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律「あたし、部長だし!」
182
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 18:37:18 ID:NwAxDJow
律「違うわ!唯の真似だし!」
梓「そうだったんですね。すみません」
律「何であたしだけこうも迫害されにゃならんのだー!?」
梓「にゃ…」
梓「もう一回にゃって言ってみてください」
律「え?さっき言った?」
梓「言いましたよ」
律「しょーがないにゃあ…にゃ」
梓「素っ気ないからやり直し!」
律「それが先輩に対する態度?」
183
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:06:26 ID:NwAxDJow
律「…」
梓「…」
律「練習、するか」
梓「そうですね」
〜♪
梓「律先輩!また走りすぎです!」
律「え!?そんなに!?」
梓「はい。せっかくメトロノームがあるんですから、それに合わせてちゃんと練習してください」
律「合わせてるんだけどなぁ」
梓「いいから」
律「言い訳して、言い訳?」
梓「…」
律「…って、言いたかったんじゃないの?」
184
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:08:02 ID:NwAxDJow
梓「あと、いいわけ?が言い訳?になってましたよ。しっかりしてください!」
律「何であたし!?」
185
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:12:16 ID:NwAxDJow
律「梓」
梓「にゃんですか」
梓「失礼、噛みまみた…」
律「おー、真っ赤」
梓「律先輩も澪先輩に殴られれば私とおそろいですね」
律「それ遠回しにあたしのこと嫌いって言ってるよね?」
186
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:16:51 ID:NwAxDJow
梓「別に嫌いではないですよ」
律「ふーん、そっか〜」
梓「何ニヤニヤしてるんですか」
律「好きの反対は〜?」
梓「無関心です」
律「梓はあたしのことが〜?」
梓「好きでも嫌いでもないです」
律「無関心か…」
梓「第一、そんな手にはひっかかりませんよ」
律「むー!」
梓「小学生ですか」
律「梓の体型もなかなかだけどな」
梓「人の体型についてとやかくいうのはセクハラですよ!」
律「え、そこ?」
187
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:21:10 ID:NwAxDJow
梓「ていうか、身長以外は律先輩もそうですよね」
律「な、なにをーっ!!」
律「あたしだってくびれぐらいは…!」
梓「じゃあ見せてください」
律「うっ…」
梓「くーびーれ、くーびーれっ」
律(遂に頭も小学生になっちまったか)
188
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:23:30 ID:NwAxDJow
律「まあいいか、ほい」
梓「わー…」
律「あ!触ったな!?」
梓「わっ!?すみません、つい…」
律「何がつい…だよ。あたしは今からお前の将来が心配になってきたよ…」
梓「そこまでのことはしてませんよ!?」
189
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:29:28 ID:NwAxDJow
律「そうか?」
律「もしこれが澪だったらどうするよ?」
梓「そもそも澪先輩には緊張して『くびれ見せてください!』なんて頼めませんよ」
律(良いんだか悪いんだか…)
律「もしも、の話だぞ」
梓「あ〜…、確かに殴られそうです」
律「だろ?」
梓「はい」
律「あたしはかわいい後輩を守りたいから、今から警告しておいたんだぜ?」
梓「…律先輩が言うと、信憑性0です」
律「中野ォ!!!」
190
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:31:56 ID:NwAxDJow
律「…で、くびれ、どう?」
梓「意外とありますね。綺麗なラインで羨ましいです」
律「へっへーん!」
梓「ドヤ顔はノーセンキューです」
律「デジャヴ」
191
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:35:41 ID:NwAxDJow
律「梓もすっかり唯に懐いたよな〜」
梓「そうですか?」
律「だって、唯がいないと寂しそうな顔すんじゃん」
梓「そうなんですね」
律「それだけ?」
永遠にループする♪アップダウン♪アップダウン♪
192
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:36:56 ID:NwAxDJow
唯「もうっ!皆練習するよ!」
193
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:39:15 ID:NwAxDJow
律「そうだぞ!澪、だらけてないでさっさとやろーぜ!!」
澪「あ、ああ、そうだな…」
紬「皆、茶葉とお菓子をいつもありがとう…」
梓「いや、もうちょっとだらけさせてくださいよー」
澪(これは…!)
194
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:43:30 ID:NwAxDJow
澪「はっ!!!」
律「おはよ、澪」
澪「おはよ…何だ。夢かぁ」
律「どんな?」
澪「えーっと…、皆がそれぞれ正反対の性格になった夢、かな」
律「へえ。唯も前言ってたなそれ」
澪(予言者がいた!?)
195
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:49:35 ID:NwAxDJow
唯「へ?皆が正反対の性格になったら?」
澪「そう」
唯「どうしたの澪ちゃん…」
澪「?いや、唯がそういう話律としてたって聞いたって…さっき言ったよな?」
唯「あれえ?そうだったっけー?」
澪「忘れるなよ!」
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 19:54:10 ID:NwAxDJow
唯「少なくとも私は憂になるし、憂は私になる!」
澪「そうだな」
唯「で、澪ちゃんはりっちゃんになるし、りっちゃんは澪ちゃんになる」
澪「なるほど…え?」
唯「ムギちゃんは…かわいそうだから言うのやめよう。あ、沢庵がただの眉毛になる!」
澪(まずそれを言うのをやめろ)
唯「あと、あずにゃんはね〜、私っぽくなるかなぁ」
澪「確かにな」
197
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:00:01 ID:NwAxDJow
唯「でも何でそんな夢を?」
澪「私もわからない」
唯「はっ!もしや、パラレルワールドがこの世界に接近してる…!?」
澪「せ、接近!!?」
唯「そんなに怖がらなくてもいいのに〜」
澪「だって!私たちが飲み込まれるかもしれないんだぞ!!?」
唯「そんなことあるのかなぁ?」
澪「それは信じてないんだ…」
198
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:03:49 ID:NwAxDJow
律「へー。唯がそんなこと言ってたんだ」
澪「ああ」
律「実際にありそうだよね、パラレルワールド」
澪「…あるよ」
律「見たことあるの?」
澪「夢で」
律「あたしの期待を返せコノヤロー!」
199
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:07:54 ID:NwAxDJow
律「澪がパラレルワールドの世界に行きたいって」
紬「うふふ♪澪ちゃんのそういうところ、結構かわいいわよね♪」
律「話す相手間違えたか?」
紬「間違えてないわ」
律「急に声のトーン下げるな!」
200
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:11:55 ID:NwAxDJow
紬「じゃーん!実はパラレルワールドに行ける機械を作ってみたの〜♪」
律「もはやどこから突っ込めばいいのかわからない」
紬「明日は休日だから、唯ちゃん達も誘って行ってみましょう!」
律「…一応誘ってみるよ」
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:17:12 ID:NwAxDJow
律「唯ー、ムギがパラレルワールドに行ける機械を作ったんだってさ!」
唯「おおー!流石ムギちゃん!」
律「凄いだろー?明日それで冒険してみよーぜー♪」
唯「うん!!!しよしよ!!」
キートン山田「それにしてもこの律、軽音部内で一番ノリノリである」
202
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:22:39 ID:NwAxDJow
律「澪!朗報だ!パラレルワールドに行ける機械をムギが作ってくれたぞ〜!」
澪「ムギ、正気か?」
律「そこは信じてやれよ…。まあいい、明日行ってくるわ」
澪「軽音部全員で?」
律「うん」
澪「私は?」
律「含まれてるよ」
澪「良かった〜!」
律(めんどくせー…)
203
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:28:51 ID:NwAxDJow
律「梓も行く?」
梓「どこにですか?」
律「なーんか言うの疲れちゃった☆」
梓「じゃあ切りますね。さよなら」
律「ちょっちょっ!最後まで聞いてよ〜!!」
梓(絶対どうでもいい話だと思う)
梓「まあ、今暇なんでいいですよ」
律「ほんと!?実はパラレルワールドに行く機械をムギが作ってくれたんだ〜♪」
梓「切りますね」
律「本当だよ!!!ムギに聞けばわかる!!」
梓「はぁ…。で、いつ行くんですか?」
204
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:31:03 ID:NwAxDJow
律(梓も何だかんだ、こういうの信じるタイプなんだな〜)
律「明日!」
梓「決まるの早いですね」
律「そいじゃ!」
205
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:34:36 ID:NwAxDJow
梓「…えへへ」
梓「向こうの世界の私に会うの、ちょっと楽しみ…♪」
キートン山田「ちょっとどころではないようだ」
206
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 20:37:36 ID:NwAxDJow
よくじつ!
律「さあさあ!始まるザマスよ」
紬「行くでガンス♪」
唯「ふんがー!」
澪「まともに始めなさいよ!」
梓(澪先輩もですよ…)
207
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:00:08 ID:NwAxDJow
紬「まずは…、ここをこうして……えいっ♪」
律「皆ー、最初はどこ行くー?」
唯「はいっ!私、胎児になったとこからがいいです!」
梓「はあ」
紬「いいわね〜♪私も自分がどういう形で成長したのか見てみたいわ♪」
律「よーし!決まりだな!」
澪「決めるの早くないか!?」
紬「あ、でもね、もう高校一年生のときに戻れるボタン押しちゃったからごめんなさいね?」
律「それを先に言えよ!」
208
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:07:47 ID:NwAxDJow
キートン山田「ここで『これからは何も突っ込まないでおこう』と決心した梓であった」
梓(まあこれはタイムトラベルなんですけどね)
唯「あ!あれが私だ!」
律「え!?あの使えないドジっ子!!?」
澪「本人の前で何を言ってる!!」
梓(本人がいないとこならいいのかよ…)
律「いでー…」
梓「自業自得ですよ。あ…」
紬「梓ちゃん、どうしたの?」
梓「いえ…、自分との闘いに負けただけです」
澪「そうか。それは大変だったな」
律「中二病同士かよ…」
209
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:19:46 ID:NwAxDJow
澪「あ、あれ、私…」
律「あー!澪だ!!」
梓「知らない人とぶつかって慌ててるの、かわいいですね」
澪「梓まで変態に…」
唯「ちょっと待って!この澪ちゃんのパンツ…!」
律「( ゚д゚)ハッ!」
紬「( ゚д゚)ハッ!」
梓「( ゚д゚)ハッ!」
澪以外「縞パンだ〜!!!!」
澪「見えない聞こえない見えない聞こえない…!」
210
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:21:30 ID:NwAxDJow
律「あ!あたしのカバンでギリセーフだ!」
梓「さっき見えてましたよね?」
律「そんな一瞬のこと…すぐ忘れるって」
澪「だったら私のファンクラブできてないだろー!!?」
梓「というわけでアウトです」
澪「お前ら私のパンツのことしか考えてないだろ!!!」
唯「あ、今清楚で可憐な澪ちゃんがパンツって言いました」
律「澪、アウト〜!」
澪「何のだよっ!?」
211
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:28:20 ID:NwAxDJow
梓「あの…、紬先輩が無言かと思ってたら、さっきから澪先輩のスカートの中を盗撮してる気が…」
紬「梓ちゃん!しーっ!」
澪「いやああああああああああ!!!!!!!!!」
律「もうバレてるぞ…って、何であたしが殴られるんだよ!?」
唯「今日のりっちゃん、何か大変そうだね」
律「そう思ってんならツッコミ手伝えよ!!」
梓「律先輩も相当ボケてましたけどね」
212
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:47:34 ID:u4BlRBco
唯「あれは…!ムギちゃん!」
紬「唯ちゃん、友達見つけるの早いわね〜」
唯「とーぜんです!だって、ムギちゃんだけに、ギムだから!!」
唯以外「…」
律「…ダジャレにすらなってないぞ〜?あレ?ヤジだ!!」
律以外「…」
律「あ、あはは…滑った!あたし、滑り止めの大学、滑った〜!あ〜ははは〜!!」
澪「お前の滑った話を二重に聴かされる気持ちを考えてほしいなあ?」
213
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 21:57:15 ID:u4BlRBco
紬「気を取り直して、もう一回♪」
律「あー!ズルいぞー!」
紬「りっちゃんの番はもうナシにしたわ♪」
律「何で!?てかそんなことできんの!!?」
梓「あ…ムギ先輩。歩道に生えた雑草のような花を除けながら歩いてます!」
唯「ムギちゃんえらーい!」
紬「えへへ…ありがとう」
律「あたしなんて普段上しかみてないから、花結構踏んじゃってるかもなぁ」
梓「…まぁ、当たり前のことを誇大表現しただけですが」
律「中野ォ!!!」
梓「あれ?何で怒ってるんですか?クスッ」
214
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:03:03 ID:u4BlRBco
澪「あ、梓だ」
梓「!」
唯「セーラー服姿もかわいいなぁ、あずにゃん♪」
梓「あ、あんまりじろじろ見ないでください!!」
唯「え?過去のあずにゃんだよ?」
梓「知ってますけど…」
律『あ、あんまりじろじろ見ないでください!!』
梓「…」
律「え?何?怖い怖い…」
律「あいたーっ!」
唯「あずにゃん、昔の方がかわいかったなぁ…」
215
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:08:39 ID:u4BlRBco
澪「あとはどこ行きたい?」キラキラ
律「もう今日は帰りたいでーす…」
紬「じゃありっちゃん抜きで回ってこようかな〜♪」
律「何か…今日皆あたしにだけ風当たり強くない?」
唯「じゃありっちゃん抜きで!」
律「何でだよ!!行きます!行きたいです!」
梓「じゃあ、私は未来の私達を見に行きたいです」
唯「いいね!行こう行こう!」
律「スルーされてんだかされてないんだか…」
216
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:25:28 ID:u4BlRBco
「ていこう!」
律「でさ〜っ!さわちゃんが鬼で〜、マジヤバかったwwwww」
澪「律があんなテストで赤点取るからだろwww」
律「何をーっ!澪さんだって赤点ギリギリだったくせに!!」
紬「まあまあまあまあまあまあwwwwww」
唯(うう…あの人達怖いよぉ…)ビクビク…
唯(この高校は、とみお婆ちゃんによると、底辺高校らしいです)
唯(でも、私の学力だと、近所ではここにしか行けないって和ちゃんに言われて…。何とか無事に受かり、和ちゃんと登校できるということに縋って、しぶしぶ通っています…)
唯(まあ、和ちゃんは指定校推薦でいい大学に行きたいからここを受けたんだけどねー)パクッ…
律「…」ジーッ…
唯「ひぃっ!?」
唯(早速睨まれた…!)
澪「どうした?律」
律「いや?何か挙動不審なぼっちいるなーってww」
紬「そんな子本当にいた〜?www」
217
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:29:20 ID:u4BlRBco
律「ナチュラルに酷いこと言うよな〜ムギは!wwwあの有名な、隣のクラスのひ・ら・さ・わさんだよっ!!wwwww」
澪「…」ポーッ…
紬「ひらさわ、さん…?ああ、あの痙攣持ちのwwwww」
律「そーそーwww見ててホントおもろいからwwww」
律「な、澪?wwwwww」
澪「…あのクラスのセンコー、マジかわいいwwwww」
律・紬「ギャハハハハハハwwwwwwwww」
唯(うう…何であの人達が3組の廊下にいるんだろ…?)
唯(和ちゃん、早く生徒会から戻って来て…!)
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:33:27 ID:u4BlRBco
和「おまたせ、唯」
唯「和ちゃん…!」パアアッ…!
唯(この学校で、唯一まともな人…だと思う)
和「ところで唯、部活はどこに決めたの?」
唯「それが…まだ…」
和「ええ!?まだ決めてなかったの!!?」
唯「!?」ビクッ!
219
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:37:33 ID:u4BlRBco
和「はぁ…、こうしてニートが出来上がっていくのね…」
唯(部活やってないだけでニート!?)
唯(…前言撤回。やっぱり和ちゃんもある意味変わった人です)
和「まあ、とにかくこの1週間で決めましょ」
唯「何で?」
和「そりゃあ、転部と帰宅部には居場所がないからよ…。あと文化部も」コソッ
唯「ああ…(察し)」
220
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:40:06 ID:u4BlRBco
唯(何かやらなきゃいけない気が…いや、やらなきゃいけないんだけど…、何やればいいんだろ……?)アセアセ
221
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:44:42 ID:u4BlRBco
律「みーおっ!廊下をいかにセンコーにバレずに走れるか競争しよーぜwwwww」
澪「ああ。負ける気がしないなwwwww」
律「よーい…」
澪「…!」ゴクリ…
律「ドン!」
澪(これは…いける!!)
さわ子「田井中!秋山!職員室に来い!!」
律・澪「へーい…」
律・澪(かったり〜…)
222
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:50:51 ID:u4BlRBco
さわ子「クドクドクドクド…」
律・澪「zzz…」
さわ子「…あなたたち!聴いてるの!?」
律・澪「ハヒッ!?」
さわ子「…これは反省文だけじゃ済まなそうね…」
唯「あの〜…、山中先生はいらっしゃいますか……?」ビクビク…
さわ子(久々に敬語が使える子に会ったわ…!)
さわ子「は〜い、中へどうぞ」
さわ子「…いい?とーにーかーく!あなたたちは黙ってなさい!」
律・澪「はい…」
律・澪(どれだけ人望ねーんだよウチら…)
223
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:55:23 ID:u4BlRBco
唯「クラスのプリントを取りに来たんですけど…」
さわ子「えーと…、3組はこれね」
唯(親切そうな先生で良かった…)ジーン…
唯「ありがとうござ…」
唯「!!?」ビクッ!
律「…」ジーッ…
唯(あのデコに睨まれてる!)ビクビク…
唯「あ…っ」フラフラ…
バッシャアアア…
唯「はわわわわわわわわわわわ」
224
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 22:58:13 ID:u4BlRBco
さわ子「大丈夫?」
唯「は、はい!大丈夫で…!!」ゴッ!!!
さわ子「気をつけてね」
唯「すすすみません…!」
澪「…さわちゃん、今日も綺麗だな」コソッ
律「そういう問題じゃねえw」コソッ
225
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:02:17 ID:u4BlRBco
唯「し、失礼しましたぁっ!!」バタン!
澪「…軽音部への入部希望者はいなそうだな。じゃあこれが終わったら私は文化部に…」コソッ
ガシッ!
律「…ダメだ。文化部はああいうトロくて使えねーよーな奴しか入んねーよ」コソッ
澪「なら仕方ないな…」コソッ
226
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:07:16 ID:u4BlRBco
おんしつ!
律・澪「…」シーン…
澪「…なあ、もうそろそろ帰」
律「だーめーだっ!!今日は粘る!!!」
澪「私だって暇じゃないんだぞ、今日は本当はカラオケ行く予定だったのに…」
律「はあ!?んなもんぶっちすりゃいいっしょ!!!!」
澪「したよw律といた方がテンアゲだしwwwww」
律「さっすが澪wwwwww」
227
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:13:20 ID:u4BlRBco
ガチャ…
紬「あの…音楽室に用があって来たんですけど……って、りっちーに澪ちーじゃんwwwwwww」
律「ムギ!何だよその外面wwwww」
澪「マジウケるわ〜wwwwwww」
紬「こーしとけばパイセンに好かれると思ったwwwwww」
律「今時そんなパツキンで敬語使う後輩好きなパイセンいないっしょwwwwwww」
紬「ひでえwwwwwwww」
228
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:17:02 ID:u4BlRBco
澪「私はじゃあこれで…」
律「澪…!」
澪「!」
律「あの日の約束は、嘘だったのか…!?」
紬「急にお前らどーしたwwwww」
律「あたしがドラムで、澪がベースで…!」
律「二人でいつかバンド組もうって、誓ったじゃないか……っ」ウルウル…
紬「りっちー…」ジーン…
229
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:20:02 ID:u4BlRBco
澪「…その回想は嘘だろwwwwwwwww」
紬「ブフッwwwwwwww」
律「あwそうだったっけ?wwwwwww」
紬「wwwwwwwwwwwww」
紬「やっぱお前らオモロいわ〜wwwww私も入部していいッスか?wwwwwwwwww」
律「やったぜwwwwwwwwwwwwww」
230
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:21:41 ID:u4BlRBco
澪「って、私入部するっつった?!wwwww」
律「仕方ないから入部してやるっつってたじゃねーかwwwwwwww」
澪「そうかもwwwwwwww」
231
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:26:21 ID:u4BlRBco
唯(うーん、どの部活に入ろう…?)
唯(話を聞くと、どの部活もハードそうだし…)
唯(…入るんだったら、やっぱり文化部がいいな)チラッ
唯(軽音、部…?)
唯(『うん♪たん♪うん♪たん♪』)
唯(…)
唯「和ちゃん、軽音部ってのがあるけど…」
和「あ〜、ギターとかドラムとかやるんでしょ?唯は何の楽器できるの?」
唯「…カスタネット」
232
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:29:13 ID:u4BlRBco
和「…はぁ」
和(カスタネット、ねぇ…)
和(唯『うん♪たん♪うん♪たん♪』)
和「…」
和「向いてると思うわ、軽音部…」
和(私もよく知らないけど…)
233
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:33:41 ID:u4BlRBco
唯「というわけで、軽音部に入ってみることにしました…」ビクビク…
和「文化部らしいけど、いいの?」
唯(あ…)
唯(気がつくと孤立してるやつだ……)
唯(…でも)
唯「あは…初心者歓迎って書いてあったし、きっと軽い音楽しかやらないよ〜…多分」
和「はぁ…。まあ、私がとやかく言うことじゃないわよね。好きにしなさい」
唯「あはは…」ビクビク…
234
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:42:07 ID:u4BlRBco
唯(…とは言ってみたものの…)プルプル…
唯(『…あぁ?軽い音楽だと!?舐めとんのかボンクラがぁ!!!殺すぞボケェ!!!!!』)
律「…」トン…
唯(ひぃいぃぃいいいぃ!!!??)ビクッ!
唯「違います違います違います違います違います違います違います違います違います!!!!!!!!!殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで!!!!!!!!!!!」
律「…何やってんだ?」
唯(ほぇ!!?)
唯(…なんだ、同学年の…って、あのガンつけてきたデコじゃん!!!)ビクッ!
律「あ!あんたが入部希望の平沢だよな!!」
唯(声デカすぎ…!)アワアワ…
律「あたししょーじきあんたを誤解してた、スマン!!」
唯「へ…?」
235
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:45:42 ID:u4BlRBco
律「平沢!あんた、ギター弾けるんだってな!?」キラキラ…
唯(な、何この眼差し!?あと、話に尾ひれが付いてるよおぉ…!!)
律「お前らーっ!入部希望者が来たぞ〜!!!」
236
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/15(金) 23:46:21 ID:u4BlRBco
現実がしんどいことしかないのでやめます。おやすみなさい
237
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 00:19:10 ID:QFmTnym2
すみません。大丈夫でした。大丈夫です。
238
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 00:24:30 ID:QFmTnym2
澪・紬「軽音部へようこそ〜!!!wwwwwwwww」パンパカパーンwwwwww
唯(!?)ビクッ!
律「お前らwwwクラッカーまで用意してたんかいwwwww」
澪「だってしんにゅー部員だって聞いたからwwwwwwww」
紬「とりま鳴らしてみたwwwwwwwwwww」
唯(はぁ…?)
律「さーさー!はよもてなしてやれwwwwwwww」
澪「うぃ〜〜〜wwwwwwwwww」
紬「歓迎するぜwwwwwwwwww」
239
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:08:06 ID:Xf5MImpE
唯(こんなにもてなされちゃって、後でカツアゲとかされないかな…?)ビクビク…
唯「わざわざお茶に、ケ、ケーキまでありがとうございます…」
紬「んな他人ギョーギじゃなくていいしwwwwほら、食え食えwwwwwwwww」
律・紬・澪「wwwwwwww」ジーッ…
唯(そんなに凝視されたら、食べるものも食べられなくなっちゃうよぉ…)ガタガタガタ…
唯(でも…食べなきゃ後が怖いし…!)パクッ!
紬「ど?うめーよなぁwwwwwwww」
律「コイツんち無駄に金だけ持ってっから、味は保証するぜ?wwwwww」
唯「あ…うまっ!」
律「おーおーwwwいい食いっぷりじゃんwwwww」
澪「喜んでもらえたみたい?で良かったなwwwwwwwww 」
240
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:13:33 ID:Xf5MImpE
唯「あ、あの…こんなに食べるつもりはなかったんですけど……」ガタガタ…
紬「さっきも言ったろ?ウチんち金だけはあっから気にすんなwwwwwww」
律「そうそうwww好きなだけ食っていいんだわwwwwwww」
唯「あ、はは、は…」
澪「おめーはムギじゃねーんだからでしゃばんなよwwwwwwwww」ドカッ!
律「くはぁwwwwwwwwwwwwwwwwww」
唯「…」ガタガタガタ…
241
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:19:33 ID:Xf5MImpE
紬「あ〜…、お前らのソレも大概にしとけよ?wwwwww平田さん?だっけ?も腰抜かしてんじゃんwwwwwwwww」
澪「わりーわりーwwwwwwwwwつい反射的になwwwwあとソイツ、平田じゃなくて平沢wwwwwwwww」
唯(反射的に…!?)ビクビク…
律「でもコイツ、基本あたしにしか殴らんから安心してwwwwwwwあたしだけ何故か殴られるけどwwwwwwwwww」
唯「そ、そうなんだ…」
律「そーだ平沢wwwお前メタルの中で誰が好き?wwwwwwwwww」
唯(え?メタルって何!?)アワワワワ…
唯(…それよりも)
唯「じ…じ、じじ…!」
242
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:27:17 ID:Xf5MImpE
澪「ジブラルタル!?wwwwwwwwww」
唯「ち、ちが…!」
澪「ジェスベップ!?wwwwwwwwwww」
唯「じ…じ」
澪「じゃあ、じゃあ、ジステンパー!!?wwwwwwwwwwww」
唯(メタルの人、ジが付く人ばっかなの!?)
唯「じ…つは!ああああの、入部するのを辞めさせてくださいって言いに…来たんです……」
律・紬・澪「んぇ?」
唯「こ、ここまでしてもらったのに、申し訳ないのですが………」ガタガタガタ…
澪「でも、ここに来たってことはさぁ、曲聴くのはイケるってことっしょ?wwwwwwwwww」
紬「うちの金で菓子パーティーとかw大歓迎wwwwwwwwwwww」
律「太るぞムギwwwwwwwwww」
243
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:34:31 ID:Xf5MImpE
唯(…あれ、何だろう………?)
唯(この人達って、言葉遣いは荒いけど…根は優しい人達なんじゃ………)
唯「い、今まで騙しててごめんなさい!!本当はギターはおろか、できそうな楽器なんて…カスタネットぐらいしかなくて……でも話聞いた感じだとカスタネットはいらないって…」ボソボソ…
律「あー…」ボリボリ…
律「しょーじきウチらも楽器初心者だからヘーキヘーキwwwwwww平沢ってマジメそうだし、やれば意外と上手かったりしてwwwwww」
律「まーウチらの演奏聞いてから退部するか決めてよwwwwwwwwwww」ガシッ!
唯「ひっ!?わわ、わかりました…!」ビクビク…
244
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:40:12 ID:Xf5MImpE
唯(どんな演奏するんだろう…。正直興味はある…)
律「1・2・3・4!」
〜♪
唯(…あれ?意外とショボくね?もっとロックみたいなの予想してたんだけど……)
律「いや〜、実はコイツらとの演奏を人前で見せるのは平沢が初めてでさぁwwwどだった?wwwwwww」
澪「ショウジキに言ってくれた方がありがてえwwwwwwwwwww」
唯(…)
唯「あんまり上手くないですね!wwwwwwww」
245
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:46:37 ID:Xf5MImpE
律(バッサリだーwwwwwww)
唯「…でも、皆さんの演奏、とても楽しそうでした!あと、意外といい人達だってわかったし……あの!私で良ければ、やっぱり入部させてください…!」ペコッ
律・澪(ウチらがいい奴?しかも部員だってよ…これは夢か…?)ツネッ
律・澪・紬「イエーーーーー!!!!!!wwwwwwwwwwwwwwww」
唯「…」ビクッ!
唯(やっぱりこのテンションにはついてけないけど…)
246
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 02:56:10 ID:Xf5MImpE
律「ほらw顔上げて上げてwwwww」
唯「は、はい…!」
律「記念に写メ撮ろうぜwwwwwwwww」
澪「それww私のカメラだしwwwwwwwww」
律「ハイ!ピースwwwwwwwwwwww」パシャッ…
澪「ねー平沢は何の楽器やりたいの?wwwwwwwww」
唯「そそその前に自己紹介お願いします…」
澪「あーわりーわりーwww私が秋山澪w律に無理矢理言われてベース担当wwwwwwよろしくなwwww」
律「あたしが田井中律wwwwwウチらん中じゃ一番チビだけどドラムやってるwwwwwwwwこれでもとりまぶちょーなんでそこんとこよろしくwwwwwwwwwwwwwww」
紬「私は琴吹紬wwwwwwww昔ピアノ習ってたからとりまキーボードやってるwwwwwwwwwwwwwwwwww眉毛ぶっといからそれで覚えてねwよろしくwwwwwwww」
247
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 03:04:42 ID:Xf5MImpE
唯「…皆さんありがとうございます。ご存じの通り、私は平沢唯です。楽器歴はありませんが、一つのことに熱中できることだけは誰にも負けません!あと、かわいいものと家でゴロゴロするのが好きです!宜しくお願いします!!」
澪「かわいいもの…!」
律「同学年なんだしタメでいいってwwwwww」
律「あと、ウチらにあだ名付けて勝手に呼んでくれwwwwwwwww澪やムギが呼んでるあだ名ででもいいがwwwww」
紬「例えば律はりっちー、澪は澪ちーとか!www」
律「お前のセンスは独特すぎるよなwwwwww」
唯「…りっちゃん!澪ちゃん!ムギちゃん!」
律・澪・紬「何!?」キラキラ…
唯「あ、の……ギターやってみても…いい…?」
248
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 03:14:56 ID:Xf5MImpE
唯「次回予告!」
唯「底辺高校生となった私、平沢唯は、ひょんなことから軽音部に入部した。部員は皆不良っぽいけど、意外と根はいい人…だったりして?そんな彼女らと2年になっても親睦を深めていく中、新入部員の中野梓ちゃんが入ってきて…!?」
唯「でも、ギター教えてくれるらしーし…和ちゃんが思ってるよりはとりま親切だったよ」
律「お前らも唯のギターの為にバイトしろwwwwwww」
澪「接客…、は、恥ずかしくてできるかそんなの!!!」
紬「もう一声!wwwwwもう一声!wwwww」
律「…え?軽音部は文化部なん?」
唯・律「合宿だ〜!www」
梓「…入部するの、辞めよう」
249
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 03:17:19 ID:Xf5MImpE
唯「次回!『ていおん!』また来週も見てね〜♪」
250
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 03:22:28 ID:Xf5MImpE
本当は最初のスレで辞めようと思ってました。でも、ヤジを飛ばしてくる人がいなかったので、とても清々しい気持ちで、書きたかったものをこうやって書くことができました。私の遺書にするつもりでしたが、本当にありがとうございました。
251
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 09:16:03 ID:miF4rqYU
どうも1です。またまた長編を書いてみようと思います。今回は書き溜めじゃないので書くペースが遅くなります。
252
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 09:18:28 ID:miF4rqYU
唯「え、ふ、ふざけてないよぉ…」
253
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 09:30:09 ID:miF4rqYU
平沢唯は、所謂「天然」と呼ばれる性格の、どこかにいそうでいないような、そんな不思議なオーラを纏った女子高生である。
彼女の所属している軽音部は、大雑把でムードメーカーなドラム担当の田井中律、しっかり者で美人だが人見知りのベース担当の秋山澪、おっとりぽわぽわと称される、どこか浮世離れした一面を持つキーボード担当の琴吹紬、そして、ギター担当の平沢唯で構成されている。
とはいえ、その半分はティータイムでできているとも考えられる。実に、顧問の山中さわ子が名付けた「放課後ティータイム」というバンド名は、日頃の唯達の様子を元に提案されたのである。
254
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 09:38:34 ID:miF4rqYU
唯達は、今日も部活に顔を出す。彼女達は、精を出すのを後回しに、ティータイムを楽しみにしてここに来るのだ。
「おはよー!」
今日も元気を取り繕う。周囲の視線が痛いから。
「よっ!今日は練習するぞ〜!」
「そうだな」
律達は、唯が来た途端にティータイムを止めてしまう。唯は数日続く内に、それに気づいてしまった。一見関与してないように見える紬も、それに流されて、寂しげに食器を片付ける。
255
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 09:48:35 ID:miF4rqYU
唯は、この光景を見る度に自分が喝を入れられている気分になる。何ヶ月か前には自分の居場所でもあった場所から、突然、静かに退散を願われた。
楽器初心者である唯は、自分の演奏が下手だからもっと練習しろと思われていることに、薄々気づいていた。
「唯、ここのコードまた忘れてるぞ」
自分より遥かに実力のある澪に指摘された唯は、はい、と答えるしかない。何が間違っているのかはわからないが、澪の丁寧な指導に身を委ね、とりあえず真似して弾いてみる。
「…どう、かな?」
256
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 10:24:03 ID:v4yzcBbA
ID変わりっぱなしですが1です。というかほぼ私しか書き込んでないので、荒らしがいない場合、このスレで建てるSSは99%私のだと思っておいてください。
257
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 10:44:32 ID:v4yzcBbA
演奏技術はまだ拙いものの、飲み込みの早い唯は、それを披露する度に律達に刺激を与えていた。特に澪は、自分の演奏技術に追いつかれてしまうのを焦って、唯が演奏する度に内心ハラハラしてしょうがない。しかし、彼女自身は唯に悪意を持っている訳ではない。だから、ジェラシーを感じている唯にも優しく指導することができる。
一方唯は、今までその才能を周囲に見つけられることはなかったので、自分の才能を卑下している。自分には何の才能もない、とすら思っている。律はいち早くそれを見抜き、唯に自信をつけさせようと、何度も励ました。澪は人の思考に鈍感なところがあるが、唯がとても自信あり気には見えなかったので、一方的な内に秘めた思いに対していたく罪悪感を抱いている。紬は唯が空元気でいることはなんとなく理解しているので、唯の気持ちを汲み取って、できるだけ部室を楽しい雰囲気にさせてあげたいと思っている。
258
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 11:05:26 ID:v4yzcBbA
唯は、優しい仲間に恵まれたと思っている。職員室で初対面だった律に睨まれたり、半ば強引に部室に連れていかれて演奏を聞かされたりはしたが、それも今となってはいい思い出だ。
唯と律達はクラスも違うので、唯が浮いてもおかしくはない。そう考えると、こうして一緒に話して演奏してくれるだけでもありがたいものである。唯はそう、自分の不満を押し殺してきた。入部して律達に打ち解けた後と態度が一貫して同じなのは、それのおかげである。
259
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 11:12:26 ID:v4yzcBbA
「えへへ…上達って難しいもんだねぇ」
「そうだぞ。あたしも最初は戦力外通告されそうなぐらい下手だったし」
「律はまだしも…、唯ならあと何ヶ月かすればきっと上手くなるよ」
「そうだといいなぁ〜。ありがとうりっちゃん、澪ちゃん」
紬はティータイムのこともあって、どう振舞えば良いかわからず、ただ黙って上品な笑みを浮かべている。
260
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 11:33:34 ID:v4yzcBbA
そんなある日のことだった。唯はいつものように失敗をしては、その恥ずかしさから苦笑いを止めることはできなかった。
「えへへ…。今日もごめんね…」
いくら飲み込みの早い彼女でも、演奏技術まではどう足掻いても律達には追いつかない。だから、それなりに家でも練習はしていた。それなのに、
「…いや、何でいつもそこでヘラヘラしてるの?」
と、呆気なく言われた。誰に言われたのかは覚えていないが、言われたことだけは記憶に残っている。
「ヘラヘラ…?」
「そう。笑えば済むの?そんなんでいい演奏ができると思ってるの?『わからないことがあったら聞いてね』って言ったじゃん…」
誰かがまた言う。
「で、でも…これは私の技術の問題だし…」
「だからって笑ってられるの?普段練習はしないし、テストだって…!」
澪の怒りが収まらない中、律が畳みかける。
「まーまー、落ち着けって」
261
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 11:39:41 ID:v4yzcBbA
あれから唯は、軽音部として演奏するのに怯えていた。何で私がダメでりっちゃんならだらけてもいいの?何で何も知らないくせにヘラヘラしてるって言うの?そんな思考が脳内を駆け巡った。
答えは簡単。演奏技術が足りないからだ。もっと、もっと、もっと上手くならなきゃ。それで1ヶ月後また部活に出て、澪ちゃん達を見返してやるんだ…!
262
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 11:48:00 ID:v4yzcBbA
唯は学校にも行かず自分の部屋に引きこもって、基礎から徹底的にギターの弾き方を学び、吸収していった。
今の唯は、演奏技術では軽音部の3人を上回っている。かつてのさわ子のような演奏法までも、難なくこなせるようになった。
クラスメートやりっちゃん達は、私のことを心配してないだろうな。そんな思いをよそに、1ヶ月ぶりに学校へと足を運んだ。
「うへぇ〜…、歩いただけで汗が止まらないよ…」
家に引きこもっていたので当然のことだ。ただ、誰かに「そうだね」と賛同してもらいたくなったから口に出してみたに過ぎない。
263
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:00:43 ID:v4yzcBbA
「皆、久しぶり…。これだけ引きこもってたから、人並みにはギター弾けるようになったよ………」
唯は部室に入るや否や、いつもの明朗溌剌な声ではなく、どこかかすれたような声で3人を驚かせた。
ギターが弾けるようになったのと代償に、今度は人前での声の出し方を忘れてしまったのである。誰も彼女を見るまでは、声の持ち主を平沢唯だと気づかなかった。
「ゆ、唯…」
「唯ちゃん……久しぶり…」
澪だけは、とてつもなく罪悪感に呑まれて声が出ない。
「それとね、もう私ヘラヘラしないから…仲間外れにしないでほしいなぁ……なんてね…」
264
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:09:41 ID:v4yzcBbA
「仲間外れ」。そのつもりは律達にはない。彼女達は単純に、唯に練習してほしかっただけで、皆で唯をハブって談話しようとは思っていなかった。
「…仲間外れじゃなくて、私達は、唯ちゃんの練習が上手くいくように事を運んだだけよ」
「……そう。でもそれは私の演奏が下手だったからだよね…」
ムギの説得も、何となくは予測できたからあまり驚かなかった。唯はおもむろにラジカセを取り出し、弾き慣れた曲を流した。
「まあいいや、聞いてよ。今日はこの曲お披露目しよ〜っと…」
265
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:22:59 ID:v4yzcBbA
虚ろな目でギターの弦を弾く唯。曲のハードさとは相反して、唯とその周囲に奇妙な空気を生み出している。
指の動かし方がもはや素人のそれではない。口元にニヒルな笑みを浮かべては、華麗な指裁きで弦を思うがままに掻き鳴らす。
果たしてこれは、本当に唯なのだろうか…
「…どうだった?」
唯の質問に、律達は衝撃から逃れることができなくなった。何も言えない。それが答えだったから。
「……肯定ってことだと受け取っておくよ。もう疲れたから帰るね。バイバイ」
266
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:27:30 ID:v4yzcBbA
「ねえ、あの人が平沢さん…だよね?」
「随分雰囲気変わったよね。なんか、急に大人っぽくなったじゃん」
「しかも無口になってない?」
「でも滅茶苦茶ギター上手いって聞いたよ…」
267
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:32:42 ID:v4yzcBbA
私の噂をするのは耳障りだからやめて。今はギー太しかいらないの。「軽音部」?…あぁ、あの日から3人とも私に話しかけなくなっちゃったから、とっくに辞めちゃったよ。またヘラヘラしてるって思われたらやだしね。
「孤独を救うのは…」
「人間じゃない」
「私の勇気」
268
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:36:29 ID:v4yzcBbA
「…その逆でもある」
「何も信じずに生きるのは難しい」
「だから少しだけ縋らせて」
私を哀れまないで。いずれこうなることはわかってたから。私を強くするのは別れなの。
269
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 12:38:53 ID:v4yzcBbA
澪「遊ぼう!」
270
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 16:43:06 ID:v4yzcBbA
律「ちょっとちょっと!!今日の澪さんどうしたよ!?」
唯「どれどれ〜…」
澪「うわっ…!急におでこに触るなぁ!!」
唯「ごめんごめん…。ん〜、熱は無さそうだねっ」
澪「熱ぐらい自分でわかるわ…」
律「いや〜、あたしも澪が熱かもって思った!ナイス唯!」
唯「りっちゃん隊長!!」
271
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 16:49:25 ID:v4yzcBbA
紬「澪ちゃん、疲れてるんじゃない?紅茶にする?それともお茶にする?」
澪「疲れてないよ。っていうか何故その選択肢になった…」」
紬「そう?理由は…、なんとなーく♪」
澪「綾鷹って言っておけば良かったのかな?」
律「『選ばれたのは綾鷹でした。』…って、ちがーう!!!」
272
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 16:56:15 ID:v4yzcBbA
律「…で、何で急に遊ぼうと…?」
澪「…受験に受かる気がしないから…。絶対落ちるから…!私浪人生になっちゃうよお……!どうしよう律ぅぅぅ!!!!」
律(だから昨日動物ネタの詩を送ってきたんだ…)
律「…要するに、現実逃避したいってことだな?」
澪「うう…」
唯「ムギカメラマン!今がシャッターチャンスっ!!」
紬「どんとこいです!」
273
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 17:21:12 ID:v4yzcBbA
澪「そんなわけで!合宿を!!始めたいと思いま〜〜〜す!!!」
澪「はい、皆さん静粛に、静粛に…」
律「ツッコミどころが多すぎるわ!!!!」
澪「あぅ」
唯「はいはいっ!今度こそお化け屋敷に行きたいで〜す!」
澪「ひいぃっ!!?」
律「はいっっ!あたしは食べて寝て漫画読みたいです!!」
唯「りっちゃんの提案、つまんなすぎるよ〜」
律「ぶー…」
紬「唯ちゃんにとっては日常だものね…」
律「ちぇーっ!ムギまで!…澪も『いつかは食べて寝て漫画読んでたい』って言ったじゃん」
274
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 17:21:59 ID:v4yzcBbA
澪「『たまに』とは言った。だが今回は却下する!!!!!」
律「!?」
律「む、無慈悲な…!」
律「お前それでも親友かよ!?」
澪「一応な」
律「…何か悲しくなってきた。うわーん!あたしもお化け屋敷に一票くれてやるっ!!」
275
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 17:26:16 ID:v4yzcBbA
澪「お、お化け屋敷だけはどうかやめてください…!」
紬「あらあら」
律「澪、お化け屋敷から帰ってきた後、夜中におねしょしそー…。ププッ!」
律「あだっ!?」
唯「りっちゃん最近下品だよ!」
律(バッサリだー…)
梓「…私の存在忘れてません?」
276
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/16(土) 18:06:38 ID:v4yzcBbA
唯「結局海に決まったね!」
律「いえ〜い!!…ん?いつもの合宿と同じパターン?」
紬「今回は外国の海よ♪」
澪「ああ。一度は地中海で泳いでみたかったんだ…!『地中海で踊る檸檬』、っと…」
律(幼馴染だからある程度のことはわかるんだけど、澪の独特の詩についてはさっぱり…)
唯「それ、なんかカッコいい!!地中海で浴びる檸檬のシャワーかぁ、いいなぁ〜!」
澪「わかってくれたんだ!!そうだよ唯!檸檬オイルと海水で、酸味が決め手の潮が…!」
律・紬(!?)
唯「わかる!わかるよ!!レモン塩唐揚げにかけて食べたいなぁ〜♪」
澪「唯、ストーップストップストーップ…食べちゃダメ!!グロテスクすぎる!!!」
唯「?そ、そうなんだ!」
律「…唯。お疲れ」
277
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/17(日) 13:31:30 ID:BHeK.oFA
澪「今日は勉強も練習も何もしなくていいんだ!何なら寝ちゃえ寝ちゃえ〜〜〜〜!!!!!!!」
律「澪が壊れた…」
梓「とっくに壊れてません?」
唯「私も眠くなってきたや…。澪ちゃん一緒に寝よぉ」
澪「ああ、大歓迎だ!昼寝部、これにて結成!!!」
紬「ここは軽音部よ澪ちゃん」
律「なんっかアニメで聞いたことのある部活だな…」
278
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/17(日) 13:38:16 ID:BHeK.oFA
唯「…」
澪「……おい!先に寝るなんてズルいぞ!!」
澪「私も寝たいよ…」
律「受験生になるために完全に朝型の体質になったんだな」
紬「うふふ♪」
梓「受験生って、思ってたよりも何だか大変そうですね…」
律「そうだぞ〜?あたしのクラスにも休み時間に数列をひたすら唱えてる子がいるぐらいだ!」
梓「…律先輩よりはいい大学に行けそうですけどね、その先輩」
律「今に見てろよ!!中野おおおおおお!!!!!!」
梓「律先輩まで壊れちゃいました…」
紬「大丈夫、これが通常運転よ」
梓「…そうなんですね」
279
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/17(日) 13:44:08 ID:BHeK.oFA
唯「ネットの回線が狂ったので、まともに書き込めなくなりました!」
律「昨日の風でか?」
唯「多分そう…だと思う。うん」
律「それは仕方ない。…が!唯の場合は、メンテナンスを怠ってるからかもしれんぞ」
唯「…あはは」
律「その影響もあるだろ!良い子の皆は定期的にキャッシュを削除しような!」
唯「酷いよりっちゃん!私も良い子だからね!?」
280
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:03:02 ID:jEvIkXqU
律「おああああああああああああああ!!!!!!」ガリガリガリガリ
澪「いつのまにか律がガリ勉に…!」
梓「それ多分私のせいです…。すみません」
澪「いや、いいんだ。このままだと同じ大学に行けそうになかったし…梓には感謝してるよ」
梓「澪先輩…!」トゥンク…
唯「ムギちゃん、何撮ってるの?」
紬「シーッ!!!」
梓(…何か突っ込んだらおしまいな気がする)
281
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/18(月) 13:07:13 ID:jEvIkXqU
ダンッ!!
澪「でも!!!!皆もっと遊べばいいのに!!!!!私だけはしゃいでて馬鹿みたいじゃないか!!!!!!!」
唯「今の澪ちゃんので完全に眠気が覚めたよ。ありがとう」
澪(そうじゃないだろ…!)
梓「あ、あはははははは、はははは」
紬「こんな澪ちゃんは初めて見たわ」
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