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【艦これ】ブサ督「イケメンに限るって……真理だよな」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/22(土) 08:23:30 ID:Xw55B38o
※注意事項
自分は艦これ改しか知らない提督です。
話の都合上、艦娘の幾人かはゲスいです。
また割と艦娘が轟沈します。
気まぐれ投下。
これらが嫌な方はブラウザバックしてください。
167
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 18:59:19 ID:1FY1/Z.A
電「……こちら作戦室」
電「川内さんの戦隊は、もうしばらくその場で待機しててください」
川内『了解』
ブッ…
ブサ督「…………」
ブサ督「……おいおい」
ブサ督「まさか……これって」
ピピー ガガッ
ブサ督「!」
電「!」
電「こちら作戦室。 どうぞ」
暁『こちら暁』
暁『敵艦隊を補足』
168
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:00:22 ID:1FY1/Z.A
暁『艦種……イ級4……ホ級1……』
暁『ポイント△△△から……東に向かって侵攻中みたいよ』
暁『これからどうしたらいいか、指示をちょうだい』
ブサ督「東……クソッ」
電「司令官さん……?」
ブサ督「…………」
電「…………」
ブサ督「……よし」
ブサ督「暁の戦隊もその場で待機」
電「はい」
169
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:03:17 ID:1FY1/Z.A
電「こちら作戦室。 暁の戦隊はその場で待機してください」
暁『暁、了解』
ブッ…
電「…………」
電「それで、どうされますか? ブサイク司令官さん」
ブサ督「……まいった」
ブサ督「こりゃ相手は相当の手練れだ……」
電「え……」
ブサ督「電、川内に連絡」
電「は、はい……」
170
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:04:20 ID:1FY1/Z.A
ピピー ガガッ
川内『こちら川内』
ブサ督「ブサイク提督だ」
ブサ督「川内、おそらくもうすぐ」
ブサ督「敵の主力部隊がそこを通る」
川内『!』
ブサ督「だがまともに戦うな」
ブサ督「最適と思える瞬間に魚雷攻撃を一斉射お見舞いしてやれ」
ブサ督「戦果確認はしなくて良い。 その後はすぐに鎮守府へ帰還しろ」
ブサ督「いいな? 繰り返すぞ」
ブサ督「主力部隊が現れたら、魚雷を一発お見舞いしてすぐ帰って来い」
ブサ督「分かったか?」
川内『川内、了解』
川内『必ず帰るよ』
171
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:06:14 ID:1FY1/Z.A
ブッ…
ブサ督「よし、次は暁だ」
電「了解です」
ピピー ガガッ
暁『こちら暁』
ブサ督「ブサイク提督だ」
ブサ督「暁、食料は手元にどれだけある?」
暁『え……1日分』
暁『切り詰めれば2日ってところね』
ブサ督「……ふむ」
ブサ督「暁、少し酷なことを言うが」
ブサ督「何とか3日、そこで待機して欲しい」
172
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:07:16 ID:1FY1/Z.A
暁『3日……』
ブサ督「もちろん敵が通りかかっても手を出してはいけない」
ブサ督「息を潜めて、敵の同行だけを知らせて、その場に3日待機して欲しい」
ブサ督「出来るか?」
暁『……何だか分からないけど3日ね?』
暁『了解したわ』
ブサ督「すまないな……もちろん定時連絡は頼む」
暁『レディに任せときなさい』
暁『じゃ……』
ブッ…
ブサ督「ふう……」
173
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:09:50 ID:1FY1/Z.A
電「あの……ブサイク司令官さん」
ブサ督「なんだ?」
電「手練れって……どういう事なのですか?」
ブサ督「それじゃあ……また逆に聞いてしまうが」
ブサ督「電は川内たちが報告してきた敵艦隊は何だと思う?」
電「……電は艦隊構成から斥候か先遣隊かと思いました」
ブサ督「ああ、その通りだ」
ブサ督「俺もそう思う」
電「はあ……」
ブサ督「ではもう一つ」
ブサ督「敵はなぜ二つの侵攻ルートを進んでいる?」
電「え……」
電「えと……」
174
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:10:52 ID:1FY1/Z.A
電「……海図を見る限り、南方鎮守府を包囲殲滅するため」
電「なのでしょうか?」
ブサ督「そうだな」
ブサ督「俺もそう思ってしまう」
電「……あの」
電「何が言いたいのでしょうか?」
ブサ督「川内に言ったんだけどな」
ブサ督「今の南方鎮守府において、一番やられると困るのは」
ブサ督「大艦隊で猪突猛進して来られる事だ」
電「……そうですね」
175
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:11:46 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「だが、敵はそうせず、わざわざ艦隊を2つに分けた」
ブサ督「何故だと思う?」
電「う〜ん……」
電「…………」
電「……電には分かりません」
ブサ督「考えられる理由は3つ」
ブサ督「1、大艦隊を組めるほどの戦力が無い」
ブサ督「2、1を装ってワザと艦隊を分割させ、こちらを引っ張り出そうとしている」
ブサ督「3、敵を警戒して分割し損耗率を上げないようにしている」
電「!」
電「…………」
電「……ブサイク司令官さんは、どれだとお思いなのですか?」
176
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:13:14 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「願望込みで1と3だと思ってる」
電「願望込みなのですか……」
ブサ督「まあ理由もちゃんとある」
ブサ督「俺は南方海域の戦線を広げすぎていると判断して」
ブサ督「かなりの部分を切り捨てた」
電「…………」
ブサ督「だが、これは敵から見るとどうだろう?」
ブサ督「敵は去ったが、どこかに伏兵が残っているかもしれない」
ブサ督「そう思ったら、ある程度の戦力は分散して配置しないといけなくなる」
電「…………」
電「あ……」
177
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:14:20 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「それに」
ブサ督「イケメン提督の戦い方を推奨はしないが」
ブサ督「彼が与えたダメージもそれなりにあっただろう」
ブサ督「その辺りを考慮すると……」
電「敵は引いた……」
電「もしかするとチャンスかもしれない」
電「でも、侵攻に回せる戦力は……」
ブサ督「そう」
ブサ督「俺もそういう結論に達した」
電「はわわ……たったあれだけの情報で」
電「そこまで判断していたなんて……ですが」
電「それでも最初の手練れという意味が電には分かりません」
178
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:16:52 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「……これは決して川内や暁を馬鹿にするわけじゃないんだが」
ブサ督「なぜ、川内たちは敵を発見できたと思う?」
電「……それはブサイク司令官さんが」
電「ある程度の侵攻ルートを予測していたからなのでは?」
ブサ督「お褒めに預かり光栄だが」
ブサ督「俺は別の可能性を考えた」
電「というと?」
ブサ督「確かに俺は侵攻ルートを推測したが」
ブサ督「それは敵からも当然考えて当たり前のこと」
ブサ督「俺が敵の立場なら、本気でそのルートを通る場合」
ブサ督「もっと穏便に、静かに、目立たないように探ろうとする」
電「……え?」
179
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:19:37 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「これが利根や筑摩だったら……」
ブサ督「いや、もっと索敵能力の高い艦娘だったなら疑わなかったんだろうが」
ブサ督「川内たちが艦種まで正確に伝えてきた事が」
ブサ督「逆に引っ掛かった」
電「…………」
ブサ督「敵は俺の推測ルートに乗っかり」
ブサ督「ワザと発見され、どう出てくるか様子を見ているんだと思う」
電「…………」
電「ええ!? で、でも」
電「し、深海棲艦がそこまで考えるでしょうか!?」
ブサ督「違っていると良かったんだけどな……」
ブサ督「北方鎮守府で指揮官やってて何となくだが」
ブサ督「段々手ごわくなって来ているのを肌で感じたんだよ」
180
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:20:40 ID:1FY1/Z.A
電「…………」
ブサ督「敵はこちらの指揮官がどういう人物か」
ブサ督「前と代わらない無能か、手ごわい相手なのか」
ブサ督「今回の侵攻で見極めようと出方を伺っていると思う」
電「では……ブサイク司令官さんは」
電「川内さんに与えた指示で、どう思われたいと思っているので?」
ブサ督「戦力が整っていれば無能のフリするんだが……」
ブサ督「あえてどっちつかずにした」
電「というと……?」
ブサ督「俺が敵の指揮官なら……」
181
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:24:27 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「最初の斥候に攻撃を仕掛けたら無能」
ブサ督「後から通る主力艦に攻撃したらまあまあ有能」
ブサ督「あえて全部無視したら、侵攻先に罠を貼っていると予測できるので有能」
ブサ督「と、思うな」
電「でもブサイク司令官さんの対応は」
電「川内さんの戦隊のみの魚雷攻撃だけ……」
ブサ督「さて、敵さんはどう判断するかな?」
電「……後から来る主力艦隊に攻撃しているから」
電「無能ではないけど、片方しか攻撃してない……それも一斉射のみ」
電「侵攻ルートを予測できてなかったのか、あえてそうしたのか……」
電「それとも偶然だったのか……」
電「はわわ……頭がこんがらがってしまいますっ」
ブサ督「ははは……」
ブサ督(…………)
182
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:26:19 ID:1FY1/Z.A
ブサ督(…………)
ブサ督(……だが、もう一つ)
ブサ督(こちらが探りを入れてきた、と思う可能性もある)
ブサ督(そうだとしたら、どう判断するか……)
ブサ督(…………)
ブサ督(苦し紛れの苦肉の策と判断し、攻撃してくるか)
ブサ督(それとも自軍の戦力が整うまで待つか……)
ブサ督(…………)
ブサ督(今の状況では後者を望むが)
ブサ督(それはそれで厄介な話ではあるな……はあ)
183
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:27:51 ID:1FY1/Z.A
―――――――――――
西方鎮守府 執務室
バサッ…(新聞広げ)
フツ督「…………」
フツ督「……ん?」
フツ督(イケメン提督休養後、北方鎮守府へ……)
フツ督(北方海域平定へ意欲……ね)
フツ督(もっと大人しくしてりゃいいのに……)
フツ督(…………)
フツ督(…………)
フツ督(……ちょっと待て。 という事は……あいつは……?)
184
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:28:55 ID:1FY1/Z.A
フツ督「龍田」
龍田「はぁい。何かしらぁ?」
フツ督「大至急、南方海域への偵察部隊を編成してくれ」
龍田「南方海域ぃ?」
龍田「イケメン提督がボロボロにしたままでしょ?」
フツ督「おそらく状況が変わっているはず」
フツ督「あいつなら……あいつの立場なら」
フツ督「何かしら手を打って戦況を変えているはずだ」
龍田「……ふうん」
龍田「誰だか知らないけれど」
龍田「ずいぶん信頼してる様で、ちょっと妬けるわぁ」
185
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:29:55 ID:1FY1/Z.A
フツ督「とにかく情報が欲しい」
フツ督「急いでくれ」
龍田「りょうかぁ〜い」
スタ スタ スタ…
キィ… パタン
フツ督「…………」
フツ督「よし」
フツ督「必要になるかもしれない」
フツ督「出撃準備もしておこう」
186
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:30:58 ID:1FY1/Z.A
―――――――――――
翌日の昼ごろ
北方鎮守府 執務室
ジリリリリンッ ジリリリリンッ
イケ督「む、電話か」
ガチャ
イケ督「こちら北方鎮守府……ああ」
イケ督「これはこれは……少々お待ちください」
イケ督「大淀」
大淀「はい?」
イケ督「すまないが席を外してくれ」
大淀「え……あ、はい」
大淀「分かりました」
187
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:32:07 ID:1FY1/Z.A
ガタタ…
ガチャ キィ パタン
イケ督「…………」
イケ督「お待たせしました、大将閣下」
イケ督「それで、何のご用でしょう?」
大将『何の、ではない! 貴様……』
大将『なぜ勝手に南方鎮守府の主力艦娘を連れて行った!?』
大将『それに物資もだ!』
大将『おかげで南方鎮守府そのものが危機に晒されておるのだぞ!?』
イケ督「ああ、その事ですか」
大将『その事だと……貴様』
188
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:34:16 ID:1FY1/Z.A
イケ督「まあまあ落ち着いてください」
イケ督「黙ってそうした事は謝ります」
大将『謝って済む問題ではないわ!』
イケ督「ですから落ち着いてください」
イケ督「いったい何故そんなに怒っておられるので?」
イケ督「勝手に戦力を持って行ったのは、北方海域を平定する為ですよ?」
大将『な……』
イケ督「兵力は集中運用するのが最も効率的ですからね」
イケ督「確かに南方鎮守府は敵に奪取されるかもしれませんが」
イケ督「そんなもの北方海域を制圧した後」
イケ督「また取り返せばいいだけです」
大将『』
189
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:35:17 ID:NzTcPBjw
馬鹿だコイツ
190
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:35:36 ID:1FY1/Z.A
大将『き、きき、貴様……!』
イケ督「はい?」
大将『本気で……本気でそう思っているのか……!?』
イケ督「はい。 いたって本気ですが?」
大将『…………』
大将『……もうよい』
大将『貴様の無能振りにはもう愛想が尽きた』
イケ督「…………」
大将『少々世間受けが良いから使ってやったのに増長しおって……!』
大将『もう我慢ならん。 貴様の艦隊司令官としての任を解く!』
イケ督「……ほう」
191
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:36:33 ID:1FY1/Z.A
大将『正式な辞令は数日後、書簡にて通知する』
大将『覚悟しておけ……!』
ブッ…
イケ督「…………」
イケ督「やれやれ……」
イケ督「覚悟しておけ、か」
イケ督「…………」
イケ督「くくく……」
イケ督「はっはっはっ!」
イケ督「ふふふ……」
イケ督「…………」
イケ督「それは……あんたの方だ、大将閣下!」
192
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:40:04 ID:1FY1/Z.A
本日はここまでです。
193
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:54:17 ID:QB9mTc1U
乙乙
あれ、天龍達は・・・?
194
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:56:05 ID:lwomTUtg
乙
ブサ提文章だけ見るとイケメンですね
195
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/06(日) 01:22:00 ID:RpkCA0S2
乙ん
ここの天龍と龍田は特に繋がりは無いんだろうか……それとも……
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/07(月) 08:19:18 ID:qyF0/VcE
これイケメンとブサメン逆にしても大して変わらんな
197
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:38:20 ID:w3PJMt.c
―――――――――――
文月は…こんなとこじゃ…
終わらないんだ… から……
ドォンッ! ドォンッ!
あ、あれ……なんだろう。
海が……暗いよ? なにも見えない……
どうして……
少しは…役に…
立てたのか…にゃ…
ガガガガガガガッ!
ブサイク司令官、本当はね…
楽し…かった…よ…
桜の丘で……
会おう……
198
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:39:51 ID:w3PJMt.c
天龍「うああああっ!!」
天龍「はあっ、はあっ……」
天龍「はあっ……」
天龍「…………」
天龍「…………」
天龍「……くそっ」
天龍「…………」
天龍「……何で……俺は……」
天龍「生きてんだよ……」
天龍「…………」
天龍「…………」
199
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:40:50 ID:w3PJMt.c
天龍「文月……皐月……」
天龍「睦月……望月……菊月……」
天龍「…………」
天龍「敵(かたき)は……」
天龍「必ず取ってやるからな……!」
天龍「あの……クソ野郎……」
天龍「絶対に……」
天龍「絶対に……!」
天龍「絶ッッ対に!」
天龍「許……さねぇ……!」
天龍「必ず……この俺の手で……」
200
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:41:43 ID:w3PJMt.c
ブ チ コ ロ ス !!
.
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:42:32 ID:w3PJMt.c
―――――――――――
北方鎮守府 執務室
大淀「…………」
大淀「あの、イケメン提督」
イケ督「ん?」
イケ督「何かな、大淀?」
大淀「遠征に向かった天龍さんの部隊ですが」
大淀「帰投予定日を2日も超えています」
イケ督「……心配なところだな」
大淀「はい」
大淀「こんな事は初めてなので……ご指示をお願いします」
イケ督「…………」
202
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:44:30 ID:w3PJMt.c
イケ督「ふむ」
イケ督「ならば捜索隊を出すか?」
大淀「そ、そうですね」
大淀「それが良いかと思います」
イケ督「じゃあ、その件は大淀に一任しよう」
大淀「……えっ?」
大淀「私に……ですか?」
イケ督「何か問題か?」
大淀「いえ……そうではありませんが」
イケ督「うん。大淀なら安心して任せられる」
イケ督「頼んだよ」
大淀「は、はい」
203
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:45:38 ID:w3PJMt.c
大淀「それでは、さっそく利根さんと筑摩さんに連絡を……」
イケ督「待て」
イケ督「その二人は主戦力だ。捜索隊には使うな」
大淀「えっ」
大淀「し、しかし、彼女たち二人は最上の索敵能力を持っています」
大淀「捜索にこれ以上の適任は居ないかと……」
イケ督「何を言うんだ、大淀」
イケ督「だからこそ主力から外せない」
大淀「で、ですが!」
イケ督「彼女達ほどでないにしろ、索敵に長けた艦娘は他にも居るだろう?」
大淀「そ、それは……そうですが」
イケ督「なら問題は無い。そうだな?」
204
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:46:44 ID:w3PJMt.c
大淀「せ、せめて、どちらか一人だけでも……」
イケ督「大淀」
大淀「…………」
イケ督「私だってね、こんな事は言いたくないんだ」
イケ督「だが、戦況は常に絶えず変化している」
イケ督「そんな中、利根と筑摩がどれだけ重要な役割を担っているか」
イケ督「賢い大淀なら……分かるだろう?」
大淀「……はい」
イケ督「なら……心苦しいが」
イケ督「そういった事も考慮して、行動して欲しい」
大淀「…………」
大淀「分かり……ました」
205
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:49:04 ID:w3PJMt.c
イケ督「うん」
イケ督「大淀は理解があって助かるよ」
イケ督「では、改めて捜索の件は君に一任する」
大淀「…………」
大淀「了解です」
大淀「それでは……すぐ捜索隊を編成して出航させて来ます」
イケ督「ああ、ごゆっくり」
ガチャ キィ パタン
イケ督「…………」
イケ督「よし、次の攻撃目標はここにしよう」
イケ督「今度こそ金剛達には頑張ってもらわないとな」
イケ督「損傷は高速修復材を使って直せばいいし、どんどん攻めて行こう」
206
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:50:15 ID:w3PJMt.c
―――――――――――
北方鎮守府 廊下付近
テク テク テク…
大淀「…………」
大淀(……ブサイク提督だったら)
大淀(どうするかな……?)
大淀(…………)
大淀(…………)
大淀(利根さんと筑摩さん……捜索に加えてくれたかな……?)
207
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:51:03 ID:w3PJMt.c
大淀(…………)
大淀(…………)
大淀「……ううん」
大淀「居ない人の事なんて考えてる場合じゃない」
大淀「イケメン提督の言ってる事は正しい……」
大淀「きっと……正しい」
大淀「…………」
大淀「早く捜索隊を編成して、天龍さん達を探さないと!」
タッ タッ タッ…
208
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:52:22 ID:w3PJMt.c
―――――――――――
南方鎮守府 作戦室
川内『こちら川内』
電「はい、こちら作戦室」
川内『ちょうど10分、約30m、北西へ流された』
ブサ督「…………」 カキカキ…
ブサ督「……よし」
ブサ督「こんなものでいいだろう」
ブサ督「川内、ご苦労だった。これくらいでいい」
電「川内さん、ご苦労様です」
電「これくらいで良いそうです」
209
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:54:03 ID:w3PJMt.c
川内『了解……ふう』
川内『それでこの後は?任務終了なら鎮守府へ帰投かい?』
ブサ督「電、代わってくれ」
電「はい」
ブサ督「川内、ご苦労だが近くの離島……そうだな」
ブサ督「その位置からだと真東にある島で停泊、待機しててくれ」
川内『待機か……艦娘使いが荒いね』
ブサ督「すまんな」
川内『別にいいけど……でもこんな海流調査に何の意味があるのさ?』
ブサ督「ようやく戦う準備ができた」
ブサ督「そう思っててくれ」
210
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:55:03 ID:w3PJMt.c
川内『戦う準備ね……了解』
川内『川内戦隊、ポイント〇〇△△の離島で待機する』
ブサ督「定時連絡は忘れるなよ」
川内『分かってる。通信終了』
ブサ督「通信終了」
ブッ
ブサ督「ふう……」
電「お疲れ様です、ブサイク司令官さん」
ブサ督「ああ……出来れば休みたいところだが」
ブサ督「もう少しデータをまとめないといけなくてな……」
電「そ、そうなのですか……」
ブサ督「あー……甘いものが食いたい」
電「あればお渡しするのですが……」
211
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:56:04 ID:w3PJMt.c
ブサ督「無いものねだりだ。気にしないでくれ」
電「…………」
ブサ督(……あれから3日)
ブサ督(そろそろ敵に何らかの動きがあるはず)
ブサ督(…………)
ブサ督(…………)
ブサ督(……大本営からの補給は間に合うだろうか)
ブサ督(…………)
ブサ督(……データのまとめをするか)
ピピー ガガッ
電「!」
212
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:57:11 ID:w3PJMt.c
ガチャ
電「こちら作戦室」
暁『こちら暁……!』
暁『大変よ、電! ブサイク司令官に繋いで!』
ブサ督「ブサイク提督だ」
ブサ督「どうした?」
暁『40隻くらいの深海棲艦が、この前と似たルートで東進してるわ……!』
ブサ督「……!?」
ブサ督「40隻……本当か?」
暁『ええ』
ブサ督(……どういう事だ?)
ブサ督(…………)
ブサ督(いや、理由を考えてる場合じゃないな)
213
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:58:16 ID:w3PJMt.c
ブサ督「よし、暁」
ブサ督「その40隻の艦隊が過ぎ去った後」
ブサ督「西方方面艦隊鎮守府へ向かってくれ」
暁『……え!?』
ブサ督「そして鎮守府の司令官に南方海域で」
ブサ督「実弾演習を要請してもらいたい」
暁『実だ……へ? 演習!?』
ブサ督「そう言えば向こうは分かってくれる」
ブサ督「暁、ご苦労だった」
ブサ督「西方鎮守府に付いたら休養してくれ」
暁『待ちなさいよ、ブサイク司令官!』
暁『40隻なのよ!?40隻!!』
暁『南方鎮守府はどうなるの!?』
214
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:59:24 ID:w3PJMt.c
ブサ督「何とかなるさ」
暁『でも……40隻もの深海棲艦が相手なのよ!?』
暁『ひとたまりもないんじゃないの!?』
ブサ督「おちつけ、暁」
暁『!』
ブサ督「まあ……来たばかりの司令官だから信用ないのはしょうがないが」
ブサ督「暁に与えた任務は、かなり重要なんだ」
暁『……演習要請が?』
ブサ督「そうとも」
ブサ督「それも出来るだけ早くしてくれると助かる」
暁『…………』
215
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 20:00:54 ID:w3PJMt.c
暁『……分かったわ』
暁『ええと……南方海域で実弾演習を要請すればいいのね?』
ブサ督「ああ。あってるぞ」
暁『了解……ブサイク司令官』
暁『ヤバくなったら逃げるのよ?』
ブサ督「もちろん」
暁『暁、通信終了』
ブッ…
電「…………」
電「あの……本当に何とかなるのですか?」
ブサ督「無理だな」
電「えっ……」
216
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 20:02:21 ID:w3PJMt.c
ブサ督「前にも言ったが」
ブサ督「恐れてた通り、大軍が猪突猛進して来たわけだから」
ブサ督「勝ち目なんてあるわけ無い」
電「…………」
電「……その割に何故かブサイク司令官さんには」
電「余裕がある様に電には見えるのですが……」
ブサ督「……ま、これで大まかな方針が決まったからな」
ブサ督「後は……運しだいの部分はあるが、希望もある」
ブサ督「電もそう思っててくれ」
電「はあ……」
217
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 20:03:58 ID:w3PJMt.c
ブサ督「それでは部隊編成を行う」
ブサ督「電も前線に出てもらう事になるが……大丈夫か?」
電「が、頑張ります!」
ブサ督「期待してる」
電「は、はい!」
ブサ督「ははは」
ブサ督「…………」
ブサ督(謎は残るが……何とかなる、か……)
ブサ督(…………)
ブサ督(さて、上手く行ってくれるといいが……)
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 20:06:45 ID:w3PJMt.c
本日はここまでです。
219
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 20:30:52 ID:58JvksU6
おつー
220
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 23:24:01 ID:y/uM2TkI
乙乙
遠征部隊は天龍以外……なんとか生きて戻って欲しいけど、タイミング次第では色々と手遅れになるかもか
221
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/10(木) 04:52:57 ID:UhGBVauQ
乙
イケメン提督は本当に大本営から湯水のように戦力・資源を提供されていないと戦線維持も出来ないレベルだったか
222
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/10(木) 09:11:10 ID:wSwGnIuI
乙
ここまで遠慮無く戦力と使い潰すとは、逆に清々しい程の下衆である
223
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:18:59 ID:iXxKarrw
―――――――――――
大本営 大将の執務室
大将「ふう……これで後は」
ワー ワー
大将「ん……?」
大将「何やら騒がしいな……」
大将「何事だ?」
バタン!
中尉「た、大変です!大将閣下!」
大将「どうした中尉。いったい何事だ?」
224
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:21:35 ID:iXxKarrw
中尉「今朝の新聞、とんでもない事が書かれているんです!」
中尉「ご覧ください!」つ(新聞)
大将「とんでもない事?」つ(新聞)
大将、横領疑惑。数年前から着手か?
大将「!?」
大将「な、何だこれは!?」
中尉「ともかく事実確認がしたい、とかで」
中尉「ブンヤどもが押し寄せているんです!」
大将「…………」
大将「……!」
大将(この……内容は!)
大将(あの、無能の仕業かぁぁぁっ!!)
225
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:22:26 ID:iXxKarrw
中尉「大将閣下、いかがしましょう?」
大将「!」
大将「そ、そうだな……」
大将「いずれ記者会見を開く、とでも言ってブンヤどもを下がらせろ」
大将「それに従わないなら今後の取材は一切受けんと言え!」
中尉「わ、分かりました」
中尉「その様にします。では!」
パタン タッ タッ タッ…
大将「…………」
大将「やってくれたな、あの無能め……!」
大将「これまでの事が水泡に帰す事すら分からんのか!」
大将「とはいえ、どうするか……」
226
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:24:22 ID:iXxKarrw
―――――――――――
北方鎮守府 執務室
大淀「…………」
イケ督「いやはや……軍部の恥だね」
イケ督「国民の皆さんに申し訳ないよ」
大淀「…………」
イケ督「大淀?」
大淀「!」
大淀「は、はい、すみません、イケメン提督」
227
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:25:15 ID:iXxKarrw
イケ督「どうかしたのかい?」
大淀「いえ……大したことでは」
イケ督「まあそう言わずに。言ってごらん?」
大淀「…………」
大淀「……では、お言葉に甘えて」
イケ督「うん」
大淀「その……上手くは言えないのですが」
大淀「記事に書かれてる期日や時間がやたらと正確なので」
大淀「どこからこの様な話が出てきたのだろう……と」
大淀「気になりまして……」
イケ督「……なるほど」
イケ督「意外と高官が新聞に漏らしたのかな?」
大淀「…………」
228
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:26:08 ID:iXxKarrw
大淀(違う)
大淀(本質はそこじゃない)
大淀(私の記憶通りなら……横領の額が桁違いに多くなった時期と)
大淀(イケメン提督が新聞を賑わせる様になった時期が)
大淀(ちょうど同じくらいになる……!)
「新聞報道はでたらめで、実際には相当の被害を受け」
「それを覆い隠すため、世間受けのいい」
「イケメン提督を前面に出しているんじゃないかと思う」
大淀「…………」
イケ督「大淀?」
大淀「!」
大淀「す、すみません!」
229
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:27:17 ID:iXxKarrw
イケ督「いや、いいんだ」
イケ督「調子が悪いなら休むといい」
大淀「……そうですね」
大淀「すみませんが、医務室でちょっと休んできます」
イケ督「ああ。お大事に」
大淀「では……失礼します」
イケ督「ああ」
ガチャ キィ パタン
イケ督「…………」
イケ督「……ふん」
イケ督「大将もざまあないな……ククク」
230
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:28:16 ID:iXxKarrw
北方鎮守府 廊下付近
大淀「…………」
ガヤ ガヤ
大淀「…………」
摩耶「でさー、やっぱりイケメン提督は違うよなー♪」
鳥海「これで私たちもようやく前線へ行けますね」
大淀「…………」
大淀「えっ?」
大淀「ちょ、鳥海さん、摩耶さん」
摩耶「ん?」
鳥海「あら、大淀さん。どうかしました?」
231
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:29:34 ID:iXxKarrw
大淀「あの……今、前線へ行くとか聞こえたのですが?」
鳥海「ええ。イケメン提督に言われまして」
大淀「そ、そんなまさか!?」
摩耶「まあ……沈んだ艦娘の代わりっつーのは」
摩耶「ちょっと引っかかるけどな」
鳥海「来たばかりで余り話す機会もありませんでしたが……」
鳥海「長門さん、翔鶴さんの抜けた穴を見事、埋めて見せます」
大淀「い、いえ、そういう事では無くて」
大淀「あなた方の防空能力は、北方鎮守府の最後の砦と……」
摩耶「んなのブサイク提督が勝手に言ってた事だろ?」
大淀「!!」
232
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:30:43 ID:iXxKarrw
鳥海「私も少々飼い殺しにされてる気がしてたので」
鳥海「今回の抜擢は嬉しく思ってます♪」
大淀「…………」
摩耶「話はそれだけか?」
大淀「…………」
大淀「……はい」
大淀「呼び止めてすみませんでした……」
摩耶「ん。別にいーぜ、こんくらい」
摩耶「じゃあなー」
鳥海「では、失礼しますね、大淀さん」
テク テク テク…
大淀「…………」
233
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:31:16 ID:iXxKarrw
大淀「…………」
大淀(……本当に)
大淀(このままで……いいのかしら)
大淀(…………)
大淀(…………)
大淀(ブサイク提督……)
大淀(…………)
大淀(…………)
234
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:33:33 ID:iXxKarrw
―――――――――――
南方鎮守府 作戦室
ブサ督「…………」
ブサ督「…………」
ブサ督「…………」
ピピピ… ピピピ…
ブサ督「!」
ガチャ
電『こちら電戦隊』
電『ブサイク司令官さん、聞こえますか?どうぞ』
ブサ督「こちらブサイク司令官」
ブサ督「良く聞こえるぞ、電。どうぞ」
235
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:34:29 ID:iXxKarrw
電『全艦娘、配置につきました』
電『いつでも作戦行動可能です』
ブサ督「よし」
ピッ
ブサ督「こちらブサイク提督。全艦娘に次ぐ」
ブサ督「もう間もなく敵艦隊が現れると思われる」
ブサ督「現在の状況は絶望的だが、それは君達のせいじゃない」
ブサ督「すべては……我々司令部の無能のせいだ」
全艦娘『…………』
ブサ督「なので、今作戦は今、君らが持っている弾薬が尽きるか」
ブサ督「敵の勢いを殺せないと俺が判断した瞬間」
ブサ督「遺憾ながら南方鎮守府を放棄し、本土への撤退を持って」
ブサ督「作戦の終了とする」
236
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:36:14 ID:iXxKarrw
ザワッ…
ブサ督「さっきも言ったが、これは君達に責任は無い」
ブサ督「すべての責任は俺を含めた司令部にある」
ブサ督「気にせず命令に従って、自分の命を第一に考えて欲しい」
全艦娘『…………』
ブサ督「では、確認作業に入る」
ブサ督「第一戦隊旗艦、川内。専用回線で応答せよ」
ピピッ ブー
川内『こちら第一戦隊旗艦、川内。どうぞ』
ブサ督「よし。よく聞こえるぞ」
237
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:37:16 ID:iXxKarrw
ブサ督「続いてA島観測要員、専用回線で応答せよ」
ピピッ ブー
伊良湖『は、はい。こちらA島観測要員の伊良湖です』
ブサ督「よし、良く聞こえるぞ、伊良湖」
ブサ督「任務内容を復唱せよ」
伊良湖『は、はい』
伊良湖『ええと……川内さんが相手にした深海棲艦の位置を逐一報告せよ』
伊良湖『です』
ブサ督「よし。難しい任務だが、一つ頼む」
伊良湖『頑張ります』
ブサ督「では第二戦隊旗艦、五十鈴。専用回線で応答せよ」
ピピッ ブー
五十鈴『こちら第二戦隊旗艦、五十鈴。どうぞ』
238
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:38:07 ID:iXxKarrw
ブサ督「よし。問題無く聞こえる」
ブサ督「続いてB島観測要員、専用回線で応答せよ」
ブサ督「…………」
ブサ督「…………」
ブサ督「……B島観測要員、専用回線で応答せよ」
ブサ督「…………」
ブサ督「…………」
ブサ督(くそっ)
ピピッ ブー
ブサ督「!」
雷『こちらB島観測要員、雷(いかづち)。即応出来なくてごめ……済みません』
239
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:39:07 ID:iXxKarrw
ブサ督「聞こえるぞ」
ブサ督「何かあったのか?」
雷『問題はあったけど、解決したわ。以後、気を付ける』
ブサ督「よし」
ブサ督「任務内容を復唱せよ」
電『五十鈴戦隊が相手にした深海棲艦の位置を逐一報告せよ、よ』
ブサ督「うん、あってる」
ブサ督「頼むぞ、雷」
雷『了解。任せて』
ブサ督「それでは第三戦隊旗艦、由良。専用回線で応答せよ」
ピピッ ブー
由良『こちら第三戦隊旗艦、由良。どうぞ』
ブサ督「よし、感度良好。続いてC島観測要員……」
240
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:39:56 ID:iXxKarrw
―――――――――――
ザザザザザザザ…
暁「…………」
暁「……お腹空いたなぁ」
暁「って!」
暁「暁はレディなのよ!」
暁「お腹空いたなんて言わないっ!」
ザザザザザザザ…
暁「…………」
暁「……ん?」
ヒュルルルルル…
暁「何の音……?」
241
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:41:01 ID:iXxKarrw
ドォンッ! ドォンッ!
暁「きゃああああ!」
暁「こ、この衝撃は……砲撃!?」
暁「」
暁「あれは……タ級!?」
暁「うそ、どうしてこんなところに戦艦級が!?」
ドォンッ! ドォンッ!
暁「きゃあああああっ!!」
如月「応戦しましょう!」
暁「!」
暁「ダメ!こっちの装備じゃ歯が立たない!」
242
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:41:54 ID:iXxKarrw
暁「それよりも全速力でここを離脱するの!」
暁「相手は戦艦級、必ず振り切れるわ!」
如月「わ、分かった!」
ドォンッ! ドォンッ!
如月「きゃあああああっ!」
暁「わああああああああっ!」
暁「だ、大丈夫!」
暁「とにかく回避しながら――」
ドガァッンッ!
如月「ああああっ!!」
暁「如月!!」
243
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:42:43 ID:iXxKarrw
暁「ほら、捕まって!」
暁「如月!」
如月「うっ……うう……」
暁「っ……」
暁「見捨てない……見捨てないんだから!」
ドォンッ! ドォンッ!
暁「きゃあああああっ!」
暁「はあっ……はあっ……」
暁「うっ……!?」
暁(今の至近弾で……損傷した!?)
暁(速度が……出ないっ)
暁「くっ……」
暁「…………」
244
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:43:28 ID:iXxKarrw
暁「……指揮権を三日月に移譲するわ。如月もお願い」
三日月「!?」
暁「口答えは無しよ!他のみんなを引き連れて西方鎮守府に向かいなさい!」
暁「早く!」
三日月「で、でも!」
暁「向こうに着いたらブサイク司令官の要請をお願いして」
暁「ついでに私の救出部隊も頼むわ」
三日月「……っ」
三日月「全艦……三日月に続いて!」
ザザザザザザザザ…
暁「……頼んだわよ、三日月」
ドォンッ! ドォンッ!
暁「ぐっ……!」
245
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:44:27 ID:iXxKarrw
暁「はあっはあっ」
暁「暁は……暁は!」
ドォンッ! ドォンッ!
暁「……タダでは……終わらないんだからっ」
ドガァッンッ!
暁「ぎっ……!!」
暁「…………」
暁「……うっ……」
暁「…………」
暁「ははは……やっぱり、無理……かぁ……」
暁「……でも……任務は……きっと……」
246
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:45:23 ID:iXxKarrw
ブロロロロロロ…
暁「…………」
暁「……え?」
暁「…………」
暁「この……発動機音は……」
暁「友軍?」
ドンッ ドドンッ ボボボンッ!
暁「……いったい、どこから」
三日月「暁!」
暁「三日月?」
三日月「大丈夫!?」
暁「うん……大破したけど……何とか」
247
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:46:24 ID:iXxKarrw
暁「それよりもこの友軍は……?」
ピピッ ガガッ
フツ督『こちら西方方面艦隊司令官、フツメン提督』
フツ督『そちらの所属は?』
暁「!!」
暁「こ、こちら、南方方面艦隊所属艦娘、暁」
暁「救援、感謝します!」
フツ督『なぁに。間に合って良かった』
フツ督『それよりも状況を教えてくれないか?』
暁「は、はい。それについて、ですが」
暁「ブサイク司令官から言伝があります!」
フツ督『言伝……分かった、合流しだい聞くとしよう』
248
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:47:52 ID:iXxKarrw
ブッ…
フツ督「…………」
龍田「どうしたの?」
フツ督「ん?」
フツ督「少し……不思議に思ってな」
龍田「タ級の事?」
フツ督「さすが龍田。見抜いてたか」
龍田「ここら辺は私たちの勢力圏内」
龍田「イ級くらいならともかく、タ級が、それも単独で居るなんて」
龍田「どうにも腑に落ちないわぁ」
フツ督「そうなんだよな……どうにも引っかかる」
フツ督「……ま、考えるのは後にするか」
フツ督「とにかく暁たちとの合流を急ごう」
龍田「はぁ〜い」
249
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:49:13 ID:iXxKarrw
本日はここまでです。
250
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 17:50:21 ID:2RzceVp.
乙
251
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 18:11:15 ID:dX7QT/hM
イケメンの皮をかぶったクズ野郎だったか
252
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 18:44:51 ID:w1oTGm8o
乙
クズなのは指揮ぶりからとっくに解ってたけど、コレはソレ以上のクズ
253
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/12(土) 20:56:55 ID:kDnwo3sI
乙んぽ
あまりにも利敵行為が過ぎるけど、これで寝返ってるとかそういうのじゃなかったらマジもんのやべー奴なんだよなぁ
254
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/13(日) 02:22:51 ID:WjADsX/2
おつ
255
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/13(日) 04:35:14 ID:vmf.ECKc
悪役の格って本当に大事
256
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:47:43 ID:vnzcfz4M
―――――――――――
北方鎮守府 執務室
大淀「……また出撃ですか」
イケ督「ああ」
イケ督「ここで確実に止めを刺さないといけないからね」
大淀「…………」
大淀「あの……」
イケ督「うん?」
257
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:48:25 ID:vnzcfz4M
大淀「ここの所、出撃が頻繁に行われて」
大淀「主力艦娘の皆さんの疲労度が増しています」
大淀「出撃の重要性は分かりますが」
大淀「休養を取らせるべきかと……」
イケ督「…………」
イケ督「まあ……大淀の言いたい事は分かる」
イケ督「だが、これは北方海域平定の為に必要な出撃なんだ」
イケ督「金剛達にはすまないが……もうひと踏ん張りしてもらいたい」
大淀「…………」
大淀「……分かりました」
大淀「それでは、金剛さん達に命令を伝えてきます」
イケ督「よろしく頼む」
258
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:50:39 ID:vnzcfz4M
北方鎮守府 廊下付近
テク テク テク…
大淀「あ……金剛さん」
金剛「……ん?」
金剛「大淀……」
大淀「…………」
金剛「出撃デスカー?」
大淀「……はい」
金剛「了解ネー」
金剛「イケメンテイトクの為に……金剛は頑張るヨー!」
大淀「…………」
259
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:51:39 ID:vnzcfz4M
大淀「これが……命令書になります」
金剛「OK!」
金剛「それじゃ、準備して行ってくるネー!」
スタ スタ スタ…
大淀「…………」
―――――――――――
大淀「陸奥さん」
陸奥「……大淀か」
陸奥「出撃命令?」
大淀「……はい」
陸奥「了解した」
陸奥「命令書を」
大淀「…………」
260
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:52:34 ID:vnzcfz4M
陸奥「……大淀?」
大淀「あの!」
陸奥「……何?」
大淀「…………」
大淀「……イケメン提督の指揮に」
大淀「疑問を……感じた事はありますか?」
陸奥「!」
大淀「…………」
陸奥「…………」
陸奥「……それを聞いてどうするの?」
大淀「……分かりません」
261
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:53:34 ID:vnzcfz4M
大淀「ですが……ここの所の出撃頻度はさすがに異常です……!」
大淀「このままでは、疲労の抜けない艦娘に損害が……!」
陸奥「大淀……」
陸奥「…………」
陸奥「…………」
陸奥「……場所を変えましょう」
大淀「!」
大淀「は、はい!」
―――――――――――
大淀「この部屋は誰も使っていませんので」
大淀「大丈夫だと思います」
陸奥「そう……」
262
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:54:23 ID:vnzcfz4M
陸奥「それでさっきの話だけど……」
大淀「はい」
陸奥「イケメン提督の指揮に疑問なんてありまくりよ」
大淀「…………」
大淀「……やっぱり、そうですか」
陸奥「ええ」
陸奥「……でも驚いたわ」
大淀「え?」
陸奥「北方鎮守府に来た時、あれだけあのクズを歓迎してたから」
陸奥「半分くらい艦娘が死なないと気が付かないと思ってた」
大淀「なっ……いくら何でもそれは……」
263
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:55:42 ID:vnzcfz4M
陸奥「無いと言い切れるのなら謝るけど」
陸奥「南方に居た頃、新聞報道に洗脳された多くの艦娘が」
陸奥「疲れ切った体で笑いながら、あのクズの命令に従い散って逝ったわ」
陸奥「ちょうど……今の金剛達の様にね」
大淀「…………」
陸奥「でも……そんなこと言いながら」
陸奥「私たちもそうだった」
大淀「…………」
陸奥「勝っているハズなのに居なくなる仲間達」
陸奥「勝利してるのにどんどん激しくなる深海棲艦たちの攻撃」
陸奥「おかしいと気が付いた時には……もう半分くらいになってたのよ」
大淀「…………」
264
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:56:36 ID:vnzcfz4M
大淀「……ブサイク提督の……言う通りだったんですね」
陸奥「ブサイク提督?」
大淀「北方鎮守府の前の指揮官だった人です」
大淀「南方鎮守府と入れ代わりに……」
陸奥「ああ……」
大淀「イケメン提督の指揮には疑問があると」
大淀「新聞報道は虚偽である可能性が高いと……言ってました」
陸奥「へえ……それはすごい」
陸奥「きっと……優秀な指揮官なんだろうね」
大淀「…………」
陸奥「さて……状況の確認ができたのはいいけど」
陸奥「これからどうするつもりなの?」
265
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:58:22 ID:vnzcfz4M
大淀「…………」
大淀「……責任転嫁、だと承知して言いますが」
大淀「陸奥さん達は、どうしてこの事を私達に教えてくれなかったんですか?」
陸奥「……さっきも言ったけど」
陸奥「あのクズをあれだけ歓待して迎え入れたのを見て」
陸奥「無駄だと判断しただけ」
大淀「ですが!」
陸奥「じゃあさっきの……ブサイク提督?」
陸奥「そいつがあのクズを見抜いてたにもかかわらず」
陸奥「あなたはどうしたの?」
大淀「っ!!」
266
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/14(月) 20:59:54 ID:vnzcfz4M
「……すみませんが」
「ちょっと信じがたい推測ですね」
大淀「…………」
陸奥「……それが答えよ」
陸奥「もういいかしら? 命令書を渡して」
大淀「…………」
大淀「……陸奥さん」つ(命令書)
陸奥「何?」
大淀「無駄かもしれません……が」
大淀「この作戦行動中、金剛さん達に今の事を」
大淀「説明してあげてくれませんか……?」
陸奥「…………」
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