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【艦これ】ブサ督「イケメンに限るって……真理だよな」

1以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:23:30 ID:Xw55B38o
※注意事項
自分は艦これ改しか知らない提督です。
話の都合上、艦娘の幾人かはゲスいです。
また割と艦娘が轟沈します。
気まぐれ投下。
これらが嫌な方はブラウザバックしてください。

14以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:38:16 ID:Xw55B38o

大将(ちっ……この無能め)

大将(報道で海軍の顔として役に立っているのは良いが)

大将(その他は並以下の対応力しかない)

大将(下手に地位を与えているから、参謀の言う事もまったく聞かんし)

大将(どうしてくれようか……!)

イケ督『……大将閣下?』

大将「!」

大将「……何でもない」

イケ督『左様ですか』

イケ督『それで、これからどうすれば良いでしょう?』

大将(できるなら今すぐ死ね!と言ってやりたいわ!)

大将「……そうだな」

大将「…………」

15以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:39:19 ID:Xw55B38o

大将「とにかく、今は現状維持に努めておけ」

大将「無闇やたらに出撃をせず、艦娘の練度を少しでも上げる事に徹しろ」

イケ督『はあ……報道にはどう説明しましょう?』

大将「進撃し続けて疲弊しているので、しばらく休養するとでも言えばよかろう」

イケ督『分かりました』

大将「くれぐれも大損害を被った事は言うなよ?」

イケ督『了解です』

大将「では……今後の方針が決まり次第、追って連絡する」

イケ督『はい。失礼します』

     ブッ… ツー ツー

大将「…………」

16以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:46:48 ID:Xw55B38o

―――――――――――

数日後

北方鎮守府 執務室

     ジリリリリンッ ジリリリリンッ

     ガチャ

ブサ督「はい……ブサイク提督ですが」

ブサ督「これは大本営の……はい……はい……」

ブサ督「…………」

ブサ督「…………」

ブサ督「……は?」

ブサ督「ちょっと待ってください」

ブサ督「こちらの戦力もぎりぎりなので、今、練度の高い艦娘に抜けられては……」

ブサ督「い、いえ、その重要性は分かります」

ブサ督「しかし先月もイケメン提督の鎮守府に派遣したばかりではないですか?」

ブサ督「…………」

17以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:47:57 ID:Xw55B38o

ブサ督「……で、ですが、いくら何でも急な話で酷すぎるのでは」

ブサ督「こんなに頻繁に我が鎮守府から戦力を持っていくのはあんまりです」

ブサ督「それに」

ブサ督「出向した我が鎮守府の艦娘はどうして居るのですか?」

ブサ督「なぜ連絡をさせてもらえないので?」

ブサ督「…………」

ブサ督「……ええ、ですからその重要性は理解しています」

ブサ督「私が言いたいのは、我が鎮守府は」

ブサ督「無限に戦力の出る魔法の壷などではないということで――」

ブサ督「っ!」

ブサ督「…………」

ブサ督「…………」

ブサ督「反逆罪ですと?」

18以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:48:47 ID:Xw55B38o

ブサ督「失礼を承知で申しますが」

ブサ督「何と言われようとも、これ以上イケメン提督の鎮守府に」

ブサ督「我が鎮守府の艦娘を差し出す事は出来ません」

ブサ督「これは相対的な……ええ、ですから」

ブサ督「防衛の為に必要最低限の戦力という意味で」

ブサ督「我が鎮守府はぎりぎりの状態なんです」

ブサ督「…………」

ブサ督「……無理です」

ブサ督「…………」

ブサ督「では言い直しましょう。不可能です」

ブサ督「何と言われ様ともこれ以上、戦力低下されての戦線維持は自分に不可能です」

ブサ督「無い袖は振れません」

19以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:49:38 ID:Xw55B38o

ブサ督「…………」

ブサ督「……左様ですか」

ブサ督「そういう事でしたらいっその事」

ブサ督「私とイケメン提督を入れ替えてみてはいかがでしょう?」

ブサ督「あなたのおっしゃる通りなら」

ブサ督「我が鎮守府の現在の戦力で北方海域は」

ブサ督「イケメン提督の手腕で平定できるのでしょう?」

ブサ督「無能な私と違って」

ブサ督「…………」

ブサ督「無理を言うな?」

ブサ督「さっきからそれを言ってるのは大本営直属のあなたの方だ」

ブサ督「…………」

20以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:50:43 ID:Xw55B38o

ブサ督「でしたら」

ブサ督「あなたが指揮をとってみたらいいのでは?」

     ブッ… ツー ツー

ブサ督「…………」

ブサ督「……へっ。切りやがったか」

     チンッ

ブサ督「…………」

ブサ督「愛宕……高雄……飛龍……蒼龍……」

ブサ督「扶桑……山城……妙高……足柄……」

ブサ督「計8人」

ブサ督「今、生きてるのか……死んでるのかすら」

ブサ督「大本営は教えてくれない」

ブサ督「…………」

ブサ督「元気で……居てくれてるといいのだが……」

21以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:51:35 ID:Xw55B38o


―――――――――――


西方鎮守府 執務室


     ジリリリリンッ ジリリリリンッ

     ガチャ

フツ督「はい、こちら西方方面艦隊鎮守……」

フツ督「ああ、これは大将閣下」

フツ督「どうされました?」

フツ督「…………」

フツ督「……ほう。左様ですか」

フツ督「増援の要請は理解しましたが、現在、西方方面にて」

フツ督「深海棲艦どもが不穏な動きを見せていまして」

フツ督「…………」

22以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:52:27 ID:Xw55B38o

フツ督「はい、緊急性は理解しております」

フツ督「こちらとしても出来るだけ早く増援を送れるよう努力していきますが」

フツ督「なにとぞ、大将閣下にもその辺りをご理解していただきたく」

フツ督「…………」

フツ督「はい、現在情報収集に全力を挙げているところで」

フツ督「西方鎮守府の艦娘総動員、という有様でして」

フツ督「南方への増援は少々お時間をいただきたいのです」

フツ督「…………」

フツ督「はっ……まことに申し訳ありません」

フツ督「これからは大将閣下のご期待に添えるよう、一層粉骨砕身努力して参ります」

フツ督「それでは」

     チンッ…

フツ督「…………」

23以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:53:27 ID:Xw55B38o

龍田「今の……大本営からかしらぁ?」

フツ督「ああ」

龍田「うふふ」

龍田「深海棲艦の不穏な動き、ねぇ」

フツ督「ウソは言ってないだろ?」

龍田「確かに」

龍田「でも全力で、とか、艦娘総動員、とかはぁ?」

フツ督「言葉のあやってやつさ」

龍田「うふふ」

龍田「日本語って、便利よねぇ」

フツ督「だな」

24以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:54:19 ID:Xw55B38o


―――――――――――

大本営


大将「クソがっ!」

大将「どいつもこいつも使えない奴らめ!」

大将「はあ……はあ……」

大将「…………」

大将(……ようし)

大将(癪に障るが、あのブ男の言う通りにしてやろう)

大将(くくく……せいぜい後悔しろ)

大将(この私に逆らった事をな……!)

25以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:56:22 ID:Xw55B38o
本日はここまで。
需要あるかなぁ……

26以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 12:02:23 ID:mkZhj5/s
読んだでー

27以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 13:11:19 ID:0av8z7Jc
そんなに嫌なら整形しろ

28以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 00:59:09 ID:S6Rj0msw
>>27
整形費用が8桁&一生メンテナンス費用も掛かるので断念しました。

29以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 00:59:54 ID:S6Rj0msw

―――――――――――

さらに数日後

北方鎮守府 執務室


     バサッ…(新聞広げ)

ブサ督(…………)

ブサ督(…………)

ブサ督(イケメン提督、快進撃の疲れから休養……)

ブサ督(…………)

ブサ督(戦線拡大による戦力不足を起こしてたりしてな)

ブサ督(そんな事は無いと思いたいが……果たして)

     コン コン

ブサ督「お……入れ」

30以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:00:41 ID:S6Rj0msw

     ガチャ

利根「……失礼するぞ」

ブサ督「哨戒任務から帰ったか。お疲れさん」

利根「これが報告書じゃ」つ(報告書)

ブサ督「お、おう」

ブサ督「海の様子はどうだっ」

利根「それ(報告書)に書いておる。読めばわかる」

ブサ督「そ、そうか……」

利根「ではな」

     ガチャ キィ パタン

ブサ督「…………」

31以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:01:23 ID:S6Rj0msw

ブサ督(き、気を取り直そう)

ブサ督(…………)つ(報告書)

ブサ督(…………)

ブサ督(……うん)

ブサ督(今のところ、異常は無いみたいだな)

ブサ督(一安心だ)

ブサ督「ふう……」

     コン コン

ブサ督「お……入っていいぞ」

     ガチャ

ブサ督「金剛に比叡か」

比叡「…………」

金剛「……演習、終わったネー」

32以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:02:15 ID:S6Rj0msw

ブサ督「お疲れ」

ブサ督「空母との連携は上手くn」

比叡「問題ありません」

金剛「赤城、加賀と一緒にいつも通りのメニューをこなしたネー」

ブサ督「そ、そうか。 それは良かった」

ブサ督「出来ればくわしく聞かせ」

比叡「少々疲れましたので、下がらせてください」

ブサ督「……ん」

金剛「それじゃ失礼するネー、ブサイクテートク」

ブサ督「ああ……」

     パタン

ブサ督「…………」

ブサ督「……はあ」

大淀(いつもながら……無様ですね)

33以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:03:06 ID:S6Rj0msw

大淀「…………」

大淀「あ、そういえば……」

大淀「…………」 ゴソゴソ…

大淀「あった」

大淀「すみません、ブサイク提督」

ブサ督「ん?」

大淀「今朝、大本営から書状が届いていたのを失念していました」

ブサ督「書状? 大本営から?」

大淀「はい。 これがそれになります」つ(書状)

ブサ督「……?」つ(書状)

34以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:08:35 ID:S6Rj0msw

     ビリッ ガサガサ…

ブサ督「…………」

ブサ督「ッ!?」

大淀「どうされました?」

ブサ督「…………」

大淀「提督?」

ブサ督「……出向命令だ」

大淀「ああ、艦娘の」

ブサ督「違う」

大淀「え?」

ブサ督「俺への、だ……」

35以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:09:13 ID:S6Rj0msw

大淀「あら」

大淀「出向先はどこなんですか?」

ブサ督「南方方面艦隊鎮守府……となっている」

大淀「……え?」

大淀「その鎮守府はイケメン提督が着任しているのでは……?」

ブサ督「そのイケメン提督と入れ替え、となっている」

大淀「!」

大淀(という事は……イケメン提督がここにいらっしゃる!?)

大淀(きゃー!///)

大淀「そ、それで……いつ、なんですか?」

ブサ督「…………」

ブサ督「今日から一週間後……となってる」

大淀「左様ですか」

36以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:10:14 ID:S6Rj0msw

大淀「良かったですね、提督」

ブサ督「……え?」

大淀「だってイケメン提督が平定した後の海域を守るだけなんですから」

大淀「これほど楽な出向も無いですよ」

ブサ督「…………」

ブサ督「大淀、聞いてくれ」

大淀「さて、これからいろいろと準備しないといけませんね」

大淀「まずは……」

ブサ督「大淀!」

大淀「ひっ」 ビクッ

ブサ督「…………」

ブサ督「怒鳴ったのは謝る」

ブサ督「でも聞いてくれ」

37以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:10:56 ID:S6Rj0msw

大淀「はあ……」

ブサ督「大淀に……いや」

ブサ督「ここの艦娘ほぼ全員に俺が良く思われてないのは分かっている」

大淀「…………」

ブサ督「だから、信じてもらえないかもしれない」

ブサ督「ただの僻(ひが)みと思うかもしれない」

ブサ督「それでも、ひとこと言っておく」

大淀「…………」

ブサ督「イケメン提督の指揮には疑問が生じる」

大淀「…………」

38以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:11:46 ID:S6Rj0msw

ブサ督「大淀も知っているだろうが」

ブサ督「勝っていながら、何故戦力を欲しがるのか」

ブサ督「また、俺は何度と無く出向した艦娘の安否を大本営に尋ねているが」

ブサ督「曖昧に対応されて一向に答えてくれない」

大淀「…………」

大淀「……何がおっしゃりたいのでしょうか?」

ブサ督「だから、そこから推測すると」

ブサ督「新聞報道はでたらめで、実際には相当の被害を受け」

ブサ督「それを覆い隠すため、世間受けのいい」

ブサ督「イケメン提督を前面に出しているんじゃないかと思う」

大淀「…………」

ブサ督「つまり」

39以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:12:19 ID:S6Rj0msw

ブサ督「この出向話は、イケメン提督の失態を」

ブサ督「全部俺に押し付けるための辞令ではないかと俺は思うんだ」

大淀「…………」

大淀「……すみませんが」

大淀「ちょっと信じがたい推測ですね」

ブサ督「…………」

大淀「戦力についても戦闘行為があったのなら損害は付き物ですし」

大淀「こう言っては大変失礼ですが」

大淀「ブサイク提督が大本営に失態を押し付けられる……」

大淀「もっと言いますと、嫌われる原因を作っているのも」

大淀「問題なのではないでしょうか?」

ブサ督「…………」

40以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:13:15 ID:S6Rj0msw

大淀「いずれにしても」

大淀「辞令が下った以上、出向は確定していますし」

大淀「準備をなさった方がよろしいのでは?」

ブサ督「…………」

ブサ督「……そうか」

ブサ督「確かに……その通り、だな」

大淀「わかってもらえましたか」

ブサ督「では、その準備は大淀に一任する」

ブサ督「必要な事があれば言ってくれ」

大淀「了解です」

大淀「それでは、ちょっと失礼しますね」

ブサ督「ああ……」

41以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:13:49 ID:S6Rj0msw

     ガチャ キィ パタン

ブサ督「…………」

ブサ督(なんか……もう)

ブサ督(どうでも良くなってきたな)

ブサ督(…………)

ブサ督(…………)

ブサ督(あとは……)

ブサ督(俺の推測がまったくの見当違いである事を)

ブサ督(祈るのみ……か)

ブサ督(…………)

42以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:14:50 ID:S6Rj0msw

―――――――――――

一週間後

北方鎮守府 執務室


大淀「忘れ物は無いですか?」

ブサ督「……ああ」

大淀「それでは、南方鎮守府でも頑張ってくださいね」

ブサ督「分かっている」

ブサ督「それからな、大淀」

大淀「はい」

ブサ督「…………」 ゴソゴソ…

ブサ督「これを渡しておく」つ(書類)

43以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:16:08 ID:S6Rj0msw

大淀「これは……?」つ(書類)

ブサ督「俺が考えた防衛作戦の一覧だ」

ブサ督「状況や地形、戦力等で分類してある」

大淀「は?」

ブサ督「もし……万が一」

ブサ督「イケメン提督の指揮に疑問が生じたら」

ブサ督「参考にしてくれ」

大淀(…………)

大淀(この人は……どこまで見栄っ張りで僻(ひが)み根性丸出しなんでしょう)

大淀「……了解しました」

大淀「そうだ、最後に質問してもよろしいでしょうか?」

ブサ督「なんだ?」

44以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:16:48 ID:S6Rj0msw

大淀「いつだったかの侵攻作戦」

大淀「突然撤退を指示されて腑に落ちなかったのですが」

大淀「どういう意図があったのでしょう?」

ブサ督「…………」

ブサ督「あの作戦目的の泊地は、危険だと判断しただけだよ」

ブサ督「侵攻の道中も抵抗が少なかったし……」

ブサ督「泊地付近には無数の孤島や岩礁が存在する」

ブサ督「自分が敵の立場なら、敵を誘い込んで」

ブサ督「一気に包囲殲滅するのに最適な場所だと思ったんだ」

大淀「え……」

ブサ督「攻められて困る場所ってのは、たいてい抵抗が強くなる」

ブサ督「これは戦術・戦略の基本だよ」

大淀「…………」

45以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:17:49 ID:S6Rj0msw

ブサ督「もっとも……それを利用する奴もいるだろうから」

ブサ督「一概に言い切れないところではあるがな」

大淀「…………」

ブサ督「納得したか?」

大淀「は、はい」

ブサ督「そうか」

ブサ督「それじゃあな……」

大淀「…………」

     ガチャ キィ パタン

大淀「…………」

46以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:18:29 ID:S6Rj0msw

大淀「…………」

大淀「…………」つ(書類)

大淀「…………」つ(書類)

大淀「……まあ」

大淀「保険はあっても困らない……ですよね」

大淀「たぶん必要ないでしょうけど」

大淀「…………」

大淀「この引き出しの奥にでもしまっておきましょう」

     ごそごそ

大淀「うん」

大淀「これでよし、と」

大淀「さ、歓迎会場に行かなくちゃ!」

47以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:19:18 ID:S6Rj0msw

     テク テク テク

ブサ督「…………」

     デー、イケメン提督ッテー

     キャー キャー

ブサ督「…………」

     テク テク テク

ブサ督「…………」

ブサ督「!」

ブサ督「…………」

ブサ督(……イケメン提督、歓迎会会場)

ブサ督「…………」

ブサ督「……へっ」

48以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:20:17 ID:S6Rj0msw

     テク テク テク

ブサ督「…………」

ブサ督「…………」

ブサ督「あ……」

ブサ督「金剛、比叡……」

金剛「それでもう楽しみデー……あ」

比叡「ブサイク提督……」

ブサ督「…………」

金剛「何かご用ですカー?」

ブサ督「……そうだ」

比叡「いったい何用です?」

ブサ督「……今さっき、大淀に」

ブサ督「俺が考えた防衛作戦の一覧を渡しておいた」

49以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:20:57 ID:S6Rj0msw

金剛「はあ……」

比叡「左様ですか」

ブサ督「…………」

ブサ督「……もし、イケメン提督の指揮に疑問が」

金剛「たぶん無いと思うネー」

比叡「ええ。私もそう思います」

ブサ督「…………」

ブサ督「……そうか」

金剛「それじゃ、南の鎮守府でも頑張ってくだサイネー」

比叡「さようなら、ブサイク提督」

ブサ督「……ああ」

50以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:21:48 ID:S6Rj0msw

―――――――――――

北方鎮守府 正面玄関付近


     テク テク テク

ブサ督「…………」

     テク テク テク… ピタ

ブサ督「…………」

ブサ督(見送りも無し……か)

ブサ督(…………)

ブサ督(…………)

ブサ督(……南方鎮守府でも)

ブサ督(こんな扱いなんだろうな……たぶん)

     テク テク テク…

51以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:22:39 ID:S6Rj0msw


―――――――――――


北方鎮守府

イケメン提督 歓迎会会場


     ポンポンッ ポンッ

大淀「イケメン提督、北方方面艦隊鎮守府へようこそ!」

大淀「艦娘一同、心待ちにしておりました!」

イケ督「おおっ、これはこれは……」

イケ督「こんなに熱烈な歓迎をして貰えて嬉しいよ」

イケ督「ありがとう」 ニコッ

大淀「い、いえ///」

52以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:23:33 ID:S6Rj0msw

金剛「イケメンテイトクー!」

金剛「私は金剛ネー!」

金剛「これからどんどん活躍するから、期待してくだサーイ!」

比叡「もう、お姉さまったら、子供みたいにはしゃいで……」

イケ督「ははは、まあいいじゃないか」

イケ督「もちろん当てにさせてもらうよ」

天龍「おい! 俺も活躍させろよ!?」

天龍「前の提督の下じゃ遠征ばかりさせられて、もううんざりなんだよ!」

イケ督「ああ、安心してくれ天龍」

イケ督「必ず君の期待に答えよう」

天龍「うっしゃあ!」

     ハハハハハハ…

53以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:24:08 ID:S6Rj0msw

長門「…………」

陸奥「…………」

翔鶴「…………」

瑞鶴「…………」

鈴谷「…………」

熊野「…………」

利根「ん?」

利根「何じゃお主ら。 見たところ艦娘のようじゃが」

利根「イケメン提督の艦娘か?」

長門「……ああ」

利根「そうか。 ならばこれからは仲間じゃな」

利根「我輩は利根じゃ。 よろしく頼む」

54以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:24:46 ID:S6Rj0msw

長門「……よろしく。 長門だ」

利根「ほう。 かの有名なビック7とはお主の事……」

長門「すまないが」

利根「!」

長門「疲れたので部屋を用意してもらいたい」

利根「そ、そうか」

利根「それは気が効かずに済まない事をした」

利根「大淀!」

大淀「はい?」

大淀「利根さん。 何でしょう?」

利根「こやつらはイケメン提督直属の艦娘なのじゃが」

利根「疲れていると言うので部屋へ案内しようと思ってな」

利根「部屋番号を……」

大淀「……私は何も聞いてませんが」

55以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:25:30 ID:S6Rj0msw

利根「……何?」

大淀「ですから、新しい艦娘が来る、などとは聞いていませんが……」

利根「そうなのか?」

長門「…………」

利根「しかし……現にああして来ているのだし」

利根「何かの手違いではないのか?」

大淀「かもしれませんね……」

大淀「ともかく、イケメン提督に事情を聞いて」

イケ督「私がどうかしたのかい?」

利根「おう、イケメン提督。 実は……」

56以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:26:24 ID:S6Rj0msw

―――――――――――

イケ督「ああ、そうだったか」

イケ督「確かに急遽決まったからね……」

イケ督「連絡が追いつかなかったのだろう」

利根「やはりか」

イケ督「さっそく迷惑をかけてしまって申し訳ない」

イケ督「事情が事情だから、急ごしらえの部屋でも」

イケ督「私の艦娘は文句を言わないだろう」

イケ督「彼女達の部屋を用意してくれるかな?」

大淀「はい。 分かりました」

大淀「お安い御用です」

イケ督「頼もしいね。 これからもよろしく頼むよ」

大淀「はい///」

57以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:27:15 ID:S6Rj0msw

望月「…………」

望月「ねえ、天龍」

天龍「あん?」

望月「ブサイク司令官の送迎会はいつやったの?」

天龍「やるわけねーだろ、んなもん」

望月「えっ」

天龍「来る日も来る日も遠征、哨戒、演習ばっかで」

天龍「前線に立たせてくれねーし」

天龍「たまーに出撃したかと思えばすぐ撤退命令出すし」

天龍「そんな腰抜けで、おまけにブ男な司令官の送迎会なんて必要ないない」

望月「…………」

58以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:28:05 ID:S6Rj0msw


北方鎮守府 正面玄関付近


     ビュオオオオオオ…


望月「…………」

文月「望月」

望月「……文月」

文月「こんなところで何してるの?」

文月「風邪引いちゃうよ? 中に入ろう?」

望月「…………」

望月「……そうだね」

     ギィ… パタン

望月「…………」

59以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:28:35 ID:S6Rj0msw

望月「ねえ、文月」

文月「うん?」

望月「ブサイク司令官って……」

望月「そんなにダメな司令官だったのかな……?」

文月「……さあ」

文月「文月には分からない」

望月「……そう」

文月「…………」

文月「でも文月は、嫌いじゃ無かったよ」

望月「!」

望月「ほんと?」

60以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:29:34 ID:S6Rj0msw

文月「うん」

文月「……天龍の前じゃ言えないけどね」

文月「艤装の事とか相談したら、ちゃんと聞いてくれたし」

文月「時々飴ちゃんくれるし」

望月「ふふふ、そうだね」

望月「よくくれたね、飴ちゃん」

文月「あはは」

望月「…………」

文月「…………」

望月「また……会えるよね?」

文月「うん。きっと会えるよ」

望月「うん……そうだよね」

61以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:31:02 ID:S6Rj0msw
本日はここまで。

62以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 03:37:11 ID:TBWnfZac


63以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 08:49:03 ID:URh41WPU
続きがきになる

64以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 23:52:28 ID:/wQUJPv.
乙、鳥海=サンまだー?

65以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:22:59 ID:f96qigYE
>>57修正↓

66以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:24:31 ID:f96qigYE

望月「…………」

望月「ねえ、天龍」

天龍「あん?」

望月「ブサイク司令官の送別会はいつやったの?」

天龍「やるわけねーだろ、んなもん」

望月「えっ」

天龍「来る日も来る日も遠征、哨戒、演習ばっかで」

天龍「前線に立たせてくれねーし」

天龍「たまーに出撃したかと思えばすぐ撤退命令出すし」

天龍「そんな腰抜けで、おまけにブ男な司令官の送別会なんて必要ないない」

望月「…………」

67以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:26:15 ID:f96qigYE
続きを始めます。

68以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:26:53 ID:f96qigYE


―――――――――――


3日後

南方鎮守府 正面玄関付近


ブサ督「はあ……はあ……はあ……」

ブサ督「ふうぅぅぅ……」

ブサ督「…………」

ブサ督「あっつうぅぅ……」

ブサ督「デブには辛い地域だ……」

ブサ督「…………」

ブサ督「はい、出迎えも特に無し、と……」

69以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:28:27 ID:f96qigYE


―――――――――――


南方鎮守府内


     テク テク テク

ブサ督「…………」

ブサ督(……建物の構造はだいたい同じだな)

ブサ督(という事は執務室は……)

ブサ督「!」

ブサ督(第一艦娘発見!)

ブサ督(……などとお茶らけた雰囲気は出せない様子)

ブサ督「…………」 コホン

ブサ督「あー……そこの艦娘」

70以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:29:31 ID:f96qigYE

?「……ん?」

?「誰……なのです?」

ブサ督「本日付でここの司令官に任命されたブサイク提督だ」

?「ああ……そういえば、そんな話ありましたね」

ブサ督「…………」

ブサ督「すまないが執務室まで案内を……」

ブサ督「おっと、その前に君の名前を教えてくれ」

?「……電(いなずま)といいます」

ブサ督「そうか、よろしくな、電」

電「執務室ですね……」

電「こちらになります」

ブサ督「…………」

71以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:30:31 ID:f96qigYE


―――――――――――


南方鎮守府 執務室前


電「このお部屋が執務室になります」

ブサ督「ありがとう」

電「いえ」

電「それでは……」

     テク テク テク…

ブサ督「あ……」

ブサ督「…………」

ブサ督「まあいいか……」

     ガチャ

72以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:32:32 ID:f96qigYE

??「!?」

??「誰だ!?」

ブサ督「御挨拶だな……」

ブサ督「本日付でここの司令官に任命された」

     キィ… パタン

ブサ督「ブサイク提督だ」

??「ああ……あんたが後任の」

ブサ督「……お互い色々思うところがあるみたいだが」

ブサ督「とりあえず名前を教えてくれないか?」

??「そうだね……それは失礼だったねブサイク提督」

??「私は川内」

川内「ここの秘書艦をやってる」

73以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:34:27 ID:f96qigYE

ブサ督「そうか」

ブサ督「では……何か言いたい事があるのなら言ってみてくれ」

川内「……言いたい事?」

ブサ督「そうだ」

川内「…………」

川内「く……くくく」

川内「ふふ……ふふふふっ……」

川内「あははははははははははっ!」

ブサ督「…………」

川内「じゃあ、言わせて貰うけどね」

川内「地獄へようこそ!としか」

川内「言いようが無いね!」

74以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:35:26 ID:f96qigYE

ブサ督「…………」

ブサ督「そうか……」

川内「そうか? そうか、だって?」

川内「そんな言葉で返せる余裕がお有りの様で」

川内「羨ましく思うよ!」

ブサ督「俺に余裕が有る様に見えるのか」

川内「…………」

ブサ督「どうやら俺は、イカサマ師の才能があるみたいだな……」

川内「…………」

ブサ督「……では、現状報告を頼む」

川内「……了解」

75以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:36:31 ID:f96qigYE


―――――――――――


ブサ督「…………」

ブサ督「…………」

ブサ督(……覚悟は)

ブサ督(それなりにしていた……)

ブサ督(だが……)

ブサ督(…………)

ブサ督(だがっ!)

     ダンッ!

川内「……ふん」

川内「机にあたっても現状は変わらないよ」

ブサ督「まさか……ここまで酷いとはな……」

76以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:38:24 ID:f96qigYE

ブサ督(ほぼ南方海域全域に広がる戦線)

ブサ督(無計画と言うしかない無謀な侵攻……)

ブサ督(損耗率は6割に達し)

ブサ督(あらゆる物資が底をつきかけている……!)

ブサ督(こんな状況でどうしろと言うんだ!!)

川内「…………」

ブサ督「…………」

ブサ督「……川内」

川内「何?」

ブサ督「補充で来た北方鎮守府の艦娘は」

ブサ督「どうなったか分かるか?」

77以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:39:47 ID:f96qigYE

川内「…………」

川内「悪いけど知らない」

川内「あたしも前回の作戦前に来た補充の艦娘だからね……」

ブサ督「そうか……」

ブサ督「…………」

ブサ督(配置・未配置の艦娘の中に)

ブサ督(あの8人の名前は……無い)

ブサ督(…………)

ブサ督(そういう……こと、なのだろうな……)

川内「…………」

川内「……大事な艦娘だったのかい?」

ブサ督「…………」

ブサ督「もう……わからん」

78以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:40:54 ID:f96qigYE

川内「わからない?」

ブサ督「今は……いろんな感情が渦巻いてて……」

ブサ督「悲しいのか、悲しくないのか」

ブサ督「空しいのか、腹立ってるのか……」

ブサ督「もう……訳がわからん」

川内「ふうん……そう」

川内「ともかく、現状は今、説明した通り」

川内「あんたはここの司令官。 命令には従う」

ブサ督「……頼もしいお言葉で」

川内「あの顔だけ提督よりマシなら、もうそれでいい」

川内「よろしく頼むよ、ブサイク提督」

ブサ督「……出来るだけ期待に答えよう」

79以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:42:07 ID:f96qigYE

ブサ督「では、さっそくだが」

ブサ督「鈴谷と熊野を連れてきてくれ」

川内「……居ないよ」

ブサ督「……は?」

川内「その二人だけじゃない」

川内「鈴谷、熊野、戦艦の長門と陸奥、正規空母の翔鶴、瑞鶴の計6人は」

川内「顔だけ提督が北方鎮守府に連れて行った」

ブサ督「…………」 クラッ…

川内「…………」

ブサ督「……めまいがした」

川内「きっと……暑さのせいだね」

ブサ督「そうだったなら、どれだけいいか……」

80以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:44:22 ID:f96qigYE

ブサ督「……はあ」

ブサ督「もう嘆いてもしょうがない」

ブサ督「現在のこの鎮守府で一番索敵能力に長けているのは?」

川内「たぶんあたしか、暁かな……」

川内「暁は改二だし……」

ブサ督「よし、暁を呼んで来てくれ」

川内「了解」

     タッ タッ タッ…

ブサ督「…………」

81以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:46:34 ID:f96qigYE

―――――――――――

大本営 大将の部屋


     ジリリリリンッ ジリリリリンッ

大将「ん……電話か」

     ガチャ

大将「私だ」

大将「…………」

大将「ああ、南方鎮守府からか」

大将「構わん。 繋げ」

大将「…………」

大将「やあ、ブサイク提督」

大将「そろそろ掛かってくる頃だと思っていた」

大将「南方鎮守府の居心地はどうかね?」

大将「ハッハッハッ!」

82以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:48:02 ID:f96qigYE

ブサ督『……笑っていられるのも今の内だけです、大将閣下』

大将「何?」

ブサ督『あなたが私を敗軍の将として糾弾する為に』

ブサ督『今回の人事を仕組んだのは分かりますが』

ブサ督『このままだと、私の首だけでは済まない可能性が高い』

大将「…………」

大将「ふん。 何が言いたい?」

ブサ督『簡単に説明しますとね』

ブサ督『現在の南方鎮守府は、主力艦娘不在』

ブサ督『残存戦力は軽巡級・駆逐級艦娘二十数人という有様』

ブサ督『おまけにあらゆる物資が底をつきかけている』

大将「!?」

ブサ督『こんな状況では、南方鎮守府は陥落寸前と言う外ありません』

83以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:49:45 ID:f96qigYE

大将「ま、待て!」

大将「主力艦娘が不在とはどういう事だ!?」

大将「それに物資もそこそこは……」

ブサ督『秘書艦の話だと、イケメン提督が連れて行ったとの事です』

ブサ督『推測ですが物資もついでに持って行ったのでしょう』

大将「」

ブサ督『現状の把握はできましたか?』

大将「あの……無能めがぁっ!」

ブサ督『……その辺の認識は一致するところですが、大将閣下』

ブサ督『私の言いたい事は ご理解いただけましたか?』

大将「う、うむ……」

84以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:51:29 ID:f96qigYE

ブサ督『さしあたり、物資の補給を大至急お願いします』

ブサ督『特に燃料と弾薬・食料は絶対に急がせてください』

ブサ督『鋼材とボーキサイトは多少遅れても構わないですが……』

ブサ督『それでもなるべく急いで手配をしてください』

大将「わ、分かった」

大将「だが……どんなに急いでも最低4〜5日程度は掛かる」

大将「それまで持つのか?」

ブサ督『約束なんて出来ませんよ』

ブサ督『深海棲艦たちが浮かれてバカンスでもしてくれる事を』

ブサ督『祈っててください』

大将「…………」

ブサ督『それでは……補給物資が届くのをお待ちしています』

85以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:52:44 ID:f96qigYE

     ブッ… ツー ツー

大将「…………」

大将「…………」

大将「……くそがああああっ!!」

     ガチャン!

大将「はあ、はあ、はあ……」

大将「ちっ……」

大将(だが、あのブ男の言う通りだ)

大将(仮に南方鎮守府が敵に奪取されたら)

大将(南方海域全域を失うも同然……)

大将(当然そうなったら……責任者である私にも批判が……)

大将「……クソッ」

86以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:54:03 ID:f96qigYE

     チンッ…

ブサ督「ふう……」

川内「上手く行ったの?」

ブサ督「たぶんな」

ブサ督「だが物資が届くまで4〜5日はどうしても掛かる」

川内「考えたんだけどさ」

川内「遠征で何とかならない?」

ブサ督「遠征にまわす余剰戦力も時間も無い」

川内「でも、だいぶ戦線を切り捨てたんでしょ?」

川内「もういっそのこと全部捨てて鎮守府に立てこもったら?」

ブサ督「それも一つの手だが」

ブサ督「それだと敵の戦力も集中してしまう恐れがある」

87以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:55:37 ID:f96qigYE

ブサ督「そうさせないため、ゲリラ戦を展開する必要があるんだよ」

ブサ督「少数が多数の敵を打ち破るのは容易じゃない」

ブサ督「戦線を引っ掻き回す事で時間も稼げるしな」

川内「へえ……いろいろ考えてるんだね」

ブサ督「とは言っても……」

ブサ督「それに敵さんが乗ってくれればの話」

ブサ督「大群が猪突猛進して、この南方鎮守府を目指してきたら」

ブサ督「それでゲームセット。 お終いだ」

ブサ督「尻尾巻いて逃げるしかない」

川内「そう……」

     コン コン

ブサ督「おう。 入ってくれ」

88以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:56:37 ID:f96qigYE

     ガチャ

電「失礼します」

     キィ パタン

川内「来たね、電」

電「何かご用ですか?」

川内「うん」

川内「あたし、これから任務に出る」

川内「だから電に秘書艦をやって欲しいんだ」

電「……電が、ですか?」

川内「ああ」

川内「安心して、電」

川内「今度来たブサイク提督は見た目キモイけど、割とまともだよ」

89以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:57:50 ID:f96qigYE

ブサ督「…………」

電「えと……川内さん、いくら何でも言っていい事と悪い事が」

ブサ督「……別にいい、電」

ブサ督「自分がブ男なのは毎朝、顔を洗う時に嫌でも自覚するしな……」

電「は、はあ……」

川内「じゃ、ブサイク提督」

川内「川内、暁と共に出撃します!」

ブサ督「ああ……」

ブサ督「頼んだぞ」

     ガチャ キィ パタン

ブサ督「…………」

電「…………」

90以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 07:58:55 ID:f96qigYE

電「あの……ブサイク司令官さん」

ブサ督「ん?」

電「勝算がお有りなのですか?」

ブサ督「…………」

ブサ督「逆に聞いてしまうが……」

ブサ督「どうしてそんな質問をするんだ?」

電「その……」

電「川内さん、いつもと違って明るい表情でしたので」

ブサ督「そうか……」

ブサ督「それからさっきの質問だけどな」

ブサ督「勝算なんてまったく無い」

電「え……」

91以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 08:00:03 ID:f96qigYE

ブサ督「これから俺が川内達に指示する作戦は」

ブサ督「時間稼ぎのかく乱戦法だからな」

ブサ督「最初から『勝ち』なんてものは捨てている」

ブサ督「だから、勝算なんてものは無くていいんだよ」

電「…………」

ブサ督「理解できないか?」

電「いえ……でも、だとすると……」

ブサ督「すると?」

電「ブサイク司令官さんのせいじゃないとしても……」

電「これまでの艦娘の犠牲は……なんだったのだろう、と……」

ブサ督「…………」

ブサ督「……そうだな」

92以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 08:01:23 ID:f96qigYE
本日はここまでです。

93以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 09:53:02 ID:7KPiSmkU
乙、信賞必罰が狂うと組織人こそ箍が外れてダメになるよな

94以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 12:23:39 ID:FHKVwDQE
乙、続きもよろ

95以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 15:28:15 ID:qTFmPJy6
言動がまともで階級からして最低限の身綺麗さはあるだろう提督の容姿に対するヘイトが高すぎるんじゃが、艦娘はブサイクに親を殺されでもしたんか……

取り敢えず駆逐艦ちゃん達だけでも生還してくれ……続き待機

96以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 17:07:08 ID:Evb.NmIQ
こんな艦娘をだれが作った

97以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 17:17:45 ID:Evb.NmIQ
盲目の少女と、彼女の唯一の肉親である祖母が暮らしていた。
ある日、お婆さんが亡くなり、身よりのない少女は、村の神父が引き取ることになった。
神父が彼女を引き取ったのは純粋な慈悲からだったが、いつしか2人は恋に落ちた。
ある時、村を訪れた医者に彼女を診せたところ、手術で治ることが分かった。
神父に喜びと同時に、新たな悩みを抱えた。彼はブサイクだった。
しかし、神父は彼女のためにと寄付を募り、なけなしの財産をはたき、彼女の目の手術を依頼した。手術は成功した。

医者「ゆっくり目を開けてごらん。」
少女「…!!見えるわ!何もかも!」
神父「僕が見えるかい?」
少女「ええ、とても!」
医者「どうやら手術は成功のようだね。」
少女「ありがとうございました。…でも」
医者「どうしたんだね?」
少女「耳が悪くなりました。この方の声が神父様の声に聞こえます。」

98以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/30(日) 02:26:34 ID:xHznyaBg
世の中そんなもんだからね…辛いけど仕方ないネ

99以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/01(火) 00:56:24 ID:rrQ73X4o
艦これ知らんけど面白い

100以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 18:51:13 ID:h6NDFXQo
>>87修正↓

101以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 18:52:03 ID:h6NDFXQo

ブサ督「そうさせないため、ゲリラ戦を展開する必要があるんだよ」

ブサ督「少数が多数の敵を打ち破るのは容易じゃない」

ブサ督「戦線を引っ掻き回す事で時間も稼げるしな」

川内「へえ……いろいろ考えてるんだね」

ブサ督「とは言っても……」

ブサ督「それに敵さんが乗ってくれればの話」

ブサ督「大軍が猪突猛進して、この南方鎮守府を目指してきたら」

ブサ督「それでゲームセット。 お終いだ」

ブサ督「尻尾巻いて逃げるしかない」

川内「そう……」

     コン コン

ブサ督「おう。 入ってくれ」

102以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 18:52:53 ID:h6NDFXQo
続きを投下します。

103以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 18:53:35 ID:h6NDFXQo


―――――――――――


北方鎮守府 軍港


金剛「さぁて!」

金剛「張り切って行くネー!」

比叡「はい、金剛お姉さま」

利根「うむ。 我輩たちの門出を祝うかの様な快晴じゃの!」

筑摩「そうですね、利根姉さん」

イケ督「そろっている様だな」

金剛「あ、イケメンテイトク!」

金剛「金剛の力、よ〜く見ててネー!」

イケ督「ははは、期待してるよ」

104以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 18:54:15 ID:h6NDFXQo


第一戦隊

金剛 比叡 利根 筑摩 赤城 加賀


第二戦隊

長門 陸奥 鈴谷 熊野 翔鶴 瑞鶴


イケ督「そっちも問題ないか?」

長門「……ええ」

陸奥「しっかりと休養を取りましたから」

イケ督「よし」

イケ督「では、これより、北方深海棲艦泊地奪取作戦を開始する」

イケ督「抜錨せよ!」

105以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 18:55:59 ID:h6NDFXQo

     オオー!

大淀「…………」

大淀「あの、イケメン提督」

イケ督「ん? 何かな?」

大淀「作戦立案の時にも意見具申しましたが……」

大淀「あの泊地周辺は孤島と岩礁が多数存在し」

大淀「敵が伏兵を敷くには最適と思われます」

大淀「どの様な対処法をお考えになられたのですか?」

イケ督「ああ、その事か」

大淀「はい」

106以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 18:56:39 ID:h6NDFXQo

イケ督「それについては問題ない」

イケ督「伏兵には伏兵で対抗するまでさ」

大淀「……はい?」

イケ督「ははは! まあ大船に乗ったつもりで」

イケ督「どっしり構えていればいいんだよ」

大淀「はあ……」

大淀「…………」


―――――――――――


南方海域 某戦線


     ザザザザザザ…

雷「くっ……!」

雷「しつこい!」

107以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 18:59:11 ID:h6NDFXQo

     ドォンッ ドォンッ!

     ドガァンッ

雷「はあっはあっ……」

雷「何とかなったけど……もう弾薬が……」

雷「このままじゃ……どうにもならない」

     ザザザザザザ…

雷「はっ!?」

雷「いけな――」

     ドォンッ ドォンッ!

     ドガァンッ

雷「…………」

雷「……あれ?」

108以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 19:00:11 ID:h6NDFXQo

川内「雷(いかづち)、大丈夫?」

雷「えっ、川内!?」

雷「どうして秘書艦のあなたがここに?」

川内「説明すると長くなるから、かいつまんで言うよ」

川内「新しく来た後任のブサイク提督の命令」

雷「ブサイク提督?」

川内「見た目キモイけど、今度のはマシそうよ」

川内「拡大しすぎた戦線をある程度切り捨てる事になった」

川内「雷はここから撤退して」

川内「ここは放棄」

雷「りょ、了解」

109以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 19:01:09 ID:h6NDFXQo

川内「ここの駐留部隊は燃料・弾薬、食料を優先して」

川内「持てるだけ持って南方鎮守府へ帰って!」

川内「じゃ、伝えたからね!」

     ザザザザザザ…

雷「あっ、ちょっと!……もう」

雷「…………」

雷「ブサイク提督、ね……」

雷「見た目キモイって……どんなよ」

110以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 19:02:11 ID:h6NDFXQo


―――――――――――


南方海域 某戦線2


暁「ここは私達の戦隊が引き受けるわ」

暁「あなた達は出来るだけ物資を持って」

暁「南方鎮守府へ向かって」

由良「了解」

由良「でも……イケメン提督がそんな命令を?」

暁「ううん、これは後任のブサイク司令官の命令よ」

由良「ブサイク司令官……」

暁「ちょっと……ううん、かなりお顔がアレな人だけど」

暁「信頼できる人だと思うわ」

由良「ふうん……」

111以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 19:03:18 ID:h6NDFXQo


―――――――――――


南方鎮守府 作戦室


電「切り捨てた海域に駐留していた艦娘が」

電「続々到着しています」

ブサ督「よし」

ブサ督「損傷軽微な艦娘を優先して入渠させてくれ」

電「えっ」

ブサ督「高速修復材が無い」

ブサ督「あれ無しで大破・中破の艦娘を入渠させたら、時間が掛かりすぎる」

ブサ督「中破・大破している艦娘は機関の修理だけに留めて待機」

電「りょ、了解です」

112以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 19:04:27 ID:h6NDFXQo

ブサ督「物資の方はどうだ?」

電「少々お待ちください」

ブサ督「…………」

ブサ督「…………」

電「……各部隊、それなりの物資を持って帰ってくれてますが」

電「焼け石に水……というところなのです……」

ブサ督「それでも御の字だ」

ブサ督「無いよりずっといい」

電「はあ……」

     ピピー ガガッ

電「!」

113以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/02(水) 19:05:26 ID:h6NDFXQo

電「…………」

電「川内さんから入電なのです」

川内『こちら川内』

川内『命令された切り捨て海域をすべて回ったわ』

川内『戦闘も多少行って損害は軽微。残弾は4割ってところよ』

川内『これからの指示をちょうだい』

ブサ督「ほう……早いな」

ブサ督「川内の戦隊は北緯△□〇東経□△□の離島付近で待機」

ブサ督「しばらくそこで駐留偵察しつつ4時間ごとに定時連絡してくれ」

電「こちら作戦室」

電「川内さんの戦隊は北緯△□〇東経□△□の離島付近で待機」

電「繰り返します」


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