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男「おのれイケメンめ!!」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 11:49:11 ID:jhg6IK6I
男「ぐぬぬ……」
イケメン「それでさ〜」ワイワイ
女「えー!ほんとにー!?」キャキャ
男(くそ!女ちゃんと楽しそうにお喋りしやがって!!)
男「ぐぬぬ……」
ギャル「……」
194
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/07(金) 10:48:01 ID:Zvwd1mF.
男「えと……じ、じゃあ、その、失礼します!」
ギャル「う、うん」
男「」サッ
ギャル「!」ビクッ
男「ギャルさん」ギュゥゥゥ
ギャル「はぅ」///
男(ああ……なんてこった……俺は今ギャルさんを抱きしめてる)
男(とてもいい匂いがするし、なんか落ち着く)
男「……」
女「うう……」///
男「……」
女「あ、あの……もう、これ以上は恥ずかしすぎて……」
男「あっ!ごめん!」バッ
女「う、うん」
195
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/07(金) 18:53:41 ID:V4JuABlo
いいぞ
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/08(土) 05:34:11 ID:lHUgAmZI
――男 自室
男「恋人……恋人かぁ……」ニヤニヤ
男「ついに俺にも彼女ができたのかぁ」ニヤニヤ
男「しかも相手はギャルさんっ!少し前までは怖い存在だったのに……世の中なにがあるかわからないもんだなぁ」
男「……」
男「女ちゃん……」
男「女ちゃんには明日ちゃんと話さなきゃ」
男「……」
男「なんか……俺、最低だな」
男「女ちゃんに告白された日にギャルさんと付き合うなんて……」
男「でもギャルさんを選んだのは俺だ」
男「女ちゃんじゃなくて、ギャルさんを選んだんだ」
197
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/08(土) 05:35:48 ID:lHUgAmZI
>>194
途中から“女”表記に変わってましたが、“ギャル”でした。
失礼しました!
198
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 08:38:05 ID:pOgpni7s
――通学路
男「おはよ、ギャルさん」
ギャル「お、おはよ」カァァァ
男「はは!挨拶だけなのに照れすぎだよ」
ギャル「だって、待ち合わせして登校とか……アレみたいじゃないか……」
男「アレって?」
ギャル「そ、その……こ、こ、こ」
男「こここ?」
ギャル「こ……なんでもない」プイッ
男「恋人みたいってこと?」
ギャル「うう……」カァァァ
男「みたい、じゃなくてちゃんとした恋人だからね!俺とギャルさんは!」
ギャル「わ、わかってる!!」
199
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 08:46:22 ID:pOgpni7s
男「女ちゃんにもちゃんと報告しないとな……」
ギャル「……」
男「……」
ギャル「女には私から言う……というか、私から言わせて欲しい」
男「え……?どうして?」
ギャル「女は気付いていたんだ。私と男が惹かれあってることを」
男「……」
ギャル「だから焦って男に告白したんだと思う」
男「女ちゃん……」
ギャル「…………」
200
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 08:52:42 ID:pOgpni7s
――教室
ガラガラ
女「あっ!男くんおはよっ!!」タタタ
男「女ちゃん……おはよう……」
ギャル「おはよう、女」
女「ギャルちゃんもおはよ……。朝から二人で一緒だったんだ?」
男「う、うん」
ギャル「女、ちょっと話したい事があるんだけど……今時間いいか?」
女「…………」
男「……」
ギャル「男と私について報告があるんだ」
女「!!!」
ギャル「ちょっと来てくれるか?」
女「………………イヤだ」
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 09:01:38 ID:pOgpni7s
ギャル「え?」
女「イヤだ」
ギャル「お願いだ女、話を聞いて欲しい」
女「聞きたくないし、知りたくない」
ギャル「女……」
女「男くん!」
男「え?」
女「昨日はごめんね?でも私、嬉しかったよ」
男「う、うれしかった?」
女「あんな風に抱き合ったのもキスしたのも男くんが初めてだったから、緊張したけど……でも嬉しかった」カァァァ
ギャル「は!?」
男「ち、違う!あれは女ちゃんから一方的に!!」
女「でもしたよね?キス。それもたくさん」ニコッ
ザワザワ ザワザワ
男(クラスメイト達が!!)
202
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 09:15:02 ID:pOgpni7s
ギャル「ど、どういうことだ……男?」
男(く、ギャルさんには告白されて断ったとしか言ってなかった……こんな事ならちゃんと言っておくべきだった)
男「ギャルさん、隠す気はなかったんだ!ただ昨日は伝え忘れただけで――」
ギャル「じ、じゃあ本当に女と……!?」
男「それは……でも!俺の意思でしたわけじゃない!」
女「でも男くん拒まなかったよね?」
男「突然のことで頭がパニックになったんだ!」
ギャル「……」
女「それに昨日、男くん言ってくれたじゃない」
男「え?」
女「私のことが好きだって、両想いだって!」
ギャル「!!!」
男「あ、あれは……!!」
203
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 09:21:03 ID:pOgpni7s
女「私も男くんのことが好きだよ、大好きだよ。だから何も問題ないよ?」
ザワザワ ザワザワ
ギャル「……」
男「ギャルさん、違うんだ!ちゃんと理由がある!だから話を――」
ギャル「……」プイッ
男「え……」
ガラガラ
教師「HR始めるぞー、席につけー」
男「くっ!!」
女「ふふ」
ギャル「……」
204
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 09:31:47 ID:pOgpni7s
――休憩時間
男「ギャルさ――」
女「男くんっ」ヒョイ
男「女ちゃん、ごめんギャルさんに用があるんだ」ガタッ
女「やだ!行かないで!」ギュッ
男「なっ!?」
ザワザワ ザワザワ
男(クラスメイトがいる中で腕に抱きつかれて……!!)
男「はっ」チラッ
ギャル「!」プイッ
男「……」
女「行っちゃヤダよ……男くん……」ウルウル
男「わかったから腕を離してくれ」
女「本当?」
男「あ、ああ」
205
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 09:39:53 ID:pOgpni7s
――昼休み
男(よし、昼休みだ!この時間はなんとしてもギャルさんと過ごす!)
女「男くん、一緒に食べよっ!」
ギャル「……」スッ
男「あ!!」
ギャル「……」スタスタ
男「ごめん、女ちゃん!俺はギャルさんに話があるから!」
女「え?じゃあ私も一緒に行く!」
男「いいよ、そっちの方が都合がいい」
女「都合?」
男「うん、ハッキリさせよう」
206
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 11:13:24 ID:pOgpni7s
男「あれ!?」キョロキョロ
女「いない……ね」
男「見失ったか!?」
女「……」
男「ギャルさんが行きそうなところ……どこだ?」
女「どこだろう……」
男「ちょっと探しに行ってくるから、女ちゃんは先にお昼済ませちゃって!」
女「私も一緒に行く!」
男「でも見つかるかも分からないし」
女「それでもいいよ!」
イケメン「ギャルさんは一人になりたいんだ、今はそっとしておいてあげたらいいよ」
男「!?」
207
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 11:18:10 ID:pOgpni7s
イケメン「それよりも……」チラッ
女「?」
イケメン「女ちゃん、この時間だけ男くんを借りてもいいかな?」
女「えっ!?」
イケメン「男くん、久しぶりに二人でお昼でもしないかい?」
男「……ああ、いいよ」
イケメン「じゃあそういう事で、女ちゃんはまた後でね」
女「う、うん……わかった」
男「……」
イケメン「それじゃ行こうか」
男「ああ」
208
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/09(日) 21:40:36 ID:3JAU3g96
複雑だな
209
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 11:49:45 ID:VcQfuYE6
――食堂
イケメン「一体何があったんだい?」
男「……」
イケメン「昨日、学校ではいつも通りだったのにさ」
男「それは……」
イケメン「何となく察しはつくけども、男くんの口から真実を聞きたいと思ってね」
男「……」
イケメン「第三者である俺が協力できることもあるはずだよ、君の力になりたいんだ」
男「は?なんでお前がそこまでしてくれるんだ?」
イケメン「ははは、純粋に君の幸せを願ってるだけだよ」
男「はあ?」
イケメン「今の俺に出来る事といったらそれくらいだしね」
男「??」
210
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 12:38:02 ID:VcQfuYE6
――――
――
イケメン「なるほど……」
男「……」
イケメン「ギャルさんと一緒にいるうちに心移りして、付き合うことになったと……」
男「ああ」
イケメン「それにしても……」
イケメン「女ちゃんの心情は察するに余りあるな」
男「……」
イケメン「あと数日早かったら結果は違ってただけにね」
男「女ちゃんには……申し訳ない気持ちしかない……」
イケメン「今朝の様子からして、突き放すのもあまり効果的ではなさそうだけど……どうする気だい?」
男「ギャルさんにも誤解されたままだし、とにかく三人で話し合いするしかないだろ」
211
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 12:46:21 ID:VcQfuYE6
イケメン「ふむ」
男「……」
イケメン「わかった、頑張ってね」
男「え?」
イケメン「ん?どうしたの?」
男「なにかアドバイス的なのはないのか?」
イケメン「んー……特にないね」
男「なんだそりゃ!」
イケメン「ちなみに男くんはどうなるのが理想なの?」
男「理想は……女ちゃんに俺らの事を認めてもらった上でギャルさんとも仲良くして欲しい」
イケメン「ははは!ずいぶん欲張りだ!」
男「理想だと言っただろ!茶化すなら聞くな!」
イケメン「ま、俺も出来る限り協力するから!」
男「……」
212
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 12:58:22 ID:VcQfuYE6
――放課後
男(帰りのHR終わった瞬間にギャルさんを捕まえる!じゃなきゃまた逃げられるかもしれないし)
「気をつけ、礼」
ガタガタ
ギャル「……」ガタッ
男「ギャルさん!待って!」ガシッ
ギャル「っ!?」
男「あ、ごめん!」パッ
ギャル「……」
男「ちゃんと話し合おう!」
ギャル「……」
男「女ちゃんもいいよね?」
女「……」
男「場所は……俺の家でどうかな?」
ギャル・女「「!?」」
213
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 13:09:25 ID:VcQfuYE6
ギャル「男の……」
女「男くんの……」
ギャル「家?」
女「おウチ?」
男「ご、ごめん、落ち着いて話せる場所ってそこしか思いつかなくて……やっぱりイヤだよね?それなら――」
ギャル「行く」
女「行きたい!」
男「え?いいの?」
ギャル「当たり前だろ!私は男の……カ、カノジョなんだから」
女「む……」
女「昨日は私のおウチで今日は男くんのおウチ、ふふ、嬉しいな!男くん、行こっ!」ギュッ
男(また腕を組まれた……)
ギャル「なっ!」
男「はいはい、離れましょう」パッ
214
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 19:45:58 ID:VcQfuYE6
――男 自室
男「はい、どうぞ」
女「お邪魔します〜」
ギャル「お、お邪魔します」
男「楽にしてていいから」
ギャル「なんていうか……意外と……」キョロキョロ
女「整理整頓されてるんだね」キョロキョロ
男「え?普通こんなもんでしょ?」
女「男の子の部屋ってもっとゴチャゴチャしてるイメージがあったよ」
ギャル「だな」
女「ねー」
男(おっ)
ギャル「あ……」
女「……」
215
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 23:05:39 ID:VcQfuYE6
男「えと、なにから話すべきかな……」
男「女ちゃんはもう勘付いてると思うけど――」
ギャル「ちょっと待って男!私から言わせてほしい」
男「……わかった」
女「……」
ギャル「女に……その……報告したい事があるんだ」
女「……」
ギャル「私と男は、昨日から付き合いはじめた」
女「……」
ギャル「私は……女の気持ちを知った上で男と付き合い始めたんだ」
女「……」
ギャル「恨まれても仕方ないと思っている」
216
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 23:13:26 ID:VcQfuYE6
ギャル「ごめん。だけど私たちのことを認めて欲しい」
女「……」ポロッ
ギャル「っ!!」
女「……」ポロポロ
男(女ちゃん……)
女「うぅ……み、認めたくないよぉ……」ポロポロ
ギャル「女……」
女「だって……ぐすっ、認めたら全部終わっちゃうんだもん!!」ポロポロ
ギャル「……」
女「ずっとずっと好きだったんだもん!」ポロポロ
ギャル「……」
男「くっ……」
217
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 23:23:51 ID:VcQfuYE6
女「ぐすっ、本当は祝福して、あげたい」
ギャル「え?」
女「ギャルちゃんの事も、ぐすっ、好きだから」
ギャル「女……」
女「でもダメなの!どうしても、許せないの!」ポロポロ
ギャル「……」
女「だけど、一番許せないのは……そんな風に思ってしまう自分で……うぅ」ポロポロ
男「……」
女「男くんに迷惑かけて……ギャルちゃんに酷い事言って」ポロポロ
女「うぅぅ……うぁぁぁぁん」ポロポロ
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/11(火) 09:13:54 ID:9wMvXn5E
――――
――
男(あれから、少し落ち着いた女ちゃんは帰っていった)
男(ギャルさんも女ちゃんに付き添うように帰った)
男(女ちゃんが泣き崩れる姿を見ると……抉られるように胸が痛くなる……)
男(だけど女ちゃんはもっと苦しんでて、そうさせたのは紛れもなく自分で)
男「仕方ないんだ……」
男「仕方ない……んだよな?」
男「……」
219
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/11(火) 23:20:13 ID:9wMvXn5E
――翌日 教室
男「……」
ギャル「……」
女「……」
イケメン「え!?」
女「うう……」ジワッ
ギャル「女……」
男「……」
イケメン「男くん、ちょっと」ヒソヒソ
男「あ、ああ」
220
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/11(火) 23:25:08 ID:9wMvXn5E
イケメン「朝からどんよりした空気が流れてるけど……どういうこと?」
男「それは……昨日の放課後、三人で話し合ったんだ」
イケメン「うん」
男「俺とギャルさんのことを女ちゃんに報告して、認めて欲しいって」
イケメン「……」
男「そうしたら女ちゃんが泣き出して……今に至る」
イケメン「男くん」
男「なに?」
イケメン「二人の事、俺に任せてもらえないかな?」
男「はあ!?」
221
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/11(火) 23:32:24 ID:9wMvXn5E
イケメン「大丈夫、悪いようにはしないからさ」
男「どうするつもりだ?」
イケメン「女ちゃんを慰めてあげようと思ってね」
男「それは……うん、でもどうやって?」
イケメン「男で受けた傷は男で癒せっていうでしょ?まあ俺に任せてよ」
男「じゃあ頼んだ。……てかギャルさんには何をするつもりだ!?」
イケメン「ギャルさんは女ちゃんとも仲良くしたいんだよね?」
男「まぁ……理想はそうだけど……今の状況じゃ難しいだろ」
イケメン「もしかしたら二人の仲も修復できるかもしれないよ?」
男「マジか!?」
イケメン「うん」
222
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/11(火) 23:41:56 ID:9wMvXn5E
男「でもなぁ……これは俺ら三人の問題だし」
イケメン「その三人でここまで拗れたんだ。事態を好転するには第三者の介入が必須だと思うけど?」
男「……」
イケメン「そして、その役目を担うのに適任なのが俺」
男「たしかに……」
イケメン「女の子を口説くのは俺の得意分野さ!」
男「む……」
イケメン「傷ついた女の子ほど狙い目だし、今回は上手くやれる自信があるよ!」
男「……」
イケメン「じゃ、そういう事で!」
男「あ、ああ……」
223
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/11(火) 23:50:03 ID:9wMvXn5E
――昼休み
男(昼休みになってすぐ、イケメンは女ちゃんとギャルさんを連れてどこかに行ってしまった……)
男(女ちゃんはともかく、なぜギャルさんも?)
男「……」
男(仲直りさせるとも言ってたけど、あいつは一体なにをする気なんだ?)
男「……」
男(ダメだな……)
男(ギャルさんと付き合えて舞い上がってたけど、こういう事態になることは少し考えれば予測できてたはずだ)
男(ギャルさんと付き合うのは……まだ早すぎたのかもしれない……)
男「はぁ……」
224
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/11(火) 23:56:18 ID:9wMvXn5E
――放課後
男(昼休みが終わっても女ちゃんとギャルさんの態度は相変わらずだった)
男(イケメンだけはやけにご機嫌だったが……)
男(あいつに任せてよかったのか?)
男「……」
イケメン「男くん、これから時間あるかな?」
男「え?それは……」チラッ
ギャル「!」プイッ
男(ギャルさんには何故か避けられてるし)
男「わかった。イケメンに付き合うよ」
イケメン「ありがとう!じゃあ移動しようか」
男「移動?」
イケメン「うん、ついてきて!」
225
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:02:04 ID:vuUvNyuo
――校舎裏
イケメン「到着っと!」
男「え?なんでこんな場所に?」
イケメン「ここが一番相応しいと思ったからさ!」
男「はあ?」
イケメン「ねえ男くん」
男「なんだ?」
イケメン「ずっと好きだった子を悲しませてどんな気持ち?」
男「!!?」
イケメン「聞かせてよ、男くん。どんな気持ちなんだい?」
226
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:07:13 ID:vuUvNyuo
男「それは……正直に言うと、罪悪感でいっぱいで悲しんでる女ちゃんを見ると胸が痛くなる」
イケメン「じゃあギャルさんと付き合ったこと、後悔してる?」
男「そ、そんなことは……ない……」
イケメン「へえ、後悔してるんだ」
男「違う!ただ少し早まったかな、とは思っているけど」
イケメン「だってさ!ギャルさん!今の聞いてどう思う?」
ギャル「……」サッ
男「えっ!?な、なんでここに!?」
イケメン「俺が呼んだからに決まってるじゃないか」ニコッ
男(こ、こいつ!!何が目的だ!?)
227
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:14:35 ID:vuUvNyuo
イケメン「女ちゃんも出てきていいよ」
女「……」サッ
男「!?」
イケメン「ふふ」
男「イケメン!お前はなにがしたいんだ!?」
イケメン「なにって、三人が仲良くする方法を提案したいだけだよ」
男「これのどこがそうなるんだ!?」
イケメン「もう二人には了承を得ているよ」
男「了承?意味がわからない!ちゃんと説明しろ!」
イケメン「三人の気持ちを汲んで俺なりに考えたんだ。どうするのがベストなのかを」
男「はあ!?」
イケメン「男くん、二人と恋人にならない?」
228
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:24:02 ID:vuUvNyuo
男「…………はい?」
イケメン「ギャルさんと女ちゃん、二人と恋人になる気はないかい?」
男「な、な、な、なにを言ってるんだ……!?」
女「男くん!私……このまま終わりなんて、やっぱり諦められないよ」ジワッ
男「女ちゃん……で、でも……」
イケメン「女ちゃんはそれでもいいって言ってるよ」
男「女ちゃんは良くてもギャルさんは」チラッ
ギャル「私は……昨日泣きじゃくる女を見て、初めてできた友達を失いたくないと心から思った」
男「!?」
ギャル「女の男に対する気持ちも痛いほど伝わってきて、もし自分が女の立場だったら……そう考えると、とても耐えられそうにない」
男「ええぇぇ!?」
229
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:28:13 ID:vuUvNyuo
イケメン「聞いての通り、ギャルさんも納得してくれた」
男「……」
イケメン「あとは男くんの返事次第だね」ニコニコ
男「そ、そんな非常識な!」
イケメン「考えてみなよ」
イケメン「男くんが二人と付き合えば全て丸く収まると思わないかい?」
男「……」
イケメン「しかも相手の二人はそれでもいいと言ってくれている」
男「で、でも」
イケメン「それに女ちゃんに対してまだ好意もあるんでしょ?」
男「!!」
230
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:32:12 ID:vuUvNyuo
イケメン「やっぱり」
男「……」
イケメン「別にずっと二人と付き合えって言ってるんじゃなくてさ」
男「え?」
イケメン「とりあえず二人と付き合って最終的にどちらかを選べばいいと思うんだよね」
男「……」
イケメン「ギャルさんもそれでいいよね?」
ギャル「ああ」コクン
女「男くん……」
男「ギャルさん、女ちゃん……」
イケメン「さあ、どうする?」
231
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:43:01 ID:vuUvNyuo
男「二人とも、本当にそれでいいと思ってるの?」
女「私は……このまま終わるくらいなら、その方がいい!」
ギャル「私は最初は戸惑った……だけど……」
ギャル「男と女は一年間ずっと想い合っていたんだ。そこに割って入ったのが私で……」
女「ギャルちゃん……」
ギャル「私は男の事も女の事も好きだ。その二人と仲良く過ごせるならこういう選択も悪くはないと、そう思っている」
男「……」
イケメン「さあ、男くん」
男「わかった。覚悟を決めるよ」
232
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:49:07 ID:vuUvNyuo
男「女ちゃん、じゃあそういうことで……いいかな?」
女「うん――」
イケメン「ちょっとちょっと!」
男「へ?」
イケメン「ちゃんと告白しなきゃ女ちゃんに失礼じゃないかい?」
男「こ、告白って……イケメン、まさかそれでこの場所を!?」
イケメン「告白といえば校舎裏だろう?」
男「……」
イケメン「ささ、男くん!」
男「告白といっても……」チラッ
イケメン「ギャルさんが気になるかい?ならギャルさんにも改めて告白したらいいさ」
男「……」
233
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:53:52 ID:vuUvNyuo
男「女ちゃん」
女「……」
男「一年の頃からずっと好きだった。悲しませちゃったけど、それでもいいなら付き合ってほしい」
女「は、はい」ポロポロ
イケメン「わー!おめでとー!」パチパチ
男(こいつ……)
イケメン「ほら、次の人がお待ちだよ!」
ギャル「……」チラッ
男「う……」
234
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:59:01 ID:vuUvNyuo
男「ギャルさん」
ギャル「ん」
男「ギャルさんに対する気持ちも本物だよ。そこに時間は関係ないと思ってる」
ギャル「うん」
男「好きだよ、ギャルさん。ここからまた始めてくれるかな?」
ギャル「うん!こちらこそよろしくお願いします」ペコ
イケメン「わー!おめでとー!」パチパチ
男「……」
イケメン「じゃあ女ちゃんとギャルさんは、今後の付き合い方について二人で相談して決めたらいいと思うよ」
イケメン「俺は男同士で話したいことがあるから、ここで解散でいいかな?」
235
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 01:04:14 ID:vuUvNyuo
――――
――
男「お前なぁ……!!」
イケメン「ふふ、三人が仲良くできる最善な方法だったでしょ?」
男「そうだけど、あまりにも非常識だ!」
イケメン「当事者がそれでいいって言ってるんだから、それでいいじゃないか」
男「むぅ……」
イケメン「ハーレムだよ?男なら誰もが夢見る状況じゃないか!」
男「ま、まぁ……それは否定しないけど……」
イケメン「あ!そうだ!」
イケメン「俺もそのハーレムの一員に加えてくれない?」
男「はあああ!?」
236
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 01:11:47 ID:vuUvNyuo
イケメン「ははは!冗談だよ、冗談!」
男「はあ……勘弁してくれよ」
イケメン「はは、は……」
男「それにしても……よく二人を説得できたな」
イケメン「説得って人聞きが悪いなぁ」
男「……」
イケメン「俺はちょっと二人の背中を押してあげただけで、二人ともしっかり考えて決断したことだよ」
男「そうか……俺も中途半端な気持ちじゃダメだな」
イケメン「二人とも平等に愛してあげればいいよ」
男「ああ、もちろん!……努力はする」
237
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 01:19:20 ID:vuUvNyuo
イケメン「これからもきっと問題は起きると思うけど、きっちりサポートするからさ!」
男「どうしてそこまでしてくれるんだ?」
イケメン「それは……」
男「?」
イケメン「好きな人には幸せでいてほしいからね」
男「そうか……そういえばお前は女ちゃんの事が……」
イケメン「…………」
男「……」
イケメン「ってのは建前で、本当は楽しそうだからさ!」
男「はあ?楽しそう?」
イケメン「ふふ、男くんが二人相手にどう接するのか今から楽しみだよ」
238
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 01:23:49 ID:vuUvNyuo
男「見せ物じゃねーぞ!」
イケメン「はは!それと学校に噂を広めておくから、せいぜい頑張るんだよ!」
男「ええ!?」
イケメン「じゃあね!また明日!」
イケメン「僕のためにもちゃんと幸せになってくれよ、男くん!」
男「はぁぁぁ!?」
イケメン「ばいばい!」
男「くそ、完全に楽しんでるだけじゃないか……」
男「おのれイケメンめ!!」
――終わり――
239
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 01:26:14 ID:vuUvNyuo
正ヒロインが潔く身を引くという少し悲しいENDになりましたが以上で終わりとなります。
長々と失礼しました!
ありがとうございます!
240
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 09:48:08 ID:WB1uJFl2
>>239
おつ
241
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/14(金) 10:52:25 ID:.tmDUKb6
遅ればせながら乙
前半からはビックリな中盤以降のドロドロ具合と、将来的にどうなっちゃうんだコイツらという思いはあれど
下手すると人死が出かねないと思ったから少しホッとしましたわ
このペースと量で書いて完結できる人は今の深夜だと貴重だから頑張ってほしいっすわ
242
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/14(金) 18:50:04 ID:QoERLZYY
>>241
あざまっす!そういってもらえると励みになります!
女ちゃんはギリギリ理性を保ってくれましたね。もうちょいヤバい方向に持っていこうと思ったんですがw
243
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/01/24(日) 18:57:04 ID:L7J98Cyo
『イナズマイレブン1 最終回(9、10章)〜
vs木戸川清修中&世宇子中』
(19:30〜放送開始)
https://youtu.be/ZoKZ0kd17cw
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