
川内「ふふ……ふふふふっ……」
川内「あははははははははははっ!」
ブサ督「…………」
川内「じゃあ、言わせて貰うけどね」
川内「地獄へようこそ!としか」
川内「言いようが無いね!」
74
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:35:26 ID:f96qigYE
ブサ督「…………」
ブサ督「そうか……」
川内「そうか? そうか、だって?」
川内「そんな言葉で返せる余裕がお有りの様で」
川内「羨ましく思うよ!」
ブサ督「俺に余裕が有る様に見えるのか」
川内「…………」
ブサ督「どうやら俺は、イカサマ師の才能があるみたいだな……」
川内「…………」
ブサ督「……では、現状報告を頼む」
川内「……了解」
75
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:36:31 ID:f96qigYE
―――――――――――
ブサ督「…………」
ブサ督「…………」
ブサ督(……覚悟は)
ブサ督(それなりにしていた……)
ブサ督(だが……)
ブサ督(…………)
ブサ督(だがっ!)
ダンッ!
川内「……ふん」
川内「机にあたっても現状は変わらないよ」
ブサ督「まさか……ここまで酷いとはな……」
76
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:38:24 ID:f96qigYE
ブサ督(ほぼ南方海域全域に広がる戦線)
ブサ督(無計画と言うしかない無謀な侵攻……)
ブサ督(損耗率は6割に達し)
ブサ督(あらゆる物資が底をつきかけている……!)
ブサ督(こんな状況でどうしろと言うんだ!!)
川内「…………」
ブサ督「…………」
ブサ督「……川内」
川内「何?」
ブサ督「補充で来た北方鎮守府の艦娘は」
ブサ督「どうなったか分かるか?」
77
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:39:47 ID:f96qigYE
川内「…………」
川内「悪いけど知らない」
川内「あたしも前回の作戦前に来た補充の艦娘だからね……」
ブサ督「そうか……」
ブサ督「…………」
ブサ督(配置・未配置の艦娘の中に)
ブサ督(あの8人の名前は……無い)
ブサ督(…………)
ブサ督(そういう……こと、なのだろうな……)
川内「…………」
川内「……大事な艦娘だったのかい?」
ブサ督「…………」
ブサ督「もう……わからん」
78
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:40:54 ID:f96qigYE
川内「わからない?」
ブサ督「今は……いろんな感情が渦巻いてて……」
ブサ督「悲しいのか、悲しくないのか」
ブサ督「空しいのか、腹立ってるのか……」
ブサ督「もう……訳がわからん」
川内「ふうん……そう」
川内「ともかく、現状は今、説明した通り」
川内「あんたはここの司令官。 命令には従う」
ブサ督「……頼もしいお言葉で」
川内「あの顔だけ提督よりマシなら、もうそれでいい」
川内「よろしく頼むよ、ブサイク提督」
ブサ督「……出来るだけ期待に答えよう」
79
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:42:07 ID:f96qigYE
ブサ督「では、さっそくだが」
ブサ督「鈴谷と熊野を連れてきてくれ」
川内「……居ないよ」
ブサ督「……は?」
川内「その二人だけじゃない」
川内「鈴谷、熊野、戦艦の長門と陸奥、正規空母の翔鶴、瑞鶴の計6人は」
川内「顔だけ提督が北方鎮守府に連れて行った」
ブサ督「…………」 クラッ…
川内「…………」
ブサ督「……めまいがした」
川内「きっと……暑さのせいだね」
ブサ督「そうだったなら、どれだけいいか……」
80
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:44:22 ID:f96qigYE
ブサ督「……はあ」
ブサ督「もう嘆いてもしょうがない」
ブサ督「現在のこの鎮守府で一番索敵能力に長けているのは?」
川内「たぶんあたしか、暁かな……」
川内「暁は改二だし……」
ブサ督「よし、暁を呼んで来てくれ」
川内「了解」
タッ タッ タッ…
ブサ督「…………」
81
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:46:34 ID:f96qigYE
―――――――――――
大本営 大将の部屋
ジリリリリンッ ジリリリリンッ
大将「ん……電話か」
ガチャ
大将「私だ」
大将「…………」
大将「ああ、南方鎮守府からか」
大将「構わん。 繋げ」
大将「…………」
大将「やあ、ブサイク提督」
大将「そろそろ掛かってくる頃だと思っていた」
大将「南方鎮守府の居心地はどうかね?」
大将「ハッハッハッ!」
82
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:48:02 ID:f96qigYE
ブサ督『……笑っていられるのも今の内だけです、大将閣下』
大将「何?」
ブサ督『あなたが私を敗軍の将として糾弾する為に』
ブサ督『今回の人事を仕組んだのは分かりますが』
ブサ督『このままだと、私の首だけでは済まない可能性が高い』
大将「…………」
大将「ふん。 何が言いたい?」
ブサ督『簡単に説明しますとね』
ブサ督『現在の南方鎮守府は、主力艦娘不在』
ブサ督『残存戦力は軽巡級・駆逐級艦娘二十数人という有様』
ブサ督『おまけにあらゆる物資が底をつきかけている』
大将「!?」
ブサ督『こんな状況では、南方鎮守府は陥落寸前と言う外ありません』
83
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:49:45 ID:f96qigYE
大将「ま、待て!」
大将「主力艦娘が不在とはどういう事だ!?」
大将「それに物資もそこそこは……」
ブサ督『秘書艦の話だと、イケメン提督が連れて行ったとの事です』
ブサ督『推測ですが物資もついでに持って行ったのでしょう』
大将「」
ブサ督『現状の把握はできましたか?』
大将「あの……無能めがぁっ!」
ブサ督『……その辺の認識は一致するところですが、大将閣下』
ブサ督『私の言いたい事は ご理解いただけましたか?』
大将「う、うむ……」
84
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:51:29 ID:f96qigYE
ブサ督『さしあたり、物資の補給を大至急お願いします』
ブサ督『特に燃料と弾薬・食料は絶対に急がせてください』
ブサ督『鋼材とボーキサイトは多少遅れても構わないですが……』
ブサ督『それでもなるべく急いで手配をしてください』
大将「わ、分かった」
大将「だが……どんなに急いでも最低4〜5日程度は掛かる」
大将「それまで持つのか?」
ブサ督『約束なんて出来ませんよ』
ブサ督『深海棲艦たちが浮かれてバカンスでもしてくれる事を』
ブサ督『祈っててください』
大将「…………」
ブサ督『それでは……補給物資が届くのをお待ちしています』
85
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:52:44 ID:f96qigYE
ブッ… ツー ツー
大将「…………」
大将「…………」
大将「……くそがああああっ!!」
ガチャン!
大将「はあ、はあ、はあ……」
大将「ちっ……」
大将(だが、あのブ男の言う通りだ)
大将(仮に南方鎮守府が敵に奪取されたら)
大将(南方海域全域を失うも同然……)
大将(当然そうなったら……責任者である私にも批判が……)
大将「……クソッ」
86
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:54:03 ID:f96qigYE
チンッ…
ブサ督「ふう……」
川内「上手く行ったの?」
ブサ督「たぶんな」
ブサ督「だが物資が届くまで4〜5日はどうしても掛かる」
川内「考えたんだけどさ」
川内「遠征で何とかならない?」
ブサ督「遠征にまわす余剰戦力も時間も無い」
川内「でも、だいぶ戦線を切り捨てたんでしょ?」
川内「もういっそのこと全部捨てて鎮守府に立てこもったら?」
ブサ督「それも一つの手だが」
ブサ督「それだと敵の戦力も集中してしまう恐れがある」
87
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:55:37 ID:f96qigYE
ブサ督「そうさせないため、ゲリラ戦を展開する必要があるんだよ」
ブサ督「少数が多数の敵を打ち破るのは容易じゃない」
ブサ督「戦線を引っ掻き回す事で時間も稼げるしな」
川内「へえ……いろいろ考えてるんだね」
ブサ督「とは言っても……」
ブサ督「それに敵さんが乗ってくれればの話」
ブサ督「大群が猪突猛進して、この南方鎮守府を目指してきたら」
ブサ督「それでゲームセット。 お終いだ」
ブサ督「尻尾巻いて逃げるしかない」
川内「そう……」
コン コン
ブサ督「おう。 入ってくれ」
88
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:56:37 ID:f96qigYE
ガチャ
電「失礼します」
キィ パタン
川内「来たね、電」
電「何かご用ですか?」
川内「うん」
川内「あたし、これから任務に出る」
川内「だから電に秘書艦をやって欲しいんだ」
電「……電が、ですか?」
川内「ああ」
川内「安心して、電」
川内「今度来たブサイク提督は見た目キモイけど、割とまともだよ」
89
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:57:50 ID:f96qigYE
ブサ督「…………」
電「えと……川内さん、いくら何でも言っていい事と悪い事が」
ブサ督「……別にいい、電」
ブサ督「自分がブ男なのは毎朝、顔を洗う時に嫌でも自覚するしな……」
電「は、はあ……」
川内「じゃ、ブサイク提督」
川内「川内、暁と共に出撃します!」
ブサ督「ああ……」
ブサ督「頼んだぞ」
ガチャ キィ パタン
ブサ督「…………」
電「…………」
90
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 07:58:55 ID:f96qigYE
電「あの……ブサイク司令官さん」
ブサ督「ん?」
電「勝算がお有りなのですか?」
ブサ督「…………」
ブサ督「逆に聞いてしまうが……」
ブサ督「どうしてそんな質問をするんだ?」
電「その……」
電「川内さん、いつもと違って明るい表情でしたので」
ブサ督「そうか……」
ブサ督「それからさっきの質問だけどな」
ブサ督「勝算なんてまったく無い」
電「え……」
91
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 08:00:03 ID:f96qigYE
ブサ督「これから俺が川内達に指示する作戦は」
ブサ督「時間稼ぎのかく乱戦法だからな」
ブサ督「最初から『勝ち』なんてものは捨てている」
ブサ督「だから、勝算なんてものは無くていいんだよ」
電「…………」
ブサ督「理解できないか?」
電「いえ……でも、だとすると……」
ブサ督「すると?」
電「ブサイク司令官さんのせいじゃないとしても……」
電「これまでの艦娘の犠牲は……なんだったのだろう、と……」
ブサ督「…………」
ブサ督「……そうだな」
92
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 08:01:23 ID:f96qigYE
本日はここまでです。
93
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 09:53:02 ID:7KPiSmkU
乙、信賞必罰が狂うと組織人こそ箍が外れてダメになるよな
94
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 12:23:39 ID:FHKVwDQE
乙、続きもよろ
95
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 15:28:15 ID:qTFmPJy6
言動がまともで階級からして最低限の身綺麗さはあるだろう提督の容姿に対するヘイトが高すぎるんじゃが、艦娘はブサイクに親を殺されでもしたんか……
取り敢えず駆逐艦ちゃん達だけでも生還してくれ……続き待機
96
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 17:07:08 ID:Evb.NmIQ
こんな艦娘をだれが作った
97
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/29(土) 17:17:45 ID:Evb.NmIQ
盲目の少女と、彼女の唯一の肉親である祖母が暮らしていた。
ある日、お婆さんが亡くなり、身よりのない少女は、村の神父が引き取ることになった。
神父が彼女を引き取ったのは純粋な慈悲からだったが、いつしか2人は恋に落ちた。
ある時、村を訪れた医者に彼女を診せたところ、手術で治ることが分かった。
神父に喜びと同時に、新たな悩みを抱えた。彼はブサイクだった。
しかし、神父は彼女のためにと寄付を募り、なけなしの財産をはたき、彼女の目の手術を依頼した。手術は成功した。
医者「ゆっくり目を開けてごらん。」
少女「…!!見えるわ!何もかも!」
神父「僕が見えるかい?」
少女「ええ、とても!」
医者「どうやら手術は成功のようだね。」
少女「ありがとうございました。…でも」
医者「どうしたんだね?」
少女「耳が悪くなりました。この方の声が神父様の声に聞こえます。」
98
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/30(日) 02:26:34 ID:xHznyaBg
世の中そんなもんだからね…辛いけど仕方ないネ
99
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/01(火) 00:56:24 ID:rrQ73X4o
艦これ知らんけど面白い
100
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 18:51:13 ID:h6NDFXQo
>>87
修正↓
101
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 18:52:03 ID:h6NDFXQo
ブサ督「そうさせないため、ゲリラ戦を展開する必要があるんだよ」
ブサ督「少数が多数の敵を打ち破るのは容易じゃない」
ブサ督「戦線を引っ掻き回す事で時間も稼げるしな」
川内「へえ……いろいろ考えてるんだね」
ブサ督「とは言っても……」
ブサ督「それに敵さんが乗ってくれればの話」
ブサ督「大軍が猪突猛進して、この南方鎮守府を目指してきたら」
ブサ督「それでゲームセット。 お終いだ」
ブサ督「尻尾巻いて逃げるしかない」
川内「そう……」
コン コン
ブサ督「おう。 入ってくれ」
102
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 18:52:53 ID:h6NDFXQo
続きを投下します。
103
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 18:53:35 ID:h6NDFXQo
―――――――――――
北方鎮守府 軍港
金剛「さぁて!」
金剛「張り切って行くネー!」
比叡「はい、金剛お姉さま」
利根「うむ。 我輩たちの門出を祝うかの様な快晴じゃの!」
筑摩「そうですね、利根姉さん」
イケ督「そろっている様だな」
金剛「あ、イケメンテイトク!」
金剛「金剛の力、よ〜く見ててネー!」
イケ督「ははは、期待してるよ」
104
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 18:54:15 ID:h6NDFXQo
第一戦隊
金剛 比叡 利根 筑摩 赤城 加賀
第二戦隊
長門 陸奥 鈴谷 熊野 翔鶴 瑞鶴
イケ督「そっちも問題ないか?」
長門「……ええ」
陸奥「しっかりと休養を取りましたから」
イケ督「よし」
イケ督「では、これより、北方深海棲艦泊地奪取作戦を開始する」
イケ督「抜錨せよ!」
105
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 18:55:59 ID:h6NDFXQo
オオー!
大淀「…………」
大淀「あの、イケメン提督」
イケ督「ん? 何かな?」
大淀「作戦立案の時にも意見具申しましたが……」
大淀「あの泊地周辺は孤島と岩礁が多数存在し」
大淀「敵が伏兵を敷くには最適と思われます」
大淀「どの様な対処法をお考えになられたのですか?」
イケ督「ああ、その事か」
大淀「はい」
106
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 18:56:39 ID:h6NDFXQo
イケ督「それについては問題ない」
イケ督「伏兵には伏兵で対抗するまでさ」
大淀「……はい?」
イケ督「ははは! まあ大船に乗ったつもりで」
イケ督「どっしり構えていればいいんだよ」
大淀「はあ……」
大淀「…………」
―――――――――――
南方海域 某戦線
ザザザザザザ…
雷「くっ……!」
雷「しつこい!」
107
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 18:59:11 ID:h6NDFXQo
ドォンッ ドォンッ!
ドガァンッ
雷「はあっはあっ……」
雷「何とかなったけど……もう弾薬が……」
雷「このままじゃ……どうにもならない」
ザザザザザザ…
雷「はっ!?」
雷「いけな――」
ドォンッ ドォンッ!
ドガァンッ
雷「…………」
雷「……あれ?」
108
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:00:11 ID:h6NDFXQo
川内「雷(いかづち)、大丈夫?」
雷「えっ、川内!?」
雷「どうして秘書艦のあなたがここに?」
川内「説明すると長くなるから、かいつまんで言うよ」
川内「新しく来た後任のブサイク提督の命令」
雷「ブサイク提督?」
川内「見た目キモイけど、今度のはマシそうよ」
川内「拡大しすぎた戦線をある程度切り捨てる事になった」
川内「雷はここから撤退して」
川内「ここは放棄」
雷「りょ、了解」
109
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:01:09 ID:h6NDFXQo
川内「ここの駐留部隊は燃料・弾薬、食料を優先して」
川内「持てるだけ持って南方鎮守府へ帰って!」
川内「じゃ、伝えたからね!」
ザザザザザザ…
雷「あっ、ちょっと!……もう」
雷「…………」
雷「ブサイク提督、ね……」
雷「見た目キモイって……どんなよ」
110
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:02:11 ID:h6NDFXQo
―――――――――――
南方海域 某戦線2
暁「ここは私達の戦隊が引き受けるわ」
暁「あなた達は出来るだけ物資を持って」
暁「南方鎮守府へ向かって」
由良「了解」
由良「でも……イケメン提督がそんな命令を?」
暁「ううん、これは後任のブサイク司令官の命令よ」
由良「ブサイク司令官……」
暁「ちょっと……ううん、かなりお顔がアレな人だけど」
暁「信頼できる人だと思うわ」
由良「ふうん……」
111
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:03:18 ID:h6NDFXQo
―――――――――――
南方鎮守府 作戦室
電「切り捨てた海域に駐留していた艦娘が」
電「続々到着しています」
ブサ督「よし」
ブサ督「損傷軽微な艦娘を優先して入渠させてくれ」
電「えっ」
ブサ督「高速修復材が無い」
ブサ督「あれ無しで大破・中破の艦娘を入渠させたら、時間が掛かりすぎる」
ブサ督「中破・大破している艦娘は機関の修理だけに留めて待機」
電「りょ、了解です」
112
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:04:27 ID:h6NDFXQo
ブサ督「物資の方はどうだ?」
電「少々お待ちください」
ブサ督「…………」
ブサ督「…………」
電「……各部隊、それなりの物資を持って帰ってくれてますが」
電「焼け石に水……というところなのです……」
ブサ督「それでも御の字だ」
ブサ督「無いよりずっといい」
電「はあ……」
ピピー ガガッ
電「!」
113
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:05:26 ID:h6NDFXQo
電「…………」
電「川内さんから入電なのです」
川内『こちら川内』
川内『命令された切り捨て海域をすべて回ったわ』
川内『戦闘も多少行って損害は軽微。残弾は4割ってところよ』
川内『これからの指示をちょうだい』
ブサ督「ほう……早いな」
ブサ督「川内の戦隊は北緯△□〇東経□△□の離島付近で待機」
ブサ督「しばらくそこで駐留偵察しつつ4時間ごとに定時連絡してくれ」
電「こちら作戦室」
電「川内さんの戦隊は北緯△□〇東経□△□の離島付近で待機」
電「繰り返します」
114
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:06:15 ID:h6NDFXQo
電「川内さんの戦隊は北緯△□〇東経□△□の離島付近で待機」
電「しばらくそこで駐留偵察しつつ4時間ごとに定時連絡せよ、との事です」
川内『北緯△□〇東経□△□の離島……ああ、あれね』
川内『川内、了解』
川内『離島で待機、駐留偵察しつつ4時間ごとに定時連絡する』
川内『オーバー』
電「オーバー」
ブッ…
ブサ督「ふう……」
ブサ督「一息つきたいところだな」
電「暁からの連絡がまだなのです」
ブサ督「分かってる。冗談だ」
115
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:06:57 ID:h6NDFXQo
電「上手く行ってるといいのですが……」
ブサ督「大丈夫さ」
電「……何か根拠が?」
ブサ督「あればいいんだけど……単なる勘」
電「はあ……」
ピピー ガガッ
電「!」
電「こちら作戦室……暁からの入電なのです!」
ブサ督「よし」
暁『こちら暁』
暁『命令された……』
116
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:07:53 ID:h6NDFXQo
―――――――――――
北方深海棲艦泊地水域付近
ザザザザザザザザ…
利根「なんじゃ」
利根「せっかく張り切って来たのに他愛ないのう」
金剛「まったくネー」
金剛「一撃で沈むのばかりで退屈デース!」
比叡「赤城さん、索敵に反応はありますか?」
赤城「……今のところ感無しです」
赤城「加賀さんの方は?」
117
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:09:01 ID:h6NDFXQo
加賀「…………」
加賀「こちらも上空から見た限りでは敵影無しね」
加賀「五航戦の方はどうかしら?」
金剛「聞いてみるネー!」
金剛「こちら第一戦隊旗艦・金剛」
金剛「第二戦隊、応答するネー?」
ピピー ガガッ
長門『……こちら第二戦隊旗艦・長門』
長門『どうした?』
金剛「敵・泊地海域付近にて索敵するも敵影を確認できてないネー」
金剛「第二戦隊の方はどうなってるか、教えて欲しいデース」
長門『了解。 確認する』
118
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:09:53 ID:h6NDFXQo
金剛「…………」
長門『…………』
長門『こちら第二戦隊旗艦・長門』
長門『こちらの索敵でも敵影は確認できず』
長門『繰り返す。 こちらの索敵でも敵影は確認できず』
金剛「OK! 長門サーン、協力に感謝するネー!」
金剛「では、これより第一戦隊は」
金剛「予定通り、敵・泊地に突撃を慣行するネー!」
長門『了解。 第二戦隊も予定通り突撃を慣行する』
長門『お互い幸運を』
金剛「オーバー!」
ブッ…
119
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:10:36 ID:h6NDFXQo
金剛「さぁーて、みなサーン?」
金剛「用意はいいですカー?」
利根「言われるまでも無いわ」
筑摩「準備完了しています♪」
比叡「いつでも行けます、金剛お姉さま!」
赤城「慢心せずに行きましょう」
加賀「発艦準備、完了」
金剛「それじゃあ……レッツゴー!ネー!」
120
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:11:32 ID:h6NDFXQo
ザザザザザザザザ…
金剛「見えた!」
金剛「泊地棲姫ネー!」
比叡「あれを片付ければ、我々の勝利です! 金剛お姉さま!」
赤城「第一次攻撃隊発艦……」
利根「待て!」
加賀「?」
加賀「どうしました?」
利根「……筑摩、お主の方はどうじゃ?」
筑摩「ええ、利根姉さん……私も気づきました」
利根「金剛! 今すぐ反転して逃げるのじゃ!」
金剛「ホワイ!?」
121
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:12:25 ID:h6NDFXQo
利根「我輩らは囲まれておる! それもざっと見て30隻!」
利根「まだ増えつつある!」
金剛「」
利根「赤城、加賀!」
利根「攻撃機はすべて今来た方向に使うのじゃ!!」
利根「急がんと間に合わんぞ!!」
赤城「金剛さん、いいですか?」
金剛「……わ、分かったデース。 許可しマース!」
金剛「全艦180度回頭! イケメン提督にも撤退を打診しておくネー!」
ピピー ガガッ
金剛「こちら第一戦隊!」
122
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:13:35 ID:h6NDFXQo
金剛「北方深海棲艦泊地海域に侵攻するも」
金剛「こちらをはるかに上回る数の敵艦に包囲されんとせり!」
金剛「第一戦隊は遺憾ながら撤退を……」
金剛「あ!?」
比叡「第二戦隊が……突っ込んで行く!?」
利根「……そうか、あやつらの索敵能力では」
利根「まだ気がついておらんのじゃ!」
ピピー ガガッ
金剛「第二戦隊! 私たちは凄い数の敵艦に囲まれて居るネー!!」
金剛「今すぐ反転して、この海域から脱出してくだサーイ!!」
123
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:14:27 ID:h6NDFXQo
長門『……何!?』
長門『くっ……第二戦隊! 反転180度!』
ザザザザザザザザ…
利根「ダメじゃ……あそこまで進入してしまっては……」
金剛「今助けに……」
筑摩「いけません! 金剛さん!」
筑摩「私たちの位置でも逃げ切れるかどうか、厳しいんです!」
筑摩「いま第二戦隊のところへ行くなんて……」
筑摩「自殺行為です!!」
金剛「……っ」
比叡「金剛お姉さま……」
金剛「…………」
124
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:15:33 ID:h6NDFXQo
金剛「……第一戦隊」
金剛「進路……そのまま……」
利根「…………」
筑摩「……ありがとう、ございます」
赤城(…………)
赤城(……どうして……こんな事に……)
加賀(五航戦……)
金剛(…………)
金剛(許して……)
金剛(許してくだサーイ……)
125
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:16:18 ID:h6NDFXQo
北方鎮守府 作戦室
大淀「大変です! イケメン提督!」
大淀「やはり……あの泊地周辺に大規模な伏兵が潜んでいた模様です!」
大淀「第一、第二戦隊、共に撤退を打診してきました……」
イケ督「…………」
イケ督「……撤退だと?」
大淀「はい」
大淀「総数は不明ですが……」
大淀「すでに40隻以上の敵艦に囲まれていると」
イケ督「そうか……それでは致し方ないな」
126
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:16:58 ID:h6NDFXQo
大淀「それも……第二戦隊は逃げ遅れた模様で」
大淀「おそらく逃げ切れないだろうと……」
イケ督「…………」
イケ督「大淀」
大淀「はい?」
イケ督「しばらく席を外す」
大淀「えっ!?」
イケ督「心配するな」
イケ督「すぐ戻る」
大淀「は、はあ……」
ガチャ キィ パタン
大淀「…………」
127
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:17:47 ID:h6NDFXQo
ザザザザザザザザ…
天龍「……結局遠征かよ」
天龍「はあ……」
天龍「…………」
天龍「金剛たちは今頃……ど派手に暴れてんだろーなぁ」
天龍「はあ……」
ピピー ガガッ
天龍「ん? 通信?」
天龍「珍しいな……」
天龍「ほい。 こちら遠征艦隊・旗艦天龍」
イケ督『やあ、天龍』
イケ督『遠征の調子はどうかな?』
128
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:18:48 ID:h6NDFXQo
天龍「調子も何も……今朝出たばかりだから」
天龍「まだ何にも成果は無いぜ」
イケ督『ははは、そうだった。 すまない』
天龍「で? そんなくだらない話の為に通信したのか?」
イケ督『実はね』
イケ督『現在、金剛たちが攻略中の泊地なんだが』
イケ督『少しばかり敵の数が多くて少々苦戦してるんだ』
天龍『何!? 金剛たちは大丈夫なのか!?』
イケ督『ああ、そこは問題ないよ』
イケ督『でもさ、天龍を実戦に使うって言っておきながら』
イケ督『遠征に回してしまった罪滅ぼしをしたくてね』
129
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:20:00 ID:h6NDFXQo
天龍「!」
天龍「という事は……これからその泊地へ向かえって事なのか?」
イケ督『うん』
イケ督『どうだろう? やってくれるかい?』
天龍「う〜ん……けど今引き連れてるのは」
天龍「まだ練度の低い駆逐級ばかりだしなぁ……」
天龍「危なくないのか?」
イケ督『それは大丈夫だと思う』
イケ督『まあ天龍が行くまでに片がついてるかもしれないけどね』
天龍「…………」
130
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:20:55 ID:h6NDFXQo
天龍「……よし」
天龍「そういう事なら引き受けよう」
イケ督『ありがとう。 助かるよ』
イケ督『では、天龍の現在位置を教えてくれ』
天龍「おう」
天龍「ええと……北緯○○○東経△△△の位置だ」
イケ督『了解……その位置からだと』
イケ督『…………』
イケ督『おお、ちょうど真北に進めばいいね』
天龍「そうか。 そいつは分かりやすくて助かるな」
イケ督『じゃ、すまないけど頼んだよ』
イケ督『帰ったら、金剛たちと一緒に祝杯を上げよう』
天龍「おう! 楽しみにしてるぜ!」
ブッ…
131
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:21:44 ID:h6NDFXQo
―――――――――――
ドォンッ! ドォンッ!
金剛「くっ……3時にまた増援!」
金剛「ファイヤー!!」
ドォンッ! ドォンッ!
利根「次から次へと……! 7時からも来ておるぞ!」
比叡「弾幕を張ります!」
筑摩「対空戦闘、用意!」
ダダダダダダダ!
赤城「戦闘機の準備はまだ!?」
加賀「この状況では……準備できても発艦が……!」
132
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:22:56 ID:h6NDFXQo
―――――――――――
ドォンッ! ドォンッ!
ドガァンッ!
翔鶴「きゃあああああああっ!」
瑞鶴「翔鶴姉!?」
瑞鶴「翔鶴姉ぇぇっ!!」
長門「くそぉっ!」
ドォンッ! ドォンッ!
陸奥「はあっはあっ……!」
鈴谷「!」
鈴谷「2時! 急降下してくる!」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板