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男「おのれイケメンめ!!」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 11:49:11 ID:jhg6IK6I
男「ぐぬぬ……」
イケメン「それでさ〜」ワイワイ
女「えー!ほんとにー!?」キャキャ
男(くそ!女ちゃんと楽しそうにお喋りしやがって!!)
男「ぐぬぬ……」
ギャル「……」
2
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 11:54:31 ID:jhg6IK6I
イケメン「そうだ、もしよかったら今度一緒にその映画観に行かない?」
男「なっ!?」
女「えー、どうしよっかなぁ」
男「…………」ハラハラ
イケメン「いいじゃん行こうよ〜」
女「んー今度ね!」
イケメン「でた!またそう言ってはぐらかすんだから!」
女「うふふ、そんなことないよー」
男(遠回しに断ったんだよな……?)
男「……」ホッ
男「でもこのままじゃ……」
ギャル「ええ、時間の問題だな」ヒョイ
男「おわっ!!」
3
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 12:02:15 ID:jhg6IK6I
男「ギ、ギャルさん!?いきなり何!?」
ギャル「アンタ好きなんだろ?あの子のこと」
男「べ、べつに……そんなこと、ないけど……」
ギャル「いやいや、見ててバレバレだから」
男「ぐっ……そうだとしても君には関係ないだろ!」
ギャル「このままだとイケメンに取られるよ?それでもいいの??」
男「それは……!!」
男「よく、ない」
ギャル「だよねー、私も同じ気持ちだわ」
男「??」
4
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 12:09:49 ID:jhg6IK6I
男「同じ気持ちってどういうこと??」
ギャル「あの二人がくっつくのは面白くない」
男「ああ、うん、そういうことか……って、え?なんで?」
ギャル「察しろよバカ」
男「……」
ギャル「はぁ……」
男「もしかしてギャルさん、イケメンのことが……?」
ギャル「ああ」コクン
男「そうだったんだ……なんか意外」
ギャル「意外?」
男「ほらギャルさんって人と群れるの嫌いで一匹狼のイメージが強いから……恋愛とか興味ないのかと思って」
ギャル「アンタ失礼な奴だな」
男「す、すんません」
5
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 12:17:48 ID:jhg6IK6I
ギャル「群れるのが嫌いって、そうやってアンタらが決めつけるから孤立してんだろうが」
男「う、それは……」
ギャル「ま、私も愛想悪いし自業自得だけどさ」
男(いつも機嫌悪そうに見えるし、なんせ容姿が派手だから……ついつい敬遠しちゃう部分はあるよなぁ)
ギャル「そんな私に気兼ねなく話しかけてくれる物好きな奴がいてな」
男「え?」
ギャル「それが……イケメンだ」
男「なるほど……だから惚れたんだ」
ギャル「ああ、顔も良くて性格も良いとか惚れない要素がないだろ?」
男「ああ……だからきっと女ちゃんも……」
ギャル「そこでだ!」
男「?」
6
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 12:29:38 ID:jhg6IK6I
ギャル「手を組まないか?」
男「はい?」
ギャル「このままあの二人がくっつくのを指くわえて眺めるのは不本意だろ?」
男「それは……うん」
ギャル「じゃあ決まりだ」
男「いやいや、ちょっと待ってくれよ!手を組むったって具体的には何をするのさ!?」
ギャル「それはこれから考える」
男「はあ?」
ギャル「そっちも何かいい案があったら言ってくれ」
男「てか、そんな遠回りしなくてもギャルさんがイケメンと仲良くなってアプローチしたらいいんじゃない?」
ギャル「はあ?それが出来たら苦労しないだろ!それはアンタも同じだろ?」
男「……はい、そうです……」
ギャル「特に私にとっては初めての恋なんだ。慎重にもなる」
7
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 13:24:27 ID:jhg6IK6I
男「ええ!?初恋!?」
ギャル「……なにか問題でも?」
男「問題はないけどさ……高校生になって初恋だなんて……」
ギャル「ええ、でも仕方ないじゃないか初恋なんだから」
男(もっと夜の街に繰り出して派手に遊び散らかしてると思ってたけど……意外と真面目なのか?)
男「わかった!ギャルさんの言う通りこのまま二人がくっつくのを見届けるのは俺も辛いし、お互いのために手を組もう!」
ギャル「助かる!」
男「……」
ギャル「……」
男「で、どうする?」
ギャル「とりあえず」
男「とりあえず?」
ギャル「ファミレスで作戦会議しよう」
8
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 13:48:00 ID:jhg6IK6I
――放課後 ファミレス
男(なんだこの状況は)
男(茶髪でピアスめっちゃしてて、いつも怖い顔してて無愛想なギャルさん)
男(俺が生きていく上で絶対に関わることのない人種だと思ってたのに……そんな人とテーブルを挟んで向かい合わせで座る日がくるなんて)
ギャル「まず目標を設定しよう」
男「目標?」
ギャル「お互いにとって理想の状況は?」
男「俺は……女ちゃんと恋人になること」
ギャル「うん。私もイケメンと恋人になることが理想だ」
男「ふむ」
9
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 15:21:56 ID:jhg6IK6I
ギャル「私の情報によると、アプローチは男性側からする方がいいらしい」
男「なにその情報」
ギャル「動物でも虫でもオスがメスに求愛行動をとるだろ?自然の摂理だ」
男「つまり、俺が女ちゃんにガンガンアプローチしろと?」
ギャル「ええ」
男「無理だ!話しかけるのでさえ緊張するのにアプローチなんて!」
ギャル「そこは頑張ってもらわないと」
男「そもそも興味のない異性からガンガンアプローチされたらギャルさんならどう思う?」
ギャル「ウザい」
男「でしょ!?恋は駆け引きってよく言うし、押せ押せだけじゃだめだって」
ギャル「今まで引きっぱなしじゃない。たまには押さなきゃ!」
男「ぐぬぬ……」
10
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 16:24:13 ID:jhg6IK6I
男「他力本願じゃないか!ギャルさんこそアプローチした方がいいんじゃない?」
ギャル「私だって押せ押せでグイグイ行ったことあるし!アンタと一緒にすんな!」
男「それで……結果は?」
ギャル「……」
男「……」
ギャル「怖がられた」
男「ああ……うん」
ギャル「哀れんだ目で見んなし!」
11
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 17:53:48 ID:jhg6IK6I
男「そもそも俺がアピールしたところで、イケメンに勝てる要素なんて……」
ギャル「一切ない」
男「イケメンの欠点といったら……チャラいところくらいか?」
ギャル「欠点というほどではないな」
男「ともかく!俺が女ちゃんにアピールするって話は置いておいて違う手を探そう」
ギャル「むー……」
男「じゃあこんなのはどうだ」
ギャル「ほー?」
12
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 21:36:07 ID:jhg6IK6I
男「俺はイケメン、ギャルさんは女ちゃんと同性同士それぞれ仲良くなる」
ギャル「ほう」
男「俺はイケメンにギャルさんの事を推すから、ギャルさんは女さんに俺の事を推す」
ギャル「……」
男「それで目標達成!理想の現実へ!」
ギャル「そんな上手くいくわけないだろ」
男「あはは、まぁそうだろうね」
男「でもまず敵を知ることから始めた方がいいと思う」
ギャル「それは一理あるな」
ギャル「でも女と仲良くかぁ……なかなか難しい……」
男「……」
13
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 21:58:41 ID:jhg6IK6I
男「じゃあ俺はイケメンと仲良くなる」
男「ギャルさんは女ちゃんと仲良くなる」
男「作戦決行は明日から、それでいい?」
ギャル「ああ」
男「じゃあそういう事でお互い頑張ろう!」
ギャル「ああ、理想のために!」
男「理想のために!」
14
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 23:01:22 ID:jhg6IK6I
――翌日 教室
男(イケメンと仲良く……か)
男(モテモテでいけ好かない奴だがこれも理想のためだ)
男「イケメン!」
イケメン「ん?男くんどうしたの?何か用?」
男「単刀直入に言う!友達になってくれ!!」
イケメン「ええ!?」
男「ダメか!?」
イケメン「ダメというか……そういうのって自然となるものだと思うんだけど……」
男「ぐっ……たしかにその通りだ」
イケメン「なにか企んでる?」
男「いや、そんなことないぞ」
イケメン「ふーん」
男(マズい!変に勘ぐられている!)
15
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 23:14:38 ID:jhg6IK6I
男「ほらイケメンってモテるだろ?」
イケメン「んー……どうだろう」
男「モテる秘訣を知りたいんだ」
イケメン「男くんはモテたいの?」
男「いや、そういうわけじゃないけど……」
イケメン「……」
男「そりゃモテたい気持ちはあるが、それは意中の人だけで十分というか……」
イケメン「……」
男「とにかく!お前の近くにいて女子との接し方を学びたいんだ!」
イケメン「……」
男(……だめか?)
イケメン「わかった、いいよ」
男「え?マジ!?」
16
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 06:55:54 ID:Wcsag89I
ギャルはいい子
17
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 09:37:31 ID:4Wempfdc
――昼休み
男「イケメン!いつも昼飯はどうしてんの?」
イケメン「ほとんど学食かな」
男「よし、じゃあ一緒に行こう!」
イケメン「う、うん」
男(くくく、困惑してるな。そりゃそうだ)
男(お互いの事よく知らないのにこれから昼飯を共にするんだ)
男(俺だって本当は嫌だ)
男(だがこれも理想の現実のためだ!!)
18
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 11:18:37 ID:4Wempfdc
――食堂
A「イケメンくん!これからお昼なら一緒にどう?」
イケメン「あー今日は先約があってね、ごめんね?」
A「えー!!」
イケメン「また今度誘ってよ!いつでも待ってるから」
A「もー、次は絶対だよ!」
イケメン「うん、約束する」ニコッ
男「……」
イケメン「じゃ、行こうか」
男「ああ」
19
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 11:29:12 ID:4Wempfdc
――
B「イケメンくん!」
イケメン「あはは」
男「……」
――
C「あ、イケメンくんだー」
イケメン「やあ」ニコッ
男「……」
――――
――
男「いや……お前すごいな」
イケメン「え?なにが?」
男「色んな女子に話しかけられるのもそうだけど、一人一人笑顔で対応してて感心した」
イケメン「こうやって色んな子に声かけてもらえると素直に嬉しいんだよ」
男「まぁ悪い気はしないよな」
イケメン「でも……同性からしたら面白くないだろうね」
20
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 11:42:44 ID:4Wempfdc
男「あ、それ自覚してるんだ」
イケメン「うん。実際俺は男友達は少ないし」
男「たしかに、言われてみれば……」
イケメン「だからこうやって男くんが話しかけてくれて、一緒にお昼食べれて嬉しいんだ」ニコッ
男「!!」
男(こ、こいつ、なんてやつだ!不覚にもドキッとしてしまったぜ!!)
21
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 13:46:36 ID:4Wempfdc
――放課後
男「ギャルさん」
ギャル「なんだ?」
男「俺は作戦通りイケメンと接触したけど……」
ギャル「ああ、そうみたいだな」
男「ギャルさんは……今日もずっと一人だったよね?」
ギャル「それについて話がある。ファミレスに行こう」
男「ええ!?今日も??」
ギャル「ほら行くぞ」
男「まじっすか」
22
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 16:08:03 ID:4Wempfdc
――ファミレス
男「ギャルさん、今日女ちゃんと接触した?」
ギャル「……」ウズウズ
男「ギャルさん?」
ギャル「……」ウズウズ
男「……」
ギャル「な、なあ……」
男「なに?」
ギャル「このパフェ……頼んでもいいか?」
男「パフェ?別にいいけど……」
ギャル「本当にいいのか!?」
男「うん、どうぞ」
ギャル「先に言っておくが、一口もあげないぞ?」
男「いらないって!そもそも甘いもの苦手だし」
23
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 16:46:49 ID:4Wempfdc
店員「お待たせしました〜パフェDXでございます」
ギャル「わぁ!」キラキラ
男「でかっ!こんなの一人で食べれるの!?」
ギャル「あげないぞ?」ジロ
男「いりません!」
ギャル「じゃあ早速……いっただきまーす!」ウキウキ
男(あれ?)
ギャル「どれどれ〜」パク
ギャル「ん〜〜!おいし〜〜!」ニコニコ
男(あれれ?ギャルさんがめっちゃ可愛いんですけど……)
ギャル「なに?あげないぞ!」
男「大丈夫、見てるだけでお腹一杯だから」
ギャル「ん〜〜」ニコニコ
男(そうか笑顔!滅多に見ないし……というか初めて見た)
男(普段のギャップもあって、これは……可愛すぎるというか……すごく良いです)
24
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 16:54:18 ID:4Wempfdc
ギャル「ごちそうさまでした!」
男「あっという間に平らげたね」
ギャル「あと三杯はいける」
男「嘘っ!?マジで!?」
ギャル「マジだ」
男「はえ〜……てかギャルさん甘いモノ好きだったんだね」
ギャル「ふん!どうせ似合わないとでも思ったんだろ」
男「いや、ニコニコしながら食べてて可愛かったよ」
ギャル「かわっ!!?」
男「うん、すごくね」
ギャル「……」
男「?」
ギャル「調子に乗ってんじゃねぇよ!!」
男「ええぇぇぇ」
25
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 17:01:13 ID:4Wempfdc
男「あ、そうそう!今日女ちゃんと接触しなかったでしょ?」
ギャル「う……」
男「俺はイケメンと仲良くなろうと努力したのに、そりゃないっしょ!」
ギャル「そもそも!!友達0の私が誰かと仲良くなんて……敷居が高すぎる」
男「それは……まぁ……そうかもしれないけど」
ギャル「ところでイケメンはどうだった?何か聞きだしたか!?」
男「いや、まだそこまで親しくなってないけど」
ギャル「そうか……」
男「でも、思ってたより良い奴かもしれない」
ギャル「だろ!!さすが私が惚れた男なだけある!」
26
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 17:05:40 ID:4Wempfdc
ギャル「外見も内面もカッコいいんだ、イケメンは!」
男「むー」
ギャル「どうした?」
男「どうした?じゃないでしょ!ギャルさんも女ちゃんと仲良くなってくれなきゃ不公平だ!!」
ギャル「そ、そうだな……」
男「むー」
ギャル「明日!明日こそ努力してみる」
男「努力じゃダメだって!思い切って話しかけてみなよ!」
ギャル「どうやって??」
男「友達になろうって」
ギャル「む、むりだ!!」
27
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 17:08:41 ID:4Wempfdc
男「最初からそう決めつけるのは良くない!!」
ギャル「うっ……」
男「きっかけがあれば意外となんとかなるもんだって」
ギャル「そ、そうかな?」
男「そうだよ!」
ギャル「じ、じゃあ頑張ってみようかな……」
男「おお!頑張れギャルさん!!」
ギャル「理想のために!」
男「ああ、理想のために!」
28
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 17:13:09 ID:4Wempfdc
――翌日 教室
男(ギャルさん、ずっとソワソワして女ちゃんをチラ見してるな)
男(頑張れ!ギャルさん!君ならいける!!)
ギャル「……」ガタッ
男(おお!!)
ギャル「……」スタスタ
男(女ちゃんの方……じゃなくて、こっち!?)
ギャル「ちょっと来い」
男「え!?」
ギャル「さっさとしろ」グイッ
男「ええぇぇ」
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