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【艦これ】ブサ督「イケメンに限るって……真理だよな」

1以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:23:30 ID:Xw55B38o
※注意事項
自分は艦これ改しか知らない提督です。
話の都合上、艦娘の幾人かはゲスいです。
また割と艦娘が轟沈します。
気まぐれ投下。
これらが嫌な方はブラウザバックしてください。

2以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:25:01 ID:Xw55B38o


―――――――――――







     ビュオオオオオオオッ…









.

3以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:26:02 ID:Xw55B38o

北方鎮守府 食堂


     ズズッ ズルズルズルッ

ブサ督「ふう……あ、間宮」

ブサ督「天ぷらそばお代わり」

間宮「はい。かしこまりました」

ブサ督「おう」

     テク テク テク…

ブサ督「…………」

     バサッ…(新聞広げ)

ブサ督(…………)

ブサ督(……イケメン提督、南方で快進撃)

ブサ督(同海域の制圧間近……)

4以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:26:59 ID:Xw55B38o

ブサ督(…………)

ブサ督(快進撃……ねぇ)

ブサ督(そんなに上手く行ってるのなら)

ブサ督(俺のところの艦娘を出向させたのは何故なんだよ……)

ブサ督(…………)

ブサ督(しかも大本営に出向させた艦娘の安否を聞いても答えないし)

ブサ督(なんで軍部に居る俺が新聞でしか戦況把握出来ないんだよ……)

ブサ督(…………)

ブサ督(……だが)

ブサ督(俺に出来る事なんて、現状維持が精一杯)

ブサ督(どうしたもんかな……)

5以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:28:37 ID:Xw55B38o

    ガチャンッ

ブサ督「!」

利根「…………」

ブサ督「ビックリした、利根か……」

ブサ督「せめて、座る前にひとこと声を」

利根「話しかけるな」

ブサ督「…………」

利根「他に席が空いてなかったから座っただけじゃ」

ブサ督「…………」

間宮「お待たせしました、ブサイク提督」

間宮「追加の天ぷらそばです」

     コトッ

ブサ督「ありがとう、間宮」

間宮「いえ」

6以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:29:39 ID:Xw55B38o

利根「…………」

ブサ督「……さて、熱い内に食うか」

     ズズッ ズルズルズルッ

―――――――――――

執務室


ブサ督「天龍、遠征ご苦労」

天龍「……おう」

ブサ督「そうだ、良かったらお茶でも」

天龍「んじゃ、下がらせてもらうぜ」

7以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:30:41 ID:Xw55B38o

ブサ督「……そうか」

天龍「ふん……」

     ガチャ キィ パタン

ブサ督「…………」

大淀「これで……本日の仕事はお終いですね」

ブサ督「そ、そうか」

ブサ督「なら大淀、時間まで――」

大淀「少し早いですが、私も上がってよろしいでしょうか?」

ブサ督「……そうだな」

ブサ督「もういいぞ、大淀」

大淀「ありがとうございます、ブサイク提督」

大淀「失礼します」

ブサ督「ああ……」

8以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:31:28 ID:Xw55B38o


―――――――――――


ブサ督「はあ……」

ブサ督「…………」

ブサ督(……なんで俺、ブ男に生まれたんだろ)

ブサ督(…………)

ブサ督(……イケメン提督ほどで無くていいから)

ブサ督(並みの顔で生まれたかった……)

ブサ督(…………)

ブサ督(かーちゃんに孫は諦めるって言われたくらいだし)

ブサ督(鏡見て自分でも女だったら絶対に避けるわって思うレベルだしなぁ……)

9以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:32:21 ID:Xw55B38o

ブサ督(…………)

ブサ督(もう寝よう……)

ブサ督(…………)

ブサ督(…………)

ブサ督(せめて……夢の中でくらい)

ブサ督(モテたいなぁ……)

ブサ督(…………)


―――――――――――

艦娘兵舎 談話室


利根「今日はツいておらんかった」

筑摩「あらあら利根姉さん、不機嫌ですね〜」

筑摩「どうしたんですか〜?」

10以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:33:36 ID:Xw55B38o

利根「食堂でブサイク提督の隣に座る羽目になってのう」

筑摩「あらまあ……それは災難でしたねぇ」

利根「うむ」

利根「いつも通り、気持ちの悪い いやらしい目つきで」

利根「我輩を見てきてのう……」

利根「ああもう……思い出すだけで虫唾が走る!」

筑摩「ほんと、気持ち悪いですよね〜」


天龍「まったく……なんであんなのが指揮官なんだか」

天龍「俺は遠征要員じゃねーっての!」

天龍「ブ男なのは別にしても仕事くらいちゃんとしろってんだ!」

天龍「つーか、俺を戦いに使え!」

大淀「…………」

11以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:34:44 ID:Xw55B38o

天龍「なあ、大淀。お前もそう思うだろ?」

大淀「……仕事はきちんとしてますよ? あの人」

天龍「え?」

大淀「天龍さんを前線に出さないのは」

大淀「一定の練度に達していないからで、他意はないって言ってました」

天龍「…………」

天龍「で、でも、それならもっと演習でも何でもやらせてくれりゃあ」

大淀「それも物資不足でしょうがない所はあるんですよ」

大淀「だから天龍さんに遠征を頑張ってもらってるんだと思います」

天龍「…………」

大淀「けど……秘書艦の立場から言わせて貰うと」

12以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:35:27 ID:Xw55B38o

大淀「やっぱり作戦は拙いですよね」

天龍「だよな!」

大淀「先日もなぜ途中で進撃を中止して引き上げたのか」

大淀「大淀には理解できません」

大淀「あのまま行けば、おそらくあの海域は手中に収められたはず」

天龍「……かぁ〜」

天龍「マジで良いとこ無しの無能なのかよ……あいつ」

大淀「それに太ってて脂ぎってますし……」

大淀「生理的に受け付けないです……」

天龍「はあ……」

天龍「イケメン提督の鎮守府へ出向した連中が羨ましいぜ……」

大淀「いまごろ、どうしているんでしょうね……」

13以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:37:13 ID:Xw55B38o


―――――――――――


大本営


大将「……またこんなに戦力を失ったのか」

イケ督『いや、お言葉なんですが』

イケ督『増援で来た艦娘たちの動きが悪くて……』

イケ督『いつもの様な生きの良い艦娘ならここまで酷くは』

大将「練度を考えんか! このバカ者!」

イケ督『そ、そんな事を言われましても』

イケ督『深海棲艦の奴ら、最近活発に行動するようになってまして』

イケ督『そこかしこから沸いてくるんですよ……』

大将「…………」

14以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:38:16 ID:Xw55B38o

大将(ちっ……この無能め)

大将(報道で海軍の顔として役に立っているのは良いが)

大将(その他は並以下の対応力しかない)

大将(下手に地位を与えているから、参謀の言う事もまったく聞かんし)

大将(どうしてくれようか……!)

イケ督『……大将閣下?』

大将「!」

大将「……何でもない」

イケ督『左様ですか』

イケ督『それで、これからどうすれば良いでしょう?』

大将(できるなら今すぐ死ね!と言ってやりたいわ!)

大将「……そうだな」

大将「…………」

15以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:39:19 ID:Xw55B38o

大将「とにかく、今は現状維持に努めておけ」

大将「無闇やたらに出撃をせず、艦娘の練度を少しでも上げる事に徹しろ」

イケ督『はあ……報道にはどう説明しましょう?』

大将「進撃し続けて疲弊しているので、しばらく休養するとでも言えばよかろう」

イケ督『分かりました』

大将「くれぐれも大損害を被った事は言うなよ?」

イケ督『了解です』

大将「では……今後の方針が決まり次第、追って連絡する」

イケ督『はい。失礼します』

     ブッ… ツー ツー

大将「…………」

16以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:46:48 ID:Xw55B38o

―――――――――――

数日後

北方鎮守府 執務室

     ジリリリリンッ ジリリリリンッ

     ガチャ

ブサ督「はい……ブサイク提督ですが」

ブサ督「これは大本営の……はい……はい……」

ブサ督「…………」

ブサ督「…………」

ブサ督「……は?」

ブサ督「ちょっと待ってください」

ブサ督「こちらの戦力もぎりぎりなので、今、練度の高い艦娘に抜けられては……」

ブサ督「い、いえ、その重要性は分かります」

ブサ督「しかし先月もイケメン提督の鎮守府に派遣したばかりではないですか?」

ブサ督「…………」

17以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:47:57 ID:Xw55B38o

ブサ督「……で、ですが、いくら何でも急な話で酷すぎるのでは」

ブサ督「こんなに頻繁に我が鎮守府から戦力を持っていくのはあんまりです」

ブサ督「それに」

ブサ督「出向した我が鎮守府の艦娘はどうして居るのですか?」

ブサ督「なぜ連絡をさせてもらえないので?」

ブサ督「…………」

ブサ督「……ええ、ですからその重要性は理解しています」

ブサ督「私が言いたいのは、我が鎮守府は」

ブサ督「無限に戦力の出る魔法の壷などではないということで――」

ブサ督「っ!」

ブサ督「…………」

ブサ督「…………」

ブサ督「反逆罪ですと?」

18以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:48:47 ID:Xw55B38o

ブサ督「失礼を承知で申しますが」

ブサ督「何と言われようとも、これ以上イケメン提督の鎮守府に」

ブサ督「我が鎮守府の艦娘を差し出す事は出来ません」

ブサ督「これは相対的な……ええ、ですから」

ブサ督「防衛の為に必要最低限の戦力という意味で」

ブサ督「我が鎮守府はぎりぎりの状態なんです」

ブサ督「…………」

ブサ督「……無理です」

ブサ督「…………」

ブサ督「では言い直しましょう。不可能です」

ブサ督「何と言われ様ともこれ以上、戦力低下されての戦線維持は自分に不可能です」

ブサ督「無い袖は振れません」

19以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:49:38 ID:Xw55B38o

ブサ督「…………」

ブサ督「……左様ですか」

ブサ督「そういう事でしたらいっその事」

ブサ督「私とイケメン提督を入れ替えてみてはいかがでしょう?」

ブサ督「あなたのおっしゃる通りなら」

ブサ督「我が鎮守府の現在の戦力で北方海域は」

ブサ督「イケメン提督の手腕で平定できるのでしょう?」

ブサ督「無能な私と違って」

ブサ督「…………」

ブサ督「無理を言うな?」

ブサ督「さっきからそれを言ってるのは大本営直属のあなたの方だ」

ブサ督「…………」

20以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:50:43 ID:Xw55B38o

ブサ督「でしたら」

ブサ督「あなたが指揮をとってみたらいいのでは?」

     ブッ… ツー ツー

ブサ督「…………」

ブサ督「……へっ。切りやがったか」

     チンッ

ブサ督「…………」

ブサ督「愛宕……高雄……飛龍……蒼龍……」

ブサ督「扶桑……山城……妙高……足柄……」

ブサ督「計8人」

ブサ督「今、生きてるのか……死んでるのかすら」

ブサ督「大本営は教えてくれない」

ブサ督「…………」

ブサ督「元気で……居てくれてるといいのだが……」

21以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:51:35 ID:Xw55B38o


―――――――――――


西方鎮守府 執務室


     ジリリリリンッ ジリリリリンッ

     ガチャ

フツ督「はい、こちら西方方面艦隊鎮守……」

フツ督「ああ、これは大将閣下」

フツ督「どうされました?」

フツ督「…………」

フツ督「……ほう。左様ですか」

フツ督「増援の要請は理解しましたが、現在、西方方面にて」

フツ督「深海棲艦どもが不穏な動きを見せていまして」

フツ督「…………」

22以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:52:27 ID:Xw55B38o

フツ督「はい、緊急性は理解しております」

フツ督「こちらとしても出来るだけ早く増援を送れるよう努力していきますが」

フツ督「なにとぞ、大将閣下にもその辺りをご理解していただきたく」

フツ督「…………」

フツ督「はい、現在情報収集に全力を挙げているところで」

フツ督「西方鎮守府の艦娘総動員、という有様でして」

フツ督「南方への増援は少々お時間をいただきたいのです」

フツ督「…………」

フツ督「はっ……まことに申し訳ありません」

フツ督「これからは大将閣下のご期待に添えるよう、一層粉骨砕身努力して参ります」

フツ督「それでは」

     チンッ…

フツ督「…………」

23以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:53:27 ID:Xw55B38o

龍田「今の……大本営からかしらぁ?」

フツ督「ああ」

龍田「うふふ」

龍田「深海棲艦の不穏な動き、ねぇ」

フツ督「ウソは言ってないだろ?」

龍田「確かに」

龍田「でも全力で、とか、艦娘総動員、とかはぁ?」

フツ督「言葉のあやってやつさ」

龍田「うふふ」

龍田「日本語って、便利よねぇ」

フツ督「だな」

24以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:54:19 ID:Xw55B38o


―――――――――――

大本営


大将「クソがっ!」

大将「どいつもこいつも使えない奴らめ!」

大将「はあ……はあ……」

大将「…………」

大将(……ようし)

大将(癪に障るが、あのブ男の言う通りにしてやろう)

大将(くくく……せいぜい後悔しろ)

大将(この私に逆らった事をな……!)

25以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:56:22 ID:Xw55B38o
本日はここまで。
需要あるかなぁ……

26以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 12:02:23 ID:mkZhj5/s
読んだでー

27以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 13:11:19 ID:0av8z7Jc
そんなに嫌なら整形しろ

28以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 00:59:09 ID:S6Rj0msw
>>27
整形費用が8桁&一生メンテナンス費用も掛かるので断念しました。

29以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 00:59:54 ID:S6Rj0msw

―――――――――――

さらに数日後

北方鎮守府 執務室


     バサッ…(新聞広げ)

ブサ督(…………)

ブサ督(…………)

ブサ督(イケメン提督、快進撃の疲れから休養……)

ブサ督(…………)

ブサ督(戦線拡大による戦力不足を起こしてたりしてな)

ブサ督(そんな事は無いと思いたいが……果たして)

     コン コン

ブサ督「お……入れ」

30以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:00:41 ID:S6Rj0msw

     ガチャ

利根「……失礼するぞ」

ブサ督「哨戒任務から帰ったか。お疲れさん」

利根「これが報告書じゃ」つ(報告書)

ブサ督「お、おう」

ブサ督「海の様子はどうだっ」

利根「それ(報告書)に書いておる。読めばわかる」

ブサ督「そ、そうか……」

利根「ではな」

     ガチャ キィ パタン

ブサ督「…………」

31以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:01:23 ID:S6Rj0msw

ブサ督(き、気を取り直そう)

ブサ督(…………)つ(報告書)

ブサ督(…………)

ブサ督(……うん)

ブサ督(今のところ、異常は無いみたいだな)

ブサ督(一安心だ)

ブサ督「ふう……」

     コン コン

ブサ督「お……入っていいぞ」

     ガチャ

ブサ督「金剛に比叡か」

比叡「…………」

金剛「……演習、終わったネー」

32以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:02:15 ID:S6Rj0msw

ブサ督「お疲れ」

ブサ督「空母との連携は上手くn」

比叡「問題ありません」

金剛「赤城、加賀と一緒にいつも通りのメニューをこなしたネー」

ブサ督「そ、そうか。 それは良かった」

ブサ督「出来ればくわしく聞かせ」

比叡「少々疲れましたので、下がらせてください」

ブサ督「……ん」

金剛「それじゃ失礼するネー、ブサイクテートク」

ブサ督「ああ……」

     パタン

ブサ督「…………」

ブサ督「……はあ」

大淀(いつもながら……無様ですね)

33以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:03:06 ID:S6Rj0msw

大淀「…………」

大淀「あ、そういえば……」

大淀「…………」 ゴソゴソ…

大淀「あった」

大淀「すみません、ブサイク提督」

ブサ督「ん?」

大淀「今朝、大本営から書状が届いていたのを失念していました」

ブサ督「書状? 大本営から?」

大淀「はい。 これがそれになります」つ(書状)

ブサ督「……?」つ(書状)

34以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:08:35 ID:S6Rj0msw

     ビリッ ガサガサ…

ブサ督「…………」

ブサ督「ッ!?」

大淀「どうされました?」

ブサ督「…………」

大淀「提督?」

ブサ督「……出向命令だ」

大淀「ああ、艦娘の」

ブサ督「違う」

大淀「え?」

ブサ督「俺への、だ……」

35以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:09:13 ID:S6Rj0msw

大淀「あら」

大淀「出向先はどこなんですか?」

ブサ督「南方方面艦隊鎮守府……となっている」

大淀「……え?」

大淀「その鎮守府はイケメン提督が着任しているのでは……?」

ブサ督「そのイケメン提督と入れ替え、となっている」

大淀「!」

大淀(という事は……イケメン提督がここにいらっしゃる!?)

大淀(きゃー!///)

大淀「そ、それで……いつ、なんですか?」

ブサ督「…………」

ブサ督「今日から一週間後……となってる」

大淀「左様ですか」

36以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:10:14 ID:S6Rj0msw

大淀「良かったですね、提督」

ブサ督「……え?」

大淀「だってイケメン提督が平定した後の海域を守るだけなんですから」

大淀「これほど楽な出向も無いですよ」

ブサ督「…………」

ブサ督「大淀、聞いてくれ」

大淀「さて、これからいろいろと準備しないといけませんね」

大淀「まずは……」

ブサ督「大淀!」

大淀「ひっ」 ビクッ

ブサ督「…………」

ブサ督「怒鳴ったのは謝る」

ブサ督「でも聞いてくれ」

37以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:10:56 ID:S6Rj0msw

大淀「はあ……」

ブサ督「大淀に……いや」

ブサ督「ここの艦娘ほぼ全員に俺が良く思われてないのは分かっている」

大淀「…………」

ブサ督「だから、信じてもらえないかもしれない」

ブサ督「ただの僻(ひが)みと思うかもしれない」

ブサ督「それでも、ひとこと言っておく」

大淀「…………」

ブサ督「イケメン提督の指揮には疑問が生じる」

大淀「…………」

38以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:11:46 ID:S6Rj0msw

ブサ督「大淀も知っているだろうが」

ブサ督「勝っていながら、何故戦力を欲しがるのか」

ブサ督「また、俺は何度と無く出向した艦娘の安否を大本営に尋ねているが」

ブサ督「曖昧に対応されて一向に答えてくれない」

大淀「…………」

大淀「……何がおっしゃりたいのでしょうか?」

ブサ督「だから、そこから推測すると」

ブサ督「新聞報道はでたらめで、実際には相当の被害を受け」

ブサ督「それを覆い隠すため、世間受けのいい」

ブサ督「イケメン提督を前面に出しているんじゃないかと思う」

大淀「…………」

ブサ督「つまり」

39以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:12:19 ID:S6Rj0msw

ブサ督「この出向話は、イケメン提督の失態を」

ブサ督「全部俺に押し付けるための辞令ではないかと俺は思うんだ」

大淀「…………」

大淀「……すみませんが」

大淀「ちょっと信じがたい推測ですね」

ブサ督「…………」

大淀「戦力についても戦闘行為があったのなら損害は付き物ですし」

大淀「こう言っては大変失礼ですが」

大淀「ブサイク提督が大本営に失態を押し付けられる……」

大淀「もっと言いますと、嫌われる原因を作っているのも」

大淀「問題なのではないでしょうか?」

ブサ督「…………」

40以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:13:15 ID:S6Rj0msw

大淀「いずれにしても」

大淀「辞令が下った以上、出向は確定していますし」

大淀「準備をなさった方がよろしいのでは?」

ブサ督「…………」

ブサ督「……そうか」

ブサ督「確かに……その通り、だな」

大淀「わかってもらえましたか」

ブサ督「では、その準備は大淀に一任する」

ブサ督「必要な事があれば言ってくれ」

大淀「了解です」

大淀「それでは、ちょっと失礼しますね」

ブサ督「ああ……」

41以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:13:49 ID:S6Rj0msw

     ガチャ キィ パタン

ブサ督「…………」

ブサ督(なんか……もう)

ブサ督(どうでも良くなってきたな)

ブサ督(…………)

ブサ督(…………)

ブサ督(あとは……)

ブサ督(俺の推測がまったくの見当違いである事を)

ブサ督(祈るのみ……か)

ブサ督(…………)

42以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:14:50 ID:S6Rj0msw

―――――――――――

一週間後

北方鎮守府 執務室


大淀「忘れ物は無いですか?」

ブサ督「……ああ」

大淀「それでは、南方鎮守府でも頑張ってくださいね」

ブサ督「分かっている」

ブサ督「それからな、大淀」

大淀「はい」

ブサ督「…………」 ゴソゴソ…

ブサ督「これを渡しておく」つ(書類)

43以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:16:08 ID:S6Rj0msw

大淀「これは……?」つ(書類)

ブサ督「俺が考えた防衛作戦の一覧だ」

ブサ督「状況や地形、戦力等で分類してある」

大淀「は?」

ブサ督「もし……万が一」

ブサ督「イケメン提督の指揮に疑問が生じたら」

ブサ督「参考にしてくれ」

大淀(…………)

大淀(この人は……どこまで見栄っ張りで僻(ひが)み根性丸出しなんでしょう)

大淀「……了解しました」

大淀「そうだ、最後に質問してもよろしいでしょうか?」

ブサ督「なんだ?」

44以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:16:48 ID:S6Rj0msw

大淀「いつだったかの侵攻作戦」

大淀「突然撤退を指示されて腑に落ちなかったのですが」

大淀「どういう意図があったのでしょう?」

ブサ督「…………」

ブサ督「あの作戦目的の泊地は、危険だと判断しただけだよ」

ブサ督「侵攻の道中も抵抗が少なかったし……」

ブサ督「泊地付近には無数の孤島や岩礁が存在する」

ブサ督「自分が敵の立場なら、敵を誘い込んで」

ブサ督「一気に包囲殲滅するのに最適な場所だと思ったんだ」

大淀「え……」

ブサ督「攻められて困る場所ってのは、たいてい抵抗が強くなる」

ブサ督「これは戦術・戦略の基本だよ」

大淀「…………」

45以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:17:49 ID:S6Rj0msw

ブサ督「もっとも……それを利用する奴もいるだろうから」

ブサ督「一概に言い切れないところではあるがな」

大淀「…………」

ブサ督「納得したか?」

大淀「は、はい」

ブサ督「そうか」

ブサ督「それじゃあな……」

大淀「…………」

     ガチャ キィ パタン

大淀「…………」

46以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:18:29 ID:S6Rj0msw

大淀「…………」

大淀「…………」つ(書類)

大淀「…………」つ(書類)

大淀「……まあ」

大淀「保険はあっても困らない……ですよね」

大淀「たぶん必要ないでしょうけど」

大淀「…………」

大淀「この引き出しの奥にでもしまっておきましょう」

     ごそごそ

大淀「うん」

大淀「これでよし、と」

大淀「さ、歓迎会場に行かなくちゃ!」

47以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:19:18 ID:S6Rj0msw

     テク テク テク

ブサ督「…………」

     デー、イケメン提督ッテー

     キャー キャー

ブサ督「…………」

     テク テク テク

ブサ督「…………」

ブサ督「!」

ブサ督「…………」

ブサ督(……イケメン提督、歓迎会会場)

ブサ督「…………」

ブサ督「……へっ」

48以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 01:20:17 ID:S6Rj0msw

     テク テク テク

ブサ督「…………」

ブサ督「…………」

ブサ督「あ……」

ブサ督「金剛、比叡……」

金剛「それでもう楽しみデー……あ」

比叡「ブサイク提督……」

ブサ督「…………」

金剛「何かご用ですカー?」

ブサ督「……そうだ」

比叡「いったい何用です?」

ブサ督「……今さっき、大淀に」

ブサ督「俺が考えた防衛作戦の一覧を渡しておいた」


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