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【艦これ】ブサ督「イケメンに限るって……真理だよな」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/22(土) 08:23:30 ID:Xw55B38o
※注意事項
自分は艦これ改しか知らない提督です。
話の都合上、艦娘の幾人かはゲスいです。
また割と艦娘が轟沈します。
気まぐれ投下。
これらが嫌な方はブラウザバックしてください。
123
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:14:27 ID:h6NDFXQo
長門『……何!?』
長門『くっ……第二戦隊! 反転180度!』
ザザザザザザザザ…
利根「ダメじゃ……あそこまで進入してしまっては……」
金剛「今助けに……」
筑摩「いけません! 金剛さん!」
筑摩「私たちの位置でも逃げ切れるかどうか、厳しいんです!」
筑摩「いま第二戦隊のところへ行くなんて……」
筑摩「自殺行為です!!」
金剛「……っ」
比叡「金剛お姉さま……」
金剛「…………」
124
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:15:33 ID:h6NDFXQo
金剛「……第一戦隊」
金剛「進路……そのまま……」
利根「…………」
筑摩「……ありがとう、ございます」
赤城(…………)
赤城(……どうして……こんな事に……)
加賀(五航戦……)
金剛(…………)
金剛(許して……)
金剛(許してくだサーイ……)
125
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:16:18 ID:h6NDFXQo
北方鎮守府 作戦室
大淀「大変です! イケメン提督!」
大淀「やはり……あの泊地周辺に大規模な伏兵が潜んでいた模様です!」
大淀「第一、第二戦隊、共に撤退を打診してきました……」
イケ督「…………」
イケ督「……撤退だと?」
大淀「はい」
大淀「総数は不明ですが……」
大淀「すでに40隻以上の敵艦に囲まれていると」
イケ督「そうか……それでは致し方ないな」
126
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:16:58 ID:h6NDFXQo
大淀「それも……第二戦隊は逃げ遅れた模様で」
大淀「おそらく逃げ切れないだろうと……」
イケ督「…………」
イケ督「大淀」
大淀「はい?」
イケ督「しばらく席を外す」
大淀「えっ!?」
イケ督「心配するな」
イケ督「すぐ戻る」
大淀「は、はあ……」
ガチャ キィ パタン
大淀「…………」
127
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:17:47 ID:h6NDFXQo
ザザザザザザザザ…
天龍「……結局遠征かよ」
天龍「はあ……」
天龍「…………」
天龍「金剛たちは今頃……ど派手に暴れてんだろーなぁ」
天龍「はあ……」
ピピー ガガッ
天龍「ん? 通信?」
天龍「珍しいな……」
天龍「ほい。 こちら遠征艦隊・旗艦天龍」
イケ督『やあ、天龍』
イケ督『遠征の調子はどうかな?』
128
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:18:48 ID:h6NDFXQo
天龍「調子も何も……今朝出たばかりだから」
天龍「まだ何にも成果は無いぜ」
イケ督『ははは、そうだった。 すまない』
天龍「で? そんなくだらない話の為に通信したのか?」
イケ督『実はね』
イケ督『現在、金剛たちが攻略中の泊地なんだが』
イケ督『少しばかり敵の数が多くて少々苦戦してるんだ』
天龍『何!? 金剛たちは大丈夫なのか!?』
イケ督『ああ、そこは問題ないよ』
イケ督『でもさ、天龍を実戦に使うって言っておきながら』
イケ督『遠征に回してしまった罪滅ぼしをしたくてね』
129
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:20:00 ID:h6NDFXQo
天龍「!」
天龍「という事は……これからその泊地へ向かえって事なのか?」
イケ督『うん』
イケ督『どうだろう? やってくれるかい?』
天龍「う〜ん……けど今引き連れてるのは」
天龍「まだ練度の低い駆逐級ばかりだしなぁ……」
天龍「危なくないのか?」
イケ督『それは大丈夫だと思う』
イケ督『まあ天龍が行くまでに片がついてるかもしれないけどね』
天龍「…………」
130
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:20:55 ID:h6NDFXQo
天龍「……よし」
天龍「そういう事なら引き受けよう」
イケ督『ありがとう。 助かるよ』
イケ督『では、天龍の現在位置を教えてくれ』
天龍「おう」
天龍「ええと……北緯○○○東経△△△の位置だ」
イケ督『了解……その位置からだと』
イケ督『…………』
イケ督『おお、ちょうど真北に進めばいいね』
天龍「そうか。 そいつは分かりやすくて助かるな」
イケ督『じゃ、すまないけど頼んだよ』
イケ督『帰ったら、金剛たちと一緒に祝杯を上げよう』
天龍「おう! 楽しみにしてるぜ!」
ブッ…
131
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:21:44 ID:h6NDFXQo
―――――――――――
ドォンッ! ドォンッ!
金剛「くっ……3時にまた増援!」
金剛「ファイヤー!!」
ドォンッ! ドォンッ!
利根「次から次へと……! 7時からも来ておるぞ!」
比叡「弾幕を張ります!」
筑摩「対空戦闘、用意!」
ダダダダダダダ!
赤城「戦闘機の準備はまだ!?」
加賀「この状況では……準備できても発艦が……!」
132
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:22:56 ID:h6NDFXQo
―――――――――――
ドォンッ! ドォンッ!
ドガァンッ!
翔鶴「きゃあああああああっ!」
瑞鶴「翔鶴姉!?」
瑞鶴「翔鶴姉ぇぇっ!!」
長門「くそぉっ!」
ドォンッ! ドォンッ!
陸奥「はあっはあっ……!」
鈴谷「!」
鈴谷「2時! 急降下してくる!」
133
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:23:36 ID:h6NDFXQo
熊野「対空……」
鈴谷「だめ! 避けて!」
ドガッ! ズガァン!
ズガァアアンッ!!
長門「ぎっ……ああああああっ!!」
陸奥「長門!?」
長門「がはっ………うっ…」 ビチャビチャ…
陸奥「長門、しっかりして!」
長門「……陸奥……旗艦を……委譲する」
ゴプ…
長門「ここからの……指揮を……」
ゴプ… ゴププ…
陸奥「長門……長門ぉぉぉぉぉぉっ!!」
134
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:24:22 ID:h6NDFXQo
…………
戦いの中で……沈むのだ……
あの光ではなく……
本望……だな………
…………
………
……
…
135
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:25:03 ID:h6NDFXQo
陸奥「うううっ……!」
陸奥「ウアアアアアアッ!!」
ドォンッ! ドォンッ!
瑞鶴「翔鶴姉っ! ほら、しっかり捕まって!」
翔鶴「いいのよ……瑞鶴……もう……」
ゴプ…
翔鶴「……あなたは……生き延び……て……」
ゴプ… ゴププ…
瑞鶴「翔鶴姉っ!? 翔鶴姉っ!!」
瑞鶴「いやああああああああああああっ!!」
136
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:25:47 ID:h6NDFXQo
…………
ああ……私……
また、逝くのね……
…………
矢矧さん……秋月さん……
後は……お願い……
…………
………
……
…
137
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:26:45 ID:h6NDFXQo
鈴谷「はあっ……はあっ……」
鈴谷「長門と翔鶴が……沈んだみたいね……」
熊野「まあ……わたくし達も……」
熊野「時間の問題、という感じでしょうけど……」
鈴谷「気の滅入ること言わないでよ」
熊野「ふふ……わたくし達の運もこれまでと、諦めま……」
熊野「……ん?」
陸奥「はあっはあっ……」
陸奥「……?」
陸奥「…………」
陸奥「攻撃が……やんだ……?」
138
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:27:45 ID:h6NDFXQo
金剛「どういうこと……!?」
利根「分からん……分からんが」
利根「奴ら、一目散に泊地へと撤退しとるぞ!」
利根「こちらも急いで引き上げるのじゃ!」
筑摩「ええ、利根姉さん!」
ピピー ガガッ
金剛「!」
金剛「こちら第一戦隊旗艦・金剛!」
陸奥『繋がっ【ガガガッ】……こ【ピピー】は……』
陸奥『第二戦隊臨【ガガッ】艦・陸【ピー】損傷激し【ガガッ】救助を要【ピピー】る』
金剛「良かった! 第二戦隊も生きてたネー!」
金剛「でも音声が悪いネー……救助要請しているみたいデース」
金剛「利根サーン、位置は分かりますカー?」
139
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:28:46 ID:h6NDFXQo
利根「すまぬ、金剛。 我輩の電探、損傷しておってな……」
利根「筑摩、そっちはどうじゃ?」
筑摩「はい、利根姉さん」
筑摩「大丈夫です。 第二戦隊の識別信号をキャッチしました」
利根「そうか! あの攻撃で、みなが無事なら……」
筑摩「それが……利根姉さん」
筑摩「識別信号……4人しか確認できません……」
利根「…………」
利根「……そうか」
赤城「…………」
加賀「…………」
比叡「…………」
140
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:29:27 ID:h6NDFXQo
―――――――――――
北方深海棲艦泊地水域
ザザザザザザザザ…
天龍「……やけに静かだなぁ」
天龍「もう戦闘は終わっちまったのか……?」
天龍「…………」
天龍「お」
天龍「ありゃあ軽巡級のホ級じゃねーか!」
天龍「いただきだぜ!」
文月「天龍!」
天龍「ん?」
141
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:30:12 ID:h6NDFXQo
文月「3時から……ル級が来てる!」
天龍「な!? 戦艦級だと!?」
文月「それも3隻!」
天龍「」
天龍「じょ、冗談じゃねぇ!」
天龍「そんなの相手に勝てるか!」
天龍「撤退するぞ!」
天龍「180度回頭! 機関最大!」
文月「りょ、了解!」
ピピー ガガッ
天龍「おい! イケメン提督!」
天龍「これはどういう事だ!?」
142
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:31:25 ID:h6NDFXQo
ガガガー ピー
天龍「クソッ!」
望月「!」
望月「6時から敵機!」
望月「多すぎて数えられない! 何機いるのっ!?」
天龍「とにかく飛ばせ!」
天龍「回避しながら南西に進路を取るんだ!」
ヒュウウウウウウウ……
ドォンッ ドォンッ!
文月「きゃあああああっ!」
天龍「文月!?」
天龍「……くそがあああああああああああああああっ!!」
143
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:32:20 ID:h6NDFXQo
―――――――――――
数時間後
北方鎮守府 軍港
イケ督「よく戻ってくれた、みんな」
金剛「イケメンテイトク……」
金剛「期待に答えられず、すみまセーン……」
イケ督「何を言うんだ、金剛」
イケ督「今回は私の失態だ」
イケ督「今は何も考えず、ゆっくり休んでくれ」
金剛「イケメンテイトク……///」
イケ督「他のみんなも無事でよかった」
イケ督「どうか、ゆっくり休んでくれ」
比叡「はい……イケメン提督///」
144
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:33:02 ID:h6NDFXQo
陸奥「…………」
イケ督「おお、陸奥」
イケ督「よく帰って来てくれた」
イケ督「長門と翔鶴は……残念だったが」
陸奥「……いえ」
イケ督「今はゆっくり休んでくれ」
陸奥「……そうさせてもらいます」
陸奥「イケメン提督」 ギロッ
大淀「!?」 ゾクッ
大淀「…………」
145
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:33:52 ID:h6NDFXQo
大淀(今……陸奥さん)
大淀(イケメン提督の事を……睨んだ?)
大淀(…………)
大淀(ううん、気のせい)
大淀(きっと気のせいよね)
大淀(きっと……)
大淀(…………)
146
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 19:35:02 ID:h6NDFXQo
本日はここまでです。
147
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 21:36:43 ID:U2ke7XDg
乙
海上式通信プロトコルについて、一件。
>>114
とか
>>118
で使ってる符丁「オーバー」は誤用
「オーバー」とは、アマチュア通信「どうぞ」や陸自通話「送れ」に相当する、「こちらからあなたに送話を切り替えます」の意味
「終わり」や「以上」に相当する意味の、海上式通信プロトコルでの符丁は「アウト」だよ
148
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/02(水) 21:50:47 ID:pIqrFHNA
乙乙ん
戦艦に空母、しかも一線級の戦力を初戦で轟沈、しかも低練度の遠征部隊を丸ごと囮に……
このレベルの提督がクビになって無いとか顔の良さの評価点高すぎにしても大本営無能すぎやんけ
149
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/03(木) 04:43:51 ID:iCg2xaxo
シエンタ
150
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/03(木) 13:19:42 ID:UyDtfpRc
乙
既にプロパガンダにされてるから
何かしら理由作らないと切り捨てられないんだろうな…
151
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/03(木) 19:36:13 ID:VFDwcKBI
>>147
ご指摘ありがとうございます。
>>1
に横文字は早すぎたんや……
>>114
修正↓
152
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/03(木) 19:37:45 ID:VFDwcKBI
電「川内さんの戦隊は北緯△□〇東経□△□の離島付近で待機」
電「しばらくそこで駐留偵察しつつ4時間ごとに定時連絡せよ、との事です」
川内『北緯△□〇東経□△□の離島……ああ、あれね』
川内『川内、了解』
川内『離島で待機、駐留偵察しつつ4時間ごとに定時連絡する』
川内『川内、通信終了』
電「作戦室、通信終了」
ブッ…
ブサ督「ふう……」
ブサ督「一息つきたいところだな」
電「暁からの連絡がまだなのです」
ブサ督「分かってる。冗談だ」
153
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/03(木) 19:38:45 ID:VFDwcKBI
>>118
修正↓
154
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/03(木) 19:39:35 ID:VFDwcKBI
金剛「…………」
長門『…………』
長門『こちら第二戦隊旗艦・長門』
長門『こちらの索敵でも敵影は確認できず』
長門『繰り返す。 こちらの索敵でも敵影は確認できず』
金剛「OK! 長門サーン、協力に感謝するネー!」
金剛「では、これより第一戦隊は」
金剛「予定通り、敵・泊地に突撃を慣行するネー!」
長門『了解。 第二戦隊も予定通り突撃を慣行する』
長門『お互い幸運を』
金剛「通信アウト!」
ブッ…
155
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/03(木) 19:40:51 ID:VFDwcKBI
続きは……もう少々お待ちください。生存報告でした。
156
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/03(木) 19:47:51 ID:VFDwcKBI
蛇足なんですけどオーバーって
ゲームオーバーのオーバーと同じだと思ってました。
世の中知らない事がいっぱいですね。
157
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/04(金) 01:08:26 ID:Lu7cKhgw
ブサ提督がイケより有能なのは分かるんです
だからこそ艦娘が戦場で散っていくのはストーリー上仕方ないとしても表現ははかットして頂きていのです
個人の発言ですがやっぱり辛いんです
158
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/04(金) 01:13:19 ID:4lb58txI
気にせず書いていいと思うがな
159
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/04(金) 21:16:54 ID:nov13lIs
寧ろ
>>1
に対してただの個人的な理由でカットしてくれとか言う輩を見せられる方が余程辛いんだが
160
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 17:38:13 ID:NzTcPBjw
思いっきり頭ぶつけて入れ替わればいいのに
161
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 18:51:02 ID:1FY1/Z.A
少し短いですが続き投下します。
162
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 18:52:53 ID:1FY1/Z.A
―――――――――――
南方鎮守府 作戦室
ムシャ ムシャ
ブサ督「ふう……」
伊良湖「これをどうぞ。 麦茶です」
ブサ督「ありがとう、伊良湖」
ゴク ゴク ゴク…
ブサ督「ぷはっ……ふう」
ブサ督「あ、麦茶はお代わりを頼む」
伊良湖「はい」
コポコポコポ…
伊良湖「でも……食料を放出して良かったんですか?」
163
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 18:54:04 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「腹が減っては戦は出来ぬ」
ブサ督「どの道、大本営が約束した補給が間に合わなかったら」
ブサ督「お手上げなんだから構わんさ」
ブサ督「精神力も腹が満たされてこそ発揮できるもんだよ」
伊良湖「はあ……」
ブサ督「伊良湖も不安だろうけど食っとけ」
ブサ督「出来たら、おにぎり以外のメニューを振舞って欲しい」
伊良湖「ははは……努力します」
ブサ督「気楽にやってくれたらいいさ」
164
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 18:55:12 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「さて……仕事に戻るかな」
伊良湖「それでは、失礼しますね」
ブサ督「おう」
キィ… パタン
ブサ督「電、川内と暁からの連絡は?」
電「今のところ、定時連絡ばかりなのです」
ブサ督「ふむ……」
165
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 18:56:18 ID:1FY1/Z.A
ブサ督(…………)
ブサ督(こちらの損耗率は約6割強)
ブサ督(イケメン提督はどれだけ敵を損耗させてくれたんだろう……)
ブサ督(…………)
ブサ督(俺が敵の司令官なら……)
ブサ督(とっくの昔に撤退の様子からしておかしい事に気がつく)
ブサ督(今までの指揮官とは、まったく異質なものを感じるだろう)
ブサ督(…………)
ブサ督(それを敵の罠と見て、侵攻速度を緩めるか)
ブサ督(反対に好機と見て、早めるか……)
ブサ督(そろそろ答えが出るはず)
ブサ督(…………)
166
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 18:57:38 ID:1FY1/Z.A
ピピー ガガッ
ブサ督「!」
電「!」
電「こちら作戦室。 どうぞなのです」
川内『こちら川内』
川内『敵艦隊を補足』
川内『艦種……イ級3……ホ級1……』
川内『ポイント○○○から真北に向かって侵攻中』
川内『指示されたし』
ブサ督「……真北?」
ブサ督「…………」
ブサ督「よし、川内の戦隊はもうしばらく待機」
167
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 18:59:19 ID:1FY1/Z.A
電「……こちら作戦室」
電「川内さんの戦隊は、もうしばらくその場で待機しててください」
川内『了解』
ブッ…
ブサ督「…………」
ブサ督「……おいおい」
ブサ督「まさか……これって」
ピピー ガガッ
ブサ督「!」
電「!」
電「こちら作戦室。 どうぞ」
暁『こちら暁』
暁『敵艦隊を補足』
168
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:00:22 ID:1FY1/Z.A
暁『艦種……イ級4……ホ級1……』
暁『ポイント△△△から……東に向かって侵攻中みたいよ』
暁『これからどうしたらいいか、指示をちょうだい』
ブサ督「東……クソッ」
電「司令官さん……?」
ブサ督「…………」
電「…………」
ブサ督「……よし」
ブサ督「暁の戦隊もその場で待機」
電「はい」
169
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:03:17 ID:1FY1/Z.A
電「こちら作戦室。 暁の戦隊はその場で待機してください」
暁『暁、了解』
ブッ…
電「…………」
電「それで、どうされますか? ブサイク司令官さん」
ブサ督「……まいった」
ブサ督「こりゃ相手は相当の手練れだ……」
電「え……」
ブサ督「電、川内に連絡」
電「は、はい……」
170
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:04:20 ID:1FY1/Z.A
ピピー ガガッ
川内『こちら川内』
ブサ督「ブサイク提督だ」
ブサ督「川内、おそらくもうすぐ」
ブサ督「敵の主力部隊がそこを通る」
川内『!』
ブサ督「だがまともに戦うな」
ブサ督「最適と思える瞬間に魚雷攻撃を一斉射お見舞いしてやれ」
ブサ督「戦果確認はしなくて良い。 その後はすぐに鎮守府へ帰還しろ」
ブサ督「いいな? 繰り返すぞ」
ブサ督「主力部隊が現れたら、魚雷を一発お見舞いしてすぐ帰って来い」
ブサ督「分かったか?」
川内『川内、了解』
川内『必ず帰るよ』
171
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:06:14 ID:1FY1/Z.A
ブッ…
ブサ督「よし、次は暁だ」
電「了解です」
ピピー ガガッ
暁『こちら暁』
ブサ督「ブサイク提督だ」
ブサ督「暁、食料は手元にどれだけある?」
暁『え……1日分』
暁『切り詰めれば2日ってところね』
ブサ督「……ふむ」
ブサ督「暁、少し酷なことを言うが」
ブサ督「何とか3日、そこで待機して欲しい」
172
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:07:16 ID:1FY1/Z.A
暁『3日……』
ブサ督「もちろん敵が通りかかっても手を出してはいけない」
ブサ督「息を潜めて、敵の同行だけを知らせて、その場に3日待機して欲しい」
ブサ督「出来るか?」
暁『……何だか分からないけど3日ね?』
暁『了解したわ』
ブサ督「すまないな……もちろん定時連絡は頼む」
暁『レディに任せときなさい』
暁『じゃ……』
ブッ…
ブサ督「ふう……」
173
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:09:50 ID:1FY1/Z.A
電「あの……ブサイク司令官さん」
ブサ督「なんだ?」
電「手練れって……どういう事なのですか?」
ブサ督「それじゃあ……また逆に聞いてしまうが」
ブサ督「電は川内たちが報告してきた敵艦隊は何だと思う?」
電「……電は艦隊構成から斥候か先遣隊かと思いました」
ブサ督「ああ、その通りだ」
ブサ督「俺もそう思う」
電「はあ……」
ブサ督「ではもう一つ」
ブサ督「敵はなぜ二つの侵攻ルートを進んでいる?」
電「え……」
電「えと……」
174
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:10:52 ID:1FY1/Z.A
電「……海図を見る限り、南方鎮守府を包囲殲滅するため」
電「なのでしょうか?」
ブサ督「そうだな」
ブサ督「俺もそう思ってしまう」
電「……あの」
電「何が言いたいのでしょうか?」
ブサ督「川内に言ったんだけどな」
ブサ督「今の南方鎮守府において、一番やられると困るのは」
ブサ督「大艦隊で猪突猛進して来られる事だ」
電「……そうですね」
175
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:11:46 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「だが、敵はそうせず、わざわざ艦隊を2つに分けた」
ブサ督「何故だと思う?」
電「う〜ん……」
電「…………」
電「……電には分かりません」
ブサ督「考えられる理由は3つ」
ブサ督「1、大艦隊を組めるほどの戦力が無い」
ブサ督「2、1を装ってワザと艦隊を分割させ、こちらを引っ張り出そうとしている」
ブサ督「3、敵を警戒して分割し損耗率を上げないようにしている」
電「!」
電「…………」
電「……ブサイク司令官さんは、どれだとお思いなのですか?」
176
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:13:14 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「願望込みで1と3だと思ってる」
電「願望込みなのですか……」
ブサ督「まあ理由もちゃんとある」
ブサ督「俺は南方海域の戦線を広げすぎていると判断して」
ブサ督「かなりの部分を切り捨てた」
電「…………」
ブサ督「だが、これは敵から見るとどうだろう?」
ブサ督「敵は去ったが、どこかに伏兵が残っているかもしれない」
ブサ督「そう思ったら、ある程度の戦力は分散して配置しないといけなくなる」
電「…………」
電「あ……」
177
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:14:20 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「それに」
ブサ督「イケメン提督の戦い方を推奨はしないが」
ブサ督「彼が与えたダメージもそれなりにあっただろう」
ブサ督「その辺りを考慮すると……」
電「敵は引いた……」
電「もしかするとチャンスかもしれない」
電「でも、侵攻に回せる戦力は……」
ブサ督「そう」
ブサ督「俺もそういう結論に達した」
電「はわわ……たったあれだけの情報で」
電「そこまで判断していたなんて……ですが」
電「それでも最初の手練れという意味が電には分かりません」
178
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:16:52 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「……これは決して川内や暁を馬鹿にするわけじゃないんだが」
ブサ督「なぜ、川内たちは敵を発見できたと思う?」
電「……それはブサイク司令官さんが」
電「ある程度の侵攻ルートを予測していたからなのでは?」
ブサ督「お褒めに預かり光栄だが」
ブサ督「俺は別の可能性を考えた」
電「というと?」
ブサ督「確かに俺は侵攻ルートを推測したが」
ブサ督「それは敵からも当然考えて当たり前のこと」
ブサ督「俺が敵の立場なら、本気でそのルートを通る場合」
ブサ督「もっと穏便に、静かに、目立たないように探ろうとする」
電「……え?」
179
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:19:37 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「これが利根や筑摩だったら……」
ブサ督「いや、もっと索敵能力の高い艦娘だったなら疑わなかったんだろうが」
ブサ督「川内たちが艦種まで正確に伝えてきた事が」
ブサ督「逆に引っ掛かった」
電「…………」
ブサ督「敵は俺の推測ルートに乗っかり」
ブサ督「ワザと発見され、どう出てくるか様子を見ているんだと思う」
電「…………」
電「ええ!? で、でも」
電「し、深海棲艦がそこまで考えるでしょうか!?」
ブサ督「違っていると良かったんだけどな……」
ブサ督「北方鎮守府で指揮官やってて何となくだが」
ブサ督「段々手ごわくなって来ているのを肌で感じたんだよ」
180
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:20:40 ID:1FY1/Z.A
電「…………」
ブサ督「敵はこちらの指揮官がどういう人物か」
ブサ督「前と代わらない無能か、手ごわい相手なのか」
ブサ督「今回の侵攻で見極めようと出方を伺っていると思う」
電「では……ブサイク司令官さんは」
電「川内さんに与えた指示で、どう思われたいと思っているので?」
ブサ督「戦力が整っていれば無能のフリするんだが……」
ブサ督「あえてどっちつかずにした」
電「というと……?」
ブサ督「俺が敵の指揮官なら……」
181
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:24:27 ID:1FY1/Z.A
ブサ督「最初の斥候に攻撃を仕掛けたら無能」
ブサ督「後から通る主力艦に攻撃したらまあまあ有能」
ブサ督「あえて全部無視したら、侵攻先に罠を貼っていると予測できるので有能」
ブサ督「と、思うな」
電「でもブサイク司令官さんの対応は」
電「川内さんの戦隊のみの魚雷攻撃だけ……」
ブサ督「さて、敵さんはどう判断するかな?」
電「……後から来る主力艦隊に攻撃しているから」
電「無能ではないけど、片方しか攻撃してない……それも一斉射のみ」
電「侵攻ルートを予測できてなかったのか、あえてそうしたのか……」
電「それとも偶然だったのか……」
電「はわわ……頭がこんがらがってしまいますっ」
ブサ督「ははは……」
ブサ督(…………)
182
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:26:19 ID:1FY1/Z.A
ブサ督(…………)
ブサ督(……だが、もう一つ)
ブサ督(こちらが探りを入れてきた、と思う可能性もある)
ブサ督(そうだとしたら、どう判断するか……)
ブサ督(…………)
ブサ督(苦し紛れの苦肉の策と判断し、攻撃してくるか)
ブサ督(それとも自軍の戦力が整うまで待つか……)
ブサ督(…………)
ブサ督(今の状況では後者を望むが)
ブサ督(それはそれで厄介な話ではあるな……はあ)
183
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:27:51 ID:1FY1/Z.A
―――――――――――
西方鎮守府 執務室
バサッ…(新聞広げ)
フツ督「…………」
フツ督「……ん?」
フツ督(イケメン提督休養後、北方鎮守府へ……)
フツ督(北方海域平定へ意欲……ね)
フツ督(もっと大人しくしてりゃいいのに……)
フツ督(…………)
フツ督(…………)
フツ督(……ちょっと待て。 という事は……あいつは……?)
184
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:28:55 ID:1FY1/Z.A
フツ督「龍田」
龍田「はぁい。何かしらぁ?」
フツ督「大至急、南方海域への偵察部隊を編成してくれ」
龍田「南方海域ぃ?」
龍田「イケメン提督がボロボロにしたままでしょ?」
フツ督「おそらく状況が変わっているはず」
フツ督「あいつなら……あいつの立場なら」
フツ督「何かしら手を打って戦況を変えているはずだ」
龍田「……ふうん」
龍田「誰だか知らないけれど」
龍田「ずいぶん信頼してる様で、ちょっと妬けるわぁ」
185
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:29:55 ID:1FY1/Z.A
フツ督「とにかく情報が欲しい」
フツ督「急いでくれ」
龍田「りょうかぁ〜い」
スタ スタ スタ…
キィ… パタン
フツ督「…………」
フツ督「よし」
フツ督「必要になるかもしれない」
フツ督「出撃準備もしておこう」
186
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:30:58 ID:1FY1/Z.A
―――――――――――
翌日の昼ごろ
北方鎮守府 執務室
ジリリリリンッ ジリリリリンッ
イケ督「む、電話か」
ガチャ
イケ督「こちら北方鎮守府……ああ」
イケ督「これはこれは……少々お待ちください」
イケ督「大淀」
大淀「はい?」
イケ督「すまないが席を外してくれ」
大淀「え……あ、はい」
大淀「分かりました」
187
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:32:07 ID:1FY1/Z.A
ガタタ…
ガチャ キィ パタン
イケ督「…………」
イケ督「お待たせしました、大将閣下」
イケ督「それで、何のご用でしょう?」
大将『何の、ではない! 貴様……』
大将『なぜ勝手に南方鎮守府の主力艦娘を連れて行った!?』
大将『それに物資もだ!』
大将『おかげで南方鎮守府そのものが危機に晒されておるのだぞ!?』
イケ督「ああ、その事ですか」
大将『その事だと……貴様』
188
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:34:16 ID:1FY1/Z.A
イケ督「まあまあ落ち着いてください」
イケ督「黙ってそうした事は謝ります」
大将『謝って済む問題ではないわ!』
イケ督「ですから落ち着いてください」
イケ督「いったい何故そんなに怒っておられるので?」
イケ督「勝手に戦力を持って行ったのは、北方海域を平定する為ですよ?」
大将『な……』
イケ督「兵力は集中運用するのが最も効率的ですからね」
イケ督「確かに南方鎮守府は敵に奪取されるかもしれませんが」
イケ督「そんなもの北方海域を制圧した後」
イケ督「また取り返せばいいだけです」
大将『』
189
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:35:17 ID:NzTcPBjw
馬鹿だコイツ
190
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:35:36 ID:1FY1/Z.A
大将『き、きき、貴様……!』
イケ督「はい?」
大将『本気で……本気でそう思っているのか……!?』
イケ督「はい。 いたって本気ですが?」
大将『…………』
大将『……もうよい』
大将『貴様の無能振りにはもう愛想が尽きた』
イケ督「…………」
大将『少々世間受けが良いから使ってやったのに増長しおって……!』
大将『もう我慢ならん。 貴様の艦隊司令官としての任を解く!』
イケ督「……ほう」
191
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:36:33 ID:1FY1/Z.A
大将『正式な辞令は数日後、書簡にて通知する』
大将『覚悟しておけ……!』
ブッ…
イケ督「…………」
イケ督「やれやれ……」
イケ督「覚悟しておけ、か」
イケ督「…………」
イケ督「くくく……」
イケ督「はっはっはっ!」
イケ督「ふふふ……」
イケ督「…………」
イケ督「それは……あんたの方だ、大将閣下!」
192
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:40:04 ID:1FY1/Z.A
本日はここまでです。
193
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:54:17 ID:QB9mTc1U
乙乙
あれ、天龍達は・・・?
194
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/05(土) 19:56:05 ID:lwomTUtg
乙
ブサ提文章だけ見るとイケメンですね
195
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/06(日) 01:22:00 ID:RpkCA0S2
乙ん
ここの天龍と龍田は特に繋がりは無いんだろうか……それとも……
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/07(月) 08:19:18 ID:qyF0/VcE
これイケメンとブサメン逆にしても大して変わらんな
197
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:38:20 ID:w3PJMt.c
―――――――――――
文月は…こんなとこじゃ…
終わらないんだ… から……
ドォンッ! ドォンッ!
あ、あれ……なんだろう。
海が……暗いよ? なにも見えない……
どうして……
少しは…役に…
立てたのか…にゃ…
ガガガガガガガッ!
ブサイク司令官、本当はね…
楽し…かった…よ…
桜の丘で……
会おう……
198
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:39:51 ID:w3PJMt.c
天龍「うああああっ!!」
天龍「はあっ、はあっ……」
天龍「はあっ……」
天龍「…………」
天龍「…………」
天龍「……くそっ」
天龍「…………」
天龍「……何で……俺は……」
天龍「生きてんだよ……」
天龍「…………」
天龍「…………」
199
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:40:50 ID:w3PJMt.c
天龍「文月……皐月……」
天龍「睦月……望月……菊月……」
天龍「…………」
天龍「敵(かたき)は……」
天龍「必ず取ってやるからな……!」
天龍「あの……クソ野郎……」
天龍「絶対に……」
天龍「絶対に……!」
天龍「絶ッッ対に!」
天龍「許……さねぇ……!」
天龍「必ず……この俺の手で……」
200
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:41:43 ID:w3PJMt.c
ブ チ コ ロ ス !!
.
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:42:32 ID:w3PJMt.c
―――――――――――
北方鎮守府 執務室
大淀「…………」
大淀「あの、イケメン提督」
イケ督「ん?」
イケ督「何かな、大淀?」
大淀「遠征に向かった天龍さんの部隊ですが」
大淀「帰投予定日を2日も超えています」
イケ督「……心配なところだな」
大淀「はい」
大淀「こんな事は初めてなので……ご指示をお願いします」
イケ督「…………」
202
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:44:30 ID:w3PJMt.c
イケ督「ふむ」
イケ督「ならば捜索隊を出すか?」
大淀「そ、そうですね」
大淀「それが良いかと思います」
イケ督「じゃあ、その件は大淀に一任しよう」
大淀「……えっ?」
大淀「私に……ですか?」
イケ督「何か問題か?」
大淀「いえ……そうではありませんが」
イケ督「うん。大淀なら安心して任せられる」
イケ督「頼んだよ」
大淀「は、はい」
203
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:45:38 ID:w3PJMt.c
大淀「それでは、さっそく利根さんと筑摩さんに連絡を……」
イケ督「待て」
イケ督「その二人は主戦力だ。捜索隊には使うな」
大淀「えっ」
大淀「し、しかし、彼女たち二人は最上の索敵能力を持っています」
大淀「捜索にこれ以上の適任は居ないかと……」
イケ督「何を言うんだ、大淀」
イケ督「だからこそ主力から外せない」
大淀「で、ですが!」
イケ督「彼女達ほどでないにしろ、索敵に長けた艦娘は他にも居るだろう?」
大淀「そ、それは……そうですが」
イケ督「なら問題は無い。そうだな?」
204
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:46:44 ID:w3PJMt.c
大淀「せ、せめて、どちらか一人だけでも……」
イケ督「大淀」
大淀「…………」
イケ督「私だってね、こんな事は言いたくないんだ」
イケ督「だが、戦況は常に絶えず変化している」
イケ督「そんな中、利根と筑摩がどれだけ重要な役割を担っているか」
イケ督「賢い大淀なら……分かるだろう?」
大淀「……はい」
イケ督「なら……心苦しいが」
イケ督「そういった事も考慮して、行動して欲しい」
大淀「…………」
大淀「分かり……ました」
205
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:49:04 ID:w3PJMt.c
イケ督「うん」
イケ督「大淀は理解があって助かるよ」
イケ督「では、改めて捜索の件は君に一任する」
大淀「…………」
大淀「了解です」
大淀「それでは……すぐ捜索隊を編成して出航させて来ます」
イケ督「ああ、ごゆっくり」
ガチャ キィ パタン
イケ督「…………」
イケ督「よし、次の攻撃目標はここにしよう」
イケ督「今度こそ金剛達には頑張ってもらわないとな」
イケ督「損傷は高速修復材を使って直せばいいし、どんどん攻めて行こう」
206
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:50:15 ID:w3PJMt.c
―――――――――――
北方鎮守府 廊下付近
テク テク テク…
大淀「…………」
大淀(……ブサイク提督だったら)
大淀(どうするかな……?)
大淀(…………)
大淀(…………)
大淀(利根さんと筑摩さん……捜索に加えてくれたかな……?)
207
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:51:03 ID:w3PJMt.c
大淀(…………)
大淀(…………)
大淀「……ううん」
大淀「居ない人の事なんて考えてる場合じゃない」
大淀「イケメン提督の言ってる事は正しい……」
大淀「きっと……正しい」
大淀「…………」
大淀「早く捜索隊を編成して、天龍さん達を探さないと!」
タッ タッ タッ…
208
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:52:22 ID:w3PJMt.c
―――――――――――
南方鎮守府 作戦室
川内『こちら川内』
電「はい、こちら作戦室」
川内『ちょうど10分、約30m、北西へ流された』
ブサ督「…………」 カキカキ…
ブサ督「……よし」
ブサ督「こんなものでいいだろう」
ブサ督「川内、ご苦労だった。これくらいでいい」
電「川内さん、ご苦労様です」
電「これくらいで良いそうです」
209
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:54:03 ID:w3PJMt.c
川内『了解……ふう』
川内『それでこの後は?任務終了なら鎮守府へ帰投かい?』
ブサ督「電、代わってくれ」
電「はい」
ブサ督「川内、ご苦労だが近くの離島……そうだな」
ブサ督「その位置からだと真東にある島で停泊、待機しててくれ」
川内『待機か……艦娘使いが荒いね』
ブサ督「すまんな」
川内『別にいいけど……でもこんな海流調査に何の意味があるのさ?』
ブサ督「ようやく戦う準備ができた」
ブサ督「そう思っててくれ」
210
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:55:03 ID:w3PJMt.c
川内『戦う準備ね……了解』
川内『川内戦隊、ポイント〇〇△△の離島で待機する』
ブサ督「定時連絡は忘れるなよ」
川内『分かってる。通信終了』
ブサ督「通信終了」
ブッ
ブサ督「ふう……」
電「お疲れ様です、ブサイク司令官さん」
ブサ督「ああ……出来れば休みたいところだが」
ブサ督「もう少しデータをまとめないといけなくてな……」
電「そ、そうなのですか……」
ブサ督「あー……甘いものが食いたい」
電「あればお渡しするのですが……」
211
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:56:04 ID:w3PJMt.c
ブサ督「無いものねだりだ。気にしないでくれ」
電「…………」
ブサ督(……あれから3日)
ブサ督(そろそろ敵に何らかの動きがあるはず)
ブサ督(…………)
ブサ督(…………)
ブサ督(……大本営からの補給は間に合うだろうか)
ブサ督(…………)
ブサ督(……データのまとめをするか)
ピピー ガガッ
電「!」
212
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:57:11 ID:w3PJMt.c
ガチャ
電「こちら作戦室」
暁『こちら暁……!』
暁『大変よ、電! ブサイク司令官に繋いで!』
ブサ督「ブサイク提督だ」
ブサ督「どうした?」
暁『40隻くらいの深海棲艦が、この前と似たルートで東進してるわ……!』
ブサ督「……!?」
ブサ督「40隻……本当か?」
暁『ええ』
ブサ督(……どういう事だ?)
ブサ督(…………)
ブサ督(いや、理由を考えてる場合じゃないな)
213
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:58:16 ID:w3PJMt.c
ブサ督「よし、暁」
ブサ督「その40隻の艦隊が過ぎ去った後」
ブサ督「西方方面艦隊鎮守府へ向かってくれ」
暁『……え!?』
ブサ督「そして鎮守府の司令官に南方海域で」
ブサ督「実弾演習を要請してもらいたい」
暁『実だ……へ? 演習!?』
ブサ督「そう言えば向こうは分かってくれる」
ブサ督「暁、ご苦労だった」
ブサ督「西方鎮守府に付いたら休養してくれ」
暁『待ちなさいよ、ブサイク司令官!』
暁『40隻なのよ!?40隻!!』
暁『南方鎮守府はどうなるの!?』
214
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 19:59:24 ID:w3PJMt.c
ブサ督「何とかなるさ」
暁『でも……40隻もの深海棲艦が相手なのよ!?』
暁『ひとたまりもないんじゃないの!?』
ブサ督「おちつけ、暁」
暁『!』
ブサ督「まあ……来たばかりの司令官だから信用ないのはしょうがないが」
ブサ督「暁に与えた任務は、かなり重要なんだ」
暁『……演習要請が?』
ブサ督「そうとも」
ブサ督「それも出来るだけ早くしてくれると助かる」
暁『…………』
215
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 20:00:54 ID:w3PJMt.c
暁『……分かったわ』
暁『ええと……南方海域で実弾演習を要請すればいいのね?』
ブサ督「ああ。あってるぞ」
暁『了解……ブサイク司令官』
暁『ヤバくなったら逃げるのよ?』
ブサ督「もちろん」
暁『暁、通信終了』
ブッ…
電「…………」
電「あの……本当に何とかなるのですか?」
ブサ督「無理だな」
電「えっ……」
216
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 20:02:21 ID:w3PJMt.c
ブサ督「前にも言ったが」
ブサ督「恐れてた通り、大軍が猪突猛進して来たわけだから」
ブサ督「勝ち目なんてあるわけ無い」
電「…………」
電「……その割に何故かブサイク司令官さんには」
電「余裕がある様に電には見えるのですが……」
ブサ督「……ま、これで大まかな方針が決まったからな」
ブサ督「後は……運しだいの部分はあるが、希望もある」
ブサ督「電もそう思っててくれ」
電「はあ……」
217
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 20:03:58 ID:w3PJMt.c
ブサ督「それでは部隊編成を行う」
ブサ督「電も前線に出てもらう事になるが……大丈夫か?」
電「が、頑張ります!」
ブサ督「期待してる」
電「は、はい!」
ブサ督「ははは」
ブサ督「…………」
ブサ督(謎は残るが……何とかなる、か……)
ブサ督(…………)
ブサ督(さて、上手く行ってくれるといいが……)
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 20:06:45 ID:w3PJMt.c
本日はここまでです。
219
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 20:30:52 ID:58JvksU6
おつー
220
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/09(水) 23:24:01 ID:y/uM2TkI
乙乙
遠征部隊は天龍以外……なんとか生きて戻って欲しいけど、タイミング次第では色々と手遅れになるかもか
221
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/10(木) 04:52:57 ID:UhGBVauQ
乙
イケメン提督は本当に大本営から湯水のように戦力・資源を提供されていないと戦線維持も出来ないレベルだったか
222
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/10(木) 09:11:10 ID:wSwGnIuI
乙
ここまで遠慮無く戦力と使い潰すとは、逆に清々しい程の下衆である
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